【17年度総括、その四】
~17年の書籍~
本年の総括、第4弾は、雑誌や写真集も含めた「書籍」の10傑。
じつはどのジャンルよりも頭を悩ませた10傑であり、こうして眺めてみると、「物語」を目指している人間なのに「物語」が少ない。
つまり、小説がほとんどない。
映画とはちがって、他者が創りだす物語に触れたいという思いはあまりなく、知的欲求のほうが強い、、、ということかもしれない。
と同時に、「紙」が売れない時代だからこその売り出しかた―戦略―に興味があり、そういう点で1位にした作品は「技あり。」どころか「一本!!」だったと思う。
(1)『夫のちんぽが入らない』(こだま著 扶桑社)
結婚はしたものの性交が出来ない―という内容も興味を引くものだったが、朝日新聞に載った広告に「やられた!」と感心した。
でかでかと載せるわけにはいかない、そんな負のタイトルを逆手に取っていて痛快。
(2)『ブルマーの謎 <女子の身体>と戦後日本』(山本雄二・著 青弓社)
ブルマーの隆盛? と衰退? その文化史。
(ブルマー愛好家として)助平な興味で読み進めたが、衰退していった背景は納得出来る。
あんなもの? は、愛好家だけが愛でればいいのだ。
(3)『INTO THE BLACK LODGE ツイン・ピークス読本』(滝本誠・監修 河出書房新社)
しつこいが、
ピーカーなものでして・・・苦笑
(4)『原点 THE ORIGIN』(安彦良和/斉藤光政・著 岩波書店)
『機動戦士ガンダム』チームのひとり、漫画家・安彦良和が自らのルーツを解き明かす。
とくに、学生運動を回想したエピソードが興味深かった。
(5)『エロ漫画表現史』(稀見理都・著 太田出版)
直接的なタイトルだが、中身もそうだったりする。
だがこれ1冊でひとつのジャンルを深く理解した気にさせてくれる、たいへん優れた研究書だと思う。
とくに『第5章 「アヘ顔」の系譜』『第7章 性器修正の苦闘史』が面白かった。
(6)『蜜蜂と遠雷』(恩田陸・著 幻冬舎)
この10傑のなかで唯一の「純粋なる小説」。
ピアノコンクールを舞台に、才能の輝きと、それに翻弄されるひとびとを描く。
夢中で読み、読み終わった直後にすぐ再読した。
(7)『岡崎に捧ぐ』(山本さほ著 小学館)
「自分は山本さんの人生の脇役として産まれてきた」
そんなことを発して作者を怖がらせた「岡崎さん」を描く、山本さほの自伝的コミック。
「おんなのこ、の友情物語」とされているが、おっさんが読んでも充分面白い。
(8)『BLUE GIANT』(石塚真一・著 小学館)
ジャズの世界を舞台とする青春コミック。
物語はすでに続編『SUPREME』に入っているが、夏にやっと第1巻を手に取った。
「なんとなくの予感」がするのだが、これは、のちに「実写」映画化されるのでは―?
(9)『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』(田中圭一・著 KADOKAWA)
手塚作品をも笑いに変えるパロディ漫画の大家、田中圭一が「うつ」に罹っていたことを「うつ」から脱するまで知らなかった。
本作は自身の体験だけでなく、「経験者」への取材を挟むことで、この病気を多角的に捉えることに成功していると思う。
(10)『本仮屋ユイカ 写真集 maururu』(ワニブックス)
解説は要らんでしょう、うつくしい女子をただただ眺めることにだって意味があるのだ。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『シネマしりとり「薀蓄篇」(227)』
~17年の書籍~
本年の総括、第4弾は、雑誌や写真集も含めた「書籍」の10傑。
じつはどのジャンルよりも頭を悩ませた10傑であり、こうして眺めてみると、「物語」を目指している人間なのに「物語」が少ない。
つまり、小説がほとんどない。
映画とはちがって、他者が創りだす物語に触れたいという思いはあまりなく、知的欲求のほうが強い、、、ということかもしれない。
と同時に、「紙」が売れない時代だからこその売り出しかた―戦略―に興味があり、そういう点で1位にした作品は「技あり。」どころか「一本!!」だったと思う。
(1)『夫のちんぽが入らない』(こだま著 扶桑社)
結婚はしたものの性交が出来ない―という内容も興味を引くものだったが、朝日新聞に載った広告に「やられた!」と感心した。
でかでかと載せるわけにはいかない、そんな負のタイトルを逆手に取っていて痛快。
(2)『ブルマーの謎 <女子の身体>と戦後日本』(山本雄二・著 青弓社)
ブルマーの隆盛? と衰退? その文化史。
(ブルマー愛好家として)助平な興味で読み進めたが、衰退していった背景は納得出来る。
あんなもの? は、愛好家だけが愛でればいいのだ。
(3)『INTO THE BLACK LODGE ツイン・ピークス読本』(滝本誠・監修 河出書房新社)
しつこいが、
ピーカーなものでして・・・苦笑
(4)『原点 THE ORIGIN』(安彦良和/斉藤光政・著 岩波書店)
『機動戦士ガンダム』チームのひとり、漫画家・安彦良和が自らのルーツを解き明かす。
とくに、学生運動を回想したエピソードが興味深かった。
(5)『エロ漫画表現史』(稀見理都・著 太田出版)
直接的なタイトルだが、中身もそうだったりする。
だがこれ1冊でひとつのジャンルを深く理解した気にさせてくれる、たいへん優れた研究書だと思う。
とくに『第5章 「アヘ顔」の系譜』『第7章 性器修正の苦闘史』が面白かった。
(6)『蜜蜂と遠雷』(恩田陸・著 幻冬舎)
この10傑のなかで唯一の「純粋なる小説」。
ピアノコンクールを舞台に、才能の輝きと、それに翻弄されるひとびとを描く。
夢中で読み、読み終わった直後にすぐ再読した。
(7)『岡崎に捧ぐ』(山本さほ著 小学館)
「自分は山本さんの人生の脇役として産まれてきた」
そんなことを発して作者を怖がらせた「岡崎さん」を描く、山本さほの自伝的コミック。
「おんなのこ、の友情物語」とされているが、おっさんが読んでも充分面白い。
(8)『BLUE GIANT』(石塚真一・著 小学館)
ジャズの世界を舞台とする青春コミック。
物語はすでに続編『SUPREME』に入っているが、夏にやっと第1巻を手に取った。
「なんとなくの予感」がするのだが、これは、のちに「実写」映画化されるのでは―?
(9)『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』(田中圭一・著 KADOKAWA)
手塚作品をも笑いに変えるパロディ漫画の大家、田中圭一が「うつ」に罹っていたことを「うつ」から脱するまで知らなかった。
本作は自身の体験だけでなく、「経験者」への取材を挟むことで、この病気を多角的に捉えることに成功していると思う。
(10)『本仮屋ユイカ 写真集 maururu』(ワニブックス)
解説は要らんでしょう、うつくしい女子をただただ眺めることにだって意味があるのだ。
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明日のコラムは・・・
『シネマしりとり「薀蓄篇」(227)』