青色照明“効能”続々や わらかな光「落ち着き」効果
青色の光に気持ちを落ち着かせる効果があるとして、自殺や犯罪抑止を狙って各地で青色照明灯が設置されている。踏切に導入したJRでは、飛び込み自殺が激減。闇を照らすやわらかい灯の“効能”に期待が高まっている。
踏切事故を防ぐ“切り札”として、JR西日本は2006年12月から阪和線や関西線に主に発光ダイオ-ド(LED)の照明の設置を始め、現在計59ヵ所に上る。それまで強引きに通過する車の事故や自殺が後を絶たなかった。警報機や遮断機を大きく見えやすくしたほか、レ-ザ-で踏切上の障害物を検知するシステムを導入。さらに心理的効果を期待し、青色照明を据え付けた。「事故防止のため、取りうるすべての手だてを試してみた」と同社大阪支社の森兼利治電気課長。該当する踏切では、05年4月から照明設置までの間に35件の自殺や事故が発生していたが、06年12月以降は2件だけ。森兼課長は「水銀灯より光がやわらかく、なじみやすい。使用電力も省エネ。好評です」。先鞭をつけたのは英国グラスゴ-。2000年、景観改善のため街灯をオレンジから青にかえると犯罪が減少する副次的効果があったとされる。グラスゴ-の例に目を付けた奈良県警は05年から団地や駅前駐輪場など約100ヵ所に3千基を超える青色防犯灯を取り付け、周辺地域の犯罪が約15%減った。県警は「青色の照明は夜間明るく浮き出て、見通しが良くなる。設置をきっかけにパトロ-ル活動が始まるなど自主防犯意識が高まった」と説明する。このほか東名高速東京インタ-付近の約1・8㌔に、「ドライバ-の疲労を癒やし、安全運転を促す狙い」(中日本高速道路)で青色照明152基が並ぶ。昨年7月から7件の自殺か゛起きた天ヶ瀬ダム(京都府宇治市)では、近畿地方整備局が12月、周囲に68基を取り付けた。奈良県警にもアドバイスした、色彩心理を研究する心理カウンセラ-元水しずかさんは「青は人の副交感神経に作用し、神経過敏となった状態を落ち着かせる鎮静効果がある」と話している。
ススキノに30基
道内では2007年9月、札幌中央署管内(札幌市中央区)のススキノ地区に初めて設置されて以降、現在までに同地区に青色街灯30基が設置されている。同署によると、青色街灯周辺での路上犯罪は、08年の1件にとどまるど、「一定の抑止効果の兆しはみられる」としている。東日本高速道路支社も今年2月、道央道の砂川サ-ビスエリア(SA)で、ごみ箱が設置されているトイレへの通路の屋根に青色蛍光灯を設置した。
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