Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

「うますぎる」という矛盾

2017-06-20 00:10:00 | コラム
某日―。

河瀬直美の新作映画『光』の試写会に潜入する。

監督本人がいっているように、前作『あん』(2015)から「取っつき難さ=難解さ」が和らぎ、それでいて表現に対する熱い思いが感じられる佳作に仕上がっていた。

試写会場の前列に座っていたのは知り合いの予告編ディレクターで、そういえば『あん』の試写会のときも前列に座っていた。

そのとき彼が発したことばは、たしか「樹木希林が、イヤミなくらいに巧いね。巧過ぎる」だった。

同意だが、これほど矛盾したことばもない。

前にもいったことがあると思う、なんだろう「演技派女優」って、、、と。

プロである以上、演技が達者であることは大前提で、
たとえば「演技の下手さを若さでカバーした」という評しかたは有効だが、
巧いことで他者の下手さが際立つっていう評しかたは、実際どうなんだろうと思ったりして。

そこできょうは、「巧過ぎる」と評され「がちな」名優たち5人をリストアップしてみよう。

大好きなデ・ニーロは、ここには含まれない。

巧いことは疑いようがないが、好きだからこそ許される評しかたをすれば、その巧さは「デ・ニーロ・アプローチ」としての巧さであり、演技の巧さとは別なのではないか、、、と思うから。


(1)満島ひかり



若手のなかではダントツでしょう。


(2)森雅之



三船は、このひとに「勢い」で立ち向かった笑


(3)ショーン・ペン



プライベートでは丸くなったかもしれないが、演技はキレッキレのままだ。


(4)ゲイリー・オールドマン



強烈キャラから、地味キャラまで変幻自在。


(5)ジュリアン・ムーア



「ほとんどメリル・ストリープ」というひとも居るが、このひとには、メリルに欠けていたエロスがある。



※6人目、7人目はこのふたり




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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(225)』
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目にしみたい

2017-06-19 00:10:00 | コラム
【喫煙の内訳】

~24時間ひきこもってモノを書いている場合~

20本未満(1箱を超えないように計算して吸っている)

~仕事などで外出している場合~

喫煙室で、1日10本まで(2日で1箱の計算をしている)

~呑み会に参加した場合~

お開きまでに、40本未満


・・・という感じ。


呑み会で楽しくなると、どうしたって本数が増えてしまう。

その代わり―これは酒もそうなのだが、翌日、翌々日で調整をかける。


ギャラがまとまって振り込まれるのは主に月末、大抵はその日のうちにコンビニで「2カートンと、5箱」を買う。

これが翌月の煙草の「限度数」であり、これで間に合うよう調整していくと。


さて。
愛煙家ゆえ、スモーカーの友人が多い。

面白いなぁと思うのは、アイコス利用者が「ほぼゼロ」だということ。

あれだけ売れた売れた、流行っているといわれているのに、どうしたわけか。




新しいものが好きなスモーカーの友人に聞いてみると、

「興味はあるけど、最初に揃えなきゃいけないものがあるし。ふつうの煙草なら、ライターだけで済むでしょう」

女子にも聞いてみよう。

「そのうち慣れるっていうけど、いま、この煙草に慣れているし」

なーるほど。

ヘソマガリな愛煙家の周りには、ヘソマガリが集まってくるということかもしれない笑


自分?

アイコスの売りのひとつは「煙が出ない」ということらしいが、自分、あの煙が好きなのよ。

煙が目にしみたい。

っていう、しょーもない煙草愛が根っこにあるので、アイコスが出たときも興味さえ抱けなかった。


もちろん「煙を煙たがっている」嫌煙家が多いのは知っている、
だから吸うのは家がメインであるし、路上は当然のこと、吸ってはいけないとされているところでは「隠れても」吸っていない。


「アイコスなら、いいよ」という非喫煙者も多い―とも聞くが、いやいやだから、煙がポイントなわけでね。


ゆえに。
どれだけ少数になろうが、「煙の出る煙草の愛煙家」でありつづけるだろうな、、、と思っている。


※ひかるちゃんも歌っていたのか~




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明日のコラムは・・・

『「うますぎる」という矛盾』
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にっぽん女優列伝(17)杏

2017-06-18 00:10:00 | コラム
86年4月14日生まれ・31歳。
東京出身。

公式サイト


渡辺謙は自分がイメージするに、ジョージ・クルーニーみたいな存在の兄ィなのですが、



その娘・杏(あん)、本名・東出杏(ひがしで・あん)さんはピンとこないというか、あまり興味を抱けなかった女優さんなのです、

ドラマ・映画で「妖怪人間ベラ」を演じるまでは。

ベラの好演に触れて「おぉー、意外とやるじゃん!」みたいな。




ただ、少し興味を抱いたころに結婚、双子を産んだために芸能活動をセーブします。

私生活が幸福なのは素晴らしいことですが、いま現在の杏さんの演技、もう少し見たかったなぁと。。。

<経歴>

兄は渡辺大、夫は東出昌大。

ちなみに東出くんのことも、最初はピンときませんでした、棒読みのイケメン俳優かなぁ、、、と。

ふたりを誤解していましたね、ごめんなさい。


10代なかばのころからファッションモデルとして活躍、
ただこのころは兄ィの娘であることを明かしていませんでした。

最近の流れなのでしょうか、浜ちゃんの息子さんも、明かすまでは自力? で頑張っていましたものね。

2007年、黒澤映画の傑作をテレビリメイクした『天国と地獄』(テレビ朝日)で俳優デビューを飾る。

オリジナルには存在しなかった、女刑事を演じています。

本編そのものには感心しませんでしたが、杏さんの演技は悪くなかったかと。

テレビドラマに関しては、ほかに・・・
NHKの連続テレビ小説『ごちそうさん』(2013)、
『花咲舞が黙ってない』のシリーズ(2014、2015・日本テレビ)などの代表作があります。

ここからは、映画オンリーで。

2008年、これまた名作のリメイク『櫻の園』で映画俳優デビューを飾る。

オリジナルの監督・中原俊が再びメガホンを持ったという点で、市川崑の『ビルマの竪琴』(56・85)系といいましょうか、

しかし、中原さんどうした? と監督の精神状態を心配するほどひどい出来になっています。

福田沙紀も大島優子も、杏さんもけっして悪くはなかったのですけれどね、でもキャラクター描写が・・・。


『BANDAGE バンデイジ』(2010)、『婚前特急』(2011)、『忍たま乱太郎』(2011)、『おかえり、はやぶさ』(2012)、『映画 妖怪人間ベム』(2012)、『プラチナデータ』(2013)、『真夏の方程式』(2013)、『劇場版 タイムスクープハンター』(2013)、『星ガ丘ワンダーランド』(2016)と出演作はつづきますが、いずれも助演です。

意外ですね、ポジション的にすぐ主演出来そうなのに。

2016年、『オケ老人!』で映画初主演を「やっと」果たす。





以降は前述したように、家庭を優先し、芸能活動は旦那さんに託した形になりました。

いつごろ復帰するのだろうと思っていたら、再びご懐妊のようで、しばらくはCMや雑誌のみの活躍になるでしょうね。


次回のにっぽん女優列伝は、五十嵐淳子さんから。

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『目にしみたい』
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にっぽん女優列伝(16)淡路恵子

2017-06-17 00:10:00 | コラム
33年7月17日生まれ・2014年1月11日死去、享年80歳。
東京出身。

『酔いどれ天使』(48)の、久我美子と木暮実千代、そして千石規子。

『羅生門』(50)の、京マチ子。



『隠し砦の三悪人』(58)の、上原美佐。

「男を描くのが巧い」といわれた黒澤ですが、いやいや、なかなかどうして女を描くのも達者じゃないですかと。

少なくとも、スコセッシ・北野武より巧いのではないでしょうか。

上に挙げた女性キャラクターも素晴らしいですが、黒澤映画でベスト「女子」キャラクターを選出するとすれば、『野良犬』(49)の淡路恵子(あわじ・けいこ)さんになりますね個人的には。




主に60年代に活躍したひと・・・の割に、若いひとに知られているのは『ドラクエ』好きだったから、、、でしょうねぇ。




<経歴>

助産婦だった母親は女医にしたかったようですが、SKD(=松竹歌劇団)の養成学校に合格、高校を退学して芸能の世界を選びます。

ほぼ同じ時期に黒澤に発見され、前述した『野良犬』で幸運な映画俳優デビューを飾りました。

50年、SKDに入団。
草笛光子、深草笙子と組んだユニット『スリー・パールズ』が当たり、人気者になる。


『君の名は』の第一部と第二部(53)、『夏子の冒険』(53)、

やはり目を引く「なにか」があったのでしょう、デビューして数年でハリウッド進出を果たし、『トコリの橋』(54)に出演する。

『この世の花』の『第一部 慕情の巻』『第二部 悲恋の巻』『第三部 開花の巻』(55)、
『美貌の都』(57)、『青い山脈』(57)、『弥次喜多道中記』(58)。


~駅前シリーズ~

『喜劇 駅前旅館』(58)
『喜劇 駅前団地』(61)
『喜劇 駅前弁当』(61)
『喜劇 駅前温泉』(62)
『喜劇 駅前飯店』(62)
『喜劇 駅前茶釜』(63)
『喜劇 駅前女将』(64)
『喜劇 駅前金融』(65)
『喜劇 駅前大学』(65)
『喜劇 駅前弁天』(66)
『喜劇 駅前漫画』(66)

~社長シリーズ~

『社長太平記』(59)
『続・社長太平記』(59)
『社長道中記』(61)
『続・社長道中記』(61)
『社長漫遊記』(63)
『続・社長漫遊記』(63)


『女が階段を上る時』(60)、『妻として女として』(61)、『アッちゃんのベビーギャング』(61)、『ベビーギャングとお姐ちゃん』(61)、
『私と私』(62)、『クレージー作戦 先手必勝』(63)、『日本一の色男』(63)、『クレージー作戦 くたばれ!無責任』(63)、『香港クレージー作戦』(63)、『ミスター・ジャイアンツ 勝利の旗』(64)、『無責任遊侠伝』(64)、『兵隊やくざ』(65)、『四谷怪談』(65)、『花と龍』(65)。

66年、萬屋錦之介と結婚。
『父子草』(67)出演後に家庭を優先するため、芸能界を引退する。

三男の交通事故死、四男が起こした事件と自死などなど、平成を生きる名優さん同様、私生活は順調とはいかなかったようです・・・。


87年、『男はつらいよ 知床慕情』で芸能界復帰を果たす。

『ダウンタウン・ヒーローズ』(88)、『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』(89)など山田洋次の作品群で肩慣らし? を終え、
『女帝 春日局』(90)、『香港パラダイス』(90)、『日本一短い「母」への手紙』(95)、『狗神』(2001)、『ぷりてぃ・ウーマン』(2002)、『油断大敵』(2003)、『ベロニカは死ぬことにした』(2005)、『ハードロマンチッカー』(2011)などに出演する。


14年1月11日、食道がんのため死去。

享年80歳、遺作は『四十九日のレシピ』(2013)でした。


ほどよいエロスと、暗くなり過ぎない「翳」―そんなイメージがあったから、余計に『ドラクエ』愛を語る姿には驚きましたね笑

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俳優別10傑 海外「さ行」女優篇(9)

2017-06-16 00:10:00 | コラム
~シガニー・ウィーバーのキャリア10傑~

180cmの長身、元祖アクション系女優のシガニ―も、現在67歳。

「強いおんな」「頼れるおんな」という強固であろうイメージを崩したり笑いに変えたりすることが出来る、意外に器用なひと。


どういう経緯か、新日本製鐵(現・新日鐵住金)の企業CMに出演していたところをみると、




親日家、、、なのでしょうか。


(1)『デーヴ』(93)

大統領の替え玉コメディ。

シガニ―は、ファーストレディを好演。

この映画に触れて、初めてシガニ―をチャーミングだと思えた。




(2)『エイリアン2』(86)

シガニ―がはまり役過ぎて、リプリーはジェームズ・ボンドのように「交代」させられないのだった。

(3)『ギャラクシー・クエスト』(99)

こんな風に、エッチな感じを出せるとは思わなかった。



真面目そうな俳優さんが、大晦日の『ガキ使』に出るようなものかな。

(4)『アバタ―』(2009)

レイザーラモンRGが「ジェームズ・キャメロンはシガニ―に頼りがち」と歌ったが、まさにそのとおり笑

(5)『ワーキング・ガール』(88)

キュートなメラニー・グリフィスの好敵手として、悪役を好演。

(6)『愛は霧のかなたに』(88)

実在した生物学者、ダイアン・フォッシーを熱演。

マウンテンゴリラの着ぐるみを本物のように動かす技術にも注目したい。

(7)『エイリアン』(79)

シガニ―を一躍有名にした、記念碑的SF映画。

(8)『死と処女』(95)

監督、ロマン・ポランスキーの緊張感溢れる演出が冴えわたっている。



(9)『アイス・ストーム』(97)

富裕層の家庭崩壊をクールに描く。

素晴らしい演技を披露するのはシガニ―だけでないので、出演者全員賞をあげたい。



(10)『1492 コロンブス』(92)

イサベル女王を演じる。

出番は少ないが、インパクトは充分。

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