Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

初体験 リッジモント・ハイ(116)

2015-02-26 06:00:17 | コラム
10年以上前のことである―。

父親が再婚することになって、どういう流れかは分からないが、自分は義母となるMさんに手紙を送った。

なんとなくしか覚えていないが・・・
牧野家へようこそ! 大歓迎です、クソがつくしょーもない男ですが、ほんとうの息子だと思って接してください・・・とかなんとか、そんなことを書いたのだと思う。

Mさん、それを読んで号泣したのだそうだ。

おぉ自分の文章には、ひとを泣かせる力があるのか―。
そのことがうれしくって、もういちどMさんを泣かせたいと思った。

だから再婚後の、Mさんの最初の誕生日に再び手紙を送ることにした。

「光永くん、プレゼントありがとう~。あと、手紙も、よかったよ~」

・・・あれ。

泣いてない?

くそぉ。。。


こういう経験があるひとは多いだろう、狙って書くと泣けない・笑えないものである。


仕事柄、結婚式のスピーチのアドバイスを乞われることが多い。

「お父さん、お母さんを泣かせたい」

まぁ分かるけどね。
でもああいう舞台に、テクニックは必要ない。
先日の『怒り新党』でもいっていたが、お父さんもお母さんも「泣きにきている」ところがあるので、ふだん涙しないことでもポロリとくるもの、真心こめて書けば大抵は成功するだろう。


「泣ける映画を教えてくれ」

これも困る。
スピーチのアドバイスよりも困る。

ひとには「それぞれ泣きどころがある」という当たり前の理由のほかにも、
泣くために映画を観ているわけではない、、、という理由もある。

自分が最も涙と鼻水を流した三大映画は、これ。

『ロッキー2』(79…トップ画像)

これに関しては繰り返し書いてきた気がするが・・・
ロッキーがアポロに勝つからではない、エイドリアンが難産で、そーとー苦しむからである。

恵まれない人生を歩んできたんだ、スムーズに生ませてやれよ! と、泣きながら本気で思ったものだ。

『奇跡の海』(96)

無償の愛を実践し、こころも身体もボロボロになっていくヒロインが、健気で健気で・・・。

でも、もしこの世に神が居るとするならば、彼女のようなひとに「その資格」が与えられるのだろうな、、、そんな風に思ったら神への道程が過酷に過ぎて同情を禁じ得なかった。

『カノン』(98)

悪あがきだけを支えとしていたダメオヤジが、最後の最後で泣き崩れる。
もうここで涙腺決壊、劇場が明るくなっても涙が止まらなくて困った。

涙を拭き、劇場から出ると、裏口に監督のギャスパー・ノエがマネージャーらしきひとと立っていた。

フランスのひとなのに「エクセレント!」といってしまったのだが、ノエはとびきりの笑顔で「サンキュ、サンキュ!」と返してくれた。

こんなひどい映画を創っておいて、こんなに素敵な笑顔。
そのギャップにやられて、また泣いてしまった。

※流れる『カノン』の旋律効果もあったのだろう。
本編映像が見つからなかったので、『エヴァ』のバージョンで。





涙もろい男ではある。

実生活で泣いた―となると、10年くらい遡らなければいけないが、スポーツや映画ではよく泣くし。

いちばん弱いのは、ある人物が、誰にも知られず努力している場面、、、とかかなぁ。


というわけで。
今回の初体験シリーズは、「映画館で、初めて泣いた作品」でいってみよう。

小さいころ―となると「怖くて泣いた」が入ってしまうので、「切なくて」とか「感動して」泣いたに限定して思い出してみることにする。


つづく。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(117)』

コメント (2)
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