土谷棚田はトンボ返りこそしなかったものの、新型コロナ感染防止のため「不要不急の外出自粛」のビラが展望台のあちこちに貼りだされていて、「そのまま帰れ」と示唆していた。
蛍を撮りに行った中ノ島公園では駐車場が閉鎖されていて、スゴスゴと引き上げるしかなかった。
中ノ島公園はまだ近場なので落胆度は低いが、はるばる遠くまで出かけて同じように新型コロナのためにトンボ返りせざるをえなくなったら、落胆度は大きい。
というわけで、トンボ返りリスクがあるので、どこかに写真を撮りに出かける気がしなくなった。
それに、まだ6月というのに、暑い日が続いていて、夕方や夜になっても気温が落ちない。
汗っかきの僕は、歩き始めて10分くらい経つと、体が火照ってきて、汗が出始める。
そして、だんだん、拭いても拭いても汗が止まらない状態になる。
そうなると、大量の汗をかくだけで疲労感を覚え、気力が減退する。
つまり、間違いなく撮影ができる場所を見つけても、今の暑さであれば、汗だくになって撮影意欲がなくなる。
そんなことで、写真撮影に行くことに前向きの気持ちが失せてきて、過去に撮りためた動画の編集に取り組んでいる。
吉野山の桜は、ほかでは見られない、吉野ならではの独特の桜風景である。
平安時代からの桜の名所で、数々の歴史的逸話があり、多くの歌が詠まれている。
初めて吉野山を訪れたのは、取引先との日帰り旅行で、下千本、中千本をメインに見て回った。
2回目に訪れた、この動画の時は、上千本がメインになっている。
この動画の冒頭で、自分でもなぜそうしたのかわからないが、当時の愛車のナンバープレートを大写ししている。
なつかしの「野田」ナンバーだ。
この「野田」ナンバーは最初はとてもいやだった。
だって、それまでは東京の中でも最も人気の高い「品川」ナンバーだったわけだから。
「品川」の前は「横浜」ナンバーで、「横浜」から「品川」ときて「野田」なんて、あまりにもイメージ低下が甚だしい。
当時住んでいた千葉県松戸市からずっと離れた野田市に陸運局ができたことで「野田」ナンバーになってしまった。
それがなければ、「野田」よりはまだマシの「習志野」ナンバーだったはずだ。
とはいえ、だんだん慣れてくると、それなりに愛着が湧いてきた。
滋賀にいた頃、ドライブ先で「野田ってどこですか」とか「野田って醤油の町でしょ」とか何回か親しく声をかけてもらった。
この福岡で、ごくごくまれに「野田」ナンバーを見かけると、とてもうれしくなってしまう。
ちなみに、今の車は「滋賀」ナンバーだ。