Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(433)

2022-10-27 00:10:00 | コラム
ちみど「ろ」→「ろ」ーかるえいが

東京への憧憬というのか、そういうのはたぶん前世紀で終わってしまっている気がする。

東京でやり直す。とか、東京に行けばなんとかなる感。

自分もそう信じ込んでいたし、だから上京してきたのだし、

傑作四コマ漫画『自虐の詩』にもそれは描かれていたし、


長渕も中島みゆきも東京をそのように捉えていたでしょう。


♪死にたいくらいに憧れた、花の都・大東京 薄っぺらのボストンバッグ、北へ北へ向かった♪

♪うっかり燃やしたことにして、やっぱり燃やせんかったこの切符 あんたに送るけん持っとってよ、滲んだ文字・東京ゆき♪


ネット時代が到来したというのも大きいのかな、東京である・東京に居る必要がなくなった。

地方を舞台にした映画が増えた理由は、そこにあると思う。

昔から「ローカル映画」はあったけれど、当時は「ローカル色」こそが映画そのものの売りになっていて。
そこから解放された現在は、ローカル映画で「東京でしか描けなかった物語」が展開出来るようになった、、、というかね。

この現象は、90年代に盛んに創られた米産のサバービア(=郊外)映画に似ているかもしれない。


以下、厳選中の厳選、地方を舞台にした日本映画3傑(21世紀に創られたもの限定で)


『そこのみにて光輝く』(2014)

佐藤泰志原作、「函館3部作」の真ん中に位置する作品。

展開されるドラマそのものは舞台とは無関係のような気がする、そういう普遍性を帯びているのだよなぁ!!



『EUREKA』(2001)

21世紀の映画界は明るいと思わせてくれた、「シン」映画史に輝く青山真治の傑作。

一種のロードムービーであり、九州の風土が効果を上げている、、、ものの、物語そのものは、やはり東京が舞台でも可能だったからね~。



『怒り』(2016)

沖縄・千葉・東京を舞台としたオールスター映画。

沖縄編は沖縄である必要がありそうだが、暴論を承知でいえば、千葉と東京を入れ替えても可能であったろうし、またべつの地方都市でも通用はするのではないかな。



・・・で、自分なりの結論。
映画はそれでいいと思うし、そのほうが各地で経済効果が期待出来るところもあるでしょう。

それでも自分は東京が「大」好きだし、たぶん、東京でしか生きられないタイプなのだと思います。。。



あすのしりとりは・・・
ろーかるえい「が」→「が」しゅういんたつや。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(434)』
コメント (4)
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