39年12月25日生まれ・2013年5月11日死去、享年73歳。
東京出身。
関係のない話から始めます。
元タレントでAV女優の小向美奈子が覚醒剤がらみの犯罪で3度目の逮捕、
速報が流れてすぐに、世話になっているエロ雑誌の編集長から連絡が入って「これについて、一本書いてくれ」と。
得意な分野? なのですぐに原稿を書いて送りましたが、なんだかな…と。
好きじゃあないけど、何度かインタビューしたことによって「情、のようなもの」が生まれていたんですよ。
彼女を守ってあげる存在は居なかったのか。
たとえば角川春樹も同じ罪で逮捕されたことがありますが、出所時、報道陣のマイクやカメラの攻撃を「壁」になって防いでくれる男が居ました。
それが、夏八木勲(なつやぎ・いさお)さんです。
あぁ分かる分かる、そういうことをしてくれそうなイメージ。
角川映画の常連でしたから恩義を感じているところもあったのでしょう、しかしそうでなかったとしても、たまたま現場に居合わせたとしても、守ってくれそうなひとです。
だから思うんです、小向美奈子の身近なひとに、夏八木さんみたいな男が居ればな、、、と。
そうすれば、3度も覚醒剤に手をつけることはなかったのではないかしら?
70歳を過ぎても、ピンと背中が張っているひとでした。
スポーツ万能で、合気道や空手の腕前はなかなかのものだったとか。
なるほど、知れば知るほど、イメージどおりのひとですね。
※『希望の国』予告編
<経歴>
慶應義塾大学を中退し「劇団俳優座」の養成所で「ふつうより長めの」研修を受け、66年に東映の専属俳優に。
映画俳優デビュー作は、66年の『骨までしゃぶる』。
直球の、しびれるタイトルですねぇ。
同年、五社英雄によるアクション『牙狼之介』で初主演を飾り、翌年の続編『牙狼之介 地獄斬り』にも主演し肉体派として注目を受ける。
『十一人の侍』(67)、『忍びの卍』(68)、『わが闘争』(68)、『兵隊やくざ 強奪』(68)など、キャリアを順調に築いていましたが、個人的な事情で東映を退社。活動拠点を東京に戻しました。
『内海の輪』(71)、『恋人って呼ばせて』(71)、『軍旗はためく下に』(72)、『女囚701号 さそり』(72)、『現代任侠史』(73)、『日本沈没』(73)、『仁義なき戦い 頂上作戦』(74)、『暴力街』(74)、『宵待草』(74)、
『子連れ殺人拳』(76)、『アラスカ物語』(77)、『ピラニア軍団 ダボシャツの天』(77)。
70年代後半より角川映画に連続出演、ある意味で「角川の顔」となる。
『人間の証明』(77)、『八つ墓村』(77)、『柳生一族の陰謀』(78)、『冬の華』(78)、『雲霧仁左衛門』(78)。
※夏木勲(なつき・いさお)名義で俳優活動していた作品…78年~84年
『野性の証明』(78)、『悪魔が来りて笛を吹く』(79)、『白昼の死角』(79)、『黄金の犬』(79)、『金田一耕助の冒険』(79)、『戦国自衛隊』(79)、『復活の日』(80)、『忍者武芸帖 百地三太夫』(80)、『化石の荒野』(82)、『鬼龍院花子の生涯』(82)、『丑三つの村』(83)、『白蛇抄』(83)、『北の螢』(84)、『上海バンスキング』(84)。
大作が多く、その年に話題になった作品には必ず参加している―そんなキャリアですね。
『聖女伝説』(85)、『キャバレー』(86)、『ボクの女に手を出すな』(86)、『首都消失』(87)、
『天と地と』(90)、『陽炎』(91)、『修羅の伝説』(92)、『首領を殺った男』(94)、『走らなあかん 夜明けまで』(96)、『なにわ忠臣蔵』(97)、
脇役ではありますが、個人的に夏八木さんの最高傑作だと思う『絆』(98)、
『虹の岬』(99)、
『ホタル』(2001)、『修羅のみち』(2001)、『赤い橋の下のぬるい水』(2001)、『コンセント』(2002)、『修羅の群れ』(2002)、『陽はまた昇る』(2002)、『宣戦布告』(2002)、『月の砂漠』(2003)、『アマレット』(2004)、
『またの日の知華』(2005)、『カーテンコール』(2005)、『シムソンズ』(2006)、『不撓不屈』(2006)、『眉山』(2007)、『劔岳 点の記』(2009)、『火天の城』(2009)
『ロストクライム ―閃光―』(2010)、『パートナーズ』(2010)、『アンダルシア 女神の報復』(2011)、『希望の国』(2012)、『のぼうの城』(2012)。
晩年は、規模やジャンルに関係なくオファーがあれば出演、壮観のキャリアですねぇ。
12年より膵癌を患い、しかし身内や親友以外にはそのことを明かさず俳優活動を継続、
化学療法などを始めましたが、13年の5月11日、永眠されました。
享年73歳。
遺作が判然としないほど公開作が控えており、この年に公開された作品だけでも・・・
『終戦のエンペラー』(2012、米国)
『脳男』(2013)
『ひまわりと子犬の7日間』(2013)
『サンゴレンジャー』(2013)
『そして父になる』(2013)
『永遠の0』(2013)
・・・と、こんなにあったのです。
合掌。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(264)生瀬勝久』
東京出身。
関係のない話から始めます。
元タレントでAV女優の小向美奈子が覚醒剤がらみの犯罪で3度目の逮捕、
速報が流れてすぐに、世話になっているエロ雑誌の編集長から連絡が入って「これについて、一本書いてくれ」と。
得意な分野? なのですぐに原稿を書いて送りましたが、なんだかな…と。
好きじゃあないけど、何度かインタビューしたことによって「情、のようなもの」が生まれていたんですよ。
彼女を守ってあげる存在は居なかったのか。
たとえば角川春樹も同じ罪で逮捕されたことがありますが、出所時、報道陣のマイクやカメラの攻撃を「壁」になって防いでくれる男が居ました。
それが、夏八木勲(なつやぎ・いさお)さんです。
あぁ分かる分かる、そういうことをしてくれそうなイメージ。
角川映画の常連でしたから恩義を感じているところもあったのでしょう、しかしそうでなかったとしても、たまたま現場に居合わせたとしても、守ってくれそうなひとです。
だから思うんです、小向美奈子の身近なひとに、夏八木さんみたいな男が居ればな、、、と。
そうすれば、3度も覚醒剤に手をつけることはなかったのではないかしら?
70歳を過ぎても、ピンと背中が張っているひとでした。
スポーツ万能で、合気道や空手の腕前はなかなかのものだったとか。
なるほど、知れば知るほど、イメージどおりのひとですね。
※『希望の国』予告編
<経歴>
慶應義塾大学を中退し「劇団俳優座」の養成所で「ふつうより長めの」研修を受け、66年に東映の専属俳優に。
映画俳優デビュー作は、66年の『骨までしゃぶる』。
直球の、しびれるタイトルですねぇ。
同年、五社英雄によるアクション『牙狼之介』で初主演を飾り、翌年の続編『牙狼之介 地獄斬り』にも主演し肉体派として注目を受ける。
『十一人の侍』(67)、『忍びの卍』(68)、『わが闘争』(68)、『兵隊やくざ 強奪』(68)など、キャリアを順調に築いていましたが、個人的な事情で東映を退社。活動拠点を東京に戻しました。
『内海の輪』(71)、『恋人って呼ばせて』(71)、『軍旗はためく下に』(72)、『女囚701号 さそり』(72)、『現代任侠史』(73)、『日本沈没』(73)、『仁義なき戦い 頂上作戦』(74)、『暴力街』(74)、『宵待草』(74)、
『子連れ殺人拳』(76)、『アラスカ物語』(77)、『ピラニア軍団 ダボシャツの天』(77)。
70年代後半より角川映画に連続出演、ある意味で「角川の顔」となる。
『人間の証明』(77)、『八つ墓村』(77)、『柳生一族の陰謀』(78)、『冬の華』(78)、『雲霧仁左衛門』(78)。
※夏木勲(なつき・いさお)名義で俳優活動していた作品…78年~84年
『野性の証明』(78)、『悪魔が来りて笛を吹く』(79)、『白昼の死角』(79)、『黄金の犬』(79)、『金田一耕助の冒険』(79)、『戦国自衛隊』(79)、『復活の日』(80)、『忍者武芸帖 百地三太夫』(80)、『化石の荒野』(82)、『鬼龍院花子の生涯』(82)、『丑三つの村』(83)、『白蛇抄』(83)、『北の螢』(84)、『上海バンスキング』(84)。
大作が多く、その年に話題になった作品には必ず参加している―そんなキャリアですね。
『聖女伝説』(85)、『キャバレー』(86)、『ボクの女に手を出すな』(86)、『首都消失』(87)、
『天と地と』(90)、『陽炎』(91)、『修羅の伝説』(92)、『首領を殺った男』(94)、『走らなあかん 夜明けまで』(96)、『なにわ忠臣蔵』(97)、
脇役ではありますが、個人的に夏八木さんの最高傑作だと思う『絆』(98)、
『虹の岬』(99)、
『ホタル』(2001)、『修羅のみち』(2001)、『赤い橋の下のぬるい水』(2001)、『コンセント』(2002)、『修羅の群れ』(2002)、『陽はまた昇る』(2002)、『宣戦布告』(2002)、『月の砂漠』(2003)、『アマレット』(2004)、
『またの日の知華』(2005)、『カーテンコール』(2005)、『シムソンズ』(2006)、『不撓不屈』(2006)、『眉山』(2007)、『劔岳 点の記』(2009)、『火天の城』(2009)
『ロストクライム ―閃光―』(2010)、『パートナーズ』(2010)、『アンダルシア 女神の報復』(2011)、『希望の国』(2012)、『のぼうの城』(2012)。
晩年は、規模やジャンルに関係なくオファーがあれば出演、壮観のキャリアですねぇ。
12年より膵癌を患い、しかし身内や親友以外にはそのことを明かさず俳優活動を継続、
化学療法などを始めましたが、13年の5月11日、永眠されました。
享年73歳。
遺作が判然としないほど公開作が控えており、この年に公開された作品だけでも・・・
『終戦のエンペラー』(2012、米国)
『脳男』(2013)
『ひまわりと子犬の7日間』(2013)
『サンゴレンジャー』(2013)
『そして父になる』(2013)
『永遠の0』(2013)
・・・と、こんなにあったのです。
合掌。
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明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(264)生瀬勝久』