学生時代に飲んでいたジンライムが何故か突然飲みたくなった。
で、ジンはどこでも売っているが、ライムジュースはあちこち探してもなかなか見つからなかった。
あきらめかけていたが、ついに見つけた。
明治屋の「My Lime カクテル用」ってやつだ。
ジンライムなんて何十年ぶりだろう。
なつかしい味だ。
一応カクテルとされているが、ジンのオンザロックにライムジュースを加えただけの簡単なものだ。
カクテルといえば
僕が通っていた大学のすぐ傍に、その大学の学生がメイン客の喫茶店があって、そこでアルバイトをしていたことがある。
ウエイターをやりながら合間に調理の仕事を教わった。
コーヒーの淹れ方、ジュースなどの作り方、サンドイッチやトーストなどのパンの調理・・・
一番最初に言われたのはレモン一個から指定された枚数以上のスライスを切ることで、これは結構初めからうまくできた記憶がある。
メニューにジンフィズがあったことで、シェーカーの振り方を教えてもらった。
そのうち夜は調理スタッフとして働いた。
ウエイターと調理と一人二役で働いていた時もあったような気がする。
学生メインの店なので、夜は客が少なかった。
夜は学生じゃない客がほとんどで、なかには、例えば、ココアにジンを少量入れてくれとか、マニアックな人もいた。
喫茶店には警察から全国指名手配犯のポスターが配られる。
店内に掲示することはなく、客で似た奴がいたら連絡しろという趣旨だ。
その全国指名手配犯で左翼過激派の一人に僕が似ているとオーナーの奥さんが疑っていると聞いた。
当然僕は指名手配犯ではないが、疑われているのはいい気持ちではなく、ほかにもいろいろあってその喫茶店を辞めた。
ただ、このことがきっかけでカクテルに目覚め、カクテルの本を買って、いろんなカクテルを作ってみた。
けっこう面白かった。
でも、結局、僕は少量のお酒をじっくり味わうよりは、量で飲むタイプなので、本にあるカクテルを一通り作ってしまうと、だんだん飽きてしまって、カクテルをやめた。