地方出版に未来メッセ-ジが大きな力に 和田由美さん=亜璃西(ありす)社社長
だれが「本」を殺すのか 価格:¥ 1,890(税込) 発売日:2001-02 |
かれこれ7年くらい前の会社経営が一番つらい時期に、たまたま書 店で、このタイトルが目にとまって、ペ-ジをめくってみたところ、中 に亜璃西社」といううちの会社名が載っているじゃありませんか。驚 きましたねえ。もっとも、すぐに買って、隅々まで読みましたけれど、 載ったのはうちの会社名の四文字だけ。しかも、出版社の社名には 読みにくい難しい名前が多すぎます、という苦言の中で取り上げられ た例の一つだったので、自慢にはなりません。それでも、一人前に 認められたようでうれしかった。たとえどんな出方であろうとも、です。 この本には、きちんとしたメッセ-ジで、地方出版には未来がある、と 書いてあります。もはや中央思考で何かをつくる時代ではない、私は この本から大きな力をもらいました。その後も、この言葉を繰り返し自 分に言い聞かせています。半面、厳しいことも書いてあります。日本 では、およそ毎月二万点くらいの新刊が発行されているが、中身のな いどうでもいい本がおおすぎると。それが出版業界全体の「底下げ」 原因になっていると。書店の多くは新刊を優先しているので、「駄本」 が平台を占領してしまい、良い本であっても早々片隅に追いやられて しまうと。悪循環ですね。本を作る側の人間としても読書好きの一人と しても、この一冊はお薦めです。
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