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◎2009年9月9日(土)―木と2人
1回目は立山経由で二日酔い、2回目は早月尾根でカンカン照りの中バテバテ、そして3回目は同じく早月尾根で雪と、いずれも根性無しで敗退している。剱岳というそのステータスの高さの故か、懲りもせず4度目の挑戦は木をおだてながらの同行となった。ちなみに木とは1回、2回目と連れ立っている。予定は前夜泊の下山時一泊。剱岳登頂後に早月小屋に泊まり、星空をながめながら、最近、山行では焼酎からウィスキィーに転向した木と、さきイカをさかなに角ビンを飲むという段取り。過去の例があるから、前夜は現地での十分な睡眠が必要と、オレはお通夜と偽り午後半休をとり、木は早々に仕事を終わらせ、伊勢崎を4時に出発。今夜は10時半には消灯し、明朝は4時起床、4時半出発の予定。上信越道は台風の影響で一部通行止め。関越~長岡JCT~北陸道と遠回りのルートとなり、通勤割引は滑川の手前、名立谷浜で利用したが、ここのETCが壊れていて手動。さらに、滑川の係員が不慣れで、出るのに往生した。現地で道を間違えたりして、馬場島に着いたのは9時過ぎ。テントを張って、軽く飲む。心なしか木に元気が無い。アルコールもピッチが遅い。運転の疲れか。アルファ米にカレーをかけて食べ、予定よりも早めに寝る。星が見えなかった空も、次第に星が広がり、寝る頃には満天の空になっていた。明日の天気は大丈夫だろう。車は3台くらいしかいなかったが、そのうち1台、6人グループが来て、テントを張っていた。
目覚めると、馬場島前の駐車場には13台の車が駐まっていた。早々に歩き出す人もいる。寝ている間に出発した人もいるのだろう。星が一つだけ東の空に出ている。木が明けの明星だと言っているが、どうだか。他の星はまったく見えない。雲が厚いようだ。天気がやばそうな雰囲気。出発前のトイレタイム。ほとんど無しに近い状態。木も同じようだ。4時48分出発。気温18℃。登山口には3台の車が駐まっていて、準備をしている。ヘッデンを点けないと真っ暗で何も見えない。いきなりの急登が始まる。後で気づいたことだが、ヘッデンを点けているから周りが見えず、余計に急に思えるのではなかろうか。40分くらいに急登もひとまず終わり、周囲も明るくなってきた。ヘッデンを消す。例の6人グループに抜かれる。女が1人交じり、健脚揃いといった感じ。
1,000mを越えるとの杉の大木が目立ち始める。樹齢1,000年を超えそうな巨木がまばらに目に付く。宿り木が太い根にしっかりと生えている。ここで、木がトイレ。ヤブに入ってキジ撃ちが出来る彼がうらやましい。1,400mを6時45分、1,600mを7時7分、1,800mを7時44分と、極めて標準に近い時間で通過。9時30分には早月小屋に着いていたいが、ほぼ適当な配分時間だろうか。天気はずっと曇りか所により霧雨。視界は広がらない。たまに毛勝三山の中腹を目にするが、ピークはまったく見えない。延々と登りが続いている。早月尾根はアルプスの三大バカ尾根の一つともいうらしいが、中間の早月小屋に至るまで、相当の汗を流した。6人グループだけではなく、すでに4~5人に抜かれている。みんな健脚で、日帰りだろうなと感心する。霧雨状態でいる時、地元のオジサンに出会う。ラジオで天気予報を聞いている。天気のことが気になっているようで、オレたちにも天気のことを聞いてきた。よほど雨がいやなようだけど、予定は日帰りとのこと。もう下りたがっている気配。次に会った40台前半も、日帰りだと言っている。「明日は仕事なんですよ」。彼は結構、スローペースで、オレ達が追い抜いた唯一の登山者。実は、この地元の40台を追い越したばかりに、もしかしてオレ達も日帰り出来るんじゃないのかといった変な錯覚を持たせてくれることになる。親子と思われる2人組に追い抜かれる。慣れた感じで、疲れも顔に出さずに歩いて行く。母親は60台後半だろうか、スニーカーを履いている。しょっちゅう来ている地元の人だろうな。
早月小屋には9時35分着。だれの姿も見えない。登山口から5時間近くかかっている。昨年の10月に一人で来たときは3時間半だった。休憩を含めない標準タイムは4時間40分だから、かなり遅い。実はこの時、すでに日帰りを視野に入れるようになっていたのだが、このペースではかなり危うい。標準タイムで行けたとして、小屋から剱岳までは3時間半、剱岳から馬場島までの下山タイムは5時間40分。まして、天気は悪い。目標の剱岳は見えない。細かい雨が晴れては止み、ザックカバーを脱着したり、合羽を着たり脱いだりを続けていた、風がまったく無いため、合羽を着ていると、いくらゴアとはいえ、汗だくになって不快なのである。頭から汗がボタボタ落ちてきてメガネにかかり、汗で濡れたタオルで拭くメガネがさらにくもってしまう。ここまで、木の歩くスタイルを確認したが、どうも、オレの歩き方とは随分違う。彼はそこそこ早く歩くのだが、休憩時間に使う時間が長い。休む度に食料を口にし、煙草を長い時間かけて吸う。オレの歩き方といったら、まず、息が続く限り歩き、息切れしたら立ったままで呼吸を整えて、また歩く。この繰り返し。大休止はめったにとらない。性格の違いだろうが、どうも波長がうまく合わない。木イチゴがそこら中にあり、かなり食べてしまったが、特別なおいしさはなかった。すでに水を1リットル飲んでしまった。今日は水割り用も含めて3リットル持参だから、余裕はかなりある。小屋の片隅に、負担になりかけていた、着替えやらの泊まりの荷物を置いていこうとも考えたが、適当な場所もなく、そのまま背負って行った。
小屋からの尾根は植生が変わる。ハイマツ帯になる。その分展望も良いはずだが、視界はますます悪くなる。気温はずっと15℃のまま。無風。昨年10月に撤退した2,614m峰直下では、しっかりとロープが付いていた。雪が無くとも、下が谷になっているから、滑落したら危険なところ。そして滑りそうな石がゴロゴロ。少しの下りがあって池に出、その先で休む。池の方から気合いの入った声が聞こえてくるが、一向にこちらにやって来ない。ようやく姿が見えたら、何やら池の水でタオルを洗っている。何をやっているのか、どうも理解に苦しむ。さっきのお天気オジサンが下りて来る。聞けば、2,800m付近で霧雨になっていて、撤退して来たとのこと。また、来週来るそうだ。何だか、今年の目標に、この早月尾根縦走を入れているとか言っていた。
12時30分、2,800m。どこが霧雨なんだろうか。ここらは霧が巻いているとはいえ、雨が降った形跡は無い。石も乾いている。お天気オジサンも気まぐれなものだ。そろそろ下って来る人が目につく。オレたちよりも早立ちか、前夜小屋泊まりか。追い越された人たちにはまだ会わない。オジサン2人が追いついて来た。話をしていると、一人は元山岳会、他は初心者と称していたが、かなりベテランのようだ。元山岳会は耳が遠いらしく、初心者が何度も同じことを尋ねても無言でいた。ベテランがようやく重い口を開いて、「あと1時間」と言いながら、先に行ったが、どうも1時間で済むとは思えない。下りて来る人に山頂からここまでどれくらいかかったか尋ねると、1時間だったり、1時間半だったりする。下りでこれだから、2時間はかかるだろうか、さらに疲れがどっと広がってくる。
ルート案内には詳細に出ていない鎖場が延々と続く。半端な鎖場ではない。こわい、危険な鎖場。下は切れ立っている。続けて歩くことは無理。木が渡りきったのを確認してから鎖をつかむ。今日はまだいい。ガスがかかっているから、下が見えない。晴れていたら、かなり睾丸がすくむ思いをするだろう。例の親子が下って来る。山頂着13時38分。確かに2,800mから1時間だった。気が置けない場所だから、むしろ、上りよりも下りに手こずるかもしれない。立山の方から来た団体さんが15名くらい。木がどこから仕入れてきたのか、剱山荘に泊まった団体だそうだ。若い女性が多いためか、木もちゃっかりと抜け目がない。しかし、剱山荘からだったら3時間程度で着くだろうに、こんな時間までかかったのだろうか。随分とゆっくりだ。山頂からはガスで本当に何も見えない。山頂も素っ気ないもので、神社の祠とおびただしい数の石。天気が良かったら、金を払ってでも見たい光景が360度広がっていただろうに、まったく残念な始末。ベテランと初心者の2人連れは、これから下って早月小屋に泊まって帰るそうだ。6人グループとは結局、その後会わなかった。立山か大日岳に縦走したのだろう。
山頂にだれもいなくなったのを潮時に、14時下山開始。また鎖場で難渋する。もう、だれも登ってこない。足がかなり疲れてきた。休憩が多くなる。ちらっと、雲が抜けたのを見ては写真を撮るが、剱岳の全容は期待できない。毛勝三山がきれにい見えたのも束の間。16時18分早月小屋。歩くのもいいかげん嫌になっていたが、木が「剱岳に登ったら、もう用事はない」の一言に、もっともだと思い、小屋は素通り。小屋にはオジサン連中がかなりいた。そしてテント場には6張くらいだろうか。小屋の高台で大休止。やはり展望がない。
フィニッシュは延々と続く早月尾根の後半。雨が降り出し、合羽を着るものの無風。一旦引いていた汗がまたダクダクと流れる。木の足が本格的にダメになりかけている。断続的に休憩タイムが多くなる。今のところ、オレは無傷だが、樹林帯に入ってから、木の根で滑っては尻をつくようになった。ヘッデンを点灯。足下しか見えない。1人だったら、こんな無茶はしなかったろう。ヘッデンを消すと完全な暗闇。こわくなる。馬場島山荘の電灯が遠くに見え始めてから、ようやくほっとした。19時51分、今日の長~い旅もようやく終わった。
このまま、群馬に帰れるわけはない。クタクタな上に風呂にも入りたい。逆戻りになるが、富山市内に入り、健康センターで風呂に入って寝ることにした。ようやく見つけた健康センター。いつもなら長風呂の木だが、今日はそそくさと出て、打ち上げで飲むアルコールも少なめ。横になった途端にいびきをかいていた。
1回目は立山経由で二日酔い、2回目は早月尾根でカンカン照りの中バテバテ、そして3回目は同じく早月尾根で雪と、いずれも根性無しで敗退している。剱岳というそのステータスの高さの故か、懲りもせず4度目の挑戦は木をおだてながらの同行となった。ちなみに木とは1回、2回目と連れ立っている。予定は前夜泊の下山時一泊。剱岳登頂後に早月小屋に泊まり、星空をながめながら、最近、山行では焼酎からウィスキィーに転向した木と、さきイカをさかなに角ビンを飲むという段取り。過去の例があるから、前夜は現地での十分な睡眠が必要と、オレはお通夜と偽り午後半休をとり、木は早々に仕事を終わらせ、伊勢崎を4時に出発。今夜は10時半には消灯し、明朝は4時起床、4時半出発の予定。上信越道は台風の影響で一部通行止め。関越~長岡JCT~北陸道と遠回りのルートとなり、通勤割引は滑川の手前、名立谷浜で利用したが、ここのETCが壊れていて手動。さらに、滑川の係員が不慣れで、出るのに往生した。現地で道を間違えたりして、馬場島に着いたのは9時過ぎ。テントを張って、軽く飲む。心なしか木に元気が無い。アルコールもピッチが遅い。運転の疲れか。アルファ米にカレーをかけて食べ、予定よりも早めに寝る。星が見えなかった空も、次第に星が広がり、寝る頃には満天の空になっていた。明日の天気は大丈夫だろう。車は3台くらいしかいなかったが、そのうち1台、6人グループが来て、テントを張っていた。
目覚めると、馬場島前の駐車場には13台の車が駐まっていた。早々に歩き出す人もいる。寝ている間に出発した人もいるのだろう。星が一つだけ東の空に出ている。木が明けの明星だと言っているが、どうだか。他の星はまったく見えない。雲が厚いようだ。天気がやばそうな雰囲気。出発前のトイレタイム。ほとんど無しに近い状態。木も同じようだ。4時48分出発。気温18℃。登山口には3台の車が駐まっていて、準備をしている。ヘッデンを点けないと真っ暗で何も見えない。いきなりの急登が始まる。後で気づいたことだが、ヘッデンを点けているから周りが見えず、余計に急に思えるのではなかろうか。40分くらいに急登もひとまず終わり、周囲も明るくなってきた。ヘッデンを消す。例の6人グループに抜かれる。女が1人交じり、健脚揃いといった感じ。
1,000mを越えるとの杉の大木が目立ち始める。樹齢1,000年を超えそうな巨木がまばらに目に付く。宿り木が太い根にしっかりと生えている。ここで、木がトイレ。ヤブに入ってキジ撃ちが出来る彼がうらやましい。1,400mを6時45分、1,600mを7時7分、1,800mを7時44分と、極めて標準に近い時間で通過。9時30分には早月小屋に着いていたいが、ほぼ適当な配分時間だろうか。天気はずっと曇りか所により霧雨。視界は広がらない。たまに毛勝三山の中腹を目にするが、ピークはまったく見えない。延々と登りが続いている。早月尾根はアルプスの三大バカ尾根の一つともいうらしいが、中間の早月小屋に至るまで、相当の汗を流した。6人グループだけではなく、すでに4~5人に抜かれている。みんな健脚で、日帰りだろうなと感心する。霧雨状態でいる時、地元のオジサンに出会う。ラジオで天気予報を聞いている。天気のことが気になっているようで、オレたちにも天気のことを聞いてきた。よほど雨がいやなようだけど、予定は日帰りとのこと。もう下りたがっている気配。次に会った40台前半も、日帰りだと言っている。「明日は仕事なんですよ」。彼は結構、スローペースで、オレ達が追い抜いた唯一の登山者。実は、この地元の40台を追い越したばかりに、もしかしてオレ達も日帰り出来るんじゃないのかといった変な錯覚を持たせてくれることになる。親子と思われる2人組に追い抜かれる。慣れた感じで、疲れも顔に出さずに歩いて行く。母親は60台後半だろうか、スニーカーを履いている。しょっちゅう来ている地元の人だろうな。
早月小屋には9時35分着。だれの姿も見えない。登山口から5時間近くかかっている。昨年の10月に一人で来たときは3時間半だった。休憩を含めない標準タイムは4時間40分だから、かなり遅い。実はこの時、すでに日帰りを視野に入れるようになっていたのだが、このペースではかなり危うい。標準タイムで行けたとして、小屋から剱岳までは3時間半、剱岳から馬場島までの下山タイムは5時間40分。まして、天気は悪い。目標の剱岳は見えない。細かい雨が晴れては止み、ザックカバーを脱着したり、合羽を着たり脱いだりを続けていた、風がまったく無いため、合羽を着ていると、いくらゴアとはいえ、汗だくになって不快なのである。頭から汗がボタボタ落ちてきてメガネにかかり、汗で濡れたタオルで拭くメガネがさらにくもってしまう。ここまで、木の歩くスタイルを確認したが、どうも、オレの歩き方とは随分違う。彼はそこそこ早く歩くのだが、休憩時間に使う時間が長い。休む度に食料を口にし、煙草を長い時間かけて吸う。オレの歩き方といったら、まず、息が続く限り歩き、息切れしたら立ったままで呼吸を整えて、また歩く。この繰り返し。大休止はめったにとらない。性格の違いだろうが、どうも波長がうまく合わない。木イチゴがそこら中にあり、かなり食べてしまったが、特別なおいしさはなかった。すでに水を1リットル飲んでしまった。今日は水割り用も含めて3リットル持参だから、余裕はかなりある。小屋の片隅に、負担になりかけていた、着替えやらの泊まりの荷物を置いていこうとも考えたが、適当な場所もなく、そのまま背負って行った。
小屋からの尾根は植生が変わる。ハイマツ帯になる。その分展望も良いはずだが、視界はますます悪くなる。気温はずっと15℃のまま。無風。昨年10月に撤退した2,614m峰直下では、しっかりとロープが付いていた。雪が無くとも、下が谷になっているから、滑落したら危険なところ。そして滑りそうな石がゴロゴロ。少しの下りがあって池に出、その先で休む。池の方から気合いの入った声が聞こえてくるが、一向にこちらにやって来ない。ようやく姿が見えたら、何やら池の水でタオルを洗っている。何をやっているのか、どうも理解に苦しむ。さっきのお天気オジサンが下りて来る。聞けば、2,800m付近で霧雨になっていて、撤退して来たとのこと。また、来週来るそうだ。何だか、今年の目標に、この早月尾根縦走を入れているとか言っていた。
12時30分、2,800m。どこが霧雨なんだろうか。ここらは霧が巻いているとはいえ、雨が降った形跡は無い。石も乾いている。お天気オジサンも気まぐれなものだ。そろそろ下って来る人が目につく。オレたちよりも早立ちか、前夜小屋泊まりか。追い越された人たちにはまだ会わない。オジサン2人が追いついて来た。話をしていると、一人は元山岳会、他は初心者と称していたが、かなりベテランのようだ。元山岳会は耳が遠いらしく、初心者が何度も同じことを尋ねても無言でいた。ベテランがようやく重い口を開いて、「あと1時間」と言いながら、先に行ったが、どうも1時間で済むとは思えない。下りて来る人に山頂からここまでどれくらいかかったか尋ねると、1時間だったり、1時間半だったりする。下りでこれだから、2時間はかかるだろうか、さらに疲れがどっと広がってくる。
ルート案内には詳細に出ていない鎖場が延々と続く。半端な鎖場ではない。こわい、危険な鎖場。下は切れ立っている。続けて歩くことは無理。木が渡りきったのを確認してから鎖をつかむ。今日はまだいい。ガスがかかっているから、下が見えない。晴れていたら、かなり睾丸がすくむ思いをするだろう。例の親子が下って来る。山頂着13時38分。確かに2,800mから1時間だった。気が置けない場所だから、むしろ、上りよりも下りに手こずるかもしれない。立山の方から来た団体さんが15名くらい。木がどこから仕入れてきたのか、剱山荘に泊まった団体だそうだ。若い女性が多いためか、木もちゃっかりと抜け目がない。しかし、剱山荘からだったら3時間程度で着くだろうに、こんな時間までかかったのだろうか。随分とゆっくりだ。山頂からはガスで本当に何も見えない。山頂も素っ気ないもので、神社の祠とおびただしい数の石。天気が良かったら、金を払ってでも見たい光景が360度広がっていただろうに、まったく残念な始末。ベテランと初心者の2人連れは、これから下って早月小屋に泊まって帰るそうだ。6人グループとは結局、その後会わなかった。立山か大日岳に縦走したのだろう。
山頂にだれもいなくなったのを潮時に、14時下山開始。また鎖場で難渋する。もう、だれも登ってこない。足がかなり疲れてきた。休憩が多くなる。ちらっと、雲が抜けたのを見ては写真を撮るが、剱岳の全容は期待できない。毛勝三山がきれにい見えたのも束の間。16時18分早月小屋。歩くのもいいかげん嫌になっていたが、木が「剱岳に登ったら、もう用事はない」の一言に、もっともだと思い、小屋は素通り。小屋にはオジサン連中がかなりいた。そしてテント場には6張くらいだろうか。小屋の高台で大休止。やはり展望がない。
フィニッシュは延々と続く早月尾根の後半。雨が降り出し、合羽を着るものの無風。一旦引いていた汗がまたダクダクと流れる。木の足が本格的にダメになりかけている。断続的に休憩タイムが多くなる。今のところ、オレは無傷だが、樹林帯に入ってから、木の根で滑っては尻をつくようになった。ヘッデンを点灯。足下しか見えない。1人だったら、こんな無茶はしなかったろう。ヘッデンを消すと完全な暗闇。こわくなる。馬場島山荘の電灯が遠くに見え始めてから、ようやくほっとした。19時51分、今日の長~い旅もようやく終わった。
このまま、群馬に帰れるわけはない。クタクタな上に風呂にも入りたい。逆戻りになるが、富山市内に入り、健康センターで風呂に入って寝ることにした。ようやく見つけた健康センター。いつもなら長風呂の木だが、今日はそそくさと出て、打ち上げで飲むアルコールも少なめ。横になった途端にいびきをかいていた。
そうそう剱岳登頂達成、おめでとう
やはり有名な剱岳は大変なルートなのですね、もっと条件が良かったらゆっくりと歩いたのですか、それともだんだんと登山というのは時間との挑戦でもあるのかな。ハイキング程度しか知らないので初歩的な質問です。