Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

director is supervised

2019-08-14 07:08:55 | コラム
※きょうのタイトルが、英語的に正しいかどうかは、ちょっと放っておいてね笑※


山田孝之くんが伝説のAV監督・村西とおるを怪演してみせるNetflix産のドラマ、『全裸監督』がめっぽう面白い。




「むちゃくちゃ」やってきた、それでいて「革命的」なひとなので、誰がどう料理しても「ある水準」には達するのかも・・・と一瞬は思ったが、いやいやそれはないね、

こういう題材は少しでも「ひよったり」してはダメだし、
数ある驚嘆エピソードのなかから「なにを描いて」「なにを描かないか」、その選択に失敗し凡作と化す可能性だって高いはずだもの。


画家や音楽家などアーティストの伝記映画は多いのに、実在の映画監督が素材に上がる作品って、じつは少ない。

最も成功した例は、ティム・バートンによる『エド・ウッド』(94)でしょうね。

誰も褒めてくれないのに、めげずに映画を撮りつづけた「映画監督としての才能はない」男の物語。

あれは胸を打つものがあった。


そこできょうは、この監督の半生なら映像で観てみたいな! と思わせる映画監督5人を挙げてみよう。

意外とベタな並びだが、人間的に面白そうなひとばかりでしょ?


(1)ピエル・パオロ・パゾリーニ

暴行ののちに車に轢き殺される―イタリアを代表する鬼才の最期は、あまりにも唐突でショッキングなものだった。



いくつかドキュメンタリーは制作されているが、冤罪の問題も孕んでいるため視点がぼやけてしまうものばかり。

デヴィッド・クローネンバーグ監督あたりに、180分の超大作として創ってほしい。


(2)黒澤明



未だ創られていないのは、おそらく偉大過ぎるから。

危惧すべきは、そんな偉大さばかりが強調されること。

伊能忠敬の伝記映画が失敗したのは、まさにそのためでしょう。

敬意を表していうけれど、ちょっとどうかしているひと、、、だったはずだもの。

だから。
大きく扱ってほしいのは、勝新太郎との確執や、自殺未遂のエピソードのほう。

これはぜひ、スコセッシに撮ってほしい。


(3)川島雄三

日本軽佻派を自称した、夭折の天才。

家を持たず放蕩生活を繰り返したのは、監督になったころから「筋萎縮性側索硬化症」を発症し、この世に生に諦念を抱いていたからかもしれない。

そのあたり、石井裕也だったら巧くさばいてくれそう。


(4)アルフレッド・ヒッチコック

すんごい才能の持ち主であることは、映画ファンでなくとも知っている。

だから、金髪フェチだったこと、起用した女優と寝たがったことなどを。

そういうところを描いても、一定の品を保つことは可能なはず。

若いころは無理だったかもしれない、でも現在のデ・パルマなら・・・と思っているのだがどうだろう。


※自作に必ずカメオ出演していたヒッチ、その全記録




(5)チャールズ・チャップリン



リチャード・アッテンボローが監督した伝記映画があるが、あの名匠でも失敗してしまった。

目配せをし過ぎて、かえって散漫になった気がする。

ことばを獲得してからのキャリア後期にしぼり、『独裁者』(40)の制作過程に迫る―映画としては、そういうほうが面白いかもね。

メガホンを持つのは・・・
そうだなぁ、キャスリン・ビグローとか意外とよいのかもしれない!!

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明日のコラムは・・・

『ごくごく』
コメント
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