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◎2016年10月6日(木) 抱返り渓谷
今季3度目の東北山行となる。できれば紅葉見ごろの10月中旬に行きたかったが、休日絡みの出張が入りこみ、どうしても前半部でしか日程がとれない。休暇の消化もしなくてはなと、今回は木金に休みを入れての行程とした。車の往路、復路だけでそれぞれ一日取られるから、これとて余裕たっぷりというわけでもないのだが。
当初は八幡平の畚岳~大深岳~三ツ石山~松川温泉のコースを予定していた。しかし、松川温泉に車をもう一台デポするか、松川温泉に泊まって、翌朝、バスで八幡平に戻らないとどうも無理のようで、これはあきらめる。途中の避難小屋泊りという手もあるが、この辺の避難小屋は人気がある。ネットで、グループで遅くまで宴会を開いた話まで出ていた。そんな危険がないわけでもあるまい。これでは後味が悪くなる。自分には一種の火中の栗を拾うようなもの。
最終的に、秋田、岩手の県境にある乳頭山(烏帽子岳)にした。最新のネット記事を見ると、ちょうど紅葉を楽しめる時期らしいし、秋田駒ヶ岳には行ったことはあるが、乳頭山の方は登ったこともない。ちょうどいいタイミングともいえるか。ここでまたコース取りで迷った。岩手側の滝ノ上温泉から歩きたかったが、葛根田渓谷の道路は夜間通行止めになっていて、出発が出遅れてしまう。仕方ない。アクセスの遠い秋田側から入るとするか。先の鳥海山も女神山も県境を歩きはしたが、秋田側に入り込んではいなかった。
だらだらと記してしまった。で、今回の予定は、初日に抱返り渓谷探索、2日目乳頭山、3日目は帰路に秋田と岩手の県境にある和賀山塊北端の山に立ち寄るというもので、連日、車の中で寝るというわけにもいかず、さりとて宿泊代が高く、豪儀な料理を出すような温泉宿に一人で泊まるのもなんだしと、乳頭温泉の民宿に2泊することにした。ここで抱返り渓谷を加えたのは、そこの紅葉は素晴らしいということは知っていて、いずれ訪れてみたいと思っていたからだ。10日から紅葉祭りが開催されるようで、祭りには早いが、数日前なら紅葉は見られるのではないかといった素人判断によるもの。出がけに見た情報ではまだ「青葉」になっていたので、期待はしていない。「回顧の滝」を見られればそれでいいと思っている。
(抱返り渓谷。赤い吊り橋が見えている)
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(抱返神社)
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朝5時に家を出て、抱返り渓谷の入口に着いたのは12時40分。駐車場には車が数台あり、ベンチで寝転んだり、散歩している人もいる。周囲はお祭りの準備中。早速、歩き出す。
渓谷とはいっても、玉川沿いの断崖上につけられた遊歩道をずっと歩くだけのことで、通行止め地点までの往復でも1時間程度のものだ。その間に見られる紅葉が素晴らしいということだが、やはり入口付近に紅葉の気配はまったくない。
抱返神社に寄る。由来板を見ると当然のように八幡太郎義家か。前九年の役。青葉の中を歩いて行くと吊り橋。一旦、広場に出て、この先は断崖上の遊歩道となる。案内板には「回顧(みかえり)の滝」までは1.1kmとある。
(これが見事な紅葉になるんだろうな)
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(遊歩道)
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(橋があったり)
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(トンネルがあったり)
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変化のある遊歩道で、橋があったり、岩をくり抜いたトンネルもある。見下ろす玉川は高く、高所恐怖症の自分には金冷しのところもある。台風18号の通過で、昨夜から朝まで強い雨だったらしく、泥んこまではいかないが、地面はかなり濡れている。探索する人が意外に多く、自分と同じに紅葉を期待してやって来た方々だろう。
(回顧の滝)
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(アップで)
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遊歩道が通行止めになったところに「回顧の滝」があった。落差は30mほどらしい。なかなかの豪瀑だ。二段滝で上はヒョングリになっている。わざわざ見に来ただけの価値はあった。この先にも「百尋の滝」というのがあるが、遊歩道が崩壊して通行止めになっているのに、わざわざ行く気にはなれない。実は、その「百尋の滝」、当初はそこまで行くつもりで、せっせとネット情報を集めたものだが、この時点では、まぁいいかという気分になっている。長時間運転で腰も痛く、身体もふらついていることだしと。
(強いて言えば赤味がかってはいる)
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来た道を戻って駐車場に着くと、中国人らしきグループが東京ナンバーのバスから降りてきた。皆、広角レンズ付きのすごいカメラを首から下げている。抱返り渓谷の紅葉撮影が目的だろう。ガイドの方に紅葉の具合を尋ねられた。「まだ2週間先じゃないですか」と答えると、苦笑いしながらグループを先導して行った。
(駒ヶ岳八合目の紅葉)
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(その2)
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乳頭温泉に向かう。曇ってきて、風が冷たくなった。まさか、明日は雨ではないだろうな。明日の乳頭山、この期に及んで秋田駒とかけるかどうかを決めかねていた。駒ヶ岳を含めての縦走となると、八合目までバス利用になってしまう。乳頭山まで先は長いとはいえ、これではなぁといった思いもある。とりあえず、まだ時間も早いし、そのまま八合目駐車場まで行ってみる。余談だが、雪田爺さん氏が昨年の6月、田沢湖スキー場から秋田駒、乳頭山を縦走し、黒湯温泉に抜けられている。11時間近くかかったようだが、そんな根性は自分にはないし、帰路の定期バス利用を想定するだけでもうんざりしてしまう。
八合目は強風とガスでえらく寒かった。こんな中を歩いたハイカーがいたようで、3人グループが下って来た。出発時は雨だったのではないのか。紅葉をチラ見。すごい紅葉だった。もう少し早く来ていれば、登らずともに満足し、明日以降の予定を変更したかもしれないなぁ。
民宿に着いて、すぐに温泉に入った。身体が暖まったが、外気は冷たく、すぐに寒くなった。隣室の客人がストーブを要求しているくらいだった。自分には我慢できないレベルではない。宿の夕食は6時。隣人は素泊まりらしく、夕食は自分一人だけ。ビールと熱燗を一合飲み、寝る前にもう一度風呂に入り、横になったらコテっと寝てしまった。7時半。長距離ドライブは疲れた。
◎10月7日(金) 乳頭山
休暇村下駐車場(6:15)……ブナ原生林入口(6:30)……笹森山(8:05)……湯森山(8:40)……熊見平(9:00)……宿岩(9:12)……笊森山(9:55~10:10)……千沼ヶ原(10:28~10:35)……乳頭山(11:27~11:36)……田代平(11:59~12:20)……蟹場分岐(13:07)……大釜温泉(13:40)……駐車場(13:54)
いつもの毎日のように、暗いうちから目が覚めた。必死に二度寝の機会を窺ったがダメだった。布団の中でじっとし、いくらか明るくなってから窓を開け、冷たい外気を中に入れる。晴れが期待できそうな空模様。今日は秋田駒からの慌ただしい縦走はやめにして、乳頭山周回ということにしよう。
6時に出かけようと、民宿の玄関に出ると、おカミさん(というほどの年でもないが)から作りたての弁当を手渡された。朝食を弁当に代える場合、大抵、前夜に渡されるか、フロントに置いているものだが、当日の手渡しは初めてだ。鳥海山の時は中身がコンビおにぎりの弁当がさりげなく部屋の前に置かれていた。
(駐車場から。目の前がかつてのスキー場)
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(ゲレンデ脇を登って行く。水気たっぷり)
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(岩手山かと思う)
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エンジンが暖まらないうちに駐車場に着いた。ここは昨日、下見をしているが、この先、どう行けばいいのかは標識もなくてわからなかった。以前はここにスキー場があったらしく、ゲレンデもススキとササヤブの斜面になっている。ストックを忘れたことに気づいた。いつもあまり使いはしないが、ザックには括り付けている。車に積み込むのを忘れていた。
夜中に降雨があったようで、ヤブの駐車場跡を歩いて行くと、早速足元が濡れた。スパッツを付け、ヤッケを着ていてよかった。すぐに左、休暇村の方からしっかりした歩道が現れた。道標もあり、濡れた分、何だか損した気分だ。道標には笹森山まで4kmとある。
歩道があるからといって安心はできなかった。このコースを歩く人はあまりいないと見え、すぐにササが覆いかぶさり、上下ともに露だらけになってしまった。左・北東方面には高い山のシルエットが見えている。方向からして岩手山だろうか。
ちょうどゲレンデの脇を登っていく感じだ。斜面は緩やかで、面白味のないスキー場ということで、やがては閉鎖されたのではあるまいか。15分ほど歩くと、歩道はゲレンデから離れ、ブナ林の中に入り込んで行った。
(ブナ林の中の歩き)
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(色づき)
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(こんなのも)
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(上に行くに連れて色づきは良くなる)
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ブナ林の中の歩きは気持ちが良い。ここもまた傾斜は緩い。時たま左右に沢を見かける。先日の女神山と違って、ここのブナの木は細い。その分、原生林といったイメージが湧いてこないし、薄暗くもないので不気味な感じもしない。見上げると薄い青空になっている。陽の光を浴びた木の葉はうっすらと紅葉している。下の葉もまたところどころで赤くなっている。この辺の紅葉はまだ早いのか。周囲をキョロキョロ眺めながら歩いていると、足元が滑った。粘土質のむき出しは要注意だ。動物の気配はまったくない。鳥の鳴き声すら聞こえない。聞こえるのは自分のスズの音だけ。
(ブナ林から抜け出すと)
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(陽があたらないとダメか)
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30分も歩くとブナ林から抜け出した。密集したササの先に紅葉の山容が現れた。この先が楽しみだなとにんまりする。だが、やけに冷たい風が吹いている。稜線に出たら、もっと寒いのではなかろうか。
(出てきた)
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(そして遠くに乳頭山)
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(右の笊森山の頭はガスの中)
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左手先に尖がりのピークが見える。あれが乳頭山か。えらく遠くに見えているが、この先はずーっとなだらかな高原が続いているかのようにも思える。地理院地図には「烏帽子岳(乳頭山)」と記されているが、どこにでもありそうな烏帽子岳よりも、この辺の地名からして乳頭山の方が適当な名称ではあるまいか。女性には抵抗のある名称だろうか。どうでもいいことだが、それでいて、乳頭温泉は女性には人気がある。隣の笊森(ざるもり)山はガスがかかっている。
この先、トラバース道がしばらく続く。ところどころにロープも巡らされている。じっとしていると寒く、絶えず歩いていないと体温を奪われそうだ。帽子の縛りをきつくした。緩いままでいると飛ばされそうだ。
(斜面に赤いボンボン)
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(稜線に出る)
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右手先に笹森山らしきなだらかなピークが見えてくる。向かいの斜面は赤いボンボンをぶちまけたようになっている。これはいい、これはいいと先を早く見たい感覚におそわれながら歩いてはいるが、つい目先の赤に目を奪われて立ち止まってしまう。感覚の尺度はそれぞれだろうが、八海山の紅葉も素晴らしかったが、ここもまたすごいわ、と感心しながら歩いて行くと稜線に出た。駒ヶ岳から続いている縦走路だ。このまま乳頭山に向かってもいいが、それではもったいないので、逆方向に笹森山に登ってみる。
(笹森山山頂。後ろは秋田駒ヶ岳)
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(右に田沢湖が見える)
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5分ほどで笹森山。山頂はササとハイマツに覆われて狭い、駒ヶ岳が見えた。残念ながら上半分はガスの中。目線位置のやや下に八合目の駐車場が見える。10台以上はありそうだ。そして田沢湖。南西の方向にうっすらと高い山が見える。あれは鳥海山だろうか、あるいは太平山か。
(振り返って笹森山)
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(湯森山に向かっている)
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分岐に戻って菓子パンを一個。温度計を見ると5℃。寒いはずだ。一服して次は湯森山か。ここからはなだらかな上りに見えたが、実際にもそうで、分岐からさほどに苦戦もせず20分ほどで着いてしまった。コースタイムは40分。遠くに見えている乳頭山に気が急いていたわけでもないが、縦走路には木道もあって、せっせと歩いていても息切れも感じない。
(湯森山山頂。駒ヶ岳はまだガス)
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湯森山は通過点にすぎないが、ここには三角点があるはず。平らな山頂を先に行ってみると、ハイマツに隠れた感じで三角点標石があった。三等三角点。ちなみに、この先の笊森山と乳頭山も三等三角点で、駒ヶ岳の男女岳は一等になっている。
(ガスの上がった笊森山。左に乳頭山、右は岩手山)
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ここまで来ると、岩手山も指呼の間といったところだが、岩手山は上が見えていないし、目の前の笊森山もまた上はガスですっぽりのままだ。ただ、雲の流れは西から東へで、西は青空になっているし、そろそろ晴れ渡るのではないだろうか。いずれにしても、さっきまでの上空の薄暗い雲はなくなり、青空が広がっていることは確かだ。冷たい風はどうしようもない。
大きな石が目につき、やがて岩が点在するようになった。火山の関係だろう。足元の土もまた火山礫の案配になってくる。雲間の下に大曲の盆地の田畑が見えている。
(熊見平)
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(左の岩が気になった)
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湯森山からの下りの鞍部は広い湿地帯。木道が続いている。「熊見平」の標識があった。笊森山までは2kmとある。反対側の湯森山は1.1km。この辺は気持ちの良い平原だ。池塘があったりもする。ただ、木道は水に落ち込んでいたり、斜めになっていたりするところもあるので、忠実な木道歩きは無理。まして、雨上がりでは滑りもする。脇に逃げるしかない。おかしなところを歩けば、たちまちのうちに泥んこになる。
(宿岩)
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(宿岩から湯森山)
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(赤い斜面越しに岩手山)
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(駒ヶ岳も顔を出す)
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さっきから気になっていた大岩が目に迫った。標識には「宿岩」とあった。何枚かの岩が重なっていて、真下から見上げると、どうも雨宿りの宿といったところだろう。
雰囲気の良い歩きはなおも続く。急なところもないので、息切れも汗ふきも特別ない。相変わらず赤いボンボンを眺めながら歩いている。ぜいたくを言えば、黄色も見たいところだが、植生からすれば無理だろう。振り返ると、ようやく駒ヶ岳の上空の雲は消えていた。コブ状の山頂が湯森山の後ろにすっきりと見えた。この光景は、何だか別天地の世界のようだ。とにかく広い。山が迫っているというところがない。
(笊森山山頂。岩手山が近づいている)
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(右手は三角山だが、岩手山の頭は白くなっている。これでは見えないか)
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(アップで)
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ハイマツの間に火山礫の道が通っている。ガレ場というほどのこともなく歩きやすいのが不思議なくらいだ。笊森山に到着。ここは大休止としよう。笹森山の分岐に出た際、乳頭山はかなり遠く見えていたが、隠れた笊森山からは隣の山頂だった。ここまで来れば、そんなに時間もかかるまい。ストレートで行けば、コースタイムも1時間10分ほどだ。風も少しは収まっている。
ここはこれまでの中でも眺めの一番良いところだ。正面に岩手山が見えている。あれっ、岩手山の頭が白い。実は後で知ったが、岩手山の初冠雪で、例年よりも6日遅いようだ。駒ヶ岳もすっきり見えるし、目を凝らすと八合目駐車場も見える。乳頭山も山名由来の端正な姿になっている。ただ、乳頭山は笊森山よりも標高が60mほど低い。ここからはどうしても見下ろす感じだ。
(乳頭山)
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弁当を広げた。手渡しされたとはいっても期待はしていなかった。大きめのおにぎりが2個あった。ラップに包まれたおにぎりはコンビニおにぎりではなかった。1個取り出して食べる。ノリ巻きの中味は梅漬けだ。梅干しではなく梅漬け。久しぶりの味わい。しょっぱかったがおいしかった。
さて、これから先はどうしよう。そのまま乳頭山ではもったいない。右下に広い湿地帯が見える。昭文社マップを広げれば、そこは「千沼ヶ原」。確かに池塘がいくつも見えている。あちらはもう八幡平の領域だろう。池塘群は二か所見え、間をおいて、さらに東側まで広がっている。三角山の麓近くだ。そこまで行かずとも、せめて西側だけでも覗きに行くか。15分の休止の後に下る。
(千沼ヶ原に下る)
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(千沼ヶ原。終日ここで過ごしたい気分だ)
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乳頭山直登コースの分岐からさらに下る。足元はかなり悪くなった。滑らないように注意する。木の階段は設えてはいるが、腐りかけのところが滑るのであてにはできない。オオシラビソが現れる。この辺は雪が多いのか、枝葉は垂れている。
千沼ヶ原に出た。平原に池塘群が広がっている。その間を木道が三角山の方に向かっている。ちょっと先まで歩いてみたが、西側が終わったところで切り上げた。見飽きないのでは際限がなくなる。いずれ、改めて歩こう。その時は三ツ石山、曲崎山、大白森、乳頭山をかけての周回だ。避難小屋泊りになるだろう。
(乳頭山に向かう)
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(笊森山からのルートに合流)
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ここから登り返しで一気に乳頭山に行くとする。頭の中では単純に、笊森山からここまで180m下り、乳頭山まで120mの上りで楽勝かななんて思っている。だが、間近に乳頭山が迫ってくると、結構、きついんじゃないかと感じるようになり、さらに、笊森山からのストレートルートに合流すると、せっかくここまで登ったのに、どんどん下りに入ってしまい、千沼ヶ原よりもさらに低い鞍部まで下ることになった。結局、千沼ヶ原からは200mほどの上りだった。
(色づきにむせてしまいそうだ)
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(鞍部から乳頭山)
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高原状の歩きゆえ、たいした変化もなく、いつもなら退屈の歩きだろうが、こう、紅葉がいっぱいだと一歩一歩に変化を感じる。乳頭山から単独のオッサンが降りてきた。今日初めてのすれ違いハイカーだ。
(接近すると、やはり乳頭というか乳首状のピーク)
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(山頂はそこ。ちょっとしつこかったか)
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(乳頭山山頂)
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(森吉山。左下にポツンと山小屋)
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(改めて駒ヶ岳)
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見た目ほどにきつく感じないままに乳頭山に到着。ここも360度の展望だ。森吉山も見えている。秋田駒ヶ岳よりも岩手山が近く見えるのは標高差分の錯覚か。北西方向、シラビソ林の間に避難小屋がぽつんと見える。あれは田代平山荘だろう。11時を過ぎている。ゆっくりとランチタイムとし、展望を楽しみたいところだが、何せ寒い。風がビュービューと吹き付ける。また帽子をきつく締めた。そそくさと退散。田代平山荘で食事にしよう。ところで、ここの山頂、節理状の岩が広がっているが、これも火山性だろうか。この山も崩壊が進んでいるようだ。風化が加わっているのかも。
(下る)
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(乳頭山を振り返る)
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(田代平山荘。山荘とはいっても無人の避難小屋)
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八幡平を歩けばこんな感じだろうなと思いながら歩いている。間もなく分岐になった。左は黒湯温泉、右は田代平だ。ここは右に向かう。振り返ると乳頭山がこんもりと見え、反対側から見たイメージとは違った山容で、なだらかなピークでしかない。どんどん下る。
(田代平山荘)
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(乳頭山を眺めてランチ)
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田代平山荘の前には池塘があり、そこで2人連れが木道に腰かけてお食事中だ。スズの音で気づかれたのか、奥方がいろいろと聞いてきた。歩いて来たコースだの何だのと。ブナ林コースは下り利用をしたことがあるそうだ。乳頭山のみのメインコースは黒湯温泉から入って、孫六温泉に下るコースだとか。今日は自分らもそうだとおっしゃっていた。
小屋の中を覗いてみた。二階建て。石油ストーブも毛布もあり、清掃は行き届いている。この時期は寒かろうが、快適な夜を送れそうだ。2人連れが下って行くようで、入れ替わりに池塘の前の木道に座って、残りのおにぎりをいただく。さっきは気づかなかったが、オカズに卵焼き、ウインナー、ミニトマトが添えられていた。タラコ入りのおにぎりとともにおいしくいただく。
(孫六温泉分岐)
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ここまで来たら、孫六温泉にさっさと下るのは野暮なこと。小白森山まで歩いてみようかなと思いもしたが、さほどの健脚でもなく、蟹場分岐までで十分だろう。小白森山は次の機会もある。周回は来年の紅葉の時期だな。
(相変わらず振り返っている)
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(こんな風景が続くも飽きない)
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この先は、歩くハイカーも少ないと見え、木道もしっかりとはあるが整備はされていず、木道が倒れたり、木の階段の下も土がえぐられていたりしている。これを避けて脇を歩くと、たちまちのうちに沢か池塘からあふれた水のためか、靴に水がかぶってしまう。できるだけ草地を歩くようにする。
(一気にこんな景色になった)
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草原状の間を歩く。時たま池塘も見られる。蟹場分岐方向の標識が現れ、それに従うと、すぐに灌木の中の普通のハイキングコースになってしまった。気分良い歩きもお終いか。これがしばらく小白森山まで続くようだ。
前方から人工的な音が聞こえてきた。最初は麓の里で運動会でもやっているのかと思ったが、音源は近い。どんどん近づくと、やがて三味線の音になった。前をオッチャンがラジオをガンガンに鳴らして下っている。何ということはない。NHKで長唄を流している。当人がそれに趣味があるとも思えない。ただクマよけに鳴らしているだけだろうが、こちらとしてはただの騒音で、耐え切れず、挨拶しながらさっとかわし、音が聞こえなくなるまで先に急いだ。静かな山歩きを楽しむ分には迷惑な音だ。通りすがりにちらっと見たが、オッチャンはミツウマの岩礁80を履いていた。最強のスパ長だ。
(蟹場分岐。この先はさらに道も細くなるようだ)
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(ちら見の田沢湖)
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紅葉も下はまだだなと思いながら下っている。雰囲気はどこの山にもある風景になっている。蟹場分岐に着いた。ここで一服。しばらくしても三味線の音は聞こえてこない。
後はフィニッシュの下りだけだ。ここもまたブナ林にはなっているが、さほど密ではない。木立に囲まれ、展望を楽しむことはできない。たまに開けたところがあり、そこからは田沢湖、駒ヶ岳、笹森山が見えた。
(蟹場登山口に着いてしまった)
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(後は車道歩き)
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蟹場の大釜温泉の前に出た。観光バスが一台。温泉巡りツァーだろう。せっかくずっといい気分で歩いていて、ここから先が車道歩きではがっかりもするが、これは仕方がない。車道をゆっくり、下の沢を覗きながら15分ほど歩いて駐車場に帰って来た。出がけに車はなかったが、今は3台ほどある。別にハイカーとは限るまい。カメラマン氏がゲレンデ跡のススキを撮っている。
(アルパこまくさから駒ヶ岳。登ったわけでもないが)
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歩き足りない気分であった。せめて小白森山まで行ってみればよかったか。ただ、気分的に当初の予定コースを早く帰れるなら、下山したらそのまま阿仁に向かい、墓参りでもして来ようかなと思っていた。そんな思いが余裕をなくしていた。だが、車のナビをセットしてみると、阿仁まで往復3時間はかかる。これでは忙しいなと結局はやめにし、「アルパこまくさ」とはどんなところかと見に行った。車が5台ほどあった。駒ヶ岳は真上に見えた。ハイカーらしき姿は見えなかった。
今日の歩き、とにかく上は寒かった。しかし、紅葉は満喫した。なだらかで、起伏がありながらも応えることもない歩きの間に見た自然の景観もまた素晴らしかった。もう少し歩きたかった。ただ、紅葉の時期でなかったらどうだったろうか。それぞれの季節に相応した山の顔と趣きもあるのだろうが。
明日の歩きもある。時間的に早いが、宿に帰って温泉に入り、後はゆっくりと読書でもしようか。
昨夜は6時の夕飯で、その後が長い感じがした(結果的には7時半の就寝だったが)。民宿だし、7時以降の夕食指定では失礼だろうと、今夜は6時半にしてもらった。だが、昨夜と同様にビールと熱燗を飲み、キリタンポを食べ終わり、また温泉につかったら、長い夜どころか、8時には電気をつけたままで寝てしまっていた。
翌朝、雨の音で目が覚めた。これじゃ、今日の予定は無理だな。いさぎよくあきらめる。
朝食後、阿仁に向かい、傘をさしての墓参り。線香は、昨日のうちにコンビニで調達しておいた。ついでに森吉の叔父の家に立ち寄る。帰路は大回りして上小阿仁経由の五城目から秋田道に入った。岩手を抜けるまで、ずっと強い雨だった。
先日の女神山、真昼大滝見物はドライブ距離も1.045kmだったが、今回は1,400kmまで達した。秋田がからむと、こんなにも遠くなる。だから、乳頭山は秋田側からは入りたくなかったというのが本音のところだ。それなりに満足できて帳消しにはなったが、これではちょくちょくも出向けないわ。
(乳頭山の軌跡)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
今季3度目の東北山行となる。できれば紅葉見ごろの10月中旬に行きたかったが、休日絡みの出張が入りこみ、どうしても前半部でしか日程がとれない。休暇の消化もしなくてはなと、今回は木金に休みを入れての行程とした。車の往路、復路だけでそれぞれ一日取られるから、これとて余裕たっぷりというわけでもないのだが。
当初は八幡平の畚岳~大深岳~三ツ石山~松川温泉のコースを予定していた。しかし、松川温泉に車をもう一台デポするか、松川温泉に泊まって、翌朝、バスで八幡平に戻らないとどうも無理のようで、これはあきらめる。途中の避難小屋泊りという手もあるが、この辺の避難小屋は人気がある。ネットで、グループで遅くまで宴会を開いた話まで出ていた。そんな危険がないわけでもあるまい。これでは後味が悪くなる。自分には一種の火中の栗を拾うようなもの。
最終的に、秋田、岩手の県境にある乳頭山(烏帽子岳)にした。最新のネット記事を見ると、ちょうど紅葉を楽しめる時期らしいし、秋田駒ヶ岳には行ったことはあるが、乳頭山の方は登ったこともない。ちょうどいいタイミングともいえるか。ここでまたコース取りで迷った。岩手側の滝ノ上温泉から歩きたかったが、葛根田渓谷の道路は夜間通行止めになっていて、出発が出遅れてしまう。仕方ない。アクセスの遠い秋田側から入るとするか。先の鳥海山も女神山も県境を歩きはしたが、秋田側に入り込んではいなかった。
だらだらと記してしまった。で、今回の予定は、初日に抱返り渓谷探索、2日目乳頭山、3日目は帰路に秋田と岩手の県境にある和賀山塊北端の山に立ち寄るというもので、連日、車の中で寝るというわけにもいかず、さりとて宿泊代が高く、豪儀な料理を出すような温泉宿に一人で泊まるのもなんだしと、乳頭温泉の民宿に2泊することにした。ここで抱返り渓谷を加えたのは、そこの紅葉は素晴らしいということは知っていて、いずれ訪れてみたいと思っていたからだ。10日から紅葉祭りが開催されるようで、祭りには早いが、数日前なら紅葉は見られるのではないかといった素人判断によるもの。出がけに見た情報ではまだ「青葉」になっていたので、期待はしていない。「回顧の滝」を見られればそれでいいと思っている。
(抱返り渓谷。赤い吊り橋が見えている)
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(抱返神社)
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朝5時に家を出て、抱返り渓谷の入口に着いたのは12時40分。駐車場には車が数台あり、ベンチで寝転んだり、散歩している人もいる。周囲はお祭りの準備中。早速、歩き出す。
渓谷とはいっても、玉川沿いの断崖上につけられた遊歩道をずっと歩くだけのことで、通行止め地点までの往復でも1時間程度のものだ。その間に見られる紅葉が素晴らしいということだが、やはり入口付近に紅葉の気配はまったくない。
抱返神社に寄る。由来板を見ると当然のように八幡太郎義家か。前九年の役。青葉の中を歩いて行くと吊り橋。一旦、広場に出て、この先は断崖上の遊歩道となる。案内板には「回顧(みかえり)の滝」までは1.1kmとある。
(これが見事な紅葉になるんだろうな)
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(遊歩道)
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(橋があったり)
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(トンネルがあったり)
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変化のある遊歩道で、橋があったり、岩をくり抜いたトンネルもある。見下ろす玉川は高く、高所恐怖症の自分には金冷しのところもある。台風18号の通過で、昨夜から朝まで強い雨だったらしく、泥んこまではいかないが、地面はかなり濡れている。探索する人が意外に多く、自分と同じに紅葉を期待してやって来た方々だろう。
(回顧の滝)
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(アップで)
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遊歩道が通行止めになったところに「回顧の滝」があった。落差は30mほどらしい。なかなかの豪瀑だ。二段滝で上はヒョングリになっている。わざわざ見に来ただけの価値はあった。この先にも「百尋の滝」というのがあるが、遊歩道が崩壊して通行止めになっているのに、わざわざ行く気にはなれない。実は、その「百尋の滝」、当初はそこまで行くつもりで、せっせとネット情報を集めたものだが、この時点では、まぁいいかという気分になっている。長時間運転で腰も痛く、身体もふらついていることだしと。
(強いて言えば赤味がかってはいる)
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来た道を戻って駐車場に着くと、中国人らしきグループが東京ナンバーのバスから降りてきた。皆、広角レンズ付きのすごいカメラを首から下げている。抱返り渓谷の紅葉撮影が目的だろう。ガイドの方に紅葉の具合を尋ねられた。「まだ2週間先じゃないですか」と答えると、苦笑いしながらグループを先導して行った。
(駒ヶ岳八合目の紅葉)
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(その2)
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乳頭温泉に向かう。曇ってきて、風が冷たくなった。まさか、明日は雨ではないだろうな。明日の乳頭山、この期に及んで秋田駒とかけるかどうかを決めかねていた。駒ヶ岳を含めての縦走となると、八合目までバス利用になってしまう。乳頭山まで先は長いとはいえ、これではなぁといった思いもある。とりあえず、まだ時間も早いし、そのまま八合目駐車場まで行ってみる。余談だが、雪田爺さん氏が昨年の6月、田沢湖スキー場から秋田駒、乳頭山を縦走し、黒湯温泉に抜けられている。11時間近くかかったようだが、そんな根性は自分にはないし、帰路の定期バス利用を想定するだけでもうんざりしてしまう。
八合目は強風とガスでえらく寒かった。こんな中を歩いたハイカーがいたようで、3人グループが下って来た。出発時は雨だったのではないのか。紅葉をチラ見。すごい紅葉だった。もう少し早く来ていれば、登らずともに満足し、明日以降の予定を変更したかもしれないなぁ。
民宿に着いて、すぐに温泉に入った。身体が暖まったが、外気は冷たく、すぐに寒くなった。隣室の客人がストーブを要求しているくらいだった。自分には我慢できないレベルではない。宿の夕食は6時。隣人は素泊まりらしく、夕食は自分一人だけ。ビールと熱燗を一合飲み、寝る前にもう一度風呂に入り、横になったらコテっと寝てしまった。7時半。長距離ドライブは疲れた。
◎10月7日(金) 乳頭山
休暇村下駐車場(6:15)……ブナ原生林入口(6:30)……笹森山(8:05)……湯森山(8:40)……熊見平(9:00)……宿岩(9:12)……笊森山(9:55~10:10)……千沼ヶ原(10:28~10:35)……乳頭山(11:27~11:36)……田代平(11:59~12:20)……蟹場分岐(13:07)……大釜温泉(13:40)……駐車場(13:54)
いつもの毎日のように、暗いうちから目が覚めた。必死に二度寝の機会を窺ったがダメだった。布団の中でじっとし、いくらか明るくなってから窓を開け、冷たい外気を中に入れる。晴れが期待できそうな空模様。今日は秋田駒からの慌ただしい縦走はやめにして、乳頭山周回ということにしよう。
6時に出かけようと、民宿の玄関に出ると、おカミさん(というほどの年でもないが)から作りたての弁当を手渡された。朝食を弁当に代える場合、大抵、前夜に渡されるか、フロントに置いているものだが、当日の手渡しは初めてだ。鳥海山の時は中身がコンビおにぎりの弁当がさりげなく部屋の前に置かれていた。
(駐車場から。目の前がかつてのスキー場)
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(ゲレンデ脇を登って行く。水気たっぷり)
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(岩手山かと思う)
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エンジンが暖まらないうちに駐車場に着いた。ここは昨日、下見をしているが、この先、どう行けばいいのかは標識もなくてわからなかった。以前はここにスキー場があったらしく、ゲレンデもススキとササヤブの斜面になっている。ストックを忘れたことに気づいた。いつもあまり使いはしないが、ザックには括り付けている。車に積み込むのを忘れていた。
夜中に降雨があったようで、ヤブの駐車場跡を歩いて行くと、早速足元が濡れた。スパッツを付け、ヤッケを着ていてよかった。すぐに左、休暇村の方からしっかりした歩道が現れた。道標もあり、濡れた分、何だか損した気分だ。道標には笹森山まで4kmとある。
歩道があるからといって安心はできなかった。このコースを歩く人はあまりいないと見え、すぐにササが覆いかぶさり、上下ともに露だらけになってしまった。左・北東方面には高い山のシルエットが見えている。方向からして岩手山だろうか。
ちょうどゲレンデの脇を登っていく感じだ。斜面は緩やかで、面白味のないスキー場ということで、やがては閉鎖されたのではあるまいか。15分ほど歩くと、歩道はゲレンデから離れ、ブナ林の中に入り込んで行った。
(ブナ林の中の歩き)
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(色づき)
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(こんなのも)
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(上に行くに連れて色づきは良くなる)
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ブナ林の中の歩きは気持ちが良い。ここもまた傾斜は緩い。時たま左右に沢を見かける。先日の女神山と違って、ここのブナの木は細い。その分、原生林といったイメージが湧いてこないし、薄暗くもないので不気味な感じもしない。見上げると薄い青空になっている。陽の光を浴びた木の葉はうっすらと紅葉している。下の葉もまたところどころで赤くなっている。この辺の紅葉はまだ早いのか。周囲をキョロキョロ眺めながら歩いていると、足元が滑った。粘土質のむき出しは要注意だ。動物の気配はまったくない。鳥の鳴き声すら聞こえない。聞こえるのは自分のスズの音だけ。
(ブナ林から抜け出すと)
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(陽があたらないとダメか)
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30分も歩くとブナ林から抜け出した。密集したササの先に紅葉の山容が現れた。この先が楽しみだなとにんまりする。だが、やけに冷たい風が吹いている。稜線に出たら、もっと寒いのではなかろうか。
(出てきた)
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(そして遠くに乳頭山)
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(右の笊森山の頭はガスの中)
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左手先に尖がりのピークが見える。あれが乳頭山か。えらく遠くに見えているが、この先はずーっとなだらかな高原が続いているかのようにも思える。地理院地図には「烏帽子岳(乳頭山)」と記されているが、どこにでもありそうな烏帽子岳よりも、この辺の地名からして乳頭山の方が適当な名称ではあるまいか。女性には抵抗のある名称だろうか。どうでもいいことだが、それでいて、乳頭温泉は女性には人気がある。隣の笊森(ざるもり)山はガスがかかっている。
この先、トラバース道がしばらく続く。ところどころにロープも巡らされている。じっとしていると寒く、絶えず歩いていないと体温を奪われそうだ。帽子の縛りをきつくした。緩いままでいると飛ばされそうだ。
(斜面に赤いボンボン)
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(稜線に出る)
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右手先に笹森山らしきなだらかなピークが見えてくる。向かいの斜面は赤いボンボンをぶちまけたようになっている。これはいい、これはいいと先を早く見たい感覚におそわれながら歩いてはいるが、つい目先の赤に目を奪われて立ち止まってしまう。感覚の尺度はそれぞれだろうが、八海山の紅葉も素晴らしかったが、ここもまたすごいわ、と感心しながら歩いて行くと稜線に出た。駒ヶ岳から続いている縦走路だ。このまま乳頭山に向かってもいいが、それではもったいないので、逆方向に笹森山に登ってみる。
(笹森山山頂。後ろは秋田駒ヶ岳)
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(右に田沢湖が見える)
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5分ほどで笹森山。山頂はササとハイマツに覆われて狭い、駒ヶ岳が見えた。残念ながら上半分はガスの中。目線位置のやや下に八合目の駐車場が見える。10台以上はありそうだ。そして田沢湖。南西の方向にうっすらと高い山が見える。あれは鳥海山だろうか、あるいは太平山か。
(振り返って笹森山)
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(湯森山に向かっている)
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分岐に戻って菓子パンを一個。温度計を見ると5℃。寒いはずだ。一服して次は湯森山か。ここからはなだらかな上りに見えたが、実際にもそうで、分岐からさほどに苦戦もせず20分ほどで着いてしまった。コースタイムは40分。遠くに見えている乳頭山に気が急いていたわけでもないが、縦走路には木道もあって、せっせと歩いていても息切れも感じない。
(湯森山山頂。駒ヶ岳はまだガス)
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湯森山は通過点にすぎないが、ここには三角点があるはず。平らな山頂を先に行ってみると、ハイマツに隠れた感じで三角点標石があった。三等三角点。ちなみに、この先の笊森山と乳頭山も三等三角点で、駒ヶ岳の男女岳は一等になっている。
(ガスの上がった笊森山。左に乳頭山、右は岩手山)
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ここまで来ると、岩手山も指呼の間といったところだが、岩手山は上が見えていないし、目の前の笊森山もまた上はガスですっぽりのままだ。ただ、雲の流れは西から東へで、西は青空になっているし、そろそろ晴れ渡るのではないだろうか。いずれにしても、さっきまでの上空の薄暗い雲はなくなり、青空が広がっていることは確かだ。冷たい風はどうしようもない。
大きな石が目につき、やがて岩が点在するようになった。火山の関係だろう。足元の土もまた火山礫の案配になってくる。雲間の下に大曲の盆地の田畑が見えている。
(熊見平)
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(左の岩が気になった)
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湯森山からの下りの鞍部は広い湿地帯。木道が続いている。「熊見平」の標識があった。笊森山までは2kmとある。反対側の湯森山は1.1km。この辺は気持ちの良い平原だ。池塘があったりもする。ただ、木道は水に落ち込んでいたり、斜めになっていたりするところもあるので、忠実な木道歩きは無理。まして、雨上がりでは滑りもする。脇に逃げるしかない。おかしなところを歩けば、たちまちのうちに泥んこになる。
(宿岩)
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(宿岩から湯森山)
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(赤い斜面越しに岩手山)
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(駒ヶ岳も顔を出す)
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さっきから気になっていた大岩が目に迫った。標識には「宿岩」とあった。何枚かの岩が重なっていて、真下から見上げると、どうも雨宿りの宿といったところだろう。
雰囲気の良い歩きはなおも続く。急なところもないので、息切れも汗ふきも特別ない。相変わらず赤いボンボンを眺めながら歩いている。ぜいたくを言えば、黄色も見たいところだが、植生からすれば無理だろう。振り返ると、ようやく駒ヶ岳の上空の雲は消えていた。コブ状の山頂が湯森山の後ろにすっきりと見えた。この光景は、何だか別天地の世界のようだ。とにかく広い。山が迫っているというところがない。
(笊森山山頂。岩手山が近づいている)
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(右手は三角山だが、岩手山の頭は白くなっている。これでは見えないか)
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(アップで)
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ハイマツの間に火山礫の道が通っている。ガレ場というほどのこともなく歩きやすいのが不思議なくらいだ。笊森山に到着。ここは大休止としよう。笹森山の分岐に出た際、乳頭山はかなり遠く見えていたが、隠れた笊森山からは隣の山頂だった。ここまで来れば、そんなに時間もかかるまい。ストレートで行けば、コースタイムも1時間10分ほどだ。風も少しは収まっている。
ここはこれまでの中でも眺めの一番良いところだ。正面に岩手山が見えている。あれっ、岩手山の頭が白い。実は後で知ったが、岩手山の初冠雪で、例年よりも6日遅いようだ。駒ヶ岳もすっきり見えるし、目を凝らすと八合目駐車場も見える。乳頭山も山名由来の端正な姿になっている。ただ、乳頭山は笊森山よりも標高が60mほど低い。ここからはどうしても見下ろす感じだ。
(乳頭山)
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弁当を広げた。手渡しされたとはいっても期待はしていなかった。大きめのおにぎりが2個あった。ラップに包まれたおにぎりはコンビニおにぎりではなかった。1個取り出して食べる。ノリ巻きの中味は梅漬けだ。梅干しではなく梅漬け。久しぶりの味わい。しょっぱかったがおいしかった。
さて、これから先はどうしよう。そのまま乳頭山ではもったいない。右下に広い湿地帯が見える。昭文社マップを広げれば、そこは「千沼ヶ原」。確かに池塘がいくつも見えている。あちらはもう八幡平の領域だろう。池塘群は二か所見え、間をおいて、さらに東側まで広がっている。三角山の麓近くだ。そこまで行かずとも、せめて西側だけでも覗きに行くか。15分の休止の後に下る。
(千沼ヶ原に下る)
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(千沼ヶ原。終日ここで過ごしたい気分だ)
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乳頭山直登コースの分岐からさらに下る。足元はかなり悪くなった。滑らないように注意する。木の階段は設えてはいるが、腐りかけのところが滑るのであてにはできない。オオシラビソが現れる。この辺は雪が多いのか、枝葉は垂れている。
千沼ヶ原に出た。平原に池塘群が広がっている。その間を木道が三角山の方に向かっている。ちょっと先まで歩いてみたが、西側が終わったところで切り上げた。見飽きないのでは際限がなくなる。いずれ、改めて歩こう。その時は三ツ石山、曲崎山、大白森、乳頭山をかけての周回だ。避難小屋泊りになるだろう。
(乳頭山に向かう)
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(笊森山からのルートに合流)
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ここから登り返しで一気に乳頭山に行くとする。頭の中では単純に、笊森山からここまで180m下り、乳頭山まで120mの上りで楽勝かななんて思っている。だが、間近に乳頭山が迫ってくると、結構、きついんじゃないかと感じるようになり、さらに、笊森山からのストレートルートに合流すると、せっかくここまで登ったのに、どんどん下りに入ってしまい、千沼ヶ原よりもさらに低い鞍部まで下ることになった。結局、千沼ヶ原からは200mほどの上りだった。
(色づきにむせてしまいそうだ)
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(鞍部から乳頭山)
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高原状の歩きゆえ、たいした変化もなく、いつもなら退屈の歩きだろうが、こう、紅葉がいっぱいだと一歩一歩に変化を感じる。乳頭山から単独のオッサンが降りてきた。今日初めてのすれ違いハイカーだ。
(接近すると、やはり乳頭というか乳首状のピーク)
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(山頂はそこ。ちょっとしつこかったか)
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(乳頭山山頂)
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(森吉山。左下にポツンと山小屋)
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(改めて駒ヶ岳)
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見た目ほどにきつく感じないままに乳頭山に到着。ここも360度の展望だ。森吉山も見えている。秋田駒ヶ岳よりも岩手山が近く見えるのは標高差分の錯覚か。北西方向、シラビソ林の間に避難小屋がぽつんと見える。あれは田代平山荘だろう。11時を過ぎている。ゆっくりとランチタイムとし、展望を楽しみたいところだが、何せ寒い。風がビュービューと吹き付ける。また帽子をきつく締めた。そそくさと退散。田代平山荘で食事にしよう。ところで、ここの山頂、節理状の岩が広がっているが、これも火山性だろうか。この山も崩壊が進んでいるようだ。風化が加わっているのかも。
(下る)
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(乳頭山を振り返る)
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(田代平山荘。山荘とはいっても無人の避難小屋)
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八幡平を歩けばこんな感じだろうなと思いながら歩いている。間もなく分岐になった。左は黒湯温泉、右は田代平だ。ここは右に向かう。振り返ると乳頭山がこんもりと見え、反対側から見たイメージとは違った山容で、なだらかなピークでしかない。どんどん下る。
(田代平山荘)
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(乳頭山を眺めてランチ)
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田代平山荘の前には池塘があり、そこで2人連れが木道に腰かけてお食事中だ。スズの音で気づかれたのか、奥方がいろいろと聞いてきた。歩いて来たコースだの何だのと。ブナ林コースは下り利用をしたことがあるそうだ。乳頭山のみのメインコースは黒湯温泉から入って、孫六温泉に下るコースだとか。今日は自分らもそうだとおっしゃっていた。
小屋の中を覗いてみた。二階建て。石油ストーブも毛布もあり、清掃は行き届いている。この時期は寒かろうが、快適な夜を送れそうだ。2人連れが下って行くようで、入れ替わりに池塘の前の木道に座って、残りのおにぎりをいただく。さっきは気づかなかったが、オカズに卵焼き、ウインナー、ミニトマトが添えられていた。タラコ入りのおにぎりとともにおいしくいただく。
(孫六温泉分岐)
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ここまで来たら、孫六温泉にさっさと下るのは野暮なこと。小白森山まで歩いてみようかなと思いもしたが、さほどの健脚でもなく、蟹場分岐までで十分だろう。小白森山は次の機会もある。周回は来年の紅葉の時期だな。
(相変わらず振り返っている)
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(こんな風景が続くも飽きない)
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この先は、歩くハイカーも少ないと見え、木道もしっかりとはあるが整備はされていず、木道が倒れたり、木の階段の下も土がえぐられていたりしている。これを避けて脇を歩くと、たちまちのうちに沢か池塘からあふれた水のためか、靴に水がかぶってしまう。できるだけ草地を歩くようにする。
(一気にこんな景色になった)
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草原状の間を歩く。時たま池塘も見られる。蟹場分岐方向の標識が現れ、それに従うと、すぐに灌木の中の普通のハイキングコースになってしまった。気分良い歩きもお終いか。これがしばらく小白森山まで続くようだ。
前方から人工的な音が聞こえてきた。最初は麓の里で運動会でもやっているのかと思ったが、音源は近い。どんどん近づくと、やがて三味線の音になった。前をオッチャンがラジオをガンガンに鳴らして下っている。何ということはない。NHKで長唄を流している。当人がそれに趣味があるとも思えない。ただクマよけに鳴らしているだけだろうが、こちらとしてはただの騒音で、耐え切れず、挨拶しながらさっとかわし、音が聞こえなくなるまで先に急いだ。静かな山歩きを楽しむ分には迷惑な音だ。通りすがりにちらっと見たが、オッチャンはミツウマの岩礁80を履いていた。最強のスパ長だ。
(蟹場分岐。この先はさらに道も細くなるようだ)
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(ちら見の田沢湖)
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紅葉も下はまだだなと思いながら下っている。雰囲気はどこの山にもある風景になっている。蟹場分岐に着いた。ここで一服。しばらくしても三味線の音は聞こえてこない。
後はフィニッシュの下りだけだ。ここもまたブナ林にはなっているが、さほど密ではない。木立に囲まれ、展望を楽しむことはできない。たまに開けたところがあり、そこからは田沢湖、駒ヶ岳、笹森山が見えた。
(蟹場登山口に着いてしまった)
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(後は車道歩き)
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蟹場の大釜温泉の前に出た。観光バスが一台。温泉巡りツァーだろう。せっかくずっといい気分で歩いていて、ここから先が車道歩きではがっかりもするが、これは仕方がない。車道をゆっくり、下の沢を覗きながら15分ほど歩いて駐車場に帰って来た。出がけに車はなかったが、今は3台ほどある。別にハイカーとは限るまい。カメラマン氏がゲレンデ跡のススキを撮っている。
(アルパこまくさから駒ヶ岳。登ったわけでもないが)
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歩き足りない気分であった。せめて小白森山まで行ってみればよかったか。ただ、気分的に当初の予定コースを早く帰れるなら、下山したらそのまま阿仁に向かい、墓参りでもして来ようかなと思っていた。そんな思いが余裕をなくしていた。だが、車のナビをセットしてみると、阿仁まで往復3時間はかかる。これでは忙しいなと結局はやめにし、「アルパこまくさ」とはどんなところかと見に行った。車が5台ほどあった。駒ヶ岳は真上に見えた。ハイカーらしき姿は見えなかった。
今日の歩き、とにかく上は寒かった。しかし、紅葉は満喫した。なだらかで、起伏がありながらも応えることもない歩きの間に見た自然の景観もまた素晴らしかった。もう少し歩きたかった。ただ、紅葉の時期でなかったらどうだったろうか。それぞれの季節に相応した山の顔と趣きもあるのだろうが。
明日の歩きもある。時間的に早いが、宿に帰って温泉に入り、後はゆっくりと読書でもしようか。
昨夜は6時の夕飯で、その後が長い感じがした(結果的には7時半の就寝だったが)。民宿だし、7時以降の夕食指定では失礼だろうと、今夜は6時半にしてもらった。だが、昨夜と同様にビールと熱燗を飲み、キリタンポを食べ終わり、また温泉につかったら、長い夜どころか、8時には電気をつけたままで寝てしまっていた。
翌朝、雨の音で目が覚めた。これじゃ、今日の予定は無理だな。いさぎよくあきらめる。
朝食後、阿仁に向かい、傘をさしての墓参り。線香は、昨日のうちにコンビニで調達しておいた。ついでに森吉の叔父の家に立ち寄る。帰路は大回りして上小阿仁経由の五城目から秋田道に入った。岩手を抜けるまで、ずっと強い雨だった。
先日の女神山、真昼大滝見物はドライブ距離も1.045kmだったが、今回は1,400kmまで達した。秋田がからむと、こんなにも遠くなる。だから、乳頭山は秋田側からは入りたくなかったというのが本音のところだ。それなりに満足できて帳消しにはなったが、これではちょくちょくも出向けないわ。
(乳頭山の軌跡)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
斜面一面の多色の紅葉もいいですが、この緑バックの赤いボンボンもまた味わいがあって面白いですね。ただ、これだけだと飽きてしまうところもありますが。
当日は、意外に歩いているのですよ。35,000歩近くでしょうか。乳頭山までは結構な距離があります。でも、まったく足への負担というのは感じませんでした。攣りやら痙攣とはまったく縁遠いものでした。おっしゃる通り、高低差の問題でしょうね。結構、起伏はあるのですが、全体的にはなだらかで。こういう歩きもたまにはいいですね。
東北も北になると一気に遠くなります。楽な方法は新幹線利用でレンタカーなのですが、新幹線に乗るまでが面倒でね。
乳頭山はずいぶん遠くに見えますが実際の周回時間はそんなでもなくて、高低差があまりないからでしょうか。結構な距離を歩かれたうえでも物足りないとの感想ですし。
こうも気分の良さそうな紅葉の高原歩きを見せられると私もちょっと東北まで泊まりで・・と行きたいところですがしばらく土日片方しか空いておらず遠出できないのが残念です。東北観光フリーパスとやらを使えば高速代も多少は安くつきそうなのですが。
気楽に紅葉を人気のないところで見たいのですが中々良さそうなとこは見つかりませんね。
赤城山との違い、ありがとうございます。
ハイトスさんも、東北の山の紅葉をご存じないはずはないとは思うのですが、実は、こんなものではなく、タイミング的にはちょっと遅く、ピークは一週間前のようでした。
さらに、八幡平の三ツ石山の紅葉というのも素晴らしいようですが、ここはすでに終盤となっていました。
来年はピークに合わせて行って、さらにむせたいものですよ。
赤城山の紅葉も素晴らしいと思いますよ。今月末から来月にかけてが見ごろのようですが、ぶらっと行ってみるつもりではおります。
ご相方の御所望であれば、行かずばならないでしょう。秋田駒は200、乳頭山は300名山のようですね。花の時期か紅葉期にぜひいらしてください。一人では延々ですが、お二人ならちょこっとといった感じの距離ですよ。
民宿も、見た目は旅館ですが、やはり個人の生活の延長でやっておりますから、その辺は、利用客もシャキッとしないといけませんわね。料金は山小屋並みといったところですが、違いはさらに温泉付き、料理付きといったところです。ちなみに、私は民宿利用というのは初めての体験でしたが、さほどに窮屈なものではありませんでしたね。
情報ありがとうございます。
私の持っている山スキーのガイド本に、網走スキー場~裏岩手連峰~滝ノ上温泉というコースが載っていますが、こんな感じのところでしょうか。
八幡平はどこを歩いても魅力がありそうです。私もまた一年後には歩いてみたいと思っています。
お世辞抜きでトップ画像といいほんと絵葉書みたいですよ。
赤城とはえらいちがいですね。
桐生の古老の方から東北の紅葉は次元が違うと聞かせれておりますがまさにですね。
相方が秋田駒は一度行ってみたいと言っております。
乳頭山も聞いたことはあります。
しかし民宿の時間の配分はまるで山小屋のようですね。
2週続けてのロングドライブ、お疲れ様でした。
葛根田川源流尾根は、山スキーコースとして知りました。たそがれさん想像の通り、三石山・大深山・曲崎山・小白森・乳頭山、てな感じです。秋に、部分的にでも、行ってみてーです。
アルプス方面には足が向かず、こんなところを歩いております。
さて、10日に行かれたのですか。そして風が強かったと。ということは、ずっと強風が続いていたということですね。北東北の山もそろそろ冬の準備に入りつつあるということでしょうか。
ご推奨のコース、紅葉の見どころ等、地図を広げながら確認させていただきました。私には、秋田駒方面はハイカーが多いだろうし、できれば避けたいところですが、平日なら問題ないでしょうし、御坪平ですか、そして横長根の紅葉アーケードというのもまた気になるところです。次回時の立ち寄りスポットとして考えてみます。ありがとうございます。
国見温泉は、実は翌日に行こうと思っておりまして、ここをベースに、県境伝いに貝吹岳と笹森山に行く予定でいましたが、残念ながらの雨。高圧線が交差するような山ですから、合羽を着て行くまでもないかとさっさと帰って来た次第です。故郷に帰れば、どうしても近くを通りますし。
chiyomiさんはちょくちょく秋田駒の方に行かれ、さしでがましい気もしないではないですが、こんな記事でも参考になれば幸いです。
お久しぶりです。
かなり前、南アルプスですれ違ったものです。
10日の体育の日に、私も途中までたそがれさんと同じルートを歩きました。ブナ原生林を抜けたあとの紅葉はまだ綺麗でした。6年前に同じコースをほぼ同じ日に歩き、やはり紅葉は見事で、またいつかこの紅葉を見に来ようと思っての再来でした。私たちは秋田駒ヶ岳方面へ向かいましたが、あまりに風が強くて山頂はパスし、岩手県の国見温泉へ下山しました。途中、国見温泉分岐から生保内分岐に向かい、少し紅葉を楽しみました。もっと先まで行くと、御坪ということろがあって、ここの紅葉も綺麗です。機会があればぜひ訪れてください。秋田駒ヶ岳頂上の紅葉が終わったあとは、ブナ原生林を抜けたあとの場所、乳頭山、国見温泉へ向かう横長根(紅葉のアーケードをくぐる感じ)、御坪の紅葉の時期が一致しているようです。国見温泉もちょっと珍しい色をしたとても良い温泉です。来年は、たそがれさんのように乳頭山の紅葉を楽しみに行こうと、参考にさせていただきました。
写真の件、ありがとうございます。こちらはいいとこに向けて構えるだけで、後はカメラがうまく撮ってくれましたよ。
ぶなじろうさんの定年後の生活、忙しそうですね。桐生への移住計画もあるし。ただ、定年後の生活に期待を集中させてしまうと、つい無理がたたったりしてしまうこともありますのでほどほどにしませんとね。
やはり、ぶなじろうさん、森吉山も含めて、あの辺を集中的に歩かれたことがあるようですね。今、葛根田川源流尾根なるところを地図で探してみましたが、今一つぴんときませんよ。私が記事内に記した県境稜線ルートのことでしょうかね。
いずれにしても、八幡平やら秋田駒の周辺は、初夏の花の時期か紅葉の頃がベストのような気がします。ツツジの時期はどうなのかは知りませんけど。
すばらしい写真一枚一枚に見惚れてしまいましたよ。
いやはや、早く定年を迎えて、こういった所を自由に歩き廻りたいですワ。
自分は、日本的に有給休暇が取れないので、お正月休みとかGWでここいらを徘徊した事があります。なので、雪景色しか知らないのですヨ。田代平の避難小屋にもお世話になった事があり、とても懐かしく拝見しました。
兎に角、今回の記事・写真は衝撃度が強烈で、繰り返し申しますが、早く定年して~。です。
あっ、それと記事の冒頭にありました葛根田渓谷・・。
自分の場合は、夏に「葛根田川源流尾根」を縦走して、乳頭山もしくは秋田駒に抜けたいなぁと思っておりました。これは、秋に変更します。でも、夢想に終わりそうです。
そうですか。HIDEJIさんは東北の山は疎いとのことですが、でしたら、とりあえずは百名山からでしょうね。磐梯山もさることながら、私は安達太良山をまずはお薦めしますけどね。あの山も、見た目は女性的でなだらかな感じですが、やはり火山ですから、山頂付近はゴツゴツで、その分、男性的な荒くれた印象も味わえます。磐梯山も同じようなところがありますけどね。
中国人ツアーは、おそらくは東北の温泉巡りといったところで、ついでに抱返り渓谷の紅葉を入れ込んだ形でしょうけど、せっかく、準備万端のカメラを用意して来たのに、紅葉は撮れずに滝だけというのも気の毒な気がします。だからといって、皆さん金持ち太りの体形でしたから、せめて秋田駒ヶ岳に登れと言われたら、大方は四苦八苦でしょう。ただ、車で行ける八合目周辺の探索だけでも紅葉の写真は撮れたのではなかったかと思うのですが。
秩父も、今年こそはせめて川又から柳小屋泊りの十文字峠周回を考えていたのですが、このまま終わりそうですよ。ただ、これからは、自分にはそちら方面かなと思ってはいます。
HIDEJIさんの紅葉レポをお待ちしておりますよ。
東北の山々、皆さんがおっしゃるように、なだらかでかつ堂々とした山容で、人も少なく落ち着いた感じがいいですね。夏も涼しそうな気がします。
東北方面の山は無知なのですが、記事を拝見すると歩きたくなります。
今年は新たなエリアに出向くことがなく、機会があれば東北の山に行ってみたいのですが、近場でまずは磐梯山あたりが良いのかなぁと考えてます。東北の範疇をよく理解しておらず的外れかもしれませんが(^_^;)
それにしても広大な紅葉の斜面は、綺麗で見ごたえがありますね。実際に目の当たりにしてみたいです。それと外国人のツアーまで押し寄せる渓谷は、よほどの有名どころなんですね。
こちらはせめて秩父の紅葉くらいは見逃さないようにしたいと思います(^_^;)
お疲れさん、ありがとうございます。
瀑泉さんは抱返り溪谷をご存じでしたか。さすがに通ですね。百尋の滝は、瀑泉さんのお立場からすれば、「何だ、行かなかったのか」といったところでしょうが、私も今さらになって残念に思っております。今一つの気迫に欠けておりました。
ただ、紅葉の時期に百尋の滝に行くとなると、ちょっと難しい面があるかもしれません。というのは、その時期はかなりの観光客が訪れ、大方は終点の回顧の滝まで行くでしょう。回顧の滝そのものは、サンダル履きの人でも見られますから。そんな中で、ゲートを乗り越えて百尋の滝に向かうとなると、かなりの人目が集まりますよ。としたら、紅葉の時期を外すか、素早く入り込むか、早い時間帯に行かれることをお薦めいたします。
乳頭山で遭難ですか?調べたら、意外にありますね。やはり積雪期とか山菜採りの時期といったところですね。山そのものはなだらかで、危険なところといったら、山頂南側の断崖状のところですが、別にそこを通るわけでもないし、しっかり道と木道を歩いている限りは、転倒以外の事故も想定しづらいところです。積雪期なら致し方ないでしょうね。風もかなり強そうな地形ですし。
那須の紅葉は役者不足でしたか。10日に行かれたぶなじろうさんのブログを拝見する限りは赤もあって、そこそこといった感じはいたしますけどね。ただ、ガスの中だし、全容はどうなのかは想像もつきのせんけどね。
先ずは,抱返り渓谷,さすがに紅葉にはまだ早かったみたいですが,秋田の滝巡りの際には,是非,行ってみたいですヨ,此処は。百尋の滝は,チョット残念ではありますが,いずれ自分も紅葉の時季にでも訪ねてみることに致しましょう。
乳頭山,最近,遭難で耳にするなりましたが,こういう山だったんですネ。実にたおやかで,東北の山といった感じですネ。それに青空に映える紅葉も素晴らしいし,むせてしまうのも頷けますヨ。
それに色付きもかなり良さそうだし,今年の東北は日照不足だったから,どうかなぁ~とは思ったんですが,やはり,一気に冷え込むことの方が大事なんでしょうネ。
それに比べて,関東はダメですワ。昨日は那須に行ってみましたが,赤が極端に少なくて。黄色・オレンジはマズマズだけど,9月末から10月頭の気温が高過ぎましたネ。
東北の山もたまにはいいですね。頻繁には行けませんけど。
険峻なところの紅葉となだらかな斜面の紅葉を比べると、やはり、自分は後者を選びますね。その辺が東北の山の紅葉の良さかもしれません。まして、北海道に続いて早めに紅葉の時期を迎えてもくれますしね。
紅いボンボンは別に東北特有なものではなく那須あたりでも見られますが、あれはいいですね。自然の為せる技といった感じにもなります。自然の庭園というか。
サクラマスさんは千沼ヶ原の景色、お気に入りいただけましたか。今回のルートの中でも、私、笊森山から見下ろした千沼ヶ原の景色が最高でしたね。沼は右側にも離れて点在しているのですが、うまく含めて撮れませんでした。あそこは、この時期ではなくとも、年間を通じて飽きない景色ではないかと思っています。
おっしゃる通り、東北の山は慨してなだらかですね。鳥海山もまたその口ですが、先日の鳥海山ではいろんなことがあって不消化気味となり、改めて行き直したようなものです。
結果的に紅葉が重なり、満足して戻って来たといったところですが、実はここの紅葉も終わりかけで、後一週間もしたら枯れた景色が広がるのではと思いますね。
私、歩きながら思っていたのですが、このレベルならK女さんも無理を感じずに歩けるんじゃないのかと。
風は冷たく強かったですが、天気は良く、満足な歩きをして帰って来ました。
次回は千沼ヶ原をゆっくりと探索したいところです。
羨ましく思っていただきありがとうございます。
今回の乳頭山も、実は地味な山かと思います。普通のハイカーなら、どうしても秋田駒ヶ岳の方に目が向いてしまいますし、乳頭山は健脚な方にしてみればついでの山でしょう。また、八幡平を縦走する方にとっては寄り道、通過点ではないでしょうか。
今回、一人での運転は2週間開きのロングとなりますが、やはり、その盛岡までが遠いんですよね。とにかく、自分には栃木県を出るまでが異様に長く感じてしまいます。
そんな手間ヒマをかけてまで行くのだったら、やはり、ため息をつきたいほどの紅葉に出会わないとウソといったことになるでしょうね。
台風18号の動きがずっと気になっていましたが、途中で温帯低気圧になり、さらに紅葉の日和、天候に恵まれて幸いでした。ただ、強くて冷たい風にはまいりましたね。
足がなかなか向かないエリアであることは私にも同じですが、自分が生まれ育った地の近くという親近感がありますから、その点、自分には遠くともあまり苦にはならないエリアです。むしろ、関東の西側は3時間の運転を越えたらきつく感じるでしょう。
八幡平周辺は山小屋(避難小屋)が充実しています。今回の山行で、結構、調べましたよ。掘っ立て小屋のような避難小屋もあるでしょうが、これまでに見た避難小屋はいずれもきれいでした。使い方によってはおもしろい歩きができるかと思います。
変な天気が続いて、今年の紅葉はどうかなと思っていましたが、自然の力は強いですね、きれいに色づいていました。
乳頭山は、好い所ですね、なにか穏やかそうな登山道(実際はきついのでしょうけど)視界が広いのが、気分を大きくしそうです。
今年一番の紅葉見物をさせていただきました。
ありがとうございます
いやぁ、目が覚めるような青空に紅葉、池塘と涎が出そうな景色ですね。人も少ないみたいで、羨ましい限りです。周回時間もちょうどよく、遠くても行ってみたくなりましたよ。鳥海山あたりよりもずっと遠いと思っておりましたが、実際は盛岡まで高速で行ってしまえば、それほど変わりないんですね。7日はこちらも好天でしたが、自分は相変わらず地味な山を歩いていました。
スッキリと晴れた空に紅葉を眺めながらと、正直羨ましいところです。車の移動で日をとられますが、なかなか足が伸びないエリアです。こんなに良いのに平日だからか人が少ないのですね。避難小屋泊のご予定、参考になります。天気が安定してくれると良いのですがこのところの天気で遠方は賭けに近いとこありますね。
写真の件、ありがとうございます。被写体が紅葉バックですから、映りが良かっただけのことで、これから紅色を取ってしまえば、その辺に転がっている写真になったかと思います。
今回は、紅葉の中の歩きに徹することができましたので、満足の山行となりました。いつもと違って、歩き足りない気持ちすらおきましたからね。
ここのところ、どうもタイミングの悪い歩きが続いてもしましたし、余計かと。
紅葉も始まりかけですから、むせるだの、うるさいだのといった感じをもう何回かと味わいたいものです。
それ以降の画像も紅葉の画像は登山雑誌に掲載されているようなものばかりで素晴らしいです。
それにしても素晴らしい紅葉を目にして「むせてしまうような色付き」、
満開の花を見れば「うるさいほどの花付き」
たそがれさんらしい言葉の表現でとてもユニークに思います。
満足のいく紅葉と山歩き、とても良かったですね(^^)