憲法二問目
本問、BはA、国に対して損害賠償請求しているが、これは国会議員Aに認められた免責特権に反しないか。
Aは国会議員であり、免責特権の効力が及ぶ。
では、地方公聴会についても及ぶか、「議院で行った」に当たるか?
免責特権は、国民主権に基づく代表民主制にて選出された国会議員に付与されているものであり、直接民主制とすることは実質的に困難であり、実質的討論の確保ができず、少数者の人権が保護ができないおそれがある。そこで、実質的討論の確保、少数者の人権保護、能力のある者の発言を確保して、よりより国家意思形成に資するために規定されているのである。
とすると、議員としての立場で国政のための自由な討論、発言を確保する必要があるため、議院内のみならず、院外の活動においても免責特権の効力は及ぶとすべきである。
本問において、法律案の必要性を訴えており、国会議員としての発言といえることから、免責特権の対象となるというべきである。
また、ホームページにおいても、同様の内容を掲載しており、実質的討論の確保、国民に広く知らしめることに資することから、同じく対象になるというべきである。
以上から、BのAに対する損害賠償は認められない。
Aへの訴えは認められないが、国への国家賠償請求は認められるか。
国会議員の発言に免責特権が認められるとしても、その発言が正当化されるわけではない。
また、国に対して賠償させ、当該議員への求償を不可とすることで目的も達成することができる。
公務員の行為であり、Aには故意も認められる。
では違法か。
名誉棄損を違法とするとは、表現の自由の制約になるし、前述の国会議員の発言の自由を確保した意義が失われる。
そこで、国会議員の発言が、真実でないか又は、専ら公共の利益を図る目的ではなく、かつ、被害者に重大にして著しく回復困難な被害が生じる恐れがあるならば、国への損害賠償請求は認められる。
本問において、Aは弁護士であり、自分が担当している訴訟においても立証済みであり、真実である。
また、公共の利益を図る目的であるため、違法ではない。
したがって、Bは国への損害賠償請求は認められない。
BのAの所属する弁護士会への懲戒請求について。
弁護士としてのAに対する弁護士会の懲戒請求は認められるか。
しかし、免責特権としての地位を確保したのに、弁護士会の懲戒請求認めることは妥当でない。
そこで、免責特権は、民事、刑事上の責任を免責されるのであり、これに準じて弁護士会からの懲戒請求も否定すべきである。
よって、Aは免責特権として認められるのであり、弁護士会の懲戒請求も認められない。
したがって、Bの請求は認められない。
以上
感想
絶対的免責の抜け。
国家賠償の違法性の規範は分からず、名誉侵害と表現の自由の規範を使用。
しかも、公共の利害に関する事実について、というのが抜けているため、
真実なら常に免責されると読める…。