fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『アゲイン アゲイン』(あかね書房)『わくわくもりのはいくえん はる おともだちできるかな』『みちのく山のゆなな』(国土社)『ファミリーマップ』、エンタメシリーズ『家守神』1~4巻、『おはようの声』幼年童話『ヘビくんブランコくん』『オンチの葉っぱららららら♪』、短編集『友だちの木』・歴史物語『アテルイ 坂上田村麻呂と交えたエミシの勇士』他、好評発売中です。各種ご依頼は、左側のメッセージからお願いいたします。    

オオカミのお札

2018年01月31日 | 日記
              

 うちが今のところに引っ越してきたのが12年前。その頃は田んぼがたくさんありましたが、今はほんの数枚。畑もどんどん減っています。 
 が、残っている近所の畑に、「オオカミのお札」が! 去年もあったかどうか、覚えていません。
 オオカミは、農業の神様(正確には、眷属・・・神の使い)として青梅御嶽山に祀られています。御嶽山を源流とした多摩川流域に、このオオカミ信仰は広まっているわけです。オオカミは、野菜に被害を与えるイノシシやテンを駆逐するから。
 蔵とか、お宮とか、玄関の上のほうとかは見たことありましたが、こうして畑にさしてあるのは、初めて見ました。
 転じて、家を守るお札となってもいるわけです。

 ということをベースに書いて、昨年出版された物語、『オオカミのお札』シリーズ(くもん出版)が、こちら。

  
 一巻 江戸時代『かヨが聞いた声』
 二巻 戦時中『正次が見た影』
 三巻 現代『美咲が感じた光』

 小学校高学年から読める物語ですが、大人の皆さまから「よかった」という感想をたくさんいただいております。ぜひ、お読みいただけたらと願っております。

プロテインを飲み始めました

2018年01月30日 | 日記
 これを書くことが、ある会社の宣伝になってしまうのでちょっと躊躇していたのですが・・・。

 昨年末からプロテインを飲み始めました。
 一年前から、一回30分の女性だけのジム(っていえば、すぐ名前が思い浮かぶほど、広まってますね)に通っています。そのジムでは、独自に開発されたプロテインを販売もしていて、勧められていたのですが、ずっと逃げていました。ドラッグストアで買ってちょっと飲んだりはしてましたが。
 年末、人間ドックを受け、その結果。いろいろなものが(血糖値とかコレステロールとか)正常値ではあるけれど、ぎりぎり。つまり高いことには変わりないよと言われました。そして、医師といろいろと話をしているうち、「筋肉がないんだな」「ジムに通ってるんですが」「運動しているのに、筋肉がついてないってことは、タンパク質が足りてないんだな」・・・という展開になり。プロテインを飲む決意を。

 インスリンの量が一昨年よりずっと増えているのに、血糖値が下がっていない。これは「インスリンは、筋肉の中で働くものだから、筋肉がないとダメ」という話もありました。

 毎日プロテインを飲んで一ヶ月。これ、効果が出ているのがわかります。
 散歩をしていて、これまでただ歩いていたのですが、時々、走ったり、早歩きをしたりっていうことが自然とできるんです。筋肉がついているんだと思います。ビタミンなども配合されているようで、体がしゃきっとして一日動くことができます。
 結果、実はお腹周りが減りました。(先日、ジムで測定して、コーチがびっくり)
 体重は1キロ前後減ったかな? という程度。なので、やはり筋肉がついているのだなと思います。

 ジム代プラスプロテイン代は、健康維持のための出費。医療費削減にもなると信じて。
 そうそう。プロテイン飲みはじめてから、風邪もひいていませんよ。ま、まだ一か月だけどね。

 ちなみに、ドラッグストアやネット販売ではもう少し安いプロテインもあると思うのですが、私が飲んでいるのは、やはり飲みやすい。多くのスポーツ選手はこのネット販売で購入しているよっていうサイトを教えてもらったりもしたのですが、ほとんど英語でおばさんにはちょっと無理でした。味もココア味とかバニラ味とか甘い系ばかりで。私のお気に入りはレモン味です。


   先週の岩手のうちの庭っていうか畑。もっときれいな雪景色もあったんですが、カメラが壊れてしまって。
 今回はカートを曳いていけなかったので(雪道)、リュックを背負っていったのでsが、小型のパソコンや本やカメラで重くて重くて。かえってからタブレットの購入を考えて、でもやっぱりめんどくさくてやめ。(笑)いまだにガラケーだし。スマホならカメラも持って歩かなくていいんでしょうけどねえ。

『なみきビブリオバトル・ストーリー2 決戦は学校公開日』さ・え・ら書房

2018年01月22日 | 自作紹介
             

 表紙を送っていただきました。
 発売は、2月中旬前後になると思います。

 今回ビブリオバトルをするのは、4年生の同じクラスの子達です。
 それぞれを書いたのは、『なみきビブリオバトル・ストーリー 本と4人の深呼吸』の4人。赤羽じゅんこ、松本聰美、森川成美、そしておおぎやなぎちか。

 「決戦は学校公開日」という副題ですから、バトルになってます。お楽しみに!
 前作に出てきた図書館司書のクルミンも出てきます。並木図書館も。というように、0から始めたのとは違い、書きやすかったです。

 前作は昨年の6月発売でしたから、ほぼ半年で続編が出たというわけで、さ・え・ら書房の編集者さん、すごく頑張ってくださいました。絵の黒須高嶺先生もです。もちろん、私達4人も。なにしろ、今回はお正月もはさんでいますしね。  
 でもこうして、書いたもんが形になるって、嬉しいこと。表紙の4人、私の中でホントに存在しているような気がします。どの子も、一生懸命でいいですよ。きっとリアル小学生達も、それぞれがこうしていろんな思いを抱えているんだろうな。

 ネット書店での予約も始まっています。ということは、町の本屋さんでも予約ができるということ。
 発売になりましたら、またお知らせいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 今年、さらにビブリオバトルが広がりますよう。

『お笑い芸人 なんでやねーん!』(安田夏菜作・)講談社

2018年01月21日 | 本の紹介
              

 小学校3年生は、まさに本ばなれをしてしまう過度期です。幼稚園までは絵本がまわりにたくさんあって、お母さんやいろんな人が読んでくれます。小学校に入って低学年もまだその時期が残っている。でも、だんだんとゲームが楽しくなり、自分で本を読もうにも、どれがいいのかよくわからない。
 こんな本は、きっとそんな時期の子たちが、大喜びで読むでしょう。

 なにしろ、大好きなお笑い芸人の話。

 良平は小学3年。
 冒頭、給食前の手洗いのシーンで、ひたすらまじめに手を洗っていると、後ろからバーンと背中を叩かれ、手あらい場に顔をつっこみそうになります。そしてお笑い芸人を両親に持つ拓斗と、まさにボケツッコミのやりとりが始まります。

 シリーズ「おしごとのおはなし」の一冊なので、お笑い芸人になるためには、というのが巻末に載ってもいます。ほかには、看護師、サッカー選手、花屋さん、パティシエなどなど既刊、そしてこれからも発売になるようです。
 中学年向けなのでしょうが、あっという間に読める分量というのもいいです。

 安田さんは、落語をきっちり学んでいらっしゃる方。『あしたも、さんかく 毎日が落語日和』という本も書いていらっしゃいます。そして大阪在住。まさにどんぴしゃです。大阪弁も、自在。

 私は、拓斗の両親が二人に語る言葉に、胸を打たれました。

 芸人は、一生努力や。
「せやな。毎日考えて、毎日工夫して、もっともっと成長していこな!」

「マジメで、がまん強くないと、この仕事はできへんで。」


 これは、芸人に限ったことではありません。でも、傍目では楽しそうにやっている芸人もまた、そうだということ。
 きっと安田さんも。
 私もまた。

 ということで、実は3年生主人公の物語に難渋していた私は、きのうからこの一冊をすべて書き写しました。拓斗のお父さんも言っています。

 芸はうまい人を、マネすることから始まるんや。マネをすんのも、勉強のうちや。  

 そして、ふうん。なるほど、これは原稿用紙換算すると、○○枚なんだな。と。(教えない)
 これから、起承転結など、ちょっと分析したり、勉強させていただきます! 
 
 なんでやねーん! 

 ところで私がお仕事シリーズを書くとしたら、何を選ぶかなあ。俳人じゃあ、仕事にできてる人はほんの一握りだしなあ。保育士? 本屋? 動物園の人? 声優? なんて思い浮かびますが、どれを書くにしても、取材しないと無理ですね。きっと安田さんも、他の作家さんもそうやって書かれたのでしょう。

『オオカミのお札(一)カヨが聞いた声』の書評(「季節風」133号)

2018年01月21日 | 自作紹介
            

 森くま堂さんが、「神話のはじまり」として、1巻「カヨが聞いた声」の書評を書いてくださいました。
 全てを書きたいのですが、そうもいかないので、一部分だけ。

 神にたよらなければならないほど怖ろしい物に対峙したとき、カヨは自分にある恐ろしい物を自覚する。この巻は二巻、三巻へと続くはじまりの書である。
 人々の喜怒哀楽、信仰、襲いかかる大きな力などが折り重なる長い時、時代時代の光と影が巧みに織り込まれた分厚い緞通、その最初の糸がことんと織られた瞬間に、読者は立ち会うことになる。


 森くま堂さんの考察は、土偶の一説にも及び、「神話とは過去を記すと同時に未来を強く思う物語である。現代の混迷を、重層的に過去を描くことで、おおぎやなぎは未来への夢を開こうとしているとも考えられる」と。

 これは、『オオカミのお札』を書いていたときは意識していなかったけれど、去年から今年にかけて書いていた別作品で、悩んでいたことです。深層意識にはあったのかも。森くま堂さん、すごい。
ありがとうございました!!

 また、私は、戸森しるこさんの『理科準備室のヴィーナス』の書評を書かせていただきました。タイトルは、「危ういベクトルに、翻弄される」。

 今号も熱く、そして厚く、昨年の大会推薦作及び投稿作品が掲載されています。そして、厳しい作品評も。これは、斜め読みなんて絶対できない。しっかり読んで、考えます。

『おにとあんころもち』(こどものとも)おざわとしお・くのあいこ 再話/半田強 絵 福音館書店

2018年01月18日 | 日記
       

 月刊絵本「こどものとも」2017年1月号です。
 西三河の再話。
 
 この雑誌には、折り込み付録として、作者の紹介や編集部だより、ミニエッセイなどが載っているのですが、編集部だよりに、「半田強さんの絵に魅了され『いつか絵本の絵を描いてください」とお願いしてから10年。とあります。編集担当の方は、展覧会に通い続け、やっと実現したとのこと。
 絵本の成り立ちのひとつなのだなあと思いました。
 この画家さんの絵に合うお話は、ということで昔話に焦点が絞られ、三河の地元で活躍されている久野愛子さんにご検討いただき……とあります。本当に力強くダイナミックな絵です。

 母と2人暮らしのたろうが、母の作ったあんころもちを食べたら、3つめがころがっていって……という、昔話にあるパターンが踏襲されていきます。

 三河の方言なのでしょう。やさしい語り口もぴったり。

 途中で鬼の大将の歯にはさまったあんころもちをとって……というくだりは、(うーん、汚いな)と思ってしまうのは、昔話に浸りきっていない証拠か? と感じるページも。

 私も、秋田や岩手の昔話、伝承をなんとか絵本にできないか? と時々書いているのですが。

 なお、「こどものとも」は、年中、年少とそれぞれがあります。これは、年長向け。1月といえば、小学校入学が目の前にある時期。この時期の子どもの子どもの一年の成長は著しいわけで、逆に年中さんには、この絵本はちょっと向かないかも、と感じました。

第一回かわせみ句会のご案内

2018年01月15日 | 俳句
  第一回 かわせみ句会 のお知らせ



・対象 主に初心者。経験者も歓迎
 ・日時 2018年4月20日(金) 13:00~
 ・場所 おばあさんの知恵袋 
(国分寺駅南口出て左、
徒歩2分。マンションの地下のアンティーク通りの絵本屋さん℡042ー324-2708)
 ・会費 1500円 (場所代、資料代、指導料)
 ・持ち物 筆記用具 ノート できれば歳時記 辞書 
 ・世話役&指導 北柳あぶみ(「童子」同人) *児童文学作家 おおぎやなぎちか

―― 句会をしながら、俳句を楽しく学んでいきます。

  春の季語をひとつ入れ、575にして、俳句を5句作ってきてください。
  うまい句を作ろうなんて、思わなくても大丈夫。
  他の人が、どんな俳句を作ってきたか、読むのも、楽しいこと。ゲーム感覚で句会をしながら、日本語の豊かさ、日本文化の奥深さを感じられたらいいと思っています。

  春の季語としては、

  うららか 日永 暖かい かげろう陽炎 山笑う 朧月 暮の春 
  卒業 そつ卒ぎよう業し子 入学 入学子 納税期 木の芽和
  桜 花 花筏 からすのえんどう 犬ふぐり チューリップ 種まく 
  蟻穴を出る 猫の恋 初蝶 などなど。 他にもたくさん! 歳時記を見てください。


  参加希望の方は、おおぎやなぎちか(北柳あぶみ)まで、メールをください。お問い合わせも同様です。メルアドをご存じない方は、ブログ(fromイーハトーヴ からメッセージを送ることができます)

 第一回終了後、今後について、相談をしますが、次は半年後、あるいは来年と、ゆるく考えています。
 もっと勉強をしたい方には、個別に添削を承ります。
 5句を紙い書いて、郵送、またはメールで。*添削指導料 5句1000円

 まずは、やってみましょう!! 

本には、合う合わないがある

2018年01月15日 | 日記
 日々、作品を書き、日々他の方の作品を読み、そのことについて、twitterや、こちらで書いてもいます。
 私もどこか、活字中毒気味。でも、だったら全て本が好きかといえば、そうじゃない。
 読み始めたものの、途中で投げ出すこともしばしばです。だったら、その本がおもしろくない本か? というと、他の方にとってはおもしろい本なわけで、何より、編集者さんが(出版しよう)と決断した本なのですから、いいところがあるはず。



 児童文学を書き出してから、いわゆる古典的名作ファンタジーで、初めて読んだのが、『ナルニア物語』や『ロードオブザリング』。忙しい日々の中で没頭するには、分量がありすぎたこともあり、登場人物の名前を覚えきれないということもあり、どうもその世界に入っていくことができずに、挫折しました。でも、ファンタジーといえば、これが出るほどの作品。でも、最初に発表された頃、というか私が子どもの頃には出会えていなかったのです。
 やがて、CG技術が発達し、映画化され、その世界を、ほぼ忠実に映像化したものを観ることができました。これを、文字だけで表現したのか! 私にとっては驚愕でした。
『ゲド戦記』もその一冊。ただ残念なのは、アニメ化されたものの評判がイマイチなんですね。特に本が好きな方達から、本とは別物と言われている。 先日はテレビで放送されたので、観たのですが、時間帯もあり、つい途中でうとうと……。ネット検索で、あらすじを追って、ふうん、そういうこととわかるというのはいいのか? どうなのか? ゆったりとした時間の中で再挑戦したいものです。(でも、今それだけゆったりとした時間がないのが、残念)

 いや、何を言いたいかというと、読書は個人にとって自由であるものということで、決して外から強制されたり、(読まなきゃ)という気持ちで読むものではないということです。合う合わないがあるし、その個人にとっても、出会う時期がある。その時期を逸した場合、おもしろいと思えないことがある。
 
 一生のうちに一冊、心からおもしろいと思える本と出会えたら、御の字です。

 今度、 『続ビブリオバトル・ストーリー』が出ますが、私が書いた男の子の章で、そんなこともちらっと書きました。(ちゃっかり前宣伝)ビブリオバトルの本を手がけて、ちょっと頭の片隅にあるのが、(もしかしたら、ビブリオバトル、苦手だなあという子だっているだろうなということ)
 でもね、人前で話すって、練習なの。苦手と思っている君、(っていうか、子どもの頃の自分)練習してみて! 場数を踏めば、案外楽になれるんだよ! 
 あれ、話が違う方にいっている。
 
 どの子どもさんも、どの人も、本といい出会いを持っていただきたいなあと、思っているのです。本屋さん、大好きだけど、この頃は行くと、何か違う感も感じていて・・・。こんなにたくさん本があるのに、私にとって大切なものになる本を探し出せないことが多々あるのです。
 それでも、本屋に通い、図書館に通う活字バカです。

 目を大事にしなきゃ。(それかい!)
 

『オオカミのお札』シリーズ(くもん出版)をご紹介いただきました。ー「日本児童文学」2018年1・2月号

2018年01月13日 | 自作紹介
       

 「他者を認める緩やかな心を育てる」と題した《創作時評》のコーナーで、評論家、米田久美江さんが、『オオカミのお札』シリーズをご紹介くださいました。「生き残ることを見つめる意味」一冊としてです。 

 本当でしたら、全文を載せたいくらいあらすじから、読むべきポイントを押さえてくださっています。一部分だけご紹介。

 これまでの大きな災害を振り返りながら、その時どう生きていけばよかったのかを考えさせられる。
 正解はない問いだからこそ生き残った各人が考えていかなければならない問いかけなのだ。「みんな一生けんめいに生きてきてくれたからこそ、いまのあたしにつながっている。あしたのあたしにつながっていくんだ」という現代の美咲の思いをかみしめたい。時代別に薄い三分冊とした形態も子どもに届けやすく、各巻で変わる主人公にも寄り添いやすい。三巻を読み終えたという読後の達成感もひとしおではないだろうか。
 

 ありがとうございました。
 この美咲のセリフについては、個人的に「とても共感した」というお手紙をいただいています。

 まだの方は、ぜひ読んでいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

歌集『冬の虹』冨樫亨/七月堂

2018年01月11日 | 日記
       

 冨樫亨さんは、「童子」秋田句会の世話役をしてくださっている、冨樫風花さんのお父様です。昨年風花さん経由でご恵贈いただき、少しずつ拝読していたのですが、このお正月一気に読み終えました。
 私もかつて、短歌も作っていたことがあるのですが、似ているようで、全く違う世界であると、改めて感じました。でも、言葉を大事に紡ぐという点は同じ。
 冨樫さんの短歌は、日々の暮らしを大切にされている様子に心温かくなります。

 特に好きだったのは、

巨岩のかげに身を寄せ聴きゐたり高原をゆく疾風の音

編み物に余念なき妻の背を見をりハンマースホイの絵を見るごとく

命終のまだ見えざればある時は夕べをまちて街に酒汲む

黒揚羽庭に入りきてただよへば今朝みし夢を妻はかたりぬ

いち日の雪降るさまを書き終へて余白の多き日記を閉じぬ

ペンキ屋と板金工がそれぞれの思ひを込めて屋根雪下ろす

衰ふる五感にちひさき火を点せ庭に咲き群るる水引草の花



 こうして書き写すと、漢字と仮名の表記に心配ってらっしゃるのがわかります。また奥様やご自宅の庭を慈しんでいらっしゃるのも伝わってきます。
 風花さんのお姉様も、俳人です。お父様は短歌で、娘さんお二人は俳句というのも、おもしろい。

 どうぞ、これからも、佳き歌を作り続けていただきたいと願っております。
 

句集『七宝』(瓜生律子)文學の森

2018年01月08日 | 本の紹介
        

 「童子」蓮衆の瓜生律子さんの句集です。
 表紙は、律子さんが作られた七宝焼きの絵。カバーの具合もまるで七宝焼きのように、美しい。

 辻桃子の序文に、七宝焼きとは、金・銀・瑠璃(るり)・瑪瑙(めのう)・珊瑚・真珠・玫瑰(まいかい) とある。 と書かれています。
 玫瑰とは、ハマナスのこと。美しい赤い色をさすようです。

 読んでいて、(ああ、ご家族を大事になさっているのだなあ)と、暖かい心持ちとなりました。
 
 以下、好きな句を。

 大連やアカシアの花もう終はり
 母詩吟父はダンスぞクリスマス
 父五男母は六女や笹起きる
 春泥の深きところにはまりけり
 十三夜足らざる墨をつぎ足して
 銭湯に忘れ来たりし浮人形
 夏帽や「赤毛のアン」を読み返し
 寒煙が寒煙を突き昇らせぬ
 万緑や母が日記を付けはじむ
 星月夜七宝焼きのまだぬくく

 家族詠は、甘くなりがちなのに、そうなっていないのは、季語の斡旋の妙だと思います。勉強させていただきました。

 律子さん、おめでとうございます。

新春随想(秋田さきがけ新聞2018・1/1)

2018年01月05日 | 日記
              

 秋田さきがけ新報社さんから、元旦の新聞をお送りいただきました。
 寄稿させていただいたエッセイが、こんなに文化欄に大きく! ありがとうございました。同じ面のおとなりには、夏井いつきさんの記事があります。
 どっさりとある元旦の新聞。これからゆっくり拝読したいと思っております。

明けましておめでとうございます2018

2018年01月01日 | あいさつ
         

 2018年が始まりました。
 昨日の大晦日は、日野はちらちらと雪が降りました。毎日が晴天だったので、とても新鮮でした。
 そして、元日の今日はまた、いいお天気。ありがたいなあと思います。

 初詣は混雑を避け、近所の神社へ。白梅が2つ3つほころんでいました。
 浅川を軽くジョギング(って、走ったのはホントにちょっとの距離ですがね。あとは、散歩)したり、ちょっと原稿を読み返したり。のんびり過ごしています。
 昨年の今頃は熱を出して、ダウンしていました。年末年始、『なみきビブリオバトル・ストーリー』の原稿を抱えて、ベッドで読み返しては赤を入れていたのが、なつかしいです。あの作品は、4人がリレー形式で書いたのですが、私の順番が、ちょうどこの時期にあたっていたんです。でも、仕事があるって、ありがたいなあと、年末もぎりぎりで編集者さんからのメールをいただいたりして、思っておりました。
 今年も、どうぞよろしくお願いいたします。

 そうそう。
 秋田さきがけ新聞に「新春随想」を寄稿させていただいています。元旦のどさっと来るあの新聞の文化欄に、エッセイを書かせていただけて、光栄でした。タイトルは「幸せな本棚の記憶」です。エッセイの内容に即した写真もと言われたのですが、適したのがなくて、記者さんとご相談の上、イラストを描かせていただきました。はあーっ。(なぜか、ためいき)
 
 今年は、2月に『続なみきビブリオバトル・ストーリー』が発売予定です。編集者さん、お正月返上で頑張ってくださっているようです。今度は4年生。作家は同じメンバーで、今回は編集者さんも含めて相談し、作りあげています。どうぞ、お楽しみに! 
 また夏以降にも、一冊、お届けできそうです。これは、お正月明けから、ブラッシュアップしていかなくてはなりません。
 また、今年のものにはならないと思いますが、やりとりをしていただいている作品もあり、まだどうなるかわからないけど、やりとりをしている作品もあり・・・。というところ。
 
 年末、何年も前に書いた短編を読み返して、短編連作のものにできる見通しが出てきたのもあります。これの仕上げは、今年の大きな目標です。

 でもでも、一番大事なのは、健康と家族の幸せかな。(なんか、最後にとってつけた感がありますが、いや、ホント)
 みなさま、どうぞ、今年もよろしくお願いいたします!!