Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(24)

2012-11-27 03:15:06 | コラム
あーとしあたーぎる「ど」→「ど」なるど・さざーらんど(ドナルド・サザーランド)

マイケル・ダグラスは器用な俳優さんで、声の感じも、さらにいえばプライベートで話題と「なっちゃった」セックス中毒に関しても「このひとなら、あり」と思えるほど個人的には好きだけれど、それ以上に父親のカーク・ダグラスのほうが好き。
「問題児」チャーリー・シーンも好きだけれど、それ以上に父親のマーティン・シーンのほうが好き。

「その逆」バージョンとしては・・・
娘リヴ・タイラーのほうが、父親スティーブン・タイラーより好き。
娘アマンダ・プラマーのほうが、父親クリストファー・プラマーより好き。
娘ジェニファー・ジェイソン・リーのほうが、父親ビッグ・モローより好き。

・・・って、男/女で「より好き」を選ぶ場合、そりゃ男だったら女子を選びがちになるわな。

さて。
若いころは「ヤンチャなガキ」「悪と迎合する、厄介な青年」役ばかり、しかしジャック「24」バウアーを演じ、イメージをがらりと変えたキーファー・サザーランドも好きな俳優のひとり、、、なんだけれど、
やっぱり、父親のドナルドさんのほうが好き。

顔や図体、佇まいから漂ってくる「悪」のイメージは凄まじく、ほとんど善人を演じることがない。

冷酷。
狡猾。
そいでもって、自己保身。

最高の演技力で、最悪なキャラを嬉々として演じる。

現在77歳の名優は、カナダ出身。
あの冷たい感じはカナダ産によるものか・・・といったら、ちょっと偏見に過ぎるか。

ロバート・アルトマンの快作『M★A★S★H マッシュ』(70)で注目され、
30~40代のころは、それほど「悪」のイメージはなく、『ジョニーは戦場へ行った』(71…文末動画)では「神」のようなキャラクターを不思議な存在感で演じ、
ベルトリッチの『1900年』(76)、レッドフォードの『普通の人々』(80)と名作への出演がつづく。

しかし「ジジイ」と呼ばれる年齢になると、途端に「ワルキャラ」が似合うように。

『ロックアップ』(89)では、私怨から受刑者スタローンを徹底的にいじめる刑務所長を。
『JFK』(91)の「ミスターX」は、けっして悪いキャラではない、むしろ主人公の検事に「ヒント」を与える助っ人のはずなのに、「なぜか」胡散臭さ全開。
『バックドラフト』(91)では放火常習犯を、『アウトブレイク』(95)ではウィルス発生の陰謀に関わる「嫌~~なヤツ」を演じる。

事件・騒動の中核には、必ずヤツが居る―みたいな。

もちろん「まさか、コイツが!?」という意外性も映画には必要だけれど、
誰の目にも明らかな「やっぱり、コイツなんだよね」という分かり易さだって必要で。

種明かしより物語の筋よりテーマが重視される場合・・・
まぁちょっと乱暴な意見にはなってしまうけれど、「絵」だけで「コイツが悪いキャラ」と表現出来たほうがいいわけで、
だからドナルドさんはきょうも、「悪いキャラは居ないかな?」とニコニコしながらオファーのかかった脚本を読んでいる、、、はずである。


※観たひとのほとんどは、なぜか「ジョニ戦」と略すようになる。

「暗い感動」とは、こういう映画を観たあとの心理状態を指すんだろうな。
辛い映像体験だが、観てよかったと、きっと思えるはず。





次回のしりとりは・・・
どなるど・さざーらん「ど」→「ど」ん・さばてぃーに。

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明日のコラムは・・・

『おつかれさま―が、多かった年』

コメント (2)
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