Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(227)

2017-11-10 00:10:00 | コラム
びー「る」→「る」んぺん

ホームレス < 浮浪者 < 乞食 < ルンペン

どれも同じ意味だが、右に行くにしたがって蔑称的な意味合いが強くなる。

そういやガキのころは、町のホームレスをルンペンといっていた。
でも高校生のころにはホームレスといっていた「気がする」ので、80年代後半の自主規制的な流れが片田舎の高校生にまで広まった、、、ということだろうか。

ちなみにルンペンの語源はドイツ語「Lumpen」だそうで、本来は「ボロ服」を指すことば。


名作漫画『詩人ケン』(業田良家)に、じつは大金を隠し持っているホームレスのシゲさんが登場する。

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同情するな
哀れむな
けっして憐憫の情に手をつけるな

それでも友よ
心がつき動かされてしまうのなら

「かわいそうに」といってしまうのなら

自分の弱さを恥じてからだ―。



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これを読んでドキッとしたことがある。

あるが、それでもやっぱり、こころのどこかで「かわいそうに」と思ってしまう。
その意識が働くからだろう、ルンペンということばに「うしろめたさ、にちかいもの」を感じ、ホームレスと発するようになっていった・・・のかもしれない。


映画のなかにも、数多くのホームレスが登場する。

ホームレスは「ホームレスのまま」であることのほうが少なく、なんらかのドラマが起こってそこから脱する展開が多い。

それはそうかもしれない。
ホームレス万歳! とはやり難いだろうし。
そういう映画があれば、痛快は痛快だろうけれども。。。


以下、印象に残る映画のなかのホームレス5人。

(1)『フィッシャー・キング』(91…トップ画像)

「ある事件」によって、ホームレスになったというパリー(ロビン・ウィリアムズ)。

ハイライトは、やはりこのシーンでしょう。




(2)『大逆転』(83)

金持ち青年(ダン・エイクロイド)と、「ほぼ」ホームレスな黒人(エディ・マーフィー)による入れ替わりコメディ。

(3)デヴィッド・リンチの映画

どの作品が・・・ということではなく、90年代以降のリンチ映画には「ホームレスっぽい」キャラクターがワンサカ登場してくる。

(4)『ホームレス中学生』(2008)

現在はバスケ批評家みたいになった笑、麒麟・田村裕によるベストセラー小説を映画化。

じつは小説も映画も「ぜんぜん」感心はしなかった。
このエピソードが真の意味で面白かったのは『すべらない話』で披露したとき「だけ」だったのでは? と。

ただ、タイトルに冠されていることから、本作を想起するひとも多いだろうと思って。

(5)『ビバリーヒルズ・バム』(85)

ジャン・ルノワールの『素晴らしき放浪者』(32)をハリウッド・リメイク。

ニック・ノルティが豪快なホームレスに扮していて、ひょっとしたら、映画キャリアで最高の演技かも?


※日米で共通する認識は、「どっかで拾ったであろう新聞」かな笑




あすのしりとりは・・・
るん「ぺん」→「ぺん」き。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(228)』
コメント (2)
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