希望を求めて-再生へこう考える 子供と向き合う時間を
-北教組は労働運動とともに、戦後の教育現 場で子供の「学ぶ意欲」を引き出す授業の研究、 実践を重視してきました。 「授業は最優先の仕事で、授業の技量を磨き子 供たちとともに成長するのがわれわれの理想で す。そのために、授業の工夫やアイデアを発表し、教育研究集会 (教研集会)を続けています。しかし、最近は忙しさが増し、教研集会 に参加したくてもできない教職員がいます。事務作業や授業に無関 係な校務を軽減し、子供たちと向き合う時間を確保するためにも組合 が大切です」
「序列化」に反対
-授業の技量を重視する一方で、全国学力テストに反対する理由 は何ですか。 「学習到達度を調べることに反対なのではありません。テストによる 子供たちの序列化に反対なのです。全国一斉で受けさせ、結果を公 表する狙いは地域、学校、子供たちを点数で序列化し、教育に弱肉 強食の競争原理を持ち込むことにほかなりません。本当に大切な学 力、社会で生きていく働く力は、点数競争とは別な勉強で身につきま す」 「全国学力テストは、学校での査定昇級の動きとつながり、『管理職 に評価されるために学力テストの点数を上げなくては』という発想すら 生まれかねない。勉強の不得意な子供はどうなってしまいますか? 一部の学者が指摘するように、抽出方式のテストを、結果を非公表に して行えば十分です」 -しかし、全国学力テストで北教組は当初の「非協力姿勢」を道教委 に押し切られる形で撤回し、結果は完全実施となりました。 「われわれの主張を道民に理解してもらうための時間がなかった。来 年の第二回全国学力テストは、保護者をはじめ多くの人たちの理解 を得て実施を阻みたい。全国学力テストに先立ち、昨年12月の道教 委のいじめアンケ-トに反対したことでも『北教組はけしからん』と批 判を浴びましたが、もっと丁寧に道民に伝え、理解を得る必要を感じ ています」
いじめで報告書
-道教委のいじめアンケ-トに反対した理由は。 「あのアンケ-トは、いじめ解決に役立ちません。深刻ないじめ事件 が相次ぐ中で、道教委が形だけの対策を示すアリバイ作りでした。 むしろアンケ-トを行うことで子供同士に不信感が生まれ、『アン ケ-トに自分が書いた内容が漏れたらどうしよう』という不安をもたら した」 「クラス内の微妙な関係にアンテナを張り、真剣にいじめに立ち向 っている教師に、迷惑です。いじめの解決は現場の努力にかかって いる。あのアンケ-トが現実の対策で役立つたという話は聞きま せん」 -若手を中心に北教祖に加入しない「組合離れ」が進んでいます。 「組織率の低下は確かに問題です。若い教職員に組合の理念を分か ってもらわなくては-。北教祖はじめ問題でも、道教委のアンケ-トに 反対しただけではありません。組合員による『いじめ解決の実践報告 集』を今年6月に作成し、一般市民にも配布しました。こうした活動は 保護者にも知らされておらず、やはり情報発信の必要を痛感していま す」 -仕事に熱意のない組合員がいるとの批判も一部で聞かれます。 「教育の専門職としてしっかり仕事をすることが本来の組合活動の前 提です。まじめな教職員の多くが『もっと子供にかかわりたい』と望ん でいる。そのために『ゆとり』を確保することは大切ですが、楽をするた めの組合ではありません。教職員が子供たちとともに育つ教育を進め たい」
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