fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~4巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。原稿・講演など各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

Bibliobattle of the Year 2018優秀賞

2018年07月30日 | 自作紹介
 先日、ビブリオバトル普及委員会により、Bibliobattle of the Year 2018(優秀賞・特別賞・新人賞)の受賞者が発表されました。

 なんと、私たちビブリオバトルの本を書いた児童文学作家(赤羽じゅんこ、おおぎやなぎちか、濱野京子、松本聡美、森川成美)の5人が、優秀賞を受賞!! ありがとうございます!!!

 【受賞理由】(*サイトより、転載)

2017年度に出版された『ビブリオバトルへ、ようこそ!』(濱野京子/作)、『なみきビブリオバトルスト―リー』①&②(赤羽じゅんこ・おおぎやなぎちか・松本聰美・森川成美/共著)の中で、小学生がビブリオバトルを通して成長する様子を描いた。執筆にあたり、これらの著者はビブリオバトルに参加・取材し、ルールの大切さや開催中に起こりがちな問題、そしてゲームの楽しみ方をわかりやすく物語に仕立てた。5名でのトークイベントも実施している。ビブリオバトルと児童文学の融合という新たな可能性を拓く活動が高く評価された。

  『なみきビブリオバトル・ストーリー 本と四人の深呼吸』(さ・え・ら書房)

  『なみきビブリオバトル・ストーリー 決戦は学校公開日』(さ・え・ら書房)

 この2冊は、いろんなことを運んできてくれるなあ。予想外の展開です。

 濱野京子さんの本は、『ビブリオバトルへ、ようこそ』(あかね書房)です。
 異なる出版社から出した本をつないでくださったのは、日本児童文学者協会です。この5人の共通項は、ほかに、Be子どもと本 という読書会があります。(私、最近さぼり気味ですが)読書会が始まる前、神楽坂のファミレスの片隅で打ち合わせをしたり、5人でビブリオバトルをやったりしました。

 優秀賞は5団体。この中から、一般の方を含めての投票で、今年の大賞が決まります。投票は8月1日(水)からとのこと。ほかの4団体、すばらしい活動をされています。さて、どうなりますか。
めったにあることではないし、こういうのはある意味お祭り的要素が強いものなので、投票を呼びかけつつ、盛り上げ楽しみたいなと思っています。

 投票が始まりましたら、またご案内しますね。(って、8月って、あさってか)

みちのく鉱物女子会

2018年07月28日 | 日記
           海辺の石ころたち

 先日仙台に行ったとき、ひょんなことから、石の話題で持ち上がり、その後ツイッターで自分が持っている石をアップしたところ、反響があり、「みちのく鉱物女子会」が結成されました。

 といっても、活動はツイッターで石をアップしたり、石の話題を書くこと。石は有名無名を問わず。水晶や瑪瑙、翡翠もあれば、川原で拾ったふつうの石もあります。私など、ほとんど普通の石ばかり。

 会員の資格は、1石がすき 2東北にゆかりがある(在住、出身、親が出身、東北がすき) だったかな。
 みちのく鉱物女子会ですが、女子とは明記していません。というゆる~い会です。
 
 現在会員は、宮城在住作家、野泉マヤさん宇治在住作家越水利江子さん、仙台在住ネフライトさん(ツイッター上にはお名前を出していないので、ここでも)、そして私です。

 興味のある方は、一度私のツイッターをのぞいてみてください。ほかの方たちのすばらしい石たちもごらんになれます。
ツイッターのハッシュタグ #みちのく鉱物女子会 もどうぞ。

   たぶん、瑪瑙(採取場所忘却)

 

『オオカミのお札(三)美咲が感じた力ー現代』書評(季節風)

2018年07月20日 | 自作紹介
 「季節風」135号に、児童文学評論家・土山優さんが『オオカミのお札(三)ー美咲が感じた力』の書評を書いていただきました。 
        
 
      
 三部作を丁寧に、一冊ずつ書いてくださって、1は、森くま堂さん、2は草香恭子さんが書いてくださいました。今回が〆になります。
 
 土山さんは、『オオカミのお札』の世界観をとても興味深く読んだ。と書いてくださっています。北海道にお住まいなので、こういう土着の信仰が身のまわりではあまりないとか。そうなのかもしれません。一部抜粋します。

 「願いをかなえてくれるわけではない。死んでいく人を助けるわけでもない。でも、ずっとここにいる。ずっと見守ってくれている。」このセンテンスに私は深く頷いてしまう。ここにはカミとともに生きてきた人々の生活の勁さがある。中略 カミとともにある生活は変わらず続いてきたし、これからも続いていくだろう。その生活の落ち着きと時間のめぐりが、人々の傷ついた心をゆっくりと癒していく。これがカミの力でなくて、何であろう。

 恥ずかしながら、 という漢字。読めませんでした。「つよさ」でした。

 土山さん、ありがとうございます。

 今回は、『なみきビブリオバトル・ストーリー2 決戦は学校公開日』(共著/さ・え・ら書房)の書評も掲載いただきました。書いてくださったのは、丸山千輝さん。
 また、私は、『リーナのイケメンパパ』田沢五月(国土社)の書評を書きました。

 『オオカミのお札』児童文芸家協会賞受賞の言葉は、我ながらなかなか強気です(笑)。

 それにしても、この「季節風」は作家もそうでない人も対等で、投稿作品への厳しい評が、読み応えあります。
 ある作品に対して、

 きれいにまとまっている作品だった。うまい書き手だなとも思う。けれどどうしても物足りなさを感じてしまう。「どこらへんが?」と問われたら、「全部が」と答えるほかはない。 という書き出しの評があり、おおー! となりました。正直自分にこれを言われたら、きついです。
 こういう厳しさに耐えられず、あるいは怒ってやめていった人を何人も知っています。
 私も、最初に投稿した作品に、亡き後藤竜二さんに「途中で読むのがいやになった」と書かれましたよ!

 奮起して先に進めるかどうか、なんだと思います。
 がんばれ! (ここ、読んでないかもですが)
 私もがんばる。

『オオカミのお札』(くもん出版)御嶽神社でもお求めいただけます。

2018年07月20日 | 自作紹介
      

 青梅御岳山、御嶽神社の社務所に、『オオカミのお札』を置いていただけることになりました。実際のオオカミのお札と同じ場所に本が並ぶとは光栄なことです。
 今年、児童文芸家協会賞を受賞後、お礼詣でをしてきたのですが、その際、各巻1冊ずつを社務所に挨拶し、ご奉納させていただきました。神社の方、読んでくださって、おきたいという申し出をいただいたわけです。

 とてもいいお山です。立川から青梅線に乗り、~と比較的気軽に行ける立地です。自力では30分くらい登ればいいくらい。私でも、OKなくらいです。

社務所でお札などを求める場合、「買う」とは言いません。これは『オオカミのお札』三巻でも書いたこと。お札やお守りは、神様からいただくものなのです。もっとも、私の本は「買う」でいいかな。でも、「売っていただく」「販売していただく」と書くのはやめておきました。
 
 
 そのくらい、私にとっては光栄なことです。実際のお札とともに、お求めくださる方がいらっしゃると嬉しいです。

北上川のほとり

2018年07月18日 | 日記
  
 先日まで行っていた岩手の景色。いつもの散歩路の光景です。

  七つ石 こういう川の中の岩、たまりません。

  北上川を望めるこの道は、私のお気に入りです。電柱がなく、たまに車が通るくらい。時鳥、夏鶯、葦切といった鳥の声が聞こえ、
 
  草花もたっぷり。

  手前のような青田は、また減っていましたが。

 同じような写真は、以前もアップしているのですが、ここを訪れてくださる方の癒しになっていただけらと思います。
 

『オオカミのお札』パネル展-ジュンク堂書店秋田店にて

2018年07月14日 | 自作紹介
         

 秋田駅前のジュンク堂書店秋田店さんで、開催中です。
 エスカレーターでのぼって、出たところすぐの新刊話題本の棚を3段使って、展示してくださっていました。枚数は、各巻1枚ずつなので、ミニパネル展というところでしょうか。

 ありがとうございます。

 本来ならずらりと本を並べる箇所なので、いつまで展示できるかはわからないとのこと。当然です。あるいは連休明け、新刊がどっと入ると、そちらに場所をお渡ししなくてはならないかも。

 本が動いてくれることが、こうして場所をご提供くださったジュンク堂さんへの一番のお礼になるのですが・・・。
 どうぞよろしくお願いいたします!  

宮城県美術館

2018年07月11日 | 日記
  佐藤忠良館。これほど作品があるとは思っていませんでした。充実!

    彫刻は写真OK

  そして絵本の原画は、朝倉摂さんの「こどものとも」の3冊分。
  すっごくきれい! 特に「てまりのうた」は、一枚一枚が完成された絵画でした。雨だけを描かれた一枚と2個のてまりが描かれたものと、ほしい。(って・・・)テキストは、与田準一さん。1960年代のものでした。もう本屋さんでは手に入らないのかな。

  佐藤忠良の「おおきなかぶ」(福音館)の原画もあればいいのに。あの原画、どこにあるんでしょうか。
  忠良は彫刻家、朝倉摂は舞台芸術家、そういった方達の描く絵って、魅力的。今は絵本を描く方がたくさんいるからかな。最近こういう違う分野の方の絵の絵本って、ないような。

  企画展ではディズニーをやっていたけれど、そっちはパスして、常設展へ。松本俊介や萬鉄五郎とか、愛こう(こう、の文字探すの面倒ですみません)とか、フジタもあったよ! それはもういろいろ。
  ご一緒していた伊嶋敦子さん(秋田の作家、小児科のおいしゃさん)と「300円でこれだけのものが観られるとは」と言い合いながら、満足でした。

 仙台のちょっと郊外にあるので庭も広々として、緑が気持ちよかった。
  
*宮城県立美術館じゃなく、宮城県美術館 なんだなあ。

  市内を走っている、るーぷる仙台。これで行く予定だったのですが、いろいろあって(笑)。次回はこれで青葉城跡へ行こう。

石巻へ行ってきました。

2018年07月10日 | 日記
 西日本を中心とした大雨の災害。日本はどうなっちゃったの? いや、昔からこういった災害が繰り返されてきたのかもしれません。
 まだまだ大変です。お見舞い申し上げます。(としかいえないのが、情けない)

 そんな中、私は北上。
 仙台で、くもん出版の営業Kさんと書店さんまわりをさせていただきました。パネル展については、以前のブログで写真もアップしているので、省略します。
 どの書店さんも快くご対応くださって、感謝です。日頃か
らKさんが人間関係を築いてらっしゃる成果だと思います。食事をしながらも、チームという言葉が。編集さん、営業さん、書店さん、営業をする上で、拡販グッズを作るためにお手伝いくださっている方もいるとか。そんなことをお聞きできてよかったです。私もチームの一人。

 さて、その後、仙石線で石巻へ行ってきました。



 新幹線の時間があるので、滞在できるのは1時間半程度。旧北上川まで歩き、川沿いにある石森漫画館をながめ、元気食堂でカキフライと牛タンいりつくねで一杯。(一人で、こんなことするおばさんです)
 
 復興交流館に寄り、震災当時の写真や地図を確かめ、もどってきました。
丸いのが、石森萬画館
 そうか、石巻は大川小学校があったところだ。
 地図の中に桃生という地名があり、あ、これって、古代沿岸のエミシが最初に大和朝廷の城を焼き討ちしたところだ。ここから、エミシと大和朝廷の38年戦争が始まったんだ! 
 なんて、感じでもう帰らなくちゃ。
 今度は大川小学校跡にも行こう。と思いながら、OO9達があちこちにいる道を歩きました。

 元気食堂、新しくて立派です。
 やはり現地に行ってこそ。私はそこで何をするでもないのですが、感じるものってあります。

 被災地に一度も行かずに震災を描いた小説が問題になっていますが、私としてはあり得ないです。作者の言葉も読みましたが、「罪深い」とかいろいろ上手に書いていますが、結局自分のために書いただけだなと感じます。もやもやしていたものをはっきりさせるために書いたのなら、それだけでいいではありませんか。新人賞に応募することなど必要なかったはず。
 つらい思いをした方を題材にするなら、それなりのことをするべきです。
 謝罪をするなら、今からでも、被災地へ行ってください。

『ぼくたちのP(パラダイス)』にしがきようこ(小学館)

2018年07月07日 | 本の紹介
           高学年以上

 『川床にえくぼが三つ』で小学館児童出版文化賞を受賞されたにしがきさんの最新作です。

  読み始めてすぐ、山に登りたいと思いました。
  少し読み進めて、山に登っておいてよかったと思いました。
  
 私の登山経験は乏しく、片手で済む程度かな。(高尾や御岳山は入っていません。登山したという意識を持てるのは、秋田の山と、岩手の県境)
 高校の時(何十年前だって)、大学のとき、子どもが小さいとき(これは秋田市郊外の小さな山)。その時の記憶が、この本を読んでいて蘇るのです。空気、ワタスゲの群生、雲海、苦しさ。人工的なものが何ひとつない空間。
 元気な時に、山登りをする。この経験は貴重だと、改めて思いました。それには、一人では無理。経験を積んだ同行者が必要です。

 さて、物語では……。

 主人公のユウタは、人が苦手で友だちがいません。
 夏休み、おじさんの別荘に誘われてついていったところ、それは電気もない山小屋でした。
 大学の先生であるおじさんを慕う山男達とそこで過ごす数日間がユウタを変える! 
 と、あらすじを言えばこんな簡単なこと。でも、あらすじって、物語の魅力を伝えきれるものではないなとつくづく思います。
 読んでいると、こっちも山にいるような心持ちになる。これは、にしがきさんの描写力です。描写力があるって、こういうことだなと思います。
 ユウタが持つある弱点が、この山では弱点ではなく、ありがたがられることだったことをまじえたエピソードでは、こっちも息が苦しくなりました。

 小学館のサイトを見たら、冒頭の試し読みができるようです。
 にしがきさんの描写力と物語力をぜひ味わってください。
 
 「季節風」の書評で私はこの作品を取り上げることになっています。
  もう一度読んで、頑張ろう。

 

『それでも人のつもりかな』有島希音・作/流亜・絵(岩崎書店)

2018年07月06日 | 日記
 
 

ショッキングなタイトルですが、実は小林一茶の

 ハンノキのそれでも花のつもりかな  がベースになっています。

 作者のペンネームも、イラストの女の子も、そしてタイトルも、現代の女の子達が心惹かれそうな本です。そして実際そうです。
 帯に書かれているのは、「北海道南西部の町を舞台に、少女の闇と光を描いた衝撃作」。

 主人公は星亜梨沙。心の通わない母と二人暮らしの上、学校ではいじめにあっています。そのいじめは巧妙にエスカレートして、気づいたときには家庭科の授業中、包丁をクラスメートに向けていました。しむけられたわなにはまったように、学校にいられなくなった亜梨沙は、転校を余儀なくされます。
 バスで通うことになった新しい学校でも、心を開くことなく過ごしていた亜梨沙ですが・・・。

 亜梨沙は、絶望から「死」を考えるようにもなります。それを彼女は「オールマイティ」と言います。何かとからんでくる担任にも仕返しをしたい。遺書に担任のことを書けば、自分が新だ後、彼女の人生も終わるという企みです。
 
 いじめが社会問題になってから、かなりの年月が経ち、いじめが原因の自殺や不登校がめずらしくなくなっています。
 この物語の中では、とうとう最後まで母と子の関係は修復されません。そこがリアリティがあると思いました。それでも亜梨沙は、希望を見いだします。
それにしても、どんな人と出会えるかで、人の人生は大きく変わっていくのだなと、改めて思いました。
 亜梨沙と同年代の人にも、かつて亜梨沙と同年代だったことがある方にも、読んでいただきたいと思います。
 
 ハンノキをちゃんと見たことがありません。
 ちゃんと見たいと思いました。

 作者は札幌在住。別名で長く児童文学をやっていらした方です。
 今回、鮮烈なデビュー! おめでとうございます!!! 

2018年上半期おもしろかった本

2018年07月03日 | 日記
・『劇場』又吉直樹 

・『神座す山の物語』浅田次郎 青梅御嶽山の宿坊のひとつが、浅田次郎の母の実家とのこと。たくさんの物語を書かれている作者なので、全ては読んでいないが、今のところこれが一番好き。なぜ、今まで読んでいなかったのだろうと、思った。よかった。

・『砂丘』桜木紫乃(角川書店) 新人作家と編集者のやりとり いろいろ刺さる言葉あり。

・『龍の耳を君に』丸山正樹 (東京創元社) 同じ作者の『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』も、おもしろかった。

・『等伯 上・下』安部龍太郎 (文春文庫) 等伯の「松林図屏風」を観にいきたくなります。他の作品も、全て観たい。 

我が家のブルーベリー。だいぶ色づいてきたけれど、まだすっぱっ。日野市は、ブルーベリー農家がいくつもあって、我が家の近くにも。摘み取りが夏の楽しみのひとつです。

『なみきビブリオバトル・ストーリー2 決戦は学校公開日』 重版出来

2018年07月02日 | 自作紹介
 

 重版のお知らせをいただきました!!
 
 森川成美、おおぎやなぎちか、赤羽じゅんこ、松本聡美 による共著 さ・え・ら書房です。

 重版のお知らせは、本当に嬉しい。
 1とのセットも好調とのことです。

 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。