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建倉 圭介/デッドライン

2010年01月11日 | 小説


建倉 圭介 著 デッドラインを読みました。

 

第二次世界大戦末期、欧州戦線から米本国に帰還した日系二世のミノルは、世界初のコンピューター、「エニアック」の開発に参加する中、日本への原爆投下が間近であることを突き止める。

母国にいる家族を守るため、一刻も早く「降伏」を促さなければならない。

ミノルは、酒場で出会った日系人の踊り子エリイと共に、日本への密航を企てる。

すべてを投げ捨て、アメリカ大陸を北に向かう二人。

一方、原爆投下計画の漏洩を察知した米政府は、ミノルエリイの日本上陸を阻むべく、追跡チームを送り込む。

二人の壮大な逃避行がはじまる―。


北米大陸を横断し、アラスカを経由し、アリューシャン列島から樺太へ、そして北海道から東京へ、さらに広島へと向かう。

願いはただひとつ、原爆投下の阻止。

ミノルとエリイの激しい愛、ミノルを追う米軍側の日系人たちとの息詰まる攻防、そしてサスペンス漲(みなぎ)る終盤の対話と奔走。

単なる冒険小説にとどまらず、

コンピューターや原爆の開発史・開発秘話などの歴史的な側面も掘り下げられています。

また、白人vs日本人をはじめとする黄色人種・インディアン・エスキモー、日本人vs混血児・アイヌなどの人種(民族)差別、マイノリティ差別も丁寧に描かれています。

第二次世界大戦中に気高く生きた日系人たちの、命をかけた戦争を描く秀作です。

コメント
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