・・・いや、『あしたのジョー』ではなくってね。
精神論のほうでなく、実際の「炎」の話。
漢字のデザイン? はよく出来たものがほんとうに多くて、「火がふたつ」で「炎」、完璧じゃないかと。
ちょっと危ないヤツかもしれないが、いや、そんなことはないだろう、少年のころ「炎の魔力」というものに取り憑かれた男子は多いのではないか。
マッチをするのが好きで、なにかが燃えるのを見るのが大好きで。
手伝いで最も気に入りだったのが、家中のゴミを集め、庭に設置されているドラム缶のなかでそれを燃やすこと。
かーちゃんは「ゴミが溜まってからでいい。週に2~3回くらいでいい」といったけれど、ほぼ毎日燃やしていた。
燃えるゴミを見て満足、
でも炎がすぐに小さくなるのが不満で、内緒で灯油を入れて炎を大きくしたり。
これがそのまま成人になったとしたらヤバいだろう、放火魔になってしまうかもしれないし。
そういえば昔、「くまえり」という女子の放火魔が居たっけ。
自分で放火して動画や写真を撮影しネットにアップ、それで閲覧数を増やしていた子だ。
女子では珍しい「炎の魔力に取り憑かれた」ひと、、、のようにも捉えられるが、いや、そうではなさそうだ。
注目されたかった―う~~ん、ふつうに可愛い子だったはずで、あんなことしなくてもモテたであろうにね。じつにもったいない。
放火の厄介なところは(当然だが)他者を巻き込んでしまうところ。
大抵の動機が「ムシャクシャしていた」で、そんな理由から家を燃やされたのではたまったものではない。
だからライターを持つ前に、炎が登場する映画を観て気を休めてほしいものである。
以下は、印象的な炎が登場する映画の10傑だ。
(1)『害虫』(2002)
まだインディーズに連続出演していたころの、宮崎あおいの代表作。
連れのキチガイが放火魔で、実際に炎に包まれた家を見て絶句する(あおいちゃんの)表情が素晴らしい。
(2)『グッドフェローズ』(90)
放火であることがばれないよう、地下に大量の蝋燭を仕込んで火をつける。
もはや、プロの手口だ。
(3)『タワーリング・インフェルノ』(74)
高層ビルの火災と群像劇を融合させた、パニック映画の最高峰。
オールスターの共演も楽しいが、手抜き工事が原因であるところなど、背景をきっちり描いているところはさすが。
(4)『あつもの』(99)
美と、エロスと、炎と。
菊(=あつもの)への偏愛も、エロスの前では完全に敗北してしまうところにリアリティがある。
小島聖が、ゾクゾクするほどいやらしかった。
(5)『許されざる者』(92)
焚き火の場面。
ふつう焚き火を介する会話は人間関係を深めるものだが、ここではそうならない。そこがじつに新鮮だった。
(6)『ダイハード』(88)
様々な爆破とともにいろんな炎が登場するが、やはりクライマックスの「屋上爆破で生じる炎」が印象に残る。
炎を遠景から捉えるショットが秀逸で、高校生だった自分は「アクションを理解している監督だなぁ!」なんて生意気に評価したものである。
(7)『クラッシュ』(2005)
すべての人間関係が浄化される「きっかけ」として登場する、焚き火「の、ようなもの」。
炎は興奮をもたらすだけでなく、ひとを落ち着かせる効果もあるようだ。
(8)『バックドラフト』(91)
放火魔と消防士たちの攻防を描く、ハリウッドならではの群像劇。
炎や水を描くことが出来る―CGの利点は、まさにここにあるのだと思う。
(9)『炎上』(58…トップ画像)
三島の『金閣寺』を下敷きにして撮られた、市川崑の最高傑作。
美への憧憬と、畏怖―それを表現した市川雷蔵も絶品。
(10)『キャリー』(76)
怨念という名の超能力で「ほぼ全員」を殺したあと、建物そのものを焼き尽くす。
この10傑のなかで最も美しい炎であり、自分は深く感動した。
※20世紀フォックスとワーナーブラザーズが共同で制作、このころはまだこういうの、珍しかったよね。
『タワーリング・インフェルノ』オープニング・クレジット
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『いつだって映画、なのさ。 + 3月コラムの目次』
精神論のほうでなく、実際の「炎」の話。
漢字のデザイン? はよく出来たものがほんとうに多くて、「火がふたつ」で「炎」、完璧じゃないかと。
ちょっと危ないヤツかもしれないが、いや、そんなことはないだろう、少年のころ「炎の魔力」というものに取り憑かれた男子は多いのではないか。
マッチをするのが好きで、なにかが燃えるのを見るのが大好きで。
手伝いで最も気に入りだったのが、家中のゴミを集め、庭に設置されているドラム缶のなかでそれを燃やすこと。
かーちゃんは「ゴミが溜まってからでいい。週に2~3回くらいでいい」といったけれど、ほぼ毎日燃やしていた。
燃えるゴミを見て満足、
でも炎がすぐに小さくなるのが不満で、内緒で灯油を入れて炎を大きくしたり。
これがそのまま成人になったとしたらヤバいだろう、放火魔になってしまうかもしれないし。
そういえば昔、「くまえり」という女子の放火魔が居たっけ。
自分で放火して動画や写真を撮影しネットにアップ、それで閲覧数を増やしていた子だ。
女子では珍しい「炎の魔力に取り憑かれた」ひと、、、のようにも捉えられるが、いや、そうではなさそうだ。
注目されたかった―う~~ん、ふつうに可愛い子だったはずで、あんなことしなくてもモテたであろうにね。じつにもったいない。
放火の厄介なところは(当然だが)他者を巻き込んでしまうところ。
大抵の動機が「ムシャクシャしていた」で、そんな理由から家を燃やされたのではたまったものではない。
だからライターを持つ前に、炎が登場する映画を観て気を休めてほしいものである。
以下は、印象的な炎が登場する映画の10傑だ。
(1)『害虫』(2002)
まだインディーズに連続出演していたころの、宮崎あおいの代表作。
連れのキチガイが放火魔で、実際に炎に包まれた家を見て絶句する(あおいちゃんの)表情が素晴らしい。
(2)『グッドフェローズ』(90)
放火であることがばれないよう、地下に大量の蝋燭を仕込んで火をつける。
もはや、プロの手口だ。
(3)『タワーリング・インフェルノ』(74)
高層ビルの火災と群像劇を融合させた、パニック映画の最高峰。
オールスターの共演も楽しいが、手抜き工事が原因であるところなど、背景をきっちり描いているところはさすが。
(4)『あつもの』(99)
美と、エロスと、炎と。
菊(=あつもの)への偏愛も、エロスの前では完全に敗北してしまうところにリアリティがある。
小島聖が、ゾクゾクするほどいやらしかった。
(5)『許されざる者』(92)
焚き火の場面。
ふつう焚き火を介する会話は人間関係を深めるものだが、ここではそうならない。そこがじつに新鮮だった。
(6)『ダイハード』(88)
様々な爆破とともにいろんな炎が登場するが、やはりクライマックスの「屋上爆破で生じる炎」が印象に残る。
炎を遠景から捉えるショットが秀逸で、高校生だった自分は「アクションを理解している監督だなぁ!」なんて生意気に評価したものである。
(7)『クラッシュ』(2005)
すべての人間関係が浄化される「きっかけ」として登場する、焚き火「の、ようなもの」。
炎は興奮をもたらすだけでなく、ひとを落ち着かせる効果もあるようだ。
(8)『バックドラフト』(91)
放火魔と消防士たちの攻防を描く、ハリウッドならではの群像劇。
炎や水を描くことが出来る―CGの利点は、まさにここにあるのだと思う。
(9)『炎上』(58…トップ画像)
三島の『金閣寺』を下敷きにして撮られた、市川崑の最高傑作。
美への憧憬と、畏怖―それを表現した市川雷蔵も絶品。
(10)『キャリー』(76)
怨念という名の超能力で「ほぼ全員」を殺したあと、建物そのものを焼き尽くす。
この10傑のなかで最も美しい炎であり、自分は深く感動した。
※20世紀フォックスとワーナーブラザーズが共同で制作、このころはまだこういうの、珍しかったよね。
『タワーリング・インフェルノ』オープニング・クレジット
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