太陽電池のコスト削減 薄膜化で電力料金安く
地球温暖化を食い止めるため日本政府は昨年、 温室効果ガスの排出量を世界で50%以下にす るという目標を打ち出した。気の遠くなる数字を 実現できるのか。研究開発が進む新技術を紹介 する。
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太陽光を電気に換える太陽電池。地球温暖化の原因となる二酸化 炭素(CO゛2)排出や騒音か゛ない上、設備の寿命が長く、関係者の 期待は大きい。課題は発電コスト。1㌔㍗時を発電するための費用 は46円。火力発電の7円の六倍以上になる。国内最大手のシャ- プ(大阪)は、値段の高いシリコンを薄く切ってパネルに張り付ける 従来方ではなく、表面に吹き付ける独自の方法で使用量を従来の 百分の一程度に抑える薄膜太陽電池と呼ばれる新タイプを開発。新 しい工場を堺市に建設中だ。年間製造能力は原発一基分に相当す る100万㌔㍗。量産効果で発電単価を家庭用の電力料金に近い1 ㌔㍗時当たり23円に下げことを目指す。「光を透過するので窓ガラ スにも取り付ける。家庭などに一気に広がる可能性がある」と同社 広報室の飯沢潤子さんは話している。さらに次世代型として植物の 光合成の原理を模倣した「色素増感型」や、レンズを使って集光する 手法も研究され、太陽電池は技術革新を迎えている。経済産業省は 2030年までにコストを7円まで下げることは不可能ではないとみて いる。
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