川あかり」を読みました。
川止めで、木賃宿に逗留し、足止めを食っている若き侍、伊藤七十郎。
藩で一番の臆病者と言われる男が、斬れと命じられた相手は、派閥争いの渦中にある家老。
家老が江戸から国に入る前を討つ。
すでに対岸まで来ているはずだ。
川明けを待つ間、思いもかけぬ市井の人々との触れ合い、さらには降って湧いたような災難が続き、気弱な七十郎の心は千々に乱れるが―
ひとびとのためにやると決意したのだ、と自分を叱咤した。
たとえ、歯が立たない相手であっても、どんなにみっともない結果になろうとも、全力を尽くすのみだ。
七十郎は叫びながら刀を抜いた。
「それがしは刺客でござる」。
直木賞受賞作の「蜩ノ記」を読んで作者のファンになりました。
以来、二冊目に読んだ「銀漢の賦」も、三冊目の「橘花抄」も良かった!
そして、四冊目が今回の作品です。
これまでの作品とは違って軽いタッチの娯楽時代小説といった内容でした。
藩で一番の臆病者、伊東七十郎が派閥争いに巻き込まれて家老の暗殺を命ぜられる。
その旅の途中、長雨で川を渡れず足止めにあい、木賃宿で待つことになった。
そこには一筋縄では行かない雑多な男女が同宿していた。
何時しか、彼らとの間に心温まる絆が結ばれて・・・
ついに、暗殺決行の日が訪れる。
登場人物が個性たっぷりで生き生きとしています。
まるで映画かドラマを観ているような感じで読めました。
そして、読み終わった後に優しくてほのぼのとする小説でした。