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現代読書<ナビ>灯“教育”

2008-10-22 16:20:00 | 本と雑誌

「地域に開かれた学校」智恵、力 総結集し実現=尾木 直樹

学びの学校づくり―学力テスト不参加校犬山北小学校の改革への挑戦! 学びの学校づくり―学力テスト不参加校犬山北小学校の改革への挑戦!
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2008-02

学校開放でまち育て―サスティナブルタウンをめざして 学校開放でまち育て―サスティナブルタウンをめざして
価格:¥ 1,995(税込)
発売日:2008-01

言うは易しく、行なうは難しいのが、「地域に開かれた学校」づくり、                               ところが、PTAが学校の「教育活動」の一翼をになう中で成功させた                              学校がある。それが、全国一斉学力テストに2年連続不参加で「有                              名」になつた愛知県犬山市立犬山北小学校だ。「学びの学校づくり                              -学力テスト不参加校犬山北小学校の改革への挑戦!」には、「学                              校体制にPTAを位置づけること」が強調されている。つまり、PTAが、                            ①学校運営委員会に所属する②校務分掌に位置づけた協力体制                               を敷く③企画委員会にも参加する。これはPTAが文字通り学校運営                              の中核に位置することを意味している。学校と保護者同士だけでなく、                             子どもと保護者、保護者同士、子どもと地域、地域住民同士のふれあ                            い、さらには“学校を拠点にした地域住民が支え合う場”、つまり学校                             を地域の絆を取り戻す砦にしたいのだという。PTAによる活動は、一                             年生の給食支援、ソファカバ-作り、清掃活動見回り指導、親子ふれ                             あい授業、お相撲さんとの交流会など多彩だ。市内のPTAと共同して                            「教育フォ-ラム」を成功させたりしている。一方、「地域支援者学校                              支援」はNPO法人「ぽんぽこネットワ-ク」が「地域で支える町づくり」                             のスロ-ガンの下に活動。保護者、教諭、支援者が同じ土俵の上で、                            個々の子どもに対して何ができるかじっくり考えている。学校の重要                             事項は大学の教員、地域住民、PTA、学校関係者の四者、20人で                             構成する「学びの学校運営委員会」で決している。なんと民主主義的                            で解放的。みんなの智恵と力を総結集して学校づくりを進めている。                              

このように、深部運営の民主主義的改革に成功している例は、北小だ                             けではない。「学校開放でまち育て-サスティナプルタウンをめざして」                            の方は、犬山北小とは反対に、地域側から働きかけた「地域に開かれ                            た」学校づくりを通した“まちづくり”への挑戦である。地域が機能する小                            学校段階の特性を生かして、学校(千葉県習志野市立秋津小)の「施                            設」を活用して市民が学んでいる。つまり、学校を介して、地域の大人                            同士が手をつないでいるのである。著者はこれを「子縁(こえん)」と呼                            ぶ。市民が学校を活用し、楽しもうというのである。だから楽しくなけれ                            ばやらないと強調する。学校支援が目的ではないのがミソ。これこそが、                           十六年も続いている秘訣だろう。木工、陶芸、料理、家庭菜園、読み聞                           かせ、大正琴など、退職者や高齢者も含めて、市民がまるで公民館に                           集うように学校に足を運ぶ。しかし、学校には子どもがいるから、これら                            の活動がいつの間にか子どもたちを巻き込み、学校と地域が一体化し                            ていくのだ。「学社融合」である。訪問すると、エプロン姿の女性が気さ                            くに出入りしているのに驚く。まるで学校の中の“街”だ。こんな気楽な、                            逆転の発想が子育てと学校づくりとまちづくりを一体的に発展させるの                            だから、日本の学校もまだまだ希望が持てる。(教育評論家)

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