51年9月4日生まれ・現在61歳。
京都出身。
朴訥な。
大声も出さない感じ。
しかしそれでいて、ユーモアがぜんぜん通じないということもない。
小林薫(こばやし・かおる)さんの個人的イメージですが、
「参考に」と思ってウィキペディアで調べてみると、冒頭に「この存命人物の記事には、出典が全くありません」とあって、ちょっと笑ってしまいました。
まぁそんなこともあるでしょう、ともかく出演作多数とか大人気というわけではないけれど、
キャラクターにバチッとはまった瞬間、映画そのものを別の次元に誘う力を持つ俳優さんだと思うのです。
その例が、『コキーユ 貝殻』(99)でしょう。
原作漫画も素晴らしいですが、切なさという点において映画が勝っています。
『死の棘』(90)の岸部一徳にもいえることで、男が周囲を気にせずに大泣きする場面というのは諸刃の剣みたいなところがあるわけですが・・・
女(風吹ジュン)との遅過ぎる純愛を経て、彼女が死んだとき薫さんが見せる男泣きのシーンは、とっても、とっても胸に迫り、この映画を特別なものにしています。
観ていないひとは、ぜひ。
<経歴>
最初に薫さんを意識したのは、テレビドラマ『ふぞろいの林檎たち』(83、TBS)でした。
そういえばこの作品でも、ちょっと暗くて切ない恋愛(=根岸季衣)を展開していましたよね。そういうのが似合うのでしょうか。
唐十郎の「状況劇場」を退団後、映画の世界へ。
映画俳優デビュー作は、77年の篠田正浩監督作『はなれ瞽女おりん』。
『十八歳、海へ』(79)で注目され、『風の歌を聴け』(81)、『野獣刑事』(82)、『お葬式』(84)、『恋文』(85)など、地味ながら確かな演技力で業界内から高評価を受ける。
85年、森田芳光の力作『それから』に出演。
軽やかに代助を演じる松田優作と対照をなす、堅物演技で平岡に扮し作品に奥行きを与える。
その後もモリタ組として『そろばんずく』(86)や『悲しい色やねん』(88)に顔を出しつつ、
『ウンタマギルー』(89)、斉藤由貴のボディコン姿が拝める『香港パラダイス』(90)、『四万十川』(91)で好演、
その後しばらく作品に恵まれなかったものの、99年、前述した『コキーユ』の演技が絶賛され息を吹き返す。
『洗濯機は俺にまかせろ』(99)、『秘密』(99)、『黒い家』(99)、『阿修羅のごとく』(2003)、『クイール』(2004)、『紙屋悦子の青春』(2006)。
『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』(2007)、これまた「バチッと」はまった好例であるコメディ『歓喜の歌』(2008)、
刑務官の孤独な日常を描く『休暇』(2008)、『たみおのしあわせ』(2008)、
2010年は「当たり年」で、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(2010)、戦う映画監督・小林政広の傑作『春との旅』(2010)、『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』(2010)、『アブラクサスの祭』(2010)、力強い映像詩『海炭市叙景』(2010)と、快作に連続出演を果たす。
最新作は、『軽蔑』(2011)。
もう還暦を過ぎているのですね。
少しだけ若く見えるひとですから、まだまだ中年の孤独や悲哀というものを見せてもらいたいなぁ、、、なんて思います。
次回のにっぽん男優列伝は、小林稔侍さんから。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『映像の饒舌』
京都出身。
朴訥な。
大声も出さない感じ。
しかしそれでいて、ユーモアがぜんぜん通じないということもない。
小林薫(こばやし・かおる)さんの個人的イメージですが、
「参考に」と思ってウィキペディアで調べてみると、冒頭に「この存命人物の記事には、出典が全くありません」とあって、ちょっと笑ってしまいました。
まぁそんなこともあるでしょう、ともかく出演作多数とか大人気というわけではないけれど、
キャラクターにバチッとはまった瞬間、映画そのものを別の次元に誘う力を持つ俳優さんだと思うのです。
その例が、『コキーユ 貝殻』(99)でしょう。
原作漫画も素晴らしいですが、切なさという点において映画が勝っています。
『死の棘』(90)の岸部一徳にもいえることで、男が周囲を気にせずに大泣きする場面というのは諸刃の剣みたいなところがあるわけですが・・・
女(風吹ジュン)との遅過ぎる純愛を経て、彼女が死んだとき薫さんが見せる男泣きのシーンは、とっても、とっても胸に迫り、この映画を特別なものにしています。
観ていないひとは、ぜひ。
<経歴>
最初に薫さんを意識したのは、テレビドラマ『ふぞろいの林檎たち』(83、TBS)でした。
そういえばこの作品でも、ちょっと暗くて切ない恋愛(=根岸季衣)を展開していましたよね。そういうのが似合うのでしょうか。
唐十郎の「状況劇場」を退団後、映画の世界へ。
映画俳優デビュー作は、77年の篠田正浩監督作『はなれ瞽女おりん』。
『十八歳、海へ』(79)で注目され、『風の歌を聴け』(81)、『野獣刑事』(82)、『お葬式』(84)、『恋文』(85)など、地味ながら確かな演技力で業界内から高評価を受ける。
85年、森田芳光の力作『それから』に出演。
軽やかに代助を演じる松田優作と対照をなす、堅物演技で平岡に扮し作品に奥行きを与える。
その後もモリタ組として『そろばんずく』(86)や『悲しい色やねん』(88)に顔を出しつつ、
『ウンタマギルー』(89)、斉藤由貴のボディコン姿が拝める『香港パラダイス』(90)、『四万十川』(91)で好演、
その後しばらく作品に恵まれなかったものの、99年、前述した『コキーユ』の演技が絶賛され息を吹き返す。
『洗濯機は俺にまかせろ』(99)、『秘密』(99)、『黒い家』(99)、『阿修羅のごとく』(2003)、『クイール』(2004)、『紙屋悦子の青春』(2006)。
『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』(2007)、これまた「バチッと」はまった好例であるコメディ『歓喜の歌』(2008)、
刑務官の孤独な日常を描く『休暇』(2008)、『たみおのしあわせ』(2008)、
2010年は「当たり年」で、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(2010)、戦う映画監督・小林政広の傑作『春との旅』(2010)、『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』(2010)、『アブラクサスの祭』(2010)、力強い映像詩『海炭市叙景』(2010)と、快作に連続出演を果たす。
最新作は、『軽蔑』(2011)。
もう還暦を過ぎているのですね。
少しだけ若く見えるひとですから、まだまだ中年の孤独や悲哀というものを見せてもらいたいなぁ、、、なんて思います。
次回のにっぽん男優列伝は、小林稔侍さんから。
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明日のコラムは・・・
『映像の饒舌』