万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ワクチン安全説からリスクを読み取る

2021年07月06日 16時01分18秒 | 社会

 ワクチン接種をめぐっては、政府やマスメディアが安全アピールに傾斜する一方で、ネットやSNSでは健康被害の報告が後を絶ちません。ようやく大手メディアもワクチン接種会場にあって60歳代の男性が倒れ、救急搬送先の病院で亡くなった事例を報じるようになりましたが、6月下旬の段階でワクチン接種後に356名もの死亡例が報告されたことは厚生省も認めるところです。

 

 現状にあって、政府は、ワクチンに関する情報を全てデマと決めつけ、疑わしい健康被害についても全ての因果関係は悉く否定しています。因果関係さえ認めなければ、あらゆる健康被害は’なかったこと’にできますので、たとえ医科学的な根拠に基づいてワクチンのリスクを訴えても、門前払いとなるのです。それでは、ワクチン・リスクは、安全神話のシャワーを浴びて、人々の意識から洗い流されてしまうのでしょうか。諦めるのはまだ早く、何か方法があるのかもしれません。そして、その一つが、ワクチン推進派の人々の主張からリスクを読み取ることなのではないかと思うのです。

 

本ブログでは、6月28日付の記事で河野太郎ワクチン担当相がデマの根拠として挙げた資料からリスクを見出すという作業を試みてみました。同資料の他にも、ワクチン効果のアピールが同時にリスクを示唆する場合があります。例えば、ファイザー社は、自社のmRNAは遺伝子操作されているため、抗体産生効果が自然感染による抗体の十倍から数十倍に飛躍的にアップしていると自慢しています。その一方、このことは、短期間で消滅する自然のmRNAとは違い、人工的に修飾されたmRNAは、ヒトの体内あってスパイク蛋白を大量に作り続けていることを意味します。この事実こそ同ワクチンが劇薬とされる所以なのでしょうが、全てのワクチン接種者ではないにせよ、接種直後から体内に大量のスパイク蛋白質が生成されれば、ヒトの体に相当のダメージを与えることは容易に推測できます(血栓の原因となると共に、期間は不明なものの臓器への滞留や心筋症や心膜炎の原因に…)。

 

また、先日、ワクチン接種によるメモリーB細胞のリンパ節における長期的活性が同ワクチンの効果の持続性を示唆しているとの研究結果も報じられていました。これが事実であれば、ワクチンによる抗体効果が半年から8か月後には消滅するとする懸念については、完全に払拭されましょう。その反面、この報告も、安全説が言うほどにはワクチン接種の影響は一時的なものではなく、永続性を証明することにもなります。そして、メモリーB細胞の長期的活性は、RNAウィルスにありがちなADEのリスクを高める可能性もありますし、将来的には体内の慢性的な炎症、自己免疫疾患、あるいは、免疫不全等を誘発するかもしれません。また、メモリーB細胞によるワクチン効果が永続化する条件として、同抗体が効かない変異株が出現しない点を挙げていますが、このことも、変異株が登場すれば元の木阿弥となる可能性を示しています。

 

加えて、mRNAワクチンは、人工的にRNA鎖の塩基配列を即座に造り出せるため、変異株に対して即応できるとされています。この即応性のメリットも、変異株が出現する度にワクチンを打たなければならなくなりますので、過剰なワクチン接種のリスクを意味するデメリットともなりましょう。

 

政府や製薬会社側が積極的にリスクを証明する実験や検証を行うとは思えませんので(本来、生体検査や精密な解剖でリスク証明はできるはず…)、ワクチンに内在するリスクをワクチン安全派の人々にも理解してもらうためには、むしろ安全派の人々が主張する根拠に基づいてリスク面を説明するしかないのかもしれません。遺伝子ワクチンの劇的な効果こそ、自らのリスクを自ずと語っているのかもしれないのですから。


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