小学館児童出版賞受賞作家 にしがきようこさんの最新作です。
にしがきさんらしさが、ぎっちりと詰まった作品で読み応えがありました!
にしがきさんは、野鳥の会にも入ってバードウォッチングをされてるかた、なので「アオナギ」という鳥がいるのかな? と思ってしまいました。でも違った! 「アオナギ」がなんなのか、これはぜひ読んでください。
鳥もそうですが、この本にはもうひとつ「刀匠」という仕事が出てきます。
刀鍛冶ですね。絶滅危惧種といわれる鳥もいれば、継承者がいなくて、消えてしまう恐れのある仕事もあります。
日本刀は、かつては戦いのためのものでしたが、日本の誇れる文化でもあります。
鉄の塊から、熱して叩いて、研いで・・。大変な仕事だけど、今も誇りを持ってやってる方がいることを、教えてくれます。すでに絶滅した日本オオカミのことも出てきます。地名ははっきり書かれてませんが、あのオオカミを祀った神社がある山だろうなと思いました。表紙の景色、まさに! です。
ちょっと興味を持って調べるだけで、書ける物語ではありません。
物書きは、自分の内面をこうして掘り下げていくことで、人の心を打つ物語が書けるのだと、改めて思いました。
登場するのは、男子2名。女子1名。こういう3人って、多いなあとふと思ったりもしました。『進撃の巨人』『ハリーポッター』がそうですね。3人それぞれ、魅力的です。