Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

令和版・海外俳優列伝(119)ジャッキー・チェン(後)

2024-02-12 03:11:53 | コラム
さて成龍のあゆみ、三夜目です。

黄金期はもちろん、80年代~90年代前半。
所属していたゴールデンハーベストは成龍印の映画で大繁盛、先輩にあたるサモ・ハン・キンポー(親しみ易い見た目ですが、演出家としてもすごいひと)、後輩にあたるユン・ピョウも人気者になりました。

ただ面白いというか、世の中うまくいかないよね…と思うのが、
ハリウッド進出は何度も失敗、

『バトルクリーク・ブロー』(80)は北米では話題にもならず、

『キャノンボール』(81)ではなぜか日本人という設定、
※向こうのひとにとっては、東洋人という括りなので中国も韓国も日本も同じなのでしょう※

『プロテクター』(85)はハードボイルドタッチの演出だったため、「成龍の軽さ」が微塵も感じられない刑事映画の凡作に。

3度目の正直というか、『レッド・ブロンクス』(95)でやっと当たる。

しかし!
ハリウッドで成功を収めた途端、作品の出来とは無関係に香港での興行収入は激減。

魂を売ったのか?みたいな。。。
(ハリウッド進出が)香港返還と無縁ではなかったことも遠因なのでしょうが。

さらにいえば、日本で大人気だったころの成龍の大活躍って、(香港ではなく)中国ではまったく知られていない状況でした。

つまり。
日本・中国・米国の3エリアで同時に大ヒットしたことがないのです、おかしな話だ…。


さて。
『プロジェクトA』(83)でエンジンがかかった成龍は、ときにサモ・ハンに演出を任せ、ときに本人が監督をしながら快作を連続投下していきます。

3人のかけあいと美女のからみが楽しい『スパルタンX』(84)、


知恵遅れの兄との関係が泣かせる『ファースト・ミッション』(85)、

デパートのポールをつたうアクションは映画史に残るであろう『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(85)は・・・

・・・好評を受け、シリーズ化。

『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』(88)
『ポリス・ストーリー3』(92)
『ファイナル・プロジェクト』(96)
『香港国際警察/NEW POLICE STORY』(2004)
『ポリス・ストーリー/レジェンド』(2013)

尤も2017年の『ポリス・ストーリー REBORN』はタイトルだけな気もするけれど(^^;)


事故の速報が流れたとき―記憶がたしかならば、『笑っていいとも』放送直後に川端アナが報じた―死んだかとマジで思った『サンダーアーム/龍兄虎弟』(86)、


パート2モノとしては「かなりのレベル」に到達していると評価出来る『プロジェクトA2 史上最大の標的』(87)、
※この予告編、大好き!!※


『サイクロンZ』(88)、
監督作でひとつ挙げろといわれれば、自分は迷わずコレと即答する『奇蹟/ミラクル』(89)、
※ヒロイン、グロリア・イップ(右端)の起用は日本での彼女の人気を聞いて決めたのだとか※


『プロジェクト・イーグル』(91)、

中身はアレだけど、ジョイ・ウォンとゴクミちゃんがひたすら美しかった『シティーハンター』(93)、


『酔拳2』(94)などなど、スライやシュワ氏と同様、肉体派ここにあり!!という最強のフィルモグラフィを展開。


前述したようにハリウッド進出もなんとか成功、CG隆盛の時代へと変わっていく流れにもなんとかあわせていく器用さも併せ持つ。

けっこう誤解されることのひとつとして「あらゆるスタントを自分でこなしている」がありますが、これは自身が否定しています。
「スタントを起用することもあるし、特撮を駆使することもある」って。

あともうひとつ。
強調しておきたいのは、成龍こそ男女同権を「極端に」実行している監督だと思うのです。

出たてのころのマギー・チャンとか、コテンパンですし!!
女優さんにも「ときに」スタント抜きにやらせるところを見ると、けっこうなサディストなのかも^^


それ以降の作品に・・・
『ラッシュアワー』(98…好評を受けパート2が2001、3が2007年に制作)、
『シャンハイ・ナイト』(2003)、『新宿インシデント』(2009)、
ミヤギ的なキャラクターでウィル・スミスの息子、ジェイデン・スミスの相手を務めた『ベスト・キッド』(2010)、
『ライジング・ドラゴン』(2012)、
『プロジェクトV』(2020)、『プロジェクトX』(2023)など。


正直にいいますと作品のクオリティ的に問題があるものも増えてきたため、自分も昔ほどは熱心に追っていません。
どうしても、黄金期を観直すことが多くなりました。

ともあれ。
偉大なアクションスターであることは(政治的発言がどうであれ)誰もが認めるはず、、、ですけれどね。。。


※1日べつのコラムを挟んで、列伝もうひとり行きます。
明後日は、ジャック・ニコルソンさんの登場。
二夜で展開します^^

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『あ、、、折れてる(^^;)』
コメント
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