fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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森羅万象に対する畏敬

2016年02月29日 | 日記
 風邪で伏せっていたときに思ったことのひとつが、これでした。
 よく物語で何を言いたいのか、何を伝えたいのか、メッセージはなんなのか? という問いかけがあります。児童文学ならではのことで、それは子供に向けてものを書く上では大事なことです。

 あきらめない人生。人とのつながり。命の大切さ。などですよね。
 でも私の場合、メッセージがはっきりとしていないものも中にはあって・・・。それはダメなのかなあと思ったりしていたのですが。
 そうじゃないよ。ちゃんとあるよ! と思ったのです。

 それが今日のタイトルである「森羅万象に対する畏敬」の念です。
 さかのぼって、ずーっと以前に、辻桃子主宰に「雲海」という季語についておたずねしたことがありました。「雲海」とは、夏の季語で、本来山に登って見るもの、なので山登りが盛んな夏の季語というのはわかる。でも、現在飛行機から雲海が見えるということはよくある。飛行機から見た雲海も夏ならば季語として成立しますか? とおたずねしたのです。

 答えは。

 どの季語もつきつめれば根底には神への畏敬の念があるもの。「山開き」は山の神様への挨拶であるように。なので、飛行機から見た雲海でも神への畏敬の念があればよい。

 とのことでした。
 そして今思うのです。春はすべてが芽吹き、命が息吹をあげる時期。春の言葉を使うときはその喜び、そしてそれらを恵みを与えてくれる神への畏敬の念を持って句を作るべき。夏も秋も冬も、それぞれに。

 それは、言葉を糧として物語りをつむいでいるものすべてが抱くべきものではないか。
 絵本や幼年ものの物語を書くとき、対象はまだこの世に生まれて十年も経っていない子供なのです。この世は素晴らしい、私達はすばらしい世界を賜っているのだということを伝えるという姿勢でいなくてはならないのではないか。

 なんていうか・・・、メッセージは別にあってもその根底にあってほしいもの。

 そんなことを思ったのでした。

 ん・・・。というころは、この世を素晴らしいものにする責任もあるということだ。

 *ところで、先日、友人のご主人が(という言い方は好きではないのですけどね。慣例的に使っています) このブログを読んでいるということを聞かされ・・・。そりゃあ、公開しているわけなので、誰が見ているかわからないのですが。
 時に真面目ぶってこんなことを書いたかと思うと、どうでもいいことをつぶやいて。
 そんな感じなのに、ありがとうございます!!

創作の基本

2016年02月28日 | 日記
  風邪でぐだぐだしていた10日くらい、(考えるとそんなにも)たまにパソコンに向かってはある作品の冒頭をこねくりまわしていました。
 で、結局時系列で書くのが一番いいという結論に。(今更かい)
 でも、冒頭にはいろいろ情報を入れる必要もあり、でも説明的になってはならないし。(まったくもって、今更だよ)

 まだまだ修行が足らないということでした。
 伏線とか、フラグとか・・・。
また頭が痛くなってきた(笑)。作者が楽をせず、ここをきちんとやれば、読者がする~っと読んでくれるというわけですね。(今更ばかりですみません)

   

 谷保天の宝物殿にある狛犬の阿

早春賦

2016年02月27日 | 日記
 幹事をつとめている多摩センター句会の新年会で、句会の最後を歌でしめることにしました。
 2月は、「早春賦」。
 
 春は名のみの風の寒さや~ ♪   です。

 谷の鶯歌は思えど♪

 ここ、「思えど」なんですね。「覚えど」だと思ってましたよ。鶯が歌を覚えたけれど、まだ寒いから歌わない。っていう意味だと思っていた・・・。ありがちな間違い? 「兎追いし」を「兎おいしい」と思っていたとかね。

 2番もいいい。
 
 氷解けさり蘆は角ぐむ~  ♪  

 「蘆の角」っていう季語がまさに、今。
 
 みんなで合唱し、歌詞を確かめて、ふむふむ。いいねえ、と。

 来月は何にしようかな。

     

 一度花が全部落ちた胡蝶蘭がまた3つ咲きました。

大久保りん句集『薔薇一輪』(童子吟社)

2016年02月26日 | 本の紹介
              写真が曲がっていてもうしわけない。というより、撮り方が悪い。

御年99才の大久保りんさんが、初句集を出されました。昭和30年より以前から俳句を始め、名だたる俳人に師事し学んでこられたけれど、句集を出さずに今日まで来ていらしたのです。そして、このたび出したものは、90才をすぎてから作った句を集めたもの。つまり80才代以前のものはすべて、捨てたのです。なんという潔さ。

 世のこのにうとく住みては夕端居
 余生とて青野に風の吹いてをり
 亡き人のつぎつぎ出でて春の夢
 老人にあきあきしたる枯蟷螂
 人の世もとどのつまりは牡丹散る

 りんさんは、辻桃子「童子」主宰の母上。りんさんが俳句をやっていたから、辻桃子は俳句をやり、そして私も俳句をやっているわけです。りんさんに感謝。
 何度かお会いしていますが、俳号そのもの、「凜」としたお方です。りんさんが入ってらっしゃる苑での句会にもお邪魔したことがありますが、廊下には、りんさんが描いた紫陽花に、入居者が色を塗ったものがずらりと貼られていました。

 昼食にたれかが咽せて獺祭忌
 春待つや何年経つても老人で
 寝疲れといふ疲れありスイートピー
 花屑がつもる庭下駄退院す
 一片の塵もまじへず桜散る

 お見事!!

『どーだっ!』(後藤竜二文・長谷川知子絵)新日本出版社

2016年02月25日 | 本の紹介

             

 亡くなられた後藤竜二さんの、まだ単行本になっていない物語が発掘され、本になりました。
 一編一編はとても短いのですが、おもしろい! 
 やっぱり元気な子供はいいです。
 
 傷を見せ合って自慢する男子達。
 いたずら心でうわばきを隠しちゃって、かくしたところをさがす女の子。でも、出てくるのは・・・。この落ちがおもしろい。
 
 表紙の絵が、まるで天使みたいです。

「家をせおって歩く」(たくさんのふしぎ3月号・福音館書店)

2016年02月24日 | 本の紹介
          

 世の中にはおもしろいことをやっている人がいるものです。
 作者の村上慧さんは、発泡スチロールで家を作り、背負って歩いては、どなたかの家の庭などを借りてはそこに泊まるという生活をしているとのこと。
 たまたま巣鴨を歩いているときに、昼休みに出ていた福音館の編集者さん達に目撃されて、この一冊になったのだとか。
 基本は歩くのだけれど、フェリーなどに乗ることもあるとか。
 秋田や岩手を歩いている写真もありました。道路を歩いている写真とかって、ホントシュールです。
「たくさんのふしぎ」という雑誌として出たというのも、おもしろいなあと。

 きょうも、どこかを歩いているのでしょうか。
 見てみたい! 

拾ってきた瓢箪

2016年02月23日 | 日記
         

 散歩で拾ってきました。
 振るとカラカラと音がします。
 土の汚れは洗ってもこれ以上とれませんでした。

 上の部分を切って、表面に塗料を塗れば、ひょうたんの水入れができるのかな。蓋は、手頃な木の枝でもさがすのでしょうか。

 瓢箪は、秋の季語ですが。

残る鴨

2016年02月22日 | 俳句
            

 鴨なんて、一年中いるようだけど、一応渡り鳥。春は、「鳥帰る」季節なのですが、帰らずに残っている鴨を、「残る鴨」「残り鴨」といいます。これが夏になると、「通し鴨」

 二羽ならば番といはれ通し鴨   あぶみ 『だだすこ』 

 夏の句なのでした。
 『だだすこ』は、作ってから2年以上経っているのですが、まだあるので、先日もお二人ほど差し上げる機会があり、がんばっています。時々手にして読んでいますと言っていただけて、嬉しい。

ない

2016年02月21日 | 日記
 ふと、ずっと前に書いたあの作品、書き直せばなんとかなるかも。と思いさがしたものの、ない。USB3本さがしたけど、ない。
 いつだったか、思い切って、あれこれ削除したことがあったけど、あのとき捨てたのだったか・・・。あのときは、これはもう捨てるべき! と思ったんだなあ。うーん。
 岩手にたしか、CDに落としたのがあるはず。あれに残っていないか。そういえば、外付けハードディスクというのも使っていたことがあったけど、あれはどこへいったのか。
 しかし、さがしたUSB3本それぞれに、「しゅるしゅるぱん」のファイルがいっぱい。これだけ、書き直したんだなあ。もういらないから、こっちこそ削除しちゃおうか、と思ったけれど、そのままにしておきました。
 でもけがの功名というか、中にいくつか、忘れていたけど、読み直してみようというのも発見。
 しかし、タイトルからどんなのか、全く思い出せないものもあったりして。で、開いてみると10枚くらいの途中で投げ出していたりして・・・。
 一応、毎日書いてるから、量だけはあるってわけです。

  

 蕗味噌作りました。(風邪をひく前ね)きのうは、微熱もあり・・・。寝ながら頭の中で昔の作品をあれこれあれこれ。きょうで治りたいなあ。

鉄瓶で沸かしたお湯

2016年02月20日 | 日記
 鉄瓶でお湯を沸かしているので、鉄分がとれていると思います。
 それに、お茶がおいしいと思うのです。白湯だけで飲んでも、まろやかだと思うし。体に優しい感じがします。
 
 コーヒーは、スーパーOKのお安いもの。500gで400円くらいです。この粉を買うだけのため、このスーパーに行きます。 日本茶は、300円程度の抹茶入りのもの。
 このお安いもので、十分おいしく飲めています。(え、味覚の問題? かなあ)

 コーヒーの粉は、封を切ったら、冷凍庫に入れます。粉のまま、すぐに使えて鮮度が保てます。

  谷保天裏にあった古いポスト

 やはり、ダウン。今年すでに3回目くらいな気がする。
 きのうは丸一日寝ていて、少しはよくなりました。
 が、本日も出かける予定でしたが、キャンセルしました。お会いできる予定だった皆様、残念です。また暖かくなったらお会いできますように。

食べたい

2016年02月18日 | 日記
 先日、信州の2000円のキャベツがテレビに出ていました。
 雪の下のキャベツです。

 それで思い出したのは、舅が生きていたとき、作っていた芽キャベツ。雪の下から掘ったあの芽キャベツ、おいしかったなあ。雪の下にいることで、ぎゅっと甘みが凝縮されるんですよね。
 かといって2000円のキャベツを食べたいかというと、そうではなく。
 鮮度もあると思うのですよ。

 

 何年か前にこのブログに載せた芽キャベツ。見た目は悪いですけどね、おいしかったのです。

 *さて、喉がやられちまいました。
  となると、なーんか体もだるくなるんですよねえ。
  一日に何度も塩うがいをし、PL顆粒を飲んでいますが・・・。

わらべうた

2016年02月17日 | 日記
 わらべうた、いいです。
 私が子どものころは、ずいずいずっころばし♪、けっこう友達とやったものです。あんたがたどこさ♪ でまりつきもしたなあ。かーってうれしい花いちもんめ♪もやった。子どもたちだけで、遊んでいたものでした。若い人からしたら、古い~って感じかもしれませんが。

 そして、大人になって、国分寺の保育室で働いていたとき、いくつか覚えました。
 
 にーぎりぱっちりたてよこひよこ ピヨピヨピヨ~ ♪ とか、
 
 くまさん、くまさん まわれみぎ~ ♪ とか。

 いーとまきまき♪ とか。
 
 わらべうたは、音階があまり幅がなく、歌いやすいのがいいです。つまり私のような音痴でもOK。ちょっと短調ぽいのも(ちがう?)もの悲しくていいあ。

 そして、

おてぶしてぶし
てぶしのなかに
へびのなまやけ
かえるのさしみ
いっちょうばこやるから
まるめておくれ
いーや

 これ、気に入っています。意味わからないとことか、気味が悪いところとか。両手に何か持って、右か左か子どもに当てさせる遊びなのですけどね。

 考えてみれば、「かーってうれしい花いちもんめ」は、あれは、二手にわかれて、「○○ちゃんがほしい」とかってじゃんけんして、子どもをやりとりする遊びでした。「ほしい」っていわれなくて、最後まで残るっていう場合もあるわけで。けっこうシビア。人気のある子がまっさきに、もらわれていくわけです。思えば遊びの中で、現実の厳しさに慣れていっていたのかも。

  近所のシイの木が伐られたあと
 
 

『タイムストーリー 1週間でオレをふってください』ご紹介いただきました

2016年02月16日 | 自作紹介
          

『タイムストーリー 1週間後にオレをふってください』(偕成社)をご紹介いただいております。
 森川成美の創作日記
 そうそう。森川さんは、第一期タイムストーリーに書かれていらっしゃいます。しかも、1週間、しかも夢の話。わー、かぶってるよ(笑) でも、第一期が出たのは、昨年の初め、私が「七日夢(なぬかゆめ)」を書いたのは、一昨年の暮れなのでね、読んではいなかったのです。こういうことってあるのです。でも、よかったら、森川さんのも読んでみてください。中身はぜんぜん違うので。
 ちなみに、森川成美さん、「しげみ」さんです。← 私、しょっちゅう間違えて、「茂美」と書いてしまうのです。昨年はアンソロジーを含めると10冊以上本を出されたのですよ。すごい。

高橋秀雄「創作日記
 こわかったと言っていただけて、ほっ。
 高橋さん、もうすぐ初めてのノンフィクションが出版されるとのこと。楽しみです。
 煙草を控えて長生きをしていただきたい。


赤羽じゅんこの三日坊主日記 
ご紹介の中で、今市子さんのマンガに触れてらっしゃいます。わあ、嬉しい! 私『百鬼夜行抄』大好きなのですよ。自分では全く意識していなかったし、最近は読んでなかったので忘れていました。好きなマンガベスト3に入るものなのです。嬉しい~。
 
 皆様、ありがとうございました!! 

たなか迪子句集『沓あと』(ふらんす堂)

2016年02月15日 | 本の紹介

 「童子」の大先輩である、たなか迪子さんの第二句集です。
 ある程度年月を経て句集を出す方はたくさんいらっしゃいますが、第二句集を出される方は、ぐっと減ります。「童子」では、なくなられた大野朱香さんが第四句集まで出されましたし、浜崎素粒子さんは第六句集まで出してらっしゃいます。でも、それ以外で第二句集は、ひさびさに手にしたなあという印象です。

 きれい~。
 もちろん中身が大事。でもでも、この装丁の美しいこと! まさに着物の美しさです。布張りなんて、今日日句集くらいでしかお目にかかれないのではないでしょうか。めくった見開きがまた着物の裏でおしゃれをしている感覚です。
(上の写真では、よさが伝わってない・・・残念)

 梅雨鯰貧しき面でありにけり
 地吹雪やけむりのやうに人あゆみ
 なきがらに波音途切れざる日永
 ほのほのと十日の菊の疲れかな
 終電に男女駆け込む近松忌
 

第一句集だと、俳句を始めた頃の句が入っていたりして、意気込み+若々しさがメインになるのかな。でも第二句集を同じように作ってもしょうもない。やはりここにあるのは、人間でいうと、大人の落ち着きです。

 かなかなやまう会へぬとはあんまりな
 厚物の首のずらりに迎へらる
 足裏に眠りのツボがすいつちよん
 ふりかへる鬼灯市におとうと似
 ねつとりと夜風まつはる踊りかな

 いや、どれもいいのです。
 「ずらりに迎えらる」という言い回し、「すいっちょん」という季語のとぼけ具合(これ、とぼけすぎてもダメなわけで、その兼ね合いが絶妙。「弟」ではなく「おとうと」と仮名にしている。隅々まで配慮しているのがわかります。ねっとりとした夜風もまた。
 
 大会などではいつもキリリとお着物を着てらして、とても美しい方です。
 俳句をやっていると、すばらしい人生の先輩の姿を見られるというメリットがあるわけ。

 私も第二句集を出そうという気持ちになれる日がくるかなあ。まあ、一歩一歩です。