fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~4巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。原稿・講演など各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

岩手やら秋田やら

2019年04月24日 | 日記
 岩手に来ています。
 ぎりぎり、桜満開でした。

 2年間田んぼを休んでいましたが、ようやく委託でやってくださる方が見つかり、再開です。(以前お願いしていた方が、お亡くなりになって・・・)
 連休、こちらで田起こしをして。(私じゃないけどね)私は何をするというわけではないのですが、田んぼから出たトラクターや田植機が落とした泥を掃いたり、すまっこ植えはどうなのか? というくらいでしょうか。
 自分ちの田んぼなので、いくらお任せでも丸投げではなく、顔を見てお礼も言いたい。田んぼの様子は、見ていたい。まあ、そんなところです。田植えは天気や他のお宅の順番もあるので、何月何日にやるかわかりません。なので、できるだけこっちにいることに。秋田の講座もあるし。
 5月後半には一度東京にもどりたいと思っていますが。

 それにしても、周辺の田んぼが、またまた宅地になってます。うちとあと一軒あるか? くらい。案外便利なところなので、売ってほしいという不動産関係の人もしょっちゅう来ます。といっても、坪単価・・・、びっくりするくらい安いです。お金にするより、田んぼがいいな。というのが、今のところ。あと、アパート建てろってのも、しょっちゅう。
 東芝の工場ができるとかで、アパートの需要はあるようです。

    

 これは、2016年の5月の写真。田植えが終わったばかりですね。
 岩手では、容量限定のネットをしてるので、写真のアップができないのです。いるうちには、どこかワイファイのあるところで、アップしたいですが。 

いまさらですが『赤毛のアン』

2019年04月22日 | 本の紹介
 

朝日新聞社から出ている『赤毛のアン』を買いました。
 村岡花子さんではなく、岸田衿子さん訳です。挿絵は安野光雅さん。

 2800円。正直言って躊躇しました。2800円って高い……。文庫本が出てるんです。っていうか、読んでるわけだし。
 でも、何か本能的に買ったほうがいいと思い。
 正解でした。一冊読んでいる間の幸福感ったら!!! その後も!!
 ずっしりとした厚みのあるこの本が嬉しかった!!!

 買おうと思ったのは、この物語の冒頭について書いた文章を読んだからでした。所属している俳句結社「童子」の「童子図書館」に、如月真菜さんが書いてらっしゃったのです。
 
 冒頭……私、アンがホームで迎えにくるマシューを待っているシーンだったかなと思っていました。二人の出会いから始まったような……。
 みなさんは、いかがですか?
 違うんですよ。第一章のタイトルは、「レイチェル・リンド婦人おどろく」。なんと、プリンスエドワード島の川の描写とリンド婦人のことから始まるんです。この描写が素晴らしい!! 川を描写していて、かつリンド婦人がどういう人かを物語っている。
 リンド婦人は脇の脇役なのに! でもこの年になってわかります。『赤毛のアン』は、アンの魅力だけじゃない。マシューやマリラ。そしてリンド婦人が魅力的なんです。
まったくもって、いまさらです。

 確かに読み進むと、飾り立てた自然描写がすこしうざい気もします。アンが乙女チックに語るだけじゃなく、地の文でもそれが目立つ。でも、いい! いいと思えました。

 以前も書いたけれど、宮本輝さんが、毎年読み返す本の一冊に『赤毛のアン』をあげてらっしゃいます。しかもシリーズ全部。あとは西行の歌集と島崎藤村の『夜明け前』だったかな。とくに『アンの娘リラ』をお勧めでした。戦時中の話。アンの息子達も出征します。大河ドラマですよね。
 『赤毛のアン』、やっぱりすごい。
 プリンスエドワード島に行ってみたいなあ。でも、もう無理かな。
 本を読むだけで、想像はできます。観光で行くのは意味がないかもしれない。
 
 私にとってのプリンスエドワード島が必要なんです。

で、結論。2800円で、こんな気持ちになれるなんて、安い!! 美容院でカットしてもらうより安いんですよ。
 本は、安いよ~~。もっとみんな買おうよ(笑)。
 
 さあ、次は『アンの青春』を読み返そう。

朝ドラの「なつぞら」も、久しぶりに待ち遠しい思いで観ています。戦争孤児の主人公と北海道の大自然、そして血はつながっていなくとも彼女を慈しむ家族。赤毛のアンやハイジを彷彿させるものがあります。
 
 
 

家族の形

2019年04月18日 | 日記
 先日、NHKのあさイチで、いろいろな形の夫婦像を放映していました。
 事実婚、週末婚、主夫。
 登場している若いご夫婦は、みなさん明るい顔。
 いいなあと思いました。

 私は児童文学で、家庭を書くことが多いのですが、ふと気づくと、おとうさんが外で働いていて、おかあさんが家のことをして・・という形にしてしまっている事に気づいて、(いけない、いけない)となります。

 お父さんが新聞を読んでいて、おかあさんが掃除機をかける。昭和です。
 時代はもう平成も終わり。こんな家庭を書いてはいけない。
 
 ともあれ、冒頭の3組。前提は女が働いて、自立していること。
 これから、女性はそうでなければいけません。
 東大の上野教授のスピーチは、全部とは言えませんが、やはり爽快でした。
 
 こうしてマスコミに取り上げられるのは、うまくいっている場合。逆の場合もある。ということも含めて、時代を見て、書いていこうと思います。だからYA的なのは、もう若い作家さんに期待したい。なんても思うのですけどね。
 
 秋田の講座をやることもそうなのですが、若い方へのエールということをこのごろ考えています。



秋田の講座のことを、秋田経済新聞、そして、ヤフーニュースにも取り上げていただきました。(アップの写真が、げげっですが)。引き続き、お申し込み受付中です。よろしくお願いいたします。

地獄の釜の蓋 など晩春の季語

2019年04月16日 | 日記
        

 きらん草の別名が「地獄の釜の蓋」。すごいネーミングです。

 この島に生うて地獄の釜の蓋  川口未来 

  花榠樝(かりん)

  麦青む

  竹の秋

  残花

  花筏

  桜蘂

 俳句は? はは。来週の句会のために、今から少し。
 

「母の友」2019・5月号

2019年04月13日 | 日記
       

 今月号ですが、特集「絵本を作る人」㉔ が、山村浩二さんです。

  
 
 どんぴしゃのタイミングで、「くもにアイロン」のことも語ってくださっています。
「いやあ、描くの、苦労しました」
「リアルとデフォルメの配分が難しかったです」 

 ありがとうございます。

 本当にね。あの絵は、ちょっと上手なくらいで描けるものではないと思うのですよ。
 ビルや高速道路、大仏のぺらぺら感。そしてリアル感。

 子どもの頃から好きだった「作ること」。それをずーっと追求されている様子が伝わってきました。
 何度かかみしめて読みたい特集でした。

 山村さんのアニメーションや絵本がお好きな方はもちろんですが、物作り(文章を含めて)をしている方、ぜひ、お読みいただきたいと思います。

傷ついたり傷つけたり

2019年04月12日 | 日記
 人見知り。人の中に出るのが嫌い。人と話すのが苦手。
 ずっとこんな感じでした。
 でも、年をとるにつれ、大分その辺の感覚が鈍くなり、人にどう思われてもいい。後ろめたいことがないんだったら、何を言われても平気になりました……大分。

 それでも、ここのところ、いろいろ気持ちが疲弊しています。
 あんなことを言うんじゃなかった。
 あんなことするんじゃなかった。
 もしかしたら友達なくす方向にいるんじゃないか?
 
 そして、いただいたメールのちょっとした言い回しに傷ついたりして。
 
 もしかしたら、逆にどなたかを傷つけているかもしれない、とも思ったりして。

 何もしないでじっと家にいれば、こんなこともありません。
 でも、残りの人生。
 少し社会に還元したい。そんな気持ちを抱いて、外に出ます。
 もっと自分の根幹を鍛えて、ゆるぎなく歩いていければいいのですが。

 あ、そうだ。
 それを支えてくれるのが、文学でもあるんだ。

 上に書いたような気持ちもあるから、文学をやっているのかもしれません。

 ~普段、ブログやツイッターには、負の要素は書かないようにしています。読む方までめいってしまいますからね。でもそうしていると、自分はいいことだらけなのかと思われている? なーんて、思ったり。(これ、私今精神が低迷しているから、そういう意識になってしまうのだとはわかるのですが)
 でも先日、あるイラストレーターさんのブログで、心が折れても死なない と書かれていて、励まされました。その前後のことも。誰とは書けませんが。
 そうですよね。みんな、そうやって頑張ってるんだよね。

と、私のこんなブログを読んで、(おおぎやなぎも、悩んでるんだな。自分もがんばろう)と思ってくださる方が一人くらいいらっしゃるかも・・・という気持ちでアップします。 

  

 5月12日の講座。まだ余裕がございます。心の支えとなる文学。ご興味がありましたら、お気軽にいらしてください。

 
  

にんにく注射

2019年04月09日 | 日記
 先月風邪をひいて、いきつけの医院に行ったとき、壁に「にんにく注射始めました」というのが貼られていました。
 ??? 
 なんか気になって、きいてみたら、疲労回復によいとのこと。
 保険はきかず、一回2000円。
 風邪薬は普通に処方していただき、注射もしてもらいました。

 にんにく注射とあっても、別ににんにくエキスを注射するというわけではないようです。ビタミン剤を飲むのではなく、血液に直接注入するみたいな? すみません、よくわかってません。
 ゆっくり数分かけて注射をするのですが、ぷ~んとにんにくのような匂いがします。
 別に接種後、体から匂うわけではないとのこと。

 これは効きました。このごろ、いったん風邪をひくと回復が遅くて、10日くらいかかるようになっていたのですが、今回3日後には回復。薬もだいたいもう一回行って処方してもらっていたのが、今回は1回で済みました。

 それで、先日も。なんだか疲れが抜けず、こりゃあ、にんにく注射だ! と行ってきました。(笑)
 にんにく注射の他、更年期の女性のためのプラセンタ注射、そして「スペシャル点滴」というのがあります。スペシャル点滴は、5000円。気になります。
(実は、ある著名な作家さんが、サイン会などで忙しいとき、スペシャル点滴をする。という話を伺ったことがあったのです。そのときは、なにか怪しげ? と思ったのですが、今思うと、これなのかもしれません。その医院医院で、中身はいろいろ工夫しているとか)

  
「くもにアイロン」発売中です。おかげさまで好評です。嬉しい感想をたくさんいただいております。
 にんにく注射もいいですが、この感想に元気をいただいています。
 ありがとうございます。引き続き、よろしくお願いいたします。

岡ともこ句集『楽器庫』(童子吟社)

2019年04月07日 | 本の紹介

 弾き終へて時雨の音の中にかな 

ともこさんは、長年(なんと80年)もピアノをされていらっしゃる方。俳句は20年とのことですが、合わせて100年。渾身の句集を出されました。
         
 
 多くが音楽が聞こえてくるような句です。
 
 冒頭の代表句は、一心にピアノを弾いて、その音が消えたとき、時雨の音の中にいた。という美しい調べの句です。
 
 万を超す楽譜に春の目眩かな
 楽器庫に皮のにほひや梅雨深し
 写譜用の鉛筆ちびて夏の朝

 一つのことに精進した方が俳句をやると、その心構えが違います。詩心がきちんと根底に感じられ、どの句も読み手の心の弦をはじいてくれます。音楽の句以外では、

 あつといふ顔の鰯や網の上
 風薫るピアノの下もモップ入れ
 凩やすとんと老いて粥を煮て
 電柱の根元に梅雨の闇の濃かり
 青すだれ琴の木目は水に似て
 ぬんめりと椅子に置かれし毛皮かな
 極月や足湯の中に足ゆがみ
 触れてみし子宝石に春の冷え

 
 俳句という座は、老若男女、社会的地位など関係なく対等というのが嬉しい場です。ともこさんとは、長年句座をともにしていましたが、ずっとご自宅でピアノを教えてらしたのかなと思っていました。ところがある日、ある方に「ともこさんって、すごいのよ。音大では小澤征爾と同級生でらして、大学でピアノを教えてらしたんですって」と、ええ、ピアノの教授? と! なりました。私のようなただのおばさんには、普通だったら知り合うこともないような方。でもともこさんも、句会ではただのおばさんで(失礼)、その後もずっと気さくにおつきあいをいただいています。

 知り合いの句集の出版が相次ぎ、嬉しい受賞のお知らせも届いています。でも5月にある2つのお祝い会は、やむなく欠席。申し訳なく思っております。
 

「ウツボ」(「児童文芸2019・4・5月号)

2019年04月01日 | 自作紹介
 雑誌「児童文芸」最新号に、「ウツボ」という作品を発表させていただきました。
 ページ割はしていませんが、絵本を想定したナンセンス作品です。



 ウツボが、すずらんしょうてんがいを、あるいていました。っていうか、およいでいました。いや、とんでいました。
 いや、やっぱり……あるいて……。どっちでしょうか。

 と、始まります。
 ウツボと商店街のお店の人とのやりとりが続き、その後銀行強盗が、という展開。そこでウツボはどうするか。ぜひ読んでいただきたい作品です。



 この作品を書いたきっかけは、ウツボとタコが海の底でけんかをしていたのを見たという知人の話でした。ウツボは、岩にしっぽをひっかけていると、すごい強気だけれど、しっぽが岩から離れると、しゅるるる~と、情けなくなる。ということでした。おもしろい~と思って。

 ただ、ナンセンスを書いたことがなく、ずーっとパソコンにしまっていました。数年前に雑誌掲載のご依頼をいただき、皆さんに感想をお聞きできたらいいなと思った次第です。その後事情があり、発表が遅れ、今月になりました。
 「こどものとも」の初めてのナンセンス絵本「くもにアイロン」が出たのと、どんぴしゃのタイミング。これは、何か運命のようにも勝手ながら思っています。

 はちゃめちゃ、破壊力のあるウツボのナンセンス絵本。どこか、絵本にしてくださる出版社さん、絶賛募集中です!!

また、今号は、協会賞など各賞の発表がありました。
 第43回児童文芸家協会賞は、『マレスケの虹』森川成美(小峰書店)。
 第48回児童文芸新人賞は、『わたしの空と五・七・五』森埜こみち(講談社)。

 どちらもよく存じ上げている方なので、うれしさもひとしおです。森川さん、森埜さん、おめでとうございました!! ますますのご活躍を!!