著作のサイン会のためにアメリカ郊外の片田舎に訪れた
小説家のホール・ボルティモア(ヴァル・キルマー)。
7つも盤面のある呪われた時計台が不気味にそびえたつその街では、
折しも数日前に身元不明の少女がまるで吸血鬼が成敗されたかのように
胸に杭を打ち込まれた姿で殺されているのが発見された。
ミステリー小説好きの保安官ボビー・ラグレインジ(ブルース・ダーン)は死体を見せ、
一緒に捜査し小説を書かないかとホールに持ちかける。
スランプに陥っている彼は乗り気ではなかったものの、
妻(ジョアンヌ・ウォーリー)やエージェントから次回作を促され、
仕方なしに題材を求めに街へ出る。
歩いているうちに、ホールはかつてエドガー・アラン・ポーが宿泊し
今は廃屋となっているチカリング・ホテルに辿り着く。
その夜、ホールは不思議な夢を見る。
V.と名乗る少女(エル・ファニング)とともに他愛ない話をしながら散策していると、
チカリング・ホテルの前に出る。なぜか入ることを拒むV.。
一人ホールがホテルの中に入り経営者と話をすると、
ホテルの床下には12人の子どもが埋められており、13番目の子は地獄に落ちたと言う。
ホールが表に出ると、殺された子どもたちの亡霊と子どもを抱えてその後を追う男の姿を目にする。
男を罵るV.。地下室へ戻っていく子どもたちと男の様子を見ていたホールは、
何を書くべきか手がかりを掴んだ気になる。
帰り道、吊り橋が崩れ落ちそうになっているところを
エドガー・アラン・ポー(ベン・チャップリン)に助けられたホールは、道を示してほしいとポーに懇願する。
翌朝、図書館に向かい新聞記事をあたっているうちに、
実際にチカリング・ホテルで12人の子どもたちが殺されていたことを知る。
保安官とともに執筆に取りかかることにしたホールは、睡眠薬で再び夢の世界へと入る。
夢に現れたポーは、子どもたちを世話していた牧師が、
子どもたちが吸血鬼になるくらいならと次々と喉を掻き切っていったこと、
一人逃げた少女は湖の対岸にいる若者グループのリーダー・フラミンゴに助けられたことを話す。
目覚めたホールは、エージェントから次回作を催促する電話を受ける。
なかなか筆が進まないことに苛立ったボビーは、胸に杭を打たれた少女は誰に殺されたのか探るため、
降霊板を使い霊界と交信することを提案。
Bの文字で装置が止まるのを見たボビーは、唐突にフラミンゴが犯人だと叫ぶ。
急いでフラミンゴのところへ向かった二人は、
彼から一人の少女が数日前から行方不明になっていることを知らされる。
ある確信のもと呪われた時計台に向かったホールは、杭に突き刺された死体を見つける。
泣く彼女を見てうろたえたホールは、時計台の階段を転がり落ち気絶する。
そして、V.の正体、二つの事件の真相、さらにホール自身の問題が浮かび上がってくる……。
(goo映画より)
フランシス・F・コッポラの最新作でしたが『コッポラの胡蝶の夢』の方が面白かったかな。
ゴシック・ホラーいやゴシック・ミステリーとはいえ、
ミステリーってほどではなかったようなw
胸に杭は刺さってるし、血も吹き飛ぶけど怖さも感じられず、
印象に残ったのはホール・ボルティモアの夢の世界、
パートカラーの美しい映像のみ。なんかもったいない…。
雰囲気たっぷりに、エドガー・アラン・ポーは登場するし、チカリング・ホテル事件もいいし、
娘を失った痛みを絡ませるのもいいんですが、話が最後まで散漫なような…。
時々睡魔に襲われながら観たのがいけなかったのか。
残念な映画でした。