沢木 冬吾 著 「償いの椅子」を読みました。
五年前、脊髄に銃弾を受けて能見は足の自由を失い、そして同時に、親代わりと慕っていた秋葉をも失った。
車椅子に頼る身になった能見は、復讐のため、かつての仲間達の前に姿を現した。
刑事、公安、協力者たち。
複雑に絡み合う組織の中で、能見たちを陥れたのは誰なのか?
そしてその能見の五年間を調べる桜田もまた、公安不適格者として、いつしか陰の組織に組み込まれていた。
彼らの壮絶な戦いの結末は…。
骨太なハードボイルド小説
前半は主人公の視点と主人公を囲む何人もの登場人物からの視点で話が進むからなかなか話に入り込めない。
だが、主人公の過去が明らかになるにつれて、
悪党なのに限りなく優しい、ピュアなのに冷酷な、
この謎の男の独特のハードボイルドな魅力がわかってくる。
クライマックスに対峙する2人の男同士のアクションは、
映画「インファナル・アフェア」を思い起こす
ぎりぎりの緊張状態で圧巻!!