fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『アゲイン アゲイン』(あかね書房)『わくわくもりのはいくえん はる おともだちできるかな』『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~4巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

音羽紅子句集『初氷』(童子叢書)

2017年10月25日 | 日記
  

先日は、北見に雪のニュース。あ、紅子さんのところだと思いました。
  音羽紅子さんは、北見在住の若手俳人です。

  若手ながら、すでに「ゆきしづく」という雑誌を主宰していらっしゃるし、伝統俳句協会の会員で、新人賞の候補にも何度もなっているという実力派。早稲田大学在学時から俳句をやっていたという方です。でも、専門は北原白秋だったとか。

 さて、この句集『初氷』。とってもおしゃれ!! 

 センスのいい装丁! 
 モノクロの写真も、すごくいい感じ。

 いやいや、大事なのは、中身。(とはいえ、やはり装丁も大事だと思うのですよ。それを含めて一冊の本なのですから)

 お互ひにすすめて買はず今年絹
 この町は着物売れぬと温め酒

 京都から呉服屋さんが来たときの一連の句が、すごくいい! 小説になりそうです。 
 
 それから、やはり北見ならではの雪やストーヴの句がいい。
 白樺の半分ばかり雪の中
 ストーヴや灯油を注げばとくとくと

 
サハリンでの句もいい。
あの庭もこの裏庭も林檎咲く

 
 流氷の句もいい。
  流氷の隙間や海のふくれつつ
 流氷の立ち上がりては沈みゆく 


 どれもいい。(笑)
 
 
 紅子さん、おめでとうございます。
 どうぞ、これからも北見ならではの句を作り続け、北の大地に紅子あり! と、俳壇に知らしめてください

国分寺ブックタウンフェスティバルに参加します!

2017年10月25日 | 日記
      

 11月18日(土) 東京都国分寺市本多公民館でブックタウンフェスティバルが開催されます。

 ごらんのように、「書店ガールコーナー」、「本で遊ぶ」など、いろいろな企画がある中で、『なみきビブリオバトル・ストーリー』(さ・え・ら書房)の作者4人+さ・え・ら書房の担当編集者さんが、ビブリオバトルをいたします。ドキドキですが、ビブリオバトルは、立派な発表をしなくても、楽しいよって、お伝えできるように、私達自身が楽しみたいと思います。
 本多公民館ホールにて、11時~、14時~の2回。森川成美さんは、11時~のみ。編集者さんは、14時~のみ。私おおぎやなぎ、赤羽じゅんこさん、松本聡美さんは、どちらの回とも出ます! まだ、何の本を紹介しようか決めていませんが、ぜひぜひ、観戦して、読みたいと思った本に手をあげてください。

  

「みんなで作る物語」リレー形式で小説を作るという楽しい企画の出だしは、森川成美さんです! 誰でも気軽に、参加できるようですよ。思いがけない展開になったり、それを最後はどう終わらせるかなど、こちらも楽しそうです。
 
 国分寺は、私にとって子育てをした町。『なみきビブリオバトル・ストーリー』を書くさいに、いろいろ教えてくださった、ビブリオバトル普及委員会の粕谷亮美さん(ビブリオバトルの本を出してらっしゃいます)が、今回、橋渡しをしてくださいました。
 どうぞ、よろしくお願いいたします!!
 

『あぐり☆サイエンスクラブー秋と冬、その先に』(堀米薫作/黒須高嶺絵)新日本出版社

2017年10月23日 | 本の紹介
              

 『あぐり☆サイエンスクラブ春ーまさかの田んぼクラブ!?』、『あぐり☆サイエンスクラブー夏合宿が待っている!』に続く第三巻、最終巻が発売になりました。

 よくわからないまま〈あぐり☆サイエンスクラブ〉に入った学たちは、春に田植えを体験し(その前の苗代からちゃんと、体験した上で)、その稲が育つ様子を観察します。モットーは、「体験に勝るもの無し」。
 農業は、人が食べるものを作るわけですから、その結果できたものを、学たちは、食べるというのが、各巻に出てきます。これがもう、おいしそうで、おいしそうで。
 今回は、予想では、新米だよなあ。ご飯だよなあ。と思っていたら、しょっぱなに出てくるのが、ずんだ餅。枝豆は鮮度が大事。スーパーで売られる枝豆と採れたてのものの違いは、私もバッチリわかっています。ああ、こうやって書いていても、食べたい! その枝豆を、すぐに茹でて、つぶして、ずんだ餅に。ああ、食べたい。
 

 と、お腹を満たしてから、次が稲刈りです。ここで出るのが、イナゴの佃煮。ああ、これは、無理。(笑)

 いやいや、全部書いていくわけにはいきません。

 予想では、稲刈りをして、おいしい新米を食べて終わるのかと思っていたら、さすが堀米さん、ちゃんと「その先」があるのでしたー。
 これはもう、読んでみていただくしかありません。
 
 あ、ひとつだけ。藁のふとんのことが出ています。本当に昔の人は全てを利用していました。藁は、蓑になったり、草履になったり、牛のエサになったり、そして布団になったり。うちの岩手の家も農家なわけで、昔は、藁の布団に寝ていたと聞いています。これ、暖かいんだそうです。というようなことも、ちゃんと出ています。
 
 堀米さん、やりきりましたね! すばらしい3冊です。全て、堀米さんが実践しているものばかりだというのが、すごい。
 
 リアル「あぐり☆サイエンスクラブ」も、あるといいのに。

書評を書いていただきました。(「ベルマーク新聞」・「しんぶん赤旗」・「季節風」)

2017年10月20日 | 自作紹介
  10月10日のベルマーク新聞の「読んでみたい本」に、『なみきビブリオバトル・ストーリー』(さ・え・ら書房)と、『オオカミのお札(一)(二)(三)』(くもん出版)を取り上げていただいております。書いてくださったのは、児童文学評論家藤田のぼるさんです。
  

 10月14日の「しんぶん赤旗」の「子どもの本」には、『オオカミのお札(一)カヨが聞いた声ー江戸時代』(くもん出版)を、児童文学評論家内川朗子さんが、取り上げてくださいました。
  
 「季節風」132号(2017年秋号)では、『なみきビブリオバトル・ストーリー』(さ・え・ら書房)を、イタリア在住作家、佐藤まどかさんが書いてくださいました。題して、「熱いぞ! ビブリオバトル!」。
 4人が書いた各編について、きっちりといいところを取り上げてくださって、嬉しい。
 私が書いた玲奈の部分だけ、抜粋させていただきます。
 

 ここで著者は、物語の登場人物が読者にとってどれほど重要かを書いている。読者は登場人物に共感し、反発し、あこがれ、憎み、愛するのだ。大学生へのほんのりとした恋と失恋もからめて、少女が物語の世界と現実を比較成長していく姿を、ビブリオバトルを通してさわやかに描いた。

 ありがとうございました!! 
 今号の「季節風」には、私も「後藤竜二と会える本」と題して、『坂の上の図書館』池田ゆみる(さ・え・ら書房)の書評を書かせていただいております。

「童子」習志野句会句集Ⅱ『ならしの』

2017年10月18日 | 自作紹介
 
 「童子」各地にある句会が、次々と合同句集を出していますが、習志野句会では、とうとうⅡ号ができました。


 
 母老いて三姉妹老い谷崎忌   辻 桃子
 伯父ずらし伯母を納めて冬の墓  安部元気

 買初や浅草橋で日めくりを  薗部庚申
 風入れて創刊号のかく薄き  たなか迪子
 
 いつまでも喉の治らぬ立夏かな  黒木千草
 玄関の四角の闇に豆打てり  小川こう
 浜風の強き千倉やダチュラ咲く  奥出ひろ子
 飛び立てば風に戻され寒雀   倉持万千
 花茣蓙にころがしおくも子守かな  桑原いろ葉
 末席に座る癖あり箒草    毛塚紫蘭
 半熟の黄身滴れる厄日かな  幸崎桂花
 半夏雨ぷすりぷすりと砂が吸ひ  高橋羊一
 はんぺんのやうな女形や春芝居   中島鳥巣
 渦巻くや二百十日の湯を抜けば  中村時人
 袋より煙のやうな物の種   ひろおかいつか
 新しき絨毯に猫ごろごろと  笛木かりん
 師の庭のここも花野というべかり  ふく嶋桐里
 馬小屋の一頭ごとの扇風機  村井あきつ
 またひとり喪服と出会ふ残暑かな  脇坂うたの


 私も一つの句会を世話人として、やっていますが、このようなまとまった句集を出すにはいたっていません。結束力と、みなさんのパワーが、すごい! 一人一句で選びましたが、まだまだ好きな句があります。
 私は、俳句をやることは、最初は一人で、こつこつと、筆記用具さえあればできると思っていたけれど、いざ始めてみると、一人では進歩がなく、やはり「座」が。大事。ところが人が集まる、組織というところに入ると、いいこと、楽しいことばかりではなく、傷ついたり、不愉快な気持ちになったりということも出てきます。俳句も、人と比べてしまったり・・・。でも時々、本来の目的やいやなことを乗り越えたときの自分なりの進歩を感じると、やめなくてよかったと思うわけで。

 俳句は、ある意味、遊びです。やったからお金になるものじゃないから、仕事ではない。(一部のトップ俳人をのぞいて)でも、この「遊び」を真剣にやることが、その人本来の仕事や生き方につながっていくと信じています。
 以前、何度か書きましたが、私の場合、俳句をやることと児童文学とが相乗効果になっていることは確かですが、それは、「俳句が勉強になる」「役に立つ」ということではなく、ものを見る目や、自分が生きている世界のすばらしさを感じること。これからも、そのあたりを考えながら、両方の文学に身を置いていきたいと思っています。
 きっと、上の皆さんもそれぞれ、いろいろな思いを抱えながら、続けてらした成果がこの一冊なのだなと、感じました。
 今月末には、「童子」30周年記念大会があります。全国津々浦々から集まる俳人とお会いできるのが、楽しみです。

鳥海山を見ながら、乗馬体験(ポニーランド花立)

2017年10月17日 | 日記
  先週ですが、秋田の由利本荘の牧場で、お馬さんに乗ってきました。

   
 写真は、一緒に行った友人です。
 あいにく、お天気がいまいちでしたが、うっすら雪をかぶった鳥海山を見ながら、30分。
 最初は緊張しましたが、後半はお兄さんに見守られながら、歩くこともできました。

 慣れた人なら、柵から出て、自由に周辺を乗り回すのだそうです。すごい。

 この牧場は、日本で二番目に星がきれいに見えるところでもあるとか。すばらしい天の川の写真がありました。(1番きれいに見えるのは、どこでしょうか)
 宇宙飛行士の山崎さんが宇宙に持っていった朝顔の種をわけていただいたのを、増やす活動をしているそうです。いずれ、朝顔のきれいな牧場になるのでしょう。
 秋田市からのドライブも、快適でした。

10月中旬の岩手~秋田

2017年10月15日 | 日記
 今年は天候不順で、稲刈りが遅く、10月中旬でも半分くらいの田はまだ、刈られずに残っていました。

  この景色、好き。

  リンゴはそろそろ収穫

  イチジクは、ぞくぞく熟して

 7年前に伐った柿の木が、2メートルくらいにまでまた伸びているのですが、初めて実をつけました。桃栗3年柿8年に一年早く、頑張りました。本日、へたを焼酎につけて、ビニール袋に保存。東京へ送り出しました。無事に渋が抜けますように。
 朝晩は寒くて、暖房を入れています。 
 
北上市は、紅葉はもう少しかなという感じでしたが、秋田へ行ったときは、県境はもうちらほら。そして秋田市内が意外にも、赤い葉っぱが多くて、やはり、少し北にあるのだなあと思いました。

  野ぶどうの、この色合い。大好き。

 
 

東北にも、オオカミ信仰ー三峯神社(岩手県一関)

2017年10月11日 | 日記
 埼玉の三峯神社は、オオカミ信仰で有名で、東北にも、この神社の派生したお宮があることは聞いていたのですが、平泉にもあると知り、訪れました。(一週間ほど前)
  
 
 だーれも、いません。
 お社があって、その奥に段が続いています。おそらく山頂まで登ることができるのかな。それほど高い感じもしないので、と思い、途中まで登りましたが・・・。なんか、怖くなってきて、断念。

  
 お札は、どこにも見あたりませんでした。
 蜥蜴が一匹いました。そろそろ穴に入る時期。

蝮(まむし)草が、実になっていて。

 埼玉の三峯神社にも、一度お詣りをしたいのですが。


『なみきビブリオバトル・ストーリー 本と4人の深呼吸』(さ・え・ら書房)重版出来

2017年10月11日 | 自作紹介
          

 6月に発売になった『なみきビブリオバトル・ストーリー 本と4人の深呼吸』(さ・え・ら書房)。重版のお知らせをいただきました。半年たたずに重版とは、嬉しい限りです。 
 皆様、どうもありがとうございました!! 

 今月末には、八王子の小学校のビブリオバトルを見学に行かせていただきます。八王子は、とても熱心にビブリオバトルをやっているみたい。楽しみです。

 また後日、詳しいことをお知らせしますが、11月には、ビブリオバトルのイベントの企画に出る予定です。

 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
 ビブリオバトル、ご近所でもきっと開催されていると思いますので、ぜひ、この本を読んで、挑戦してみてください。楽しいです。
 
 

義経堂(高舘)

2017年10月10日 | 日記
  奥州平泉には、何度か行っているのですが、ここ、義経が果てた高舘には、実は行ったことがなく・・・。今回、初めて訪れました。

     

  東に北上川を臨み、北には衣川(見えないけど、すぐ)が流れています。

   北上川

  芭蕉は、ここで「夏草や兵共が夢の跡」を詠んだのですねえ。

  私があれこれ書くより、『奥の細道』の一説を。

  三代の栄耀(えいよう)一睡の中にして、大門の跡は一里こなたに有。秀衡が跡は田野に成て、金鶏山のみ形を遺す。先高舘にのぼれば、北上川南部より流るる大河成(中略)。「国破れて山河あり、城春にして草青みたり」と傘打敷て時のうつるまで泪を落し侍りぬ。

 国破れて山河あり  は、中国の詩人杜甫。

 どちらも、名文。

  衣川にも寄りました。南にはすぐ、こんもりと中尊寺があります。山一つが寺なのですね。正面の方、駐車場は観光客でいっぱいでしたが、この衣川の近くには、無料の駐車場があり、寺への入り口も。きっと、こっちから入るというのが、混雑を避ける方法なのかな?と思いつつ、中尊寺は先日行ったので、パスしました。
 衣川は、北上川に比べるとずっと細い川ですが、このあたりは、蝦夷と朝廷軍が、大きな戦いをしたところ。
 
 藤原氏がここを治めるのは、またその後のこと。この辺の歴史は入り組んでいて、わかりにくいのですが、実際の土地に立つと、感じるものがありました。

 藤原氏は、貴族だけれど、東北の安部氏の娘と婚姻を結んでいるので、敵対していた二つの地域をまとめたという見方もできるんだなと、改めて思ったことでもありました。

安部元気句集『隠岐』(文學の森) 

2017年10月07日 | 本の紹介
          

  安部元気「童子」副主宰が、第四句集をご上梓されました。
 隠岐は、元気さんが幼年~少年時代を過ごした島です。「童子」では、何度か吟行をしていますが、私も一度行きました。
 遠かった。
 かつて後鳥羽上皇も流された、流刑の地である隠岐は、北前船の寄港地でもあり、幾重もの歴史が積み重なった場でした。

  ふるさとの片陰もなき浜ゆけり
  屋敷跡南瓜の花の盛りなり
  訪ねれば網戸一枚あけて留守


 元気さんの親戚や友人も、ひとり、またひとりと亡くなられ、

  誰が逝き彼が逝きしと帰省子に
  遺りしは女ばかりや盆休み

 俳人は、生涯を旅しながら、俳句を作り続けるようなものですが、その血となり肉となるふるさとは、また別もの。

 2011年3月11日。あの東日本大震災の時には、主宰ともども、津軽から東京へ向かう新幹線の中で、八甲田のトンネルの中にいらして、その中で手帳を広げ、俳句を作っていらっしゃいます。

 暖房がまづ切れやがて照明も
 凍てつくや頼みの非常灯が消え
 瞑るも開くも闇や冷えまさる
 二十時間後なり雪の地上に出
 雪の野や救難バスに乗り込めば

 ほかもまるまる一冊、どの句も、変な力みがなく、かつ力強いものばかり。

北上川(きたかみ)の太き濁りや余花の頃
は、いずれは北上川沿いの墓に入るであろう、私にとっては、特別な句。

 お母様を亡くされたときの句も、この句集には収められています。

 姉ひとりべしよべしよ泣くよ冬の廊

 ふだん句集をいただくと、好きな句に付箋を貼って読むのですが、この句集は、それをやっていたら、すべてのページに付箋をつけなくてはならないとすぐにあきらめました。他にも、ご紹介したい句がやまほどありますが、ぜひ句集そのものを味わっていただきたいです。

 この前に出された句集は、『一座』。加藤郁耶賞をご受賞されています。

 また『隠岐』の表紙を飾っている絵は、日本画家であった、辻桃子「童子」主宰の亡きお父上が描かれた風景です。微妙な青と緑の色合いのひなびた漁港。

 
 多くの俳人を束ね、指導し、叱責し、いっしょに笑い、「座」の中心にいて、そしてこれからも旅を続けることでしょう。私もまた、その後ろをついていく一人です。