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生きた細菌 合成ゲノムで

2010-05-25 12:51:22 | ニュース

米研究チ-ム 世界初、人工生命へ前進

100_7669 [ワシントン共同]人の工的に合成した細菌のゲノム(全遺伝子情報)を別の細菌の細胞に組み込み、生きた細菌を作ることに成功したと、米国のクレイグ・ベンタ-博士が率いる研究チ-ムが20日付けの米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。ウイルスを人工的に作った例はあるが、ゲノムがより複雑な細菌での成功は世界初という。細胞膜や細胞内の物質は人工合成していないため完全な「人工生命」ではないが、その実現に近づく画期的な技術と言える。チ-ムは今後、バイオ燃料を製造したり、有害物質を分解したりする有用な微生物作製を試みたいとしている。一方、人工的な生物を環境中で利用した場合、ほかの生物や自然環境にどのような影響を与えるのか未解明な点が多い。生物兵器開発に利用される恐れも指摘され、規制を求める声も強まりそうだ。作製したのは、「遺伝情報として約100万個の塩基対を持つ「マイコプラズマ・ミコイデム」という細菌とほぼ同じゲノムを持つ細胞。チ-ムは、ミコイデスのゲノムの設計図を基に千塩基対程度の短い情報を持ったDNAの断片を化学的に合成。さらに、DNA断片を大腸菌や酵母菌に組込んでつなぎ合わせ、完全なゲノムを合成した。次に「マイコプラズマ・カプリコルム」という別の細菌を特殊な液体に入れて本来のゲノムを失わせ、そこに合成ゲノムを移籍。すると、カプリコルムの細胞内で合成ゲノムが働き始め、細胞の自己複製が始まった。また、この細菌の外見は正常なミコイデスに似ていたほか、ミコイデスと同じタンパク質しか生成しなかったという。

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