Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

縮みゆくおとこ

2012-06-27 10:43:54 | コラム
放っておくと、わずか数ヶ月で豚になる体質である。

たとえば『すき家』でアルバイトしていたとき、365日、朝晩と牛肉を喰い続けた結果、10kgくらい増量した。
同じ量の牛肉を体内に摂り入れていた「はず」の相棒はいっこうに増量せず、ほんとうに食べても太らないひとが居るのだなぁと羨ましくなった。

自分の場合は体質ではないのではないか、
きっと産婦人科の先生が自分を取り上げる際、かーちゃんに「太り易い子かもしれません、胸が異常に厚いですから」と“予言”したことが原因だと責任転嫁してみ、、、ても、それは虚しくなるばかり。

ともかくそういう厄介な体質だから、ここ数年はずっと体重維持を課している。
呑み会や帰省で呑んだり喰ったりしたあとは、たとえ酔っていても帰宅後、すぐにジョギングなどをして体重のチェックをする。

食事制限をしたり運動をしたりして、ほんの数日で元の体重(だいたい71kg)に戻すのである。

71kg前後というのは、
170cmに少し足りない男子としては「太り気味」に入る体重だが、
似非ではあるものの格闘家を名乗りたい、さらにいえば、Tシャツ好きのため「それ」が似合うようにするための理想なのだった。

こういう生活も歳を重ねるごとにきつくなってきているものの、
負けそうになったときは、すぐに高校1年時の自分の写真を眺めることにしている。

そうしたら一瞬で食欲も失せるし、なんとかせねば・・・という気が起こるのであった。
(映画『セブン』(95)で最も秀逸なのは、犯人ジョン・ドゥが暴食(=gluttony)の罪で殺した豚男のことを、「アイツを見たすべての人間が、食欲をなくす」といってのけるところだろう)


しかし。
この数日で「逆に」、2~3kg落ちるという異常事態が起こった。

あれ?
ひたすら肉を喰っているのに―と思って、体重計に2度乗り直したくらい。

腰痛によりずっと寝ていたわけで、多少の増量はしょうがない、、、と覚悟していたのだけれど、まさかその逆とは。

まずいまずい、太ることよりはマシかもしれないが、自分の理想はあくまでも71kgだっての。
身体的に最も動き易い体重であるし、繰り返すが、多少マッチョ体型のほうがTシャツは似合うはずで。

80kg以上はもっとイヤだが、イマサラ? 70kg以下になるのもちょっと・・・と思い、食べる量を多くしてみたのだが、あらまぁ不思議、それでも体重は増えるどころか減っていくのである。

結果、現在は67kgに。


どうしたことだろう。

・・・って、数kgのことをイジイジ? とチョメチョメ? と考える柄かオメーが、若い女子かよ! と突っ込みたいひとは、もういちど上部リンクの、高校1年時の自分を見てみろっての。

ああいう感じになっていいと思えるひとだけ、そういう突っ込みは「あり」なんだよ。

いい思い出なんか、ひとつもないものね。


痩せなきゃいけないにしろ、太らなきゃいけないにしろ、そんな自分を励ましてくれる存在は、いつだってデ・ニーロであったりする。
トップ画像の『レイジング・ブル』(80)では、痩せたあとにアイスクリームを食べ続けて太るという役作りをやってのけたが、
ポール・シュレイダーによる脚本も完璧、マイケル・チャップマンによるカメラワークも絶品、モノクロ/カラーの使い分けも超絶的センス、演出のスコセッシにいたっては神の領域に達している、、、

ただこの映画の唯一の欠点は、どう見ても20代に見えないデ・ニーロが、主人公の青年時代を「そのまんま」で演じていることか。

傷がないとされる名画の、たったひとつの傷。
そういう傷って、映画小僧にとってたまらなくいとおしいものなんだよね。


随分と話が逸れたが。

そんなわけだから、太るためにやるだけやってみようと思う。

38年間の人生で、これは初めての感覚、
太ることに対しあれほどの? アレルギーを宿していたはずなのに、まさかこんな日がくるとは。

腰痛といい体重減といい、今年の6月は奇妙な月である。






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明日のコラムは・・・

『ぶっかけと人間仮免中』

コメント (3)
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