今年も半分が終わります。うーん。おすすめは4冊だけでした。
・『三月』 大島真寿美 (光文社) 短編連作ですが、最後の作品とそれまでのものの間に3、11が挟まれています。実際に書かれた(雑誌に発表された)記録を見ても、やはりそうらしく、最後の作品だけは、震災後に書かれたものだとわかります。それまで別々の人生を歩んでいた女性が、最後震災後の宮城に集まります。(手元に本がなく、宮城じゃなく岩手だったかな? と確かめられずにいますが。とにかく震災の被害にあった東北の町)
・『スロウハイツの神様』 辻村深月 長いので、最初の方はなかなか進まなかったのですが、ラストに近づくに従ってぐいぐいと引き込まれ、ラスト近くでは泣きました。
・『野心のすすめ』 林真理子 (講談社) 正直、この方の小説はそんなに読んでいるわけではないのですが、『下流の宴』は、おもしろかった。いま朝ドラの主人公の友人として登場している白蓮を描いた小説も読みたいと思っています。 『野心のすすめ』は、低め安定で満足している世の中に渇をいれたエッセイ。飛行機のファーストクラスやブランドものをいつかと思って頑張るというのは、ある種象徴的なことで、私はエコノミーしか乗らないだろうし、ブランド物もいいとはわかっていますが、そんなにあれが欲しいということもない。でも、野心を持つことは必要だと共感しまくりました。ボーイズビィアンビシャスとなると高尚すぎ、野心というと品がない的な感覚がどこかあるかもしれないけど、なりふり構わず、みっともないと思われてもいいから必死になるということがないと、人よりぬきんでることはできない。(ああ、あまり書きすぎると墓穴を掘る)
・『母のない子と子のない母と』 (壺井栄) ブックオフで復刻版のきれいな本が100円だったので買って読んだのですが、これが新鮮でした。今の子どもっちはちょっと無理かもという気はするけど、大人にはお勧めだなと思いました。冒頭近くのエピソードで、ちょっと生々しいというか、うーんというのもあったりして。戦後、島で父親が戦争から帰ってこない家が何軒もでもある。そこに埼玉県熊谷(しかも鴻巣という具体的な地名が出ていて、今の私には、ああ、あそこかとわかるので、読んでいて入り込めました)何より小豆島に行きたくなる魅力的な小説でした。
この本に挟まっていたしおりの「名作復刻シリーズ」、『三太物語』や『ノンちゃん雲に乗る』や『二十四の瞳』や、読みたいなあ。いわゆる名作的な本を読み返すという作業もやりたいものです。『しろばんば』とか、『あすなろ物語』とか、あとなんだろう。子どもの頃、一応読んだというくらいの本、今読むときっと新しい発見がありそう。
この半年は、ちょっと読み始めて、これは止めようと最後まで読まなかった本が何冊もあり、(ざーっと結末だけチェックしたり)。ある作家さんの本を何冊も続けて読んで、それなりに、まあまあではあったのだけど、何かちょっと物足りなかったり。というのも多かったです。
それから、『村上海賊の娘』 今月初めに図書館に予約したら、399人待ちでしたよ。400人目。今年中どころか、来年中にまわってきたらいいほうか?
捻花 小さくて、かわいい!