冷暖房や照明 IT制御で住宅の省エネ
日本の家庭部門からの二酸化炭素(CO2)排 出量は、京都議定書の基準年(1990年度)と 比べ30・4%も増えた。政府は、エネルギ-の無 駄遣いを控えるよう呼び掛けているが、家庭か らの削減を進めるにはどうすればいいのか。東 大の坂村健教授が提案するのはIT技術の活用 だ。一人しかいないのに、大きな部屋全体を暖めるのは無駄が多い。 部屋の中にセンサ-や組み込み式のコンピ-タ-を搭載した小型 の冷暖房器具、照明をたくさんつければ、人の動きに応じて細かく 機器を制御し、小型のエネルギ-で人のいる周りだけを快適にするこ とは不可能ではない。窓が自動的に外気の温度を検知して開閉す れば、夏場に涼しい風が吹いた時だけ窓を開けて外気を取り込む こともできる。家全体のエネルギ-使用状況を、テレビの画面で一目 で確認できるようにすれば、省エネの達成感を味わえる。住宅事業 も手掛けるトヨタ自動車は2004年、こうした坂村教授の考え方を取 り入れ、空調や照明、エネルギ-を自動最適制御する実験住宅を愛 知県長久手町に建設した。同社は「CO2削減で住む人に我慢を強 いるのはよくない。豊かさ2倍、環境負荷半減を実現する未来の住 宅を形にした」と話している。
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