希望を求めて-再生へこう考える
-なぜ勉強が大切なのか、ということからうか がいます。 「勉強の一番のメリットは、頭が良くなることです。 運動で体が敏しょうになるように、人は勉強とい うトレ-ニングで知識がつくだけでなく頭が良くなり、 自制心がつきます」
ル-ル踏まえる
-頭が良くなるとは具体的に、どのようなことですか。 「文章や人の話を理解する読解力、情報を整理してつなげる文脈力、 物事の本質を把握し別な場面で応用する上達力などを含んでいます。 数字で3×xは3xと表記し、x3ではありません。ル-ルに基づき筋道 を立て目的に向かう力は多くの職業で必要ですし、私たちが他者を 信頼して社会を構成する前提でもあります。また心をコントロ-ルす る自制心は人間関係に大切ですが、『勉強したため粗暴ですぐキレ る性格になった』という話はめったにありません」 -受験競争の一方で、勉強や無関心な若者も増えている印象です。 「日本には昔から字を覚え、知識があることを尊ぶ歴史がありました。 経済のバブル時代の風潮とあいまって過去20年ほどの間に『知らな くてもいいじゃん。恥ずかしくないし、気楽だし-』という言葉が聞かれ るようになってしまった。勉強が すべての基準とはもちろん言いませ んが、昨今の教養無視は前代未聞です。小中学校の教育が鍵をにぎ っています」 -勉強とテストの関係については、いかがですか。 「テストは大切です。小中学校で教えることは『私たちの社会には、こ の知識が必要』というエッセンスで教師は不退転の覚悟で教えなくて はならない。『楽しい授業』だけど、成績はさっぱり上がらないのでは 意味がない。勉強の到達度を測り『この問題を解く力は大切』とメッ セ-ジを子供たちに発信し、同時に授業を検証することがテストの役 割です」
テスト通じ把握
-学力はテストだけでは測れないという主張もありますが。 「学力はテストで的確に把握できるというのが、私の考えです。教科 を理解し知識があるのにテストの点数はすごく悪い、あるいはその 逆-など、あり得ない。教師がテストを嫌ったり、テストが教育をねじ まげたりするなどと言ったら、それは『逃げの姿勢』で、もう教育にな りません」 -四十三年ぶりの全国学力テストで北海道は小学6年が全国で下 から数えて二番目の46位、中学3年が44位でした。 「他校とのわずかな差といった<せこい>比較は必要ありませんが、 学力を伸ばす『本気の努力』は大切です。部活動なら例がある。転勤 する先々で合唱部を見事にうまくしてコンク-ルで入賞させる先生が いますね。子供の歌の才能はどこも同じレベルで、合唱の練習環境 に都会も地方もありません。同じように、熟や予備校もなく、学力に対 する保護者の関心が概して低い地域の小中学校でも、先生たちが『う ちは国語の読解力で全国トップクラスを目指す』『算数の成績を全校で 上げよう』と結束すれば、効果は上がります」 「郷土意識は勉強にも有効で、親御さんたちはぜひ学校に足を運び 『君たちはこのマチの誇りだ』と、北海道日本ハムファイタ-ズを応援 する札幌ド-ムのあの空気を教室に送ってほしい。中には、教室が荒 れてしまって授業にならない学校もあるでしょう。そんな場合もやはり 『やってみたらできた』という喜びを子供に実感させる教育本来の魅力 で引っ張るしかありません。まず、最初に戻って一歩を踏み出すこと です」
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