Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

はっかにぶんのいち

2020-07-03 00:10:00 | コラム
自分の趣味やセンスを「置いておいて」、
それから、「作品の出来とは無関係に」、

すごいな大風呂敷だな、ちょっと真似出来ないなぁと思った映画のタイトルを挙げてみる。

(1)『愛と死をみつめて』(64)=同名原作あり


(2)『天国の大罪』(92)
(3)『Up』(2009)=『カールじいさんの空飛ぶ家』原題
(4)『8 1/2』(63)


(1)と(2)は、もう、なんというか純文学かよ!! みたいな。

どちらも吉永小百合主演なのは、「たまたま。」です。



話を戻し。
この世の最大のテーマみたいなものじゃない、生と死や、天国とか地獄って。

そういうのを扱う映画は山ほどあるよ、
黒澤の『生きる』(52)だってそうだけど、正面切って「そういう映画ですよ」といってのけるのは、ある意味では潔いし観客にも親切、
でもなぁ、自分はそんな自信はないよっていう。

(3)は、その逆というのか、あまりにも素っ気なくて。

(4)にいたっては、フェリーニが監督通算「8本」と「半分」目だから冠したタイトルだが、特権的というか、そーとーな評価を得られた監督だけに許されているようなものだから。

あれですよ、QTタランティーノが「第〇回監督作品」とやるのと同じ。

凡庸な監督があれをやっても、失笑を買うだけだものね。
(そういやスカパー!のデジタル番組表では、『8.5』と表記されていた。意味は同じだけど、なんだかしんせーーん笑)


Twitter上で、青木健生さんという漫画制作などをおこなうアーティストが、アマチュアさんのタイトル「のみ」の添削を展開していた。

「―あとタイトルは大事です。正直なところ、タイトルだけで作者の方の強化すべきところの6割は見えてきます」


そのとおり、だと自分でも思う。

青木さんづづけて曰く「タイトルを凝ったりするのは、売れてからでいい」。

売れて、その作家本人に値打ちがついて個性が周知されている状態であれば、いくら凝っても「あのひとだから」と受け入れられる。

シロートが凝ったところで、「どんな話か分からん」とそっぽを向かれる可能性が高いと。

極論ではあるが、なんか分かる。

そこをポイントにタイトルを作ってみれば、あるいは(1)は大正解かもしれない。

『愛と死をみつめて』は実際、「愛と死をみつめた」映画なんだもの。


・・・って、そんな、ヒトサマの作品をアレヤコレヤいっている場合じゃない。

ライター業も再開出来たわけだし、いよいよ本格的に自分も、シナリオの世界に戻って「なにかを」生み出さないとねぇ。




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明日のコラムは・・・

『穴1コ縮まる。』
コメント
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