Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

燃えつきるまで

2014-03-31 00:30:00 | コラム
・・・いや、『あしたのジョー』ではなくってね。

精神論のほうでなく、実際の「炎」の話。

漢字のデザイン? はよく出来たものがほんとうに多くて、「火がふたつ」で「炎」、完璧じゃないかと。


ちょっと危ないヤツかもしれないが、いや、そんなことはないだろう、少年のころ「炎の魔力」というものに取り憑かれた男子は多いのではないか。

マッチをするのが好きで、なにかが燃えるのを見るのが大好きで。

手伝いで最も気に入りだったのが、家中のゴミを集め、庭に設置されているドラム缶のなかでそれを燃やすこと。
かーちゃんは「ゴミが溜まってからでいい。週に2~3回くらいでいい」といったけれど、ほぼ毎日燃やしていた。

燃えるゴミを見て満足、
でも炎がすぐに小さくなるのが不満で、内緒で灯油を入れて炎を大きくしたり。

これがそのまま成人になったとしたらヤバいだろう、放火魔になってしまうかもしれないし。

そういえば昔、「くまえり」という女子の放火魔が居たっけ。
自分で放火して動画や写真を撮影しネットにアップ、それで閲覧数を増やしていた子だ。

女子では珍しい「炎の魔力に取り憑かれた」ひと、、、のようにも捉えられるが、いや、そうではなさそうだ。

注目されたかった―う~~ん、ふつうに可愛い子だったはずで、あんなことしなくてもモテたであろうにね。じつにもったいない。


放火の厄介なところは(当然だが)他者を巻き込んでしまうところ。
大抵の動機が「ムシャクシャしていた」で、そんな理由から家を燃やされたのではたまったものではない。

だからライターを持つ前に、炎が登場する映画を観て気を休めてほしいものである。


以下は、印象的な炎が登場する映画の10傑だ。


(1)『害虫』(2002)

まだインディーズに連続出演していたころの、宮崎あおいの代表作。

連れのキチガイが放火魔で、実際に炎に包まれた家を見て絶句する(あおいちゃんの)表情が素晴らしい。

(2)『グッドフェローズ』(90)

放火であることがばれないよう、地下に大量の蝋燭を仕込んで火をつける。

もはや、プロの手口だ。

(3)『タワーリング・インフェルノ』(74)

高層ビルの火災と群像劇を融合させた、パニック映画の最高峰。

オールスターの共演も楽しいが、手抜き工事が原因であるところなど、背景をきっちり描いているところはさすが。

(4)『あつもの』(99)

美と、エロスと、炎と。

菊(=あつもの)への偏愛も、エロスの前では完全に敗北してしまうところにリアリティがある。

小島聖が、ゾクゾクするほどいやらしかった。

(5)『許されざる者』(92)

焚き火の場面。

ふつう焚き火を介する会話は人間関係を深めるものだが、ここではそうならない。そこがじつに新鮮だった。

(6)『ダイハード』(88)

様々な爆破とともにいろんな炎が登場するが、やはりクライマックスの「屋上爆破で生じる炎」が印象に残る。

炎を遠景から捉えるショットが秀逸で、高校生だった自分は「アクションを理解している監督だなぁ!」なんて生意気に評価したものである。

(7)『クラッシュ』(2005)

すべての人間関係が浄化される「きっかけ」として登場する、焚き火「の、ようなもの」。

炎は興奮をもたらすだけでなく、ひとを落ち着かせる効果もあるようだ。

(8)『バックドラフト』(91)

放火魔と消防士たちの攻防を描く、ハリウッドならではの群像劇。

炎や水を描くことが出来る―CGの利点は、まさにここにあるのだと思う。

(9)『炎上』(58…トップ画像)

三島の『金閣寺』を下敷きにして撮られた、市川崑の最高傑作。

美への憧憬と、畏怖―それを表現した市川雷蔵も絶品。

(10)『キャリー』(76)

怨念という名の超能力で「ほぼ全員」を殺したあと、建物そのものを焼き尽くす。

この10傑のなかで最も美しい炎であり、自分は深く感動した。


※20世紀フォックスとワーナーブラザーズが共同で制作、このころはまだこういうの、珍しかったよね。

『タワーリング・インフェルノ』オープニング・クレジット




…………………………………………

本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『いつだって映画、なのさ。 + 3月コラムの目次』

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする