宮城で酪農と農業を営んでいる、どじょうさんこと、堀米薫さんの新刊です。
学は、「あぐり☆サイエンスクラブ員募集! 野外活動をしながら科学を体験しよう!」というちらしに惹かれて、そのクラブに入会する。
出かけてみれば、活動場所は田んぼ。まさかの田んぼクラブだったのだ。
すべてが初めての体験。苗を育てるところから、田植えまでが、この「春」の仕事、いやクラブ活動だ。
だまされた? いや、そうじゃない。農業はサイエンスなのだ。
これは、岩手大農学部を卒業した堀米さんの真骨頂。大自然の恵を受け、私達が毎日食べている米はできている。そこには、人の手と気持ちと、科学があるのだ。
学達は、体を動かし、働きながら、それを実体験する。
子供達に、この体験をしてほしいという堀米さんの願いも伝わってくる。
私も岩手で、農業に片足だけつっこんでいる身だが、いかんせんやはり素人。苗は、苗箱にできたものしか見たことがない。(お恥ずかしい)
へえーっと思うことも、書かれていた。『稲光は豊作の兆し』という言い伝えは、科学的に見ると、空気の成分である窒素と酸素が、雷のエネルギーと雨水によって、肥料の成分になる。なんて!
俳句的には、「稲光」は、天と地が結びつくもの。なので「稲の妻」という言葉もある。その結果、できるのが子供、稲というわけだ。
段取り八分 という言葉もいいなあ。
今はまさに「スプリングブルーム」の時期。ぜひ、これらの言葉を、この本で体験してください。
かえる釣りもしてみたい。学、うらやましいぞ。
田んぼの神様のおくりものは、私もだーいすきです。(これも、本で確かめて!)
まさに、宮沢賢治の後輩です。
夏、秋と続くことは、間違いなし。楽しみです。
*余談ですが、表紙、挿絵を描かれている黒須高嶺さん。景色も子供たちも、ばっちり。
実は、5月に出る予定のアンソロジー『なみきビブリオバトル・ストーリー 四人と本の深呼吸』(さ・え・ら書房)の絵も高須さんです。しかも、登場人物は、4人の5年生(男女2人ずつ)。舞台は、田んぼではなく図書館ですが、共通してるなあと、嬉しくなりました。こっちも、ぜひお楽しみに。(ついでの宣伝でした)