fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『アゲイン アゲイン』(あかね書房)『わくわくもりのはいくえん はる おともだちできるかな』『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~4巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

よい一年でした。

2015年12月31日 | 日記
 もちろん『しゅるしゅるぱん』初出版ということもありましたが、個人的に家族全員にとって節目の年でした。
 こういう年もあるんだなというほど、それぞれがそれぞれに、新しいスタートを切ったのです。

 こちらを訪れてくださった皆様一年間大変お世話になりました。
 来年も引き続き、よろしくお願いいたします。

  北上市某所にある木
 
 去年今年貫く棒のごときもの  虚子    的にこの木があるのでした。
 でも、この句、去年も書いたような気がします。それだけすごい句なんだなあ。

 年賀状は先日出したので、元旦にはつかないかもしれません。なんか取り掛かるまで気が重く、しかも今年こそは宛名をパソコンでと思って作っていたエクセルデータが消えてしまって、がーんとなって結局手書きになり。でも書いているとその方ひとりひとりに思いをこめることができて、やっぱりいいなと思ったのでした。まだ手書きで書ける範囲の枚数です。いや、とてもお世話になっているのに年賀状を書かない方も何人もいて、そういう方はお互い(なしですまそうよ)的に思っていると勝手に決めて。でも、この年賀状だけのお付き合いも悪くないなという方もいたりして。このやり方でしばらく続けそうです。

 

北日本新聞での紹介記事

2015年12月30日 | 自作紹介

 スキャナーがなくって残念・・・。


 これまで岩手日報などの記事は、画家の古山さんがスキャンしたものを送ってくださたので、それをここに載せることができたのでした。

 今月17日に載った北日本新聞の記事は、これまでで一番大きく扱ってくれていて、感激。北日本文学賞出身の作家としての紹介でした。ババーンと。(左には宮本輝氏も!)
 北日本文学賞は、今回で50回目ということ。小説を書いている人にとっては全国的に有名ですが、地元の方にとっても大事な賞なのだなと思います。
 光栄でした!!

 私のところ、この写真では読めないのですが、最後の方に「北日本文学賞の授賞式で選者の宮本輝さんに『あなたは書ける人だから大丈夫」と声をかけてもらったことが今でも支えになっているという」との一文も。そうなんですよ~。いや、そのお言葉に恥じないようにやっていかなくては、ですね。

 毎年元旦に文学賞の発表があります。あと3日。

2015年下半期おもしろかった本

2015年12月29日 | 日記
 
 順不同です。今回7冊。

*『岸辺のヤービ』梨木香歩 (福音館書店) 大好きな世界でした。もうすぐ読み終わりそうになったとき、(ああ、終わってしまう)と思ったの、ひさしぶり。

*『大きらいなやつがいる君のためのリベンジマニュアル』(豊島ミホ) 岩波書店
 岩波ジュニア新書です。書名だけを見ると、マニュアル本のようですが、ほとんどエッセイ。豊島ミホの小説がかなり好きで(とくに『夜の朝顔』)でもあるときから、ぱたりと新刊が出なくなり、どうしたのだろう、書けなくなってしまったのか、あるいは何かあって干されてしまったのか? と思っていました。その実態がこの本には書かれています。ほとんど内面的な問題。高校生の頃から抱えていた辛い気持ちを吐露した本。でも、実はネット検索で、豊島ミホさん、ご結婚されて、少女マンガ雑誌にフリーライターとして、漫画家へのインタビューを書いたり、今とても幸せそうで、よかった! と隣のオバサン的に思っています。もう小説は書かないのかなあ。書かないとは決めないで、またいつか書いてほしいです。

*『マザーランドの月』(サリー・ガードナー)小学館 
 めずらしく読んだ翻訳ものです。児童書でSF。イギリスのカーネギー賞を始め、世界各国で多くの賞を受賞している本。「もしも」どこかで何かが変わっていたら、こんな世界になっていたことだってある、という1065年の時代設定の物語でした。

*『はみ出す力』(スプツニ子) 宝島社
 所ジョージさんの番組で、彼女のことを見ました。美貌と知性と才能を備えたバリバリの方。なのですが、実はコンプレックスを抱えて育った中で、がんばってらしたことが書かれています。でもまあ、ご両親とも数学者、お母さんはイギリスの方、とかって聞くと、持って生まれたものはあるんだよなあと思いますが。でも、枠にとらわれない魅力は確かにある! あ、何をやっている人かというと、アーティストなのでした。例えば、男性が生理を体感できるマシーンとか・・・。

*『小説の書き方』(後藤靖貴) 講談社
 たまたま目に留まって、読みました。作者のことは何も知りませんが、いろいろ書いている方のようです。高校の文芸部を舞台に、4人でリレー形式に小説を書いて新人賞に応募する(実際に書くのは3人、一人は編集者的役割)という設定。よくできていました。そして、小説なのだけど、ハウツー物になっている。そうだよなあ、そうなんだよな。と思いながら読みました。作者が楽をすると読者が苦労する・・・とか。

*『貧乏の神様 芥川賞作家困窮物語』 柳美里  双葉社
 好きではないのです。こういう生き方はできないなあと思いつつ、こういう人がいてもいいんじゃないかと思わせるものは確かにあるかなと。

*『火花』(又吉直樹) 文藝春秋社  忘れるところでした。言うまでもなく。

都立薬用植物園

2015年12月27日 | 日記
           

 西武拝島線東大和駅すぐのところにあります。
 国分寺に住んでいたころは、好きでなんどか来たことがあったのですが、久しぶりでした。今は冬枯れの時期ですが、厳重に柵をめぐらされた芥子畑もあります。
 薬になるもの、毒のもの。
 薬草って、興味あるのです。

 この数年この時期はプチ冬籠もりをしていたのですが、今年はそうはいかず、あれこれあれこれと立て続けに出かける用事がありました。風邪でダウンしないように必死になってうがいをして、マスクをして、ビタミン剤やら補中益気湯やら飲んで、(あ、やばいかな)と思ってPL顆粒を飲んだときも、ドリンク剤で乗り切ったときもありました。
 なんとか今年を無事に終えそうです。(まだ数日あるけど、出かけないし)いや、油断大敵ですね。
 
 

スター・ウォーズ フォースの覚醒

2015年12月26日 | 日記
 よかったよお。
 大河ドラマだ。(という見方をしてます)
 年をとるのも悪くないと思わせてくれるし、若いっていうのもいいなと思うし。
 映画を観た数日前にテレビのエピソード4で若い彼らを観ていたからなおさら! 
 続きが見たい。
 生きている間ずーっと続いてほしい。
 あまり評判のよくないらしいエピソード1~3も好きなのですよ。(結局全部好き)昨夜もテレビで観ました。エピソード1。アナキン、この子が・・・。
 


目撃情報その?

2015年12月25日 | 自作紹介
 『しゅるしゅるぱん』〈福音館書店)が、秋田市のジュンク堂で、カウンター横に平積みになっていたそうです!! 〈秋田市出身作家のデビュー作)的なポップ付き。〈的というのは、電話で聞いたため、正確に覚えていないため)
 地元愛がひしひしと伝わってきます。 
 

 

 児童書のコーナーは、立ち寄る人が限られているけれど、レジカウンターという場所は、本を買う人が必ず行くところなので、これはすごいですよね。
 ありがとうございました。

『人生の道しるべ』(宮本輝・吉本ばなな)集英社

2015年12月23日 | 本の紹介
 お二人の作家の対談集です。
 この中に、なぜ若いとき(子ども時代)に本を読むことが大事かということについて触れていてくれて、「そうよ!」と思ったので、自分のメモのためにも、ここに書いておきます。

 宮本 ぼくはおじいさんだから、おじいさんみたいなことを言うけれど、ばななさんともこの対談で、いまの二十代、三十代の精神年齢がなかなか上がっていかないね、という話題がなんども出ましたね。その理由を考えてみるに、やっぱりいい小説を読んでいないからに尽きると思うんです。高校生や大学生や、若い人たちがいわゆる名作に触れていない。
 吉本 そうかもしれませんね。
 宮本 なにも、書籍の売り上げのことを話しているんじゃないんです。文学に触れなきゃいけないときに、インターネットやゲームばかりにかまけると、精神的な成長がそこでぱたっととまる気がします。小説を読む効用というのは、ぼくはそこにあると思っています。


 というやりとりがあって、宮本輝さんは、「忍耐とか、本当の意味の悲しみといったものを小説で教えてもらうこともできる。いきなり実際に体験してはつらいような、大失恋も、肉親の死も、小説で予習しておける。小説で説教しようとは思わないけれど、なんらかの示唆は可能。
 自分の実人生と、自分が読んださまざまな小説が、あるとき歯車のようにガチッとはまるときが必ずくる。それが大人になるということかもしれない」

 とおっしゃっています。
 そしてそして、「ぼくは、小説の世界では、心根のきれいな人々を書きたい。理想を思い切り小説にしてやろうというのが、究極の目標」とも!!
 
 ああ。私は、大人向けの小説を書くとどうしても負の部分に焦点をあてがちになり、児童文学の分野の方が希望を描けると思っていたのですが、大人向けでそれができないなんてことはない! あがいてもあがいても、一筋の光を見出すような文学に大人向けも子供向けもないと、今さらながら思います。二つの間に(大人向けと子供向け)境界線をひいたほうが書きやすいのかもしれないけど、文学ということでは同じ・・・なんて、いろいろと思います。

また、実際に経験できないことを予習できるという意味では、映画もにているなと思うのですが、やはり小説のほうが内面に深く入りこんでくる(と、書くと映画ファンに怒られる? いや、映画もいいのですよ、もちろん。なんていうか、脳の刺激を受ける部分が違う気がするんですよね)

 それから、この本の中で、とても意外で、そして嬉しかったのが、宮本輝さんが、毎年必ず読み返す3冊の本をあげていらして、その中のひとつが、「赤毛のアン」シリーズだということ。アンの子どもの話も含めて10冊シリーズ全部を読むのだそうです。あとの2冊は、島崎藤村の『夜明け前』、西行の歌集。
 私にとってのそういう本って何かなあと思ったけど、これというのはなかったりして、少し寂しい。時々読み返すというのはあるのですけどね。
 『赤毛のアン』読もうっと。

秋田新幹線こまち

2015年12月22日 | 日記

  
 年内は、ゆっくりのはずだったのですが、秋田に行っていました。というか、来ています。
 今回岩手は素通りし、秋田新幹線こまちで。
 こまちのいいところは、岩手との県境の景色がいいところ。
 でも、疲れる。いつもなら東京から3時間弱で北上に行って、一泊とかしてから車で1時間半で秋田へなのですが、直だと新幹線で4時間半くらい? 時間的にはそうでもないようなのだけど、秋田新幹線乗り心地があまりよくないような気がします。
 しかも大曲駅からは進行方向が逆になるため、椅子を回転させないと後ろ向きに進むことになるのです。これ、やっている人が少なくて、私もまあ一駅だけだしと、そのまま。
 
 秋田へ直の場合、飛行機のほうが楽かあなあ。(でも、高すぎ。まともに買うと3万だった。早割で購入できれば安いんだけど、予定が立たない)
 介護割引の手続きしようとして、そのままだったから、こんどやっておこう。でも介護割引しても新幹線より高いのでした。

 で、明日東京へ帰る予定なのですが、ちょっとまだわからず・・・。
 こんな状況なので、大掃除はパスかな。(え? まだ今年は一週間ある? んですけどね)

岩手日報でご紹介いただきました。

2015年12月21日 | 自作紹介
 12月20日(日)の岩手日報の〈郷土の本棚〉というコーナーでご紹介いただきました。

 

 そして北日本新聞(富山)にも、17日に「北日本文学賞出身の作家、児童文学で新刊を出版」という見出しで、菅野雪虫さんの新刊とともにご紹介いただいていました!! 菅野さんとご一緒になんて、光栄です。(北日本新聞の記事はウエブで見出しを見ただけなので、詳細はわかっていません)

『榾明り』(高橋涼)ー文学の森

2015年12月20日 | 本の紹介
          

 弘前在住の『童子』同人高橋涼さんの初句集です。

 血まなこのせまり来たるやねぷたの夜  
 地獄絵を闇に見送るねぷたかな
 くさめして言ひたきことを忘れけり
 濃き薄き花の筏の流れゆく
 辻にきてぐらりとかしぐねぷたかな
 草引くや草引くほかは考へず
 香水のかすかに残る仏間かな
 冬晴や溺れるやうに窓ふいて
 誰も来ず何処へも行かず雪掻きぬ
 凍瀧やため息のごと日の射して
 湯の宿に雪庇育ちてにごり酒
 猫車出すによろけて鳥帰る
 エナメルの靴をおろして花粉症
 ちまき食ふ六十路の兄と弟と
 雪もよひ包丁研ぎの来るころと
 春荒れや明日干す魚の腹さいて 
 こどもの日集合写真きゅうくつな   高橋 涼 


 こんなにいっぱいあげてしまった。
 やっぱり、575っていいなと思わせてくれます。  

 青森は東北ですが、どこか他の県と違うなと感じています。
 かつて東北に大和朝廷は城を築き、役人を派遣していましたが、北限は秋田。なので青森は大和朝廷の支配下になかった、だから文化が独自なのだと聞いたことがあります。
 そして、北の国の血が混じっている(という言い方よくないかなあ)、男性はみなさんとても体格がよくて、女性もまたすらりとしているのです。これも秋田や岩手とは違うところ。
 涼さんも、もと体育の先生でらしたというだけあり、いつもすっと姿勢を正しくされている方。でも、俳句を作るときは、自分の世界にしっかり浸ります。月に一度は秋田句会にもいらっしゃるので、私がたまに秋田句会に出て、という形でごいっしょすることがあります。
 とても優しい方。そしてしっかりされている方。そんな涼さんの佇まいそのものという句集です。

米生産数量目標調整互助制度拠出金

2015年12月19日 | 日記
 いきなり、農業ネタです。

 主食用米生産数量目標に対し、作付け超過が生じる農業者については超過数量1kgにあたり25円の拠出をしていただくことになります。

 という通知がきて、4万5千円弱が引き落としになっています。

 春に目標額を提出していて、それより超過していた場合は互助制度ということで、支払いをするということなのでしょうか。もし、凶作だったときは、逆に補助金という形で降りるのかしらん。でもこの拠出金額は9月末確定の水田作付実績により算出されています。ともあり、9月末というのは、まだ稲刈りをしていないわけで。

 昔の毛見のような制度なのか? 9月末にこの田んぼはどうだい? と見てまわって・・・? なんてしてないと思うのですよね。算定基礎という数式も書かれているのですが、これもまたよくわからない。

 農協からくるこういった通知が、あれこれと実はよくわかっていないのですよ。いわれるままに書類を出したりしているのですが、一文の中に理解できない単語がひとつくらいというのなら、調べる気にもなるのですが、一個二個じゃないので、頭が拒否してしまうのです。
 あかんなあ。

 農協さんが、きちんと管理をしてくださってはいるのでしょうが。

盛岡の友人が送ってくれた岩手山

*12月13日の秋田さきがけ新聞の新刊紹介に、『しゅるしゅるぱん』(福音館書店)を載せていただきました。

レビューを書いていただきました4

2015年12月18日 | 自作紹介
 レビューのご紹介第四段です。(掲載順です)

ムーンのぽつりぽつり日記
 かわのむつみさんのブログです。『こぶたのタミー』(国土社)を今年初出版されましたが、来年は続編が出るとのこと! どうぞ、ますますのご活躍を。 


夏菜の野菜畑  安田夏菜さんのブログです。『さよならさんかく』で講談社児童文学賞を受賞後、ちゃくちゃくと新刊を出されています。
 私たち自身が、いないようでいるものなのかもしれないという一文、いいなあ。


 20階の窓辺から  日本児童文学者協会副理事長でもある児童文学作家加藤純子さんの都会の香り満載のブログです。一度毎日の閲覧数をお聞きして、その数にびっくりしました。加藤さんとはBe子どもと本という読書会でもご一緒させていただいているのですが、本を読むまなざしの鋭さは、さすがです。このように取り上げていただき、光栄です。


『あしたのまちはどんなまち?』(絵と文・古山拓)

2015年12月17日 | 本の紹介
         

 古山拓さんがご自身で作られた絵本です。
 古山さんのお子さん達がまだ小さかったときに、3週間かけてイギリスからアイルランドをまわった旅の絵本です。息子さんの視点で、描かれているので、「パパはえをかくところを さがしてばかり」なんていう台詞も出てきます。
 古山さんは個展で、素晴らしい水彩画を発表されていますが、この絵本は全く着色されていません。
 ふと、『アンジュール』という絵本を思い出しました。あの絵本は、着色されていないどころか、文字もありません。古山さんの絵本もあの絵本と通じるものあがあります。黒の鉛筆一本で描かれていながら、ページページには、しっかりと空気が感じられます。鉛筆の濃淡、走りはダイナミック。線に迷いがなく力があります。

 大きな景色の中で、町の片隅で、ホテルの一室で、その一瞬をとらえた子ども達ふたりの姿が、とてもかわいい。

 
 
「ぼく」は旅の途中で3才になり、ホテルのおばさんから小さなチョコレートケーキをもらうのです。いいなあ。
 アイルランドのはしっこにあるアアラン島での出会い。
「ぼく」はきっといつか一人でこの島を訪れるのではないでしょうか。
 
 何年も前に行った石垣島や隠岐の島を思い出しました。島っていい。
 
 古山さん、きっとまた旅に出てインプットして、そして新たな絵を描かれるのだろうなと思いました。
 
 もう作られたものが、そんなに残ってはいないようでした。
 どこかの出版社、うちから出しましょう! なんてならないかしら。
 

峯田敏郎彫刻展ー秋田県立近代美術館

2015年12月16日 | 日記
 サブタイトルは、「記念撮影ー存在と気配そして空気ー」



 (写真撮影は禁止でしたが、展覧会にさきがけて行われた内覧会ではOKだったとのこと。これは、その際友人が撮影したものです)
 
峯田先生は、山形県出身。北海道教育大→秋田大→上越教育大→筑波大と経て、助教授から教授となり、現在は退職され、上越教育大学名誉教授、茨城にお住まいです。彫刻家としては、第19回平櫛田中賞を始め多くの賞を受賞。
 このたび、これまでの作品の集大成としての展覧会を秋田県横手市にある秋田県立近代美術館で行われています。
 北上から秋田へ行く途中立ち寄り、観てきました。
 これは・・・。
 全国の人、いや世界の人に観ていただきたいほどの素晴らしさ。
 ひとつひとつの作品の存在感、空気感、世界観に圧倒されます。
 峯田先生は、舟越保武氏に師事してらっしゃいますが、日本の彫刻家としては、舟越氏と同様、確実に最高峰にいらっしゃるお一人、彫刻史に残るお一人に間違いありません。

 一彫り一彫りの鑿の確かさ。全体のフォルム。立体ならではの光と影。何十年(ものによっては百年以上)も地に根を張り生きてきた木から別の形を彫り上げるというエネルギー。生命力。

 幸運なことに、先生とお話をすることもできました。(涙)
 
 ひとつひとつの作品のテーマをしっかりと言葉で伝えるそのお姿に、感動。こうあらねばならないのだと、胸に刻みました。
  直接お聞きできたことを、ここに記させていただきます。

 ・(私が海外での個展などの話はないのですか? とおたずねしたところ←世界の人に観ていただきたいと感じたため)ときどきあるけれど、飛行機が嫌いだから断っている(せ、せんせ・・・)
 ・ 教職という仕事があったから、彫刻は好きなように作ることができた。生活をするために作らなくてはならなかったら、好きなようには作れなかった。だから、今はこれらの作品は全部公共施設などにお返しとして、寄贈している。(せ、せんせい・・・)
 ・同じものは作れない。冒険の連続だよ。

 パンフレットから
 ・彫刻は、造るものではなく試行錯誤の末に生まれてくるもの。立体は、それ自体を見せるだけでなく、それを取り巻く空気も見せるもの。そして不思議な存在として目の前にあるもの。

 ほかの教え子らしき人との会話(すみません小耳にはさんでしまいました)
 ・いつもこれが絶作のつもりで造っている。手を抜いたものをひとつ造ってしまえば、死んでから「あいつはあれさえなければいい作家だったのに」と言われてしまうからね。
 ・何かの賞をもらうために造っているわけでもない。造りたいから造るだけ。

 お年など全く感じさせない、エネルギー。それも濁りのないエネルギーです。接していて心が洗われました。

 普通展覧会でおかれている図録やポストカードはなく、先生の商品(小さなレリーフやテラコッタ)が何点か販売されていました。先生、「できるだけ安くしてって言ったんだよ」とおっしゃっていて・・・。まったくもって、これが銀座の画廊だったら数倍はするだろうというお値段で・・・。
 私、購入してしまいましたよ!! むふふ。



 そうそう。何点か展示されているデッサンもすごくいい。
 佐藤忠良が、「大きなカブ」の絵を描いているように、先生も絵本を描かれないかなあ。なんて、夢想してしまいました。

 2月7日まで開催されています。
 東北方面に行かれる方、ぜひぜひ、足を伸ばしてください!!

 私の句集『だだすこ』の表紙、これ峯田先生のリトグラフ!! なんて、贅沢な。贅沢すぎる。(←このブログのプロフィールの顔にしてます)
 上越妙高駅に大きな上杉謙信像を造り、置かれているということで、その写真もありました。
 これは、いつか観に行きたい。

 あ、もうひとつ。感じたことの付け足し。
 この展覧会を同級生といっしょに感動を分かち合うことができました。美術館の学芸員をしていたのも、実は後輩。何か、地方の国立大のよさを感じた一日でもありました。
 大学時代の先生の彫刻概論の講義も好きだったのですよ。賢治の詩などもその中で使われていて・・・ということを覚えているあたり、私はやはり美術より言葉の世界に当時から惹かれていたってことなのかも、と思ったり。(ノートがどこかにあるはずなんだけど)でも、学生時代、美術を学んだことは(下手だけど)よかったとも思えました。

 *あまりの感動に、長々と書いてしまいましたが、ご紹介でもあり自分にとっては大事な記録でもあるので、ご容赦ください。