高学年~
第19回ちゅうでん児童文学賞大賞作品です。大賞作品!
昨年発表になったときのタイトルは『一句献上いたします』ということで、おお、俳句! 俳句物語! これは、楽しみ~と、本当に楽しみにしていました。
そしてとうとう発売、タイトルが「わたしの空と五・七・五」に変更。これ、とてもよかったと思います。ぱあっと上を向いて前向きで明るいタイトル。
最初パラパラとめくって、目についた俳句を読んだら、これが予想以上にいい俳句で、「おおー」となりました。心を落ち着かせてよまなくては! と一晩おいて読み始めました。
主人公は空良(そら)。中学に入学したばかりで、部活を何にしようかと迷っています。この主人公の名前がタイトルになっているんですね。しかも芭蕉の弟子の曾良も思い浮かびます~。なんていい名前をつけたのでしょうか。
ある日、下駄箱にちらしが入っていました。それには、「しゃべりは苦手でも ペンをもったら 本音をぶちまけられる者よ! 文芸部に入るべし」とあったのです。そして・・・。と話は展開されていきます。
私は文芸部の先輩が、一緒に入った子が「きれいだった」という感想しか言えないとき、それをどう表現するか引き出す力に感心しました。うんうん、そうなんだよねえ。俳句、深いよ。
空良が新しいクラスの中で、どう変化していくか。という物語が軸となっています。
ちゅうでん児童文学賞の選者である先生達のコメントまで読めるお得な本。
空良が、どんな俳句を作ったか、どうぞ読んでみてください。なかなかです。
そして、これ、続きがありそう。というか読みたいです。