fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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文体・・・『羊と鋼の森』(宮下奈都・文藝春秋社)より

2017年01月21日 | 日記
 前回? の本屋大賞だった『羊と鋼の森』(宮下奈都)文藝春秋社を、ようやく読んでいます。
  その中に、先輩調律師が、主人公に「音」のことを教えるときの喩えとして、原民喜という方(詩人なのですね)の言葉を引用しています。これがとてもいいので、記録しておこうと思います。

 明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体。
 原民喜さんが、こんな文体にあこがれているとおっしゃっているのだそうで。本の中では、主人公の上司の調律師が、理想とする音をそのまま表していると感じたと言うのです。

 実は、書かれている内容は大好きなのですが、文体が好きになれない作家さんがいます。とてもとても残念。上記のような文体に、私もあこがれます。

  お正月に満開だった臘梅です。