「弁護人」を観ました。
1980年代初頭、軍事政権下の韓国。
税務弁護士として多忙な毎日を送っていたソン・ウソクは、若い頃に世話になったクッパ店の息子で大学生のジヌが国家保安法違反容疑で逮捕されたことを知る。
拘置所へ面会に行ったウソクはジヌの信じられない姿に衝撃を受け、ジヌの弁護を引き受けることにするが……。
1981年チョン・ドファン軍事政権下で実際に起きた冤罪事件(釜林事件)を題材にした作品です。
公安警察による共産主義弾圧の名を借りた冤罪事件
ソウルオリンピックの少し前の韓国でこんな事件があった事を初めて知りました。
マスコミも司法も全て国家権力寄りの中、憲法や法律に則って敢然と冤罪を暴いていく主人公の姿は迫力があります。
その主人公は故ノ・ムヒョン大統領をモデルにしているそうです。
貧しい農家の出から苦学の末に司法試験に合格し、判事から弁護士になり、この事件をきっかけに政治の道を足を踏みいれ、やがて大統領にまで上り詰める。
若き日のノ・ムヒョンは正義感に燃える熱い漢でした。
しかし、その本人も大統領時代の不正資金疑惑をかけられて2009年に飛び降り自殺をしました。
その生涯を思うとやるせない気がします。
人生、どこに転機が転がっているのか分かりませんね。