Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

バスローブと、ジッポー

2015-02-10 00:10:00 | コラム
いまじゃ、とっても珍しいこと―といえるだろう、喫煙者「しか居ない」呑み会に参加してきた。

7人全員。
ほとんど奇跡といっていいんじゃないか。

まぁでも喫煙者のまわりには喫煙者が集まってくる・・・なんていうし、類は友を呼ぶってだけのことかもしれないが。

かつて7人も喫煙者が居ると、そのうち半分くらいはジッポーを持っていた。
しかし、自分を含めて全員が100円ライターで火をつけている。

どうしたことだろう。

自分は元々ジッポーのコレクターで、総数は100を超えていた。
借金大王になったころ、経済的事情からすべて売ってしまったんだ。(だけど禁煙はしなかった。本数も減らさなかったな~)

驚いたことに、値打ちがありそうな本やDVDを売ったときよりも「はるかに」高く売れた。
未使用のものが多かったから、、、かな。

ジッポーを使い出した理由は、そのほうがホンモノのスモーカーに思えたから。
そして、オトナになった気分を実感出来たから。

さらにいえば、「なんとなく」金を持っているように見られそうだから。

もうそんなこと気にするトシでもないので、ふつうに100円ライターを使っている。
オイルがなくなるまで、きっちり使い切っている。


かつての自分にとって、金持ちに見えるアイテムのひとつがジッポーだった、、、というわけなんだね。

ほかはなんだろう? と考えてみる。

一般的には高級車とか? ブランド物のバッグとか? 食事とか?

どれも分かるが、それよりかバスローブなんだよね個人的に。

いや、そんなに高いものではないよ。
でも、わざわざ買うものではないじゃない?
それを買っているというのが、経済的な余裕の表れというかね。

『天国と地獄』(63…トップ画像)の権藤さんも、バスローブを持っていた。

この映画の一大テーマは「経済的格差」であり、全編を通してそれにまつわる台詞が登場する。


「―たしかに、ここからあの家を眺めると、腹が立ってくるね。まったくお高く構えやがって…って」




「俺より金持ちはいっぱい居る! どうして俺が? しかもこんなときに? なぜ俺が!?」

「そこから見えるのか?」
「丘に家なんか建てやがって、どこからだって見えるよ。こっちは、茹だってるんだ。まさに地獄の釜のなかさ。そっちは冷房完備、涼しいくらいだろう」

「ものすごいひとだな、あのひとは」
「貧乏育ちのせいか、どうも金持ちは虫が好かん。最初はイヤな野郎かと思っていたんですけどね」


おそらくキャラクター設定の段階で、権藤さんにバスローブを着させるというアイデアはあったんだと思う。
現代では「ん?」かもしれないが、
制作当時の60年代ではバスローブを持っているひとなんて1割にも満たなかったはずで、その小道具だけで「金持ち」としての記号が有効だったろうから。


コワモテに怖気づくことはないが、金持ち相手だと、ちょっと怯む自分。

あぁそうだよ、所詮はその程度の男である。

だからバスローブに身を包んだ男が煙草をくわえ、ジッポーで火をつけたら、とりあえずヘコヘコしてしまうかもしれない。


※映画『レザボア・ドッグス』(92)で、ミスター・ホワイトがジッポーで火をつける動き

格好いいけど、ちょっと面倒だね。結局は点火せず、ふつうにやっているし笑




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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『イケてる最期 ~Tくんの死~』

コメント (3)
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