東野圭吾 著 「さまよう刃(やいば)」を読みました。
長峰の一人娘・絵摩の死体が荒川から発見された。
花火大会の帰りに、未成年の少年グループによって蹂躪された末の遺棄だった。
謎の密告電話によって犯人を知った長峰は、突き動かされるように娘の復讐に乗り出した。
犯人の一人を殺害し、さらに逃走する父親を、警察とマスコミが追う・・・。
刑法は国家が犯罪者を裁くためにある。
国家は被害者になり代わって裁くわけではない。
そして、未成年者の凶悪犯罪はたとえ逮捕されても
被害者遺族が納得する刑を受けることはまず少ない。
なぜなら、未成年は更生の可能性が重視されるから・・・。
理論的にはそうだと理解できても、
被害者の心情に思いを寄せれば、何ともやりきれない。
正義とは何か。
誰が犯人を裁くのか。
少年法や、犯罪被害者の人権について深く考えさせられる一冊。
主演 寺尾聰で映画化。 10月10日公開予定。