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◎2015年7月12日(日)─ハイトスさん、みー猫さん、ななころびさんと
餅ヶ瀬林道ゲート付近(6:45)……餅ヶ瀬本流(7:48)……押溜沢(8:00)……袈裟丸山塔の沢コース・県境尾根合流(14:04)……小丸山(14:55)……二子山(16:13)……台石山(16:25)……本流の河原(18:22)……餅ヶ瀬林道(18:38)……ゲート(18:42)
※記載時間はあくまでも「到着時刻」で、それぞれと随所に長~い休憩タイムが加わります。
自分には前日に引き続きの足尾。正直のところ2日続きではうんざりもするし、昨日の赤倉山の疲れも抜けてはいない。ただ、これが山ではなく沢ともなれば、やはりこの連日の暑さだ。涼をたっぷりと味わえそうで子供の感覚に似た楽しみもあるというもの。足尾行きもさほどの苦痛は感じない。
今回は、懸案の、ななころびさんの沢デビューである。ななさんは登山用品に関しては意外に物持ちで、沢、登攀グッズとも大方はお持ちらしい。それでいて沢靴に関しては購入以来2~3年、まったく使ったことがないとのこと。ななさんを急き立ててのお誘いということになるが、私らとの同行で沢は二度とやるまいということにならねばいいが。それでなくとも、一昨年の黒沢探訪や昨年のカラ沢報告を読まれ、かなり悪いイメージを抱かれていることは確かだ。
ただ、押溜沢は初心者向きということで、危ないことをしない限りは問題もないらしい。いつまでも初心者レベルでグズグズしている自分にもぴったりな沢かもしれない。もっとも自分にはそれで十分だが。
当初の予定では、押溜沢を遡行して下中手沢を下降するというものだったが、集合場所に着くと、なぜか瀑泉さんの後追いコース(押溜沢~小丸山~二子山・台石山~北東尾根)になっていた。下中手沢はおもしろくないのではというのがその理由らしい。こちらは、退屈な沢でも水があればいいと思ってもいたし、きりんこさんの記事で知った下中手沢歩道を見られるかもといった期待もあったからちょっと残念。
集合は林道ゲート前6時半。国道から餅ヶ瀬林道に入るところで、新車のみー猫さんと出会う。左折入りの自分の後ろに右折のみー猫さんの車が続く。この時点では「みー猫さんだろうか」といった程度のもので、いつもの車ではないので確証はない。運転席の顔はしっかりと見えていなかった。途中、林道脇のあちこちに車が置かれ、準備をしている釣り人の姿をかなり見かけた。後で知ったが、10日から釣り解禁だったらしい。ゲートの方に向かう2台の車になぜか奇異な目を向けられた。上流には獲物はいないよということか。
ななころびさんがすでに到着し、間もなくハイトスさん。準備をして6時45分に出発。自分はいつもの沢靴で通し歩き。他の3人は履き替えするとのことで登山靴だ。
昨日、改めて瀑泉さんの押溜沢記事を拝見した。何やら、石楠花滝なるところで私らがドボンするのを期待されているらしく、これは別にご本人の了解をとったわけではないが、適役のハイトスさんにお願いするつもりでいる。今日も暑くなるだろう。水の中も快適かもしれない。
(ゲート。駐車していた車は1台だけだった)
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ゲートを越えて林道を歩く。今のところ涼しい。いつものパターンだが、つい自分が先歩きをし、離れて3人がおしゃべりしながらついて来るといった形になる。別に意識してそうしているわけではなく、会話を避けているのでもない。話題貧困、口下手な性分だ。自然そうなってしまうといったところだろうか。
(右手に見えた大きな滝。紅葉の時はきれいだろう)
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(林道は部分的に草に覆われたところもある)
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(ここから河原に下った)
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川を見下ろしながらの林道歩き。途中、滝もいくつか見た。水量が多いのか、自分には判断できない。道路沿いのササが枯れているのが気になる。榮松橋を過ぎ、沢に下るポイントが近づく。手前にバイクが2台。いずれも「足尾ナンバー」のバイクだ。休んでいると、今度は栃木県北部のナンバーを付けたオフロードバイクがやって来た。乗っていたオッサンと少し話をしたが、釣りではないし、さりとて沢登りでもないようだ。この辺の山にはさほど詳しくもないようで、目的が今一つ確認できなかった。ただ、やけにヒマそうな感じを受けた。オッサンは林道をさらに先に向かって行った。林道マニア?
(準備する)
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以前はヤブだったが、河原への踏み跡はしっかりしている。3人が靴を履き替える。自分はスパッツを付ける。目の前を流れているのは餅ヶ瀬の本流で、押溜沢は土手を越えないといけない。水を見たせいか、ハイトスさんの動きが心持ち軽快になったような気がする。今年初めての沢歩きのはずだ。
(入渓。みー猫さん先頭)
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(軽快です)
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(癒し系の沢)
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準備万端で早速、入渓。ここも水量がどんなものかは知らないが、瀑泉さんが歩かれた5月上旬よりは多いのではないのか。沢に足を入れ、靴の中にじわっと水が入ってくる感触がたまらない。大した経験があるわけではないが、渓相はおとなしく、仁田元沢の入口付近よりもやさしい感じがする。やはり癒し系といったイメージに似合った沢なのかもしれない。石も丸味が多い。自分やななさんには、ちょっとした小滝越えも十分に楽しめる。ただ、ヌメリはどうしても滑るし、現にツルンといったから、てかてかしているところは要注意だ。
(ハイトスさん)
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(引き続きハイトスさん)
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(深いところも結構ある)
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(そして、ななころびさん。初めてとは思えない)
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(いい眺め)
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この渓相では、ハイトスさんは物足りないのではないかと思ったが、ふと見ると、滑ったのか、左ヒザを打ったようだ。後で見ると血がにじんでいた。それでも今のところは元気で、小滝も積極的に(といっても大それたところはないが)越えて行く。
(石楠花滝)
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(越えられないかじっくりと見ている)
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ゴルジュ状のところを通り、例の石楠花滝が見えてきた。釜はかなり深い。自分とななさんはあっさりと戻って左を巻く。瀑泉さんの課題はみー猫さんとハイトスさんにお任せしよう。ハイトスさんはしばらく眺めて考え込んでいたが、結局は全員巻き用のトラロープを使わせていただいた。
じりじりと暑くなっている。日陰の水に浸っている限りは何とも涼しいが、日なたに出るとくそ暑い。ななさんは「楽しいですね」とおっしゃっている。自分もそうだ。ただ、自分同様に過激なところはご遠慮願いたいところだろう。今のところ、ハイトスさんもさることながら、みー猫さんにもちょっと刺激が足りないのではないか。大きな登れそうな斜瀑でもあればまた一興なのだが、そんな気配はない。
(ナメが出てくる)
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(適当に遊びながら)
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(この程度では物足りないかも)
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ナメが出てくる。これは何とも気持ちがいいが、あっさりと終了。釣り人がいた。話好きなオッサンで、早速、ななさんがつかまった。この辺はリリースが原則らしい。産卵促進をその理由にしてはいるが、セシウムがまだ薄らいでいないのではないのか。オッサンは「時期が遅い」というようなことをおっしゃっていたが、どうもおっしゃることにあやふやなところがあり、釣った魚の姿が見えないので、「全部リリースですか?」と聞くと、口ごもりながらリュックを指さした。つまり、獲物はリュックの中にしまい込んでいるということだ。
その後、オッサンはしばらくななさんと話をしていたが、帽子をぬいだ際に、どこかでお会いしたことがあるなぁと思った。先に行ってしばらく経ってから、あの方、餅ヶ瀬の神◎さんであることを思い出した。一昨年の11月、小法師岳からの下りで餅ヶ瀬集落の民家の裏手に出てしまい、その際に薪割りをされていた御仁で、その時に聞いた話をもとに、4月に今倉沢から雨降沢の頭まで登った次第だ。
しかし、その4月に雨降沢の頭に行った時に出会ったオジサンは、「セシウムで食えたものではない」と嘆いていらしたが、この神◎さんは、ちゃっかりとお持ちかえりだ。おそらく隣人どうしだろうに、対応がこうも違う。釣り人はちょっと先にもいた。おそらく、神◎さんといっしょにバイクでいらしたのだろう。この先、釣り人はもういないというか、下流はともかく、ここは2人だけ。
引き続き、そこそこに楽しみながら遡行して行く。だが、次第に変化に乏しい沢だなと思うようになってきた。刺激が欲しいところだ。危険を伴わないドボンくらいはしたい。
(こんなのや)
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(三条)
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(無理に水浴び)
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(ここで記念撮影をする)
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(二股に戻る。レンズが曇った)
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1277m付近で二股になり。特に意識もせぬままに左に入った。階段状のナメがあった。ここはいい感じで、三脚持参のみー猫さんカメラで4人で記念撮影をする。流木が出てくる。しばらく経ってから、この沢をそのまま行くと稜線直下できつくなる。予定コースから外れてしまったとみー猫さんの指摘。この先きついのはご勘弁と分岐に戻ることにする。
さすがに沢の下りは苦手で、ところどころで水から離れて下った。GPS軌跡を見ると、標高差で70~80mほど登ってしまったようだ。この間違い沢、瀑泉さんレポによると赤薙沢という沢らしい。このコースミス、どうも自分が地図もよく見ずにとことこ先に行ってしまったのが原因のようだ。
(10m滝)
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(奥の滝)
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(その先の4m)
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さて、ここですでに11時を過ぎている。8時の入渓から3時間。沢区間の半分を終えたばかりである。そろそろ飽きてきたなあといった感じで、気温上昇とともに緊張感はすでに失せ、石につまずいては体勢を崩したり、滑って転びかける状態が頻発するようになってきた。そこに10m滝(瀑泉さんレポによる)が現れた。これはなかなか豪快だが、自分らには見るだけの滝。左を巻き、ついでに上の4m滝も拝見する。
(まだ続く1)
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(まだ続く2)
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(まだ続く3)
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(まだ続く4)
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これで終わりかと思ったが、むしろ後半部に見栄えのする滝が続いているようで、引き続き4m二条滝(本来は三条らしい)、赤いナメ床となり、3mの斜瀑となる。そしてまたナメ床。なんでこうすんなり記せるかというと、ネタ元は瀑泉さんの手記。自分なら4mも5mか3mになってもおかしくはない。この区間、みー猫さんの動きは何とも機敏であった。スイスイと行ってしまう。真似できませんね。
(次第に細くなる)
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(周囲の景色も変わってきた)
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(この辺で山靴を履き替え)
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押溜沢もここまでがハイライトらしい。確かに、その上の2mほどの小滝を越えると、水流も細くなり、倒木が出てくる。右手にはササが広がり、陽あたりになってかなり暑くなってきた。
倒木を越えながら先に進む。ところどころの石が白くなってくる。この辺の水を沸かせば温泉だろうかなんて思ってしまう。沢は狭まり、とうとう水が消えた。水を補充するタイミングを逸した。どうせまた出てくるような気がする。
休憩をまじえ、3人は登山靴にチェンジする。ハイトスさんに元気がない。ここに来るまでに遅れがちになってもいた。自分は気づかなかったが、もう一回、ヒザを打ったとのこと。ななさんが、それを見ていたらしく、石がゴトンと音を立てたそうだ。この2回目の方がダメージも強かったらしい。スプレーを持っていたので、塗りますかと聞いたが、キズも伴っているため、そのままで済ますとのこと。ここまで来ての打撲2回は厳しい。二度あることは三度あるにならなきゃいいが。
沢歩きは取りあえずは終わった。ハイトスさんにトラブルはあったものの、全員、ここまではそれなりにしゃきっとしていた。ちなみに入渓から5時間20分経過。
さて、地図を見ると、このまま行くと、どうも八反張付近に出てしまいそうな位置にいる。またコースミス。分岐に気づかなかった。これから北方向に軌道修正をしないといけない。
(コースミスでトラバース)
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(荒れている)
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間違える人が多いのか、あるいは釣り人の踏み跡か、それを辿って、尾根を2つほど乗り越えて、目的の沢に降り立った。その間に、通過尾根を登ろうかといった案も出はしたが、急でヤブの気配もあり、どこに行くかも知れずで却下。沢には運よくチョロ水も流れていて、ここで給水。
(フィニッシュはこれだった)
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沢もラストステージだ。後はなだらかな斜面を辿って稜線に。と思ったのは甘かった。沢の終点は壁になり、V字型になっていた。正面の取り付きは無理。V字の左右はもろい急斜面だ。V字の上には稜線が見えている。
(ここを登る)
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(見下ろす)
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どうするか迷った。みー猫さんは左がいいのではと言い、自分には右からの方が歩きやすい感じがする。下見がてら右に這い上がってみると、戻るのがやっかいになり、このまま登りきることにした。地面は緩くて急斜面。ヤセたところもある。樹に抱きついて登った。
(稜線に出た)
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(屈伸運動中)
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安全地帯に到達し、見下ろすと3人も続いて来た。左はやはりだめだったか。よほどロープを垂らそうかと思ったが、この長い距離では焼け石に水っぽいのでやめた。やがてみー猫さんが上がって来て、最初に稜線に出る。続いて自分、そしてななさん。ほっとして、木陰で休む。風通しがいい。ハイトスさんはどこに行きついたのか、縦走路のかなり下で声がする。行ってみると、樹の下でヘタっていらした。
ななさんがストックを紛失。自分の写真には、稜線に上がって来たななさんの姿が写っているが、ストックを持っていた。ストック探しはあっさりとあきらめていた。
一気に暑くなった。陽射しも強い時間帯だ。沢の涼しさがウソみたいだ。すでに2時を回っている。押溜沢に関わっていた時間はざっと6時間。これから台石山を経由して3時間で林道に出るのは不可能に近い。日の長いこの時期でなかったら、小丸山手前の避難小屋に泊まるのが妥当だろう。
この日に縦走路を歩いた方もいるらしい。新しい足跡があったとか。だが、この時間にここを歩いているハイカーがいたとしたら、せいぜい袈裟丸山がらみだろう。
(避難小屋)
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まずは小丸山を目指す。だらけた足取りになり、ちょっとした上りも応えるようになってきた。さすがにみー猫さんとななさんは軽快そうに歩いて行く。昨日、赤倉山を歩いているから付いては行けるが、行っていなかったらさらにしんどかったろう。振り向いては遅れがちのハイトスさんの姿を確認する。打撲がかなり応えているようで気の毒だ。
避難小屋で休憩。この調子で、この先、頻繁に休むことになるが、引き続きの小丸山までの登りはきつかった。
(小丸山)
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(小丸山から)
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小丸山で展望を楽しむ。この時間だからか、うっすらと霞んで、遠くの方がすっきりとは見えない。風があれば涼しいのだが、どうも空気も淀んでいる感じだ。汗はダラダラと流れる。わざわざ二子山まで行かずとも、ここから林道に下れなくもないが、前半部の尾根探しがやっかいで、自分も迷ったことがある。さらに、末端は急斜面だ。そのため、自分からは積極的にそのコースを言い出すのにためらいもある。むしろ、台石山からの方が安全、確実だろう。ところが、実際はそうではなかったのである。
小丸山で20分ほどの休憩。3時も過ぎているのに20分の休憩とは随分と悠長な歩きだ。普通なら焦るものだ。だが、その時はそれほど感じもしなかった。やはり、単独と4人歩きの感覚の違いだろう。ヘッデン点けての下りになっても、4人と1人では随分と恐怖心も違うはず。
(次は二子山)
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(手前の賽の河原)
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(ごちそうさまでした)
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賽の河原もどきを通過して床水起ピーク。ここで、思い出したようにハイトスさんからノンアルビールをごちそうになる。まだ冷たく、すっきりした感じになった。これでしゃきっとなればいいが、歩き出すとすぐにまただらけてしまった。
(二子山へ)
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雨量計に立ち寄り、そろそろ二子山へのカーブ地点のはず。そこには縦走路の標識が置かれてあるはずだがと、きょろきょろしながら歩くも、記憶の中にある風景の標識に出会わない。別の位置にある標識は見た。ずっとロープが張られているから、コースが変わったのだろうか。とうとう林の中に入ってしまった。みー猫さんがこの辺じゃないのと言うのでよく見ると、東に小道が続いていた。辿ってみると、何とも感じのよい道だ。もしかして、自分には初めてではないだろうか。いつもヤブ混じりの防火線を歩いている。
(二子山西峰。山名板が一枚消えているような。落ちたのかなぁ)
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(台石山へ。ここはどこを歩いても行ける)
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歩き疲れゆえの錯覚か、二子山までかなりの距離を感じた。山頂4時13分。ここで休むのはまずいんじゃないかと、悪いとは思ったが、台石山まで行きましょうと、半ば急き立てさせていただく。台石山への上りが本日ラストの登りのはずである。ここは我慢しましょうよ。気の毒にも、ハイトスさんは山頂に着いたばかりなのに出発となった。
ばらけながら台石山に到着。ななさんは余力ありのようでさっさと到着。みー猫さんがお助けロープでハイトスさんを引き上げる。
(台石山。我が山名板は健在だった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/ed/5b39b27f536add1404bca2734185c464.jpg)
台石山の山名板は健在でほっとした。ここまで何とも長かった。この先、順当に下れれば遅くとも1時間半ほどだろうか。今4時25分だ。ということは6時着か。まだ明るいだろうなと安心しても、ついまた20分の休憩になってしまった。ハイトスさんの足はパンク寸前で、この先の急斜面は不安と、単独ロープで下ることになった。
(下りにかかる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/9d/ed85decc5df07bdc8a5d365ded3de289.jpg)
台石山からの下り、地図上の2つ目のコブまでは問題なかったが、その先の下りでルートミス。これも自分の判断ミス。結局、トラバースして本来尾根に復帰することになったが、自分は自分で、そのミスをみー猫さんとハイトスさんに指摘されても今の位置がなかなかつかめなかった。とうとう頭もだらけはじめている。
この北東尾根、瀑泉さんがムダなピンクテープは撤去したらしいが、新しいものでお忘れになったのも何本かあった。だが、そのテープを外す気になれない。みんな、気持ちの余裕がなくなりつつある。
(こんな石が。下には随分とあるのだが)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/4f/1498c35edf0fcad4bf5a338c7f96c79a.jpg)
(団子岩から)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/66/8eb9279fd53fce86ec8abfcaa440b7c9.jpg)
さて、以降は大きなトラブルもなく下った。ただこのルート、記憶というのはいい加減なもので、3年前の7月に歩いてはいるのだが、その時とは様子の違う風景が続いている。瀑泉さん命名の団子岩から先、帰ってから3年前の写真を見ると、大きな石がゴロゴロし、崩壊したところを歩いていた。この区間、みー猫さんが、テープが右手下斜面に続き、また先で合流とているようだということで、迂回せずに直進したので納得した。3年前はテープを拾って迂回していた。直進でもまったく問題なし。
尾根にはところどころで段差があり、その段差の先が手前からは見えず、その先はどうなっているのかやたらと気になってくる。もしかして切れているのかなあなんて。そういうところはなかったが。
(ようやく石祠)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/71/3f995702feb732b6de693efb411421fd.jpg)
石祠まで下りた。みー猫さんがその中を覗き、仏さんのようなものがあると言うので、気になって取り出してみると、ただの石ころのようにも見えるが、5月に足尾トンネルから台石山に行った際、二子山歩道で見かけた石仏に形状が似ている。同じエリアでの信仰だし、共通しているものもあるのだろう。これは何仏なのだろうか。ところで、石祠に彫られた古田村とはどこにあった村なのだろうか。前回も同じ疑問を抱いていた。ネットで調べる限り、近隣に旧古田村、吉田村は見あたらない。
ようやく終盤だ。ここでも失敗したがゆえに、帰ってから3年前の写真で正解ルートをつい見てしまう。石祠の後は明瞭な尾根上の踏み跡を辿り、図根点を見て、間伐した植林を経由し、電線の通った作業道に出、その先はすんなりと林道に出ていた。
(こんなところを下ってしまった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/1a/b272cfd93886ec1a2580c4a9aa83ec88.jpg)
さて実際はということになるが、えらく急な斜面を下った。かなり下ってから、北に下るべきところを東に下っているのを知った。引き返すには下り過ぎていた。確かに事前にセットしたコンパスを見ると、矢印の方向とは90度違っている。これもまた、自分のミスだ。みー猫さんはGPSまで確認しながら歩いていたのだが、自分がさっさと下ってしまったから、引きとめもできなかったのだろう。
このままでは林道ではなく沢に降り立ってしまう。右手先に作業道のようなものが見えたが、目を凝らすと崩壊地のようでもある。左下には伐採の作業跡もあるので、このまま下っても何とかなるのではないのか、沢を渡らずに済む手段も残っているのではと、かなりアバウトになってきた。辺りはそろそろ薄暗くなっていた。次第に焦りも加わる。
(やはり餅ヶ瀬川に出た)
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(裸足で渡る。もう薄暗くなっている)
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斜面を下りきり、予期していた踏み跡をトラバース気味に辿ると沢に出た。その先には木橋もなかった。あ~ぁとため息。みんなぐったり。だが、これを渡って、ちょっと登れば林道だ。
自分は、沢靴のままだから、問題なく渡れるが、ところどこに深みもある。ななさんとハイトスさんが裸足になって慎重に渡り、みー猫さんは沢靴に履き替えた。
ようやく終わったか。ちょっと休んで、ゴミの散乱した斜面を林道に上がった。
(林道に出て)
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(お疲れさんでした)
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林道ゲートまでは間もない。すでに6時40分を過ぎている。こんな時間だ、着替えをしたとて、家に帰ればすぐに風呂に入って、冷たいビールでも飲んだらこてっといくだろう。さりとて、着替えをしないのでは気色も悪い。着替えをすると、上シャツを持ってくるのを忘れていた。もう下着のままで帰ってもかまわない。
打撲のハイトスさん、いつの間にか復活したタバコを吸いながら弱音をはかれた。かなりしぼんでいらした。打撲歩きでは仕方がないでしょう。失礼ながら、むしろ、おかげ様で全体のピッチが速くならずに助かりましたよ。瀑泉さんは同じコースを9時間でしょうとおっしゃるから、いや、11時間のはずですよと返答したが、実際は9時間で、11時間は他のところのお歩きだった。それにしても、この3時間の差は何なのだろう。暑さで3時間オンってことはないよなぁ。
今日の歩きはしこたま疲れた。何とか無事に解散する。次はどこに行きましょうかなんて、そんな話題が出る状態ではまったくなかった。
(本日の軌跡)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
餅ヶ瀬林道ゲート付近(6:45)……餅ヶ瀬本流(7:48)……押溜沢(8:00)……袈裟丸山塔の沢コース・県境尾根合流(14:04)……小丸山(14:55)……二子山(16:13)……台石山(16:25)……本流の河原(18:22)……餅ヶ瀬林道(18:38)……ゲート(18:42)
※記載時間はあくまでも「到着時刻」で、それぞれと随所に長~い休憩タイムが加わります。
自分には前日に引き続きの足尾。正直のところ2日続きではうんざりもするし、昨日の赤倉山の疲れも抜けてはいない。ただ、これが山ではなく沢ともなれば、やはりこの連日の暑さだ。涼をたっぷりと味わえそうで子供の感覚に似た楽しみもあるというもの。足尾行きもさほどの苦痛は感じない。
今回は、懸案の、ななころびさんの沢デビューである。ななさんは登山用品に関しては意外に物持ちで、沢、登攀グッズとも大方はお持ちらしい。それでいて沢靴に関しては購入以来2~3年、まったく使ったことがないとのこと。ななさんを急き立ててのお誘いということになるが、私らとの同行で沢は二度とやるまいということにならねばいいが。それでなくとも、一昨年の黒沢探訪や昨年のカラ沢報告を読まれ、かなり悪いイメージを抱かれていることは確かだ。
ただ、押溜沢は初心者向きということで、危ないことをしない限りは問題もないらしい。いつまでも初心者レベルでグズグズしている自分にもぴったりな沢かもしれない。もっとも自分にはそれで十分だが。
当初の予定では、押溜沢を遡行して下中手沢を下降するというものだったが、集合場所に着くと、なぜか瀑泉さんの後追いコース(押溜沢~小丸山~二子山・台石山~北東尾根)になっていた。下中手沢はおもしろくないのではというのがその理由らしい。こちらは、退屈な沢でも水があればいいと思ってもいたし、きりんこさんの記事で知った下中手沢歩道を見られるかもといった期待もあったからちょっと残念。
集合は林道ゲート前6時半。国道から餅ヶ瀬林道に入るところで、新車のみー猫さんと出会う。左折入りの自分の後ろに右折のみー猫さんの車が続く。この時点では「みー猫さんだろうか」といった程度のもので、いつもの車ではないので確証はない。運転席の顔はしっかりと見えていなかった。途中、林道脇のあちこちに車が置かれ、準備をしている釣り人の姿をかなり見かけた。後で知ったが、10日から釣り解禁だったらしい。ゲートの方に向かう2台の車になぜか奇異な目を向けられた。上流には獲物はいないよということか。
ななころびさんがすでに到着し、間もなくハイトスさん。準備をして6時45分に出発。自分はいつもの沢靴で通し歩き。他の3人は履き替えするとのことで登山靴だ。
昨日、改めて瀑泉さんの押溜沢記事を拝見した。何やら、石楠花滝なるところで私らがドボンするのを期待されているらしく、これは別にご本人の了解をとったわけではないが、適役のハイトスさんにお願いするつもりでいる。今日も暑くなるだろう。水の中も快適かもしれない。
(ゲート。駐車していた車は1台だけだった)
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ゲートを越えて林道を歩く。今のところ涼しい。いつものパターンだが、つい自分が先歩きをし、離れて3人がおしゃべりしながらついて来るといった形になる。別に意識してそうしているわけではなく、会話を避けているのでもない。話題貧困、口下手な性分だ。自然そうなってしまうといったところだろうか。
(右手に見えた大きな滝。紅葉の時はきれいだろう)
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(林道は部分的に草に覆われたところもある)
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(ここから河原に下った)
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川を見下ろしながらの林道歩き。途中、滝もいくつか見た。水量が多いのか、自分には判断できない。道路沿いのササが枯れているのが気になる。榮松橋を過ぎ、沢に下るポイントが近づく。手前にバイクが2台。いずれも「足尾ナンバー」のバイクだ。休んでいると、今度は栃木県北部のナンバーを付けたオフロードバイクがやって来た。乗っていたオッサンと少し話をしたが、釣りではないし、さりとて沢登りでもないようだ。この辺の山にはさほど詳しくもないようで、目的が今一つ確認できなかった。ただ、やけにヒマそうな感じを受けた。オッサンは林道をさらに先に向かって行った。林道マニア?
(準備する)
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以前はヤブだったが、河原への踏み跡はしっかりしている。3人が靴を履き替える。自分はスパッツを付ける。目の前を流れているのは餅ヶ瀬の本流で、押溜沢は土手を越えないといけない。水を見たせいか、ハイトスさんの動きが心持ち軽快になったような気がする。今年初めての沢歩きのはずだ。
(入渓。みー猫さん先頭)
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(軽快です)
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(癒し系の沢)
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準備万端で早速、入渓。ここも水量がどんなものかは知らないが、瀑泉さんが歩かれた5月上旬よりは多いのではないのか。沢に足を入れ、靴の中にじわっと水が入ってくる感触がたまらない。大した経験があるわけではないが、渓相はおとなしく、仁田元沢の入口付近よりもやさしい感じがする。やはり癒し系といったイメージに似合った沢なのかもしれない。石も丸味が多い。自分やななさんには、ちょっとした小滝越えも十分に楽しめる。ただ、ヌメリはどうしても滑るし、現にツルンといったから、てかてかしているところは要注意だ。
(ハイトスさん)
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(引き続きハイトスさん)
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(深いところも結構ある)
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(そして、ななころびさん。初めてとは思えない)
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(いい眺め)
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この渓相では、ハイトスさんは物足りないのではないかと思ったが、ふと見ると、滑ったのか、左ヒザを打ったようだ。後で見ると血がにじんでいた。それでも今のところは元気で、小滝も積極的に(といっても大それたところはないが)越えて行く。
(石楠花滝)
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(越えられないかじっくりと見ている)
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ゴルジュ状のところを通り、例の石楠花滝が見えてきた。釜はかなり深い。自分とななさんはあっさりと戻って左を巻く。瀑泉さんの課題はみー猫さんとハイトスさんにお任せしよう。ハイトスさんはしばらく眺めて考え込んでいたが、結局は全員巻き用のトラロープを使わせていただいた。
じりじりと暑くなっている。日陰の水に浸っている限りは何とも涼しいが、日なたに出るとくそ暑い。ななさんは「楽しいですね」とおっしゃっている。自分もそうだ。ただ、自分同様に過激なところはご遠慮願いたいところだろう。今のところ、ハイトスさんもさることながら、みー猫さんにもちょっと刺激が足りないのではないか。大きな登れそうな斜瀑でもあればまた一興なのだが、そんな気配はない。
(ナメが出てくる)
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(適当に遊びながら)
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(この程度では物足りないかも)
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ナメが出てくる。これは何とも気持ちがいいが、あっさりと終了。釣り人がいた。話好きなオッサンで、早速、ななさんがつかまった。この辺はリリースが原則らしい。産卵促進をその理由にしてはいるが、セシウムがまだ薄らいでいないのではないのか。オッサンは「時期が遅い」というようなことをおっしゃっていたが、どうもおっしゃることにあやふやなところがあり、釣った魚の姿が見えないので、「全部リリースですか?」と聞くと、口ごもりながらリュックを指さした。つまり、獲物はリュックの中にしまい込んでいるということだ。
その後、オッサンはしばらくななさんと話をしていたが、帽子をぬいだ際に、どこかでお会いしたことがあるなぁと思った。先に行ってしばらく経ってから、あの方、餅ヶ瀬の神◎さんであることを思い出した。一昨年の11月、小法師岳からの下りで餅ヶ瀬集落の民家の裏手に出てしまい、その際に薪割りをされていた御仁で、その時に聞いた話をもとに、4月に今倉沢から雨降沢の頭まで登った次第だ。
しかし、その4月に雨降沢の頭に行った時に出会ったオジサンは、「セシウムで食えたものではない」と嘆いていらしたが、この神◎さんは、ちゃっかりとお持ちかえりだ。おそらく隣人どうしだろうに、対応がこうも違う。釣り人はちょっと先にもいた。おそらく、神◎さんといっしょにバイクでいらしたのだろう。この先、釣り人はもういないというか、下流はともかく、ここは2人だけ。
引き続き、そこそこに楽しみながら遡行して行く。だが、次第に変化に乏しい沢だなと思うようになってきた。刺激が欲しいところだ。危険を伴わないドボンくらいはしたい。
(こんなのや)
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(三条)
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(無理に水浴び)
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(ここで記念撮影をする)
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(二股に戻る。レンズが曇った)
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1277m付近で二股になり。特に意識もせぬままに左に入った。階段状のナメがあった。ここはいい感じで、三脚持参のみー猫さんカメラで4人で記念撮影をする。流木が出てくる。しばらく経ってから、この沢をそのまま行くと稜線直下できつくなる。予定コースから外れてしまったとみー猫さんの指摘。この先きついのはご勘弁と分岐に戻ることにする。
さすがに沢の下りは苦手で、ところどころで水から離れて下った。GPS軌跡を見ると、標高差で70~80mほど登ってしまったようだ。この間違い沢、瀑泉さんレポによると赤薙沢という沢らしい。このコースミス、どうも自分が地図もよく見ずにとことこ先に行ってしまったのが原因のようだ。
(10m滝)
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(奥の滝)
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(その先の4m)
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さて、ここですでに11時を過ぎている。8時の入渓から3時間。沢区間の半分を終えたばかりである。そろそろ飽きてきたなあといった感じで、気温上昇とともに緊張感はすでに失せ、石につまずいては体勢を崩したり、滑って転びかける状態が頻発するようになってきた。そこに10m滝(瀑泉さんレポによる)が現れた。これはなかなか豪快だが、自分らには見るだけの滝。左を巻き、ついでに上の4m滝も拝見する。
(まだ続く1)
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(まだ続く2)
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(まだ続く3)
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(まだ続く4)
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これで終わりかと思ったが、むしろ後半部に見栄えのする滝が続いているようで、引き続き4m二条滝(本来は三条らしい)、赤いナメ床となり、3mの斜瀑となる。そしてまたナメ床。なんでこうすんなり記せるかというと、ネタ元は瀑泉さんの手記。自分なら4mも5mか3mになってもおかしくはない。この区間、みー猫さんの動きは何とも機敏であった。スイスイと行ってしまう。真似できませんね。
(次第に細くなる)
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(周囲の景色も変わってきた)
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(この辺で山靴を履き替え)
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押溜沢もここまでがハイライトらしい。確かに、その上の2mほどの小滝を越えると、水流も細くなり、倒木が出てくる。右手にはササが広がり、陽あたりになってかなり暑くなってきた。
倒木を越えながら先に進む。ところどころの石が白くなってくる。この辺の水を沸かせば温泉だろうかなんて思ってしまう。沢は狭まり、とうとう水が消えた。水を補充するタイミングを逸した。どうせまた出てくるような気がする。
休憩をまじえ、3人は登山靴にチェンジする。ハイトスさんに元気がない。ここに来るまでに遅れがちになってもいた。自分は気づかなかったが、もう一回、ヒザを打ったとのこと。ななさんが、それを見ていたらしく、石がゴトンと音を立てたそうだ。この2回目の方がダメージも強かったらしい。スプレーを持っていたので、塗りますかと聞いたが、キズも伴っているため、そのままで済ますとのこと。ここまで来ての打撲2回は厳しい。二度あることは三度あるにならなきゃいいが。
沢歩きは取りあえずは終わった。ハイトスさんにトラブルはあったものの、全員、ここまではそれなりにしゃきっとしていた。ちなみに入渓から5時間20分経過。
さて、地図を見ると、このまま行くと、どうも八反張付近に出てしまいそうな位置にいる。またコースミス。分岐に気づかなかった。これから北方向に軌道修正をしないといけない。
(コースミスでトラバース)
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(荒れている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/be/593193ebbe7244c2f3c3ad057d8b5972.jpg)
間違える人が多いのか、あるいは釣り人の踏み跡か、それを辿って、尾根を2つほど乗り越えて、目的の沢に降り立った。その間に、通過尾根を登ろうかといった案も出はしたが、急でヤブの気配もあり、どこに行くかも知れずで却下。沢には運よくチョロ水も流れていて、ここで給水。
(フィニッシュはこれだった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/79/81eec6bbf9be2ed6a2e5b574633af66a.jpg)
沢もラストステージだ。後はなだらかな斜面を辿って稜線に。と思ったのは甘かった。沢の終点は壁になり、V字型になっていた。正面の取り付きは無理。V字の左右はもろい急斜面だ。V字の上には稜線が見えている。
(ここを登る)
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(見下ろす)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/a6/2a9ed627368ff99911de0f03da8669ec.jpg)
どうするか迷った。みー猫さんは左がいいのではと言い、自分には右からの方が歩きやすい感じがする。下見がてら右に這い上がってみると、戻るのがやっかいになり、このまま登りきることにした。地面は緩くて急斜面。ヤセたところもある。樹に抱きついて登った。
(稜線に出た)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/00/801474b92ff117f4c9684a9789d4e4d4.jpg)
(屈伸運動中)
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安全地帯に到達し、見下ろすと3人も続いて来た。左はやはりだめだったか。よほどロープを垂らそうかと思ったが、この長い距離では焼け石に水っぽいのでやめた。やがてみー猫さんが上がって来て、最初に稜線に出る。続いて自分、そしてななさん。ほっとして、木陰で休む。風通しがいい。ハイトスさんはどこに行きついたのか、縦走路のかなり下で声がする。行ってみると、樹の下でヘタっていらした。
ななさんがストックを紛失。自分の写真には、稜線に上がって来たななさんの姿が写っているが、ストックを持っていた。ストック探しはあっさりとあきらめていた。
一気に暑くなった。陽射しも強い時間帯だ。沢の涼しさがウソみたいだ。すでに2時を回っている。押溜沢に関わっていた時間はざっと6時間。これから台石山を経由して3時間で林道に出るのは不可能に近い。日の長いこの時期でなかったら、小丸山手前の避難小屋に泊まるのが妥当だろう。
この日に縦走路を歩いた方もいるらしい。新しい足跡があったとか。だが、この時間にここを歩いているハイカーがいたとしたら、せいぜい袈裟丸山がらみだろう。
(避難小屋)
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まずは小丸山を目指す。だらけた足取りになり、ちょっとした上りも応えるようになってきた。さすがにみー猫さんとななさんは軽快そうに歩いて行く。昨日、赤倉山を歩いているから付いては行けるが、行っていなかったらさらにしんどかったろう。振り向いては遅れがちのハイトスさんの姿を確認する。打撲がかなり応えているようで気の毒だ。
避難小屋で休憩。この調子で、この先、頻繁に休むことになるが、引き続きの小丸山までの登りはきつかった。
(小丸山)
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(小丸山から)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/f0/9b2f1925c01900375c71302fcf78e0ec.jpg)
小丸山で展望を楽しむ。この時間だからか、うっすらと霞んで、遠くの方がすっきりとは見えない。風があれば涼しいのだが、どうも空気も淀んでいる感じだ。汗はダラダラと流れる。わざわざ二子山まで行かずとも、ここから林道に下れなくもないが、前半部の尾根探しがやっかいで、自分も迷ったことがある。さらに、末端は急斜面だ。そのため、自分からは積極的にそのコースを言い出すのにためらいもある。むしろ、台石山からの方が安全、確実だろう。ところが、実際はそうではなかったのである。
小丸山で20分ほどの休憩。3時も過ぎているのに20分の休憩とは随分と悠長な歩きだ。普通なら焦るものだ。だが、その時はそれほど感じもしなかった。やはり、単独と4人歩きの感覚の違いだろう。ヘッデン点けての下りになっても、4人と1人では随分と恐怖心も違うはず。
(次は二子山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/65/3a2a3d953458c833b7f5423d67edb8a9.jpg)
(手前の賽の河原)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/d4/76e0447f6629a99493116c6b5c9bd523.jpg)
(ごちそうさまでした)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/18/f92bdd66ea5ac7fddfc08909fdb2d55e.jpg)
賽の河原もどきを通過して床水起ピーク。ここで、思い出したようにハイトスさんからノンアルビールをごちそうになる。まだ冷たく、すっきりした感じになった。これでしゃきっとなればいいが、歩き出すとすぐにまただらけてしまった。
(二子山へ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/85/e6bc89221c41479fd14d9a0d577d7946.jpg)
雨量計に立ち寄り、そろそろ二子山へのカーブ地点のはず。そこには縦走路の標識が置かれてあるはずだがと、きょろきょろしながら歩くも、記憶の中にある風景の標識に出会わない。別の位置にある標識は見た。ずっとロープが張られているから、コースが変わったのだろうか。とうとう林の中に入ってしまった。みー猫さんがこの辺じゃないのと言うのでよく見ると、東に小道が続いていた。辿ってみると、何とも感じのよい道だ。もしかして、自分には初めてではないだろうか。いつもヤブ混じりの防火線を歩いている。
(二子山西峰。山名板が一枚消えているような。落ちたのかなぁ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/e1/cc0faf44cedfe3364d14931798e86cca.jpg)
(台石山へ。ここはどこを歩いても行ける)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/63/1c36a5dc1f58acc8ae80b56e7009743d.jpg)
歩き疲れゆえの錯覚か、二子山までかなりの距離を感じた。山頂4時13分。ここで休むのはまずいんじゃないかと、悪いとは思ったが、台石山まで行きましょうと、半ば急き立てさせていただく。台石山への上りが本日ラストの登りのはずである。ここは我慢しましょうよ。気の毒にも、ハイトスさんは山頂に着いたばかりなのに出発となった。
ばらけながら台石山に到着。ななさんは余力ありのようでさっさと到着。みー猫さんがお助けロープでハイトスさんを引き上げる。
(台石山。我が山名板は健在だった)
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台石山の山名板は健在でほっとした。ここまで何とも長かった。この先、順当に下れれば遅くとも1時間半ほどだろうか。今4時25分だ。ということは6時着か。まだ明るいだろうなと安心しても、ついまた20分の休憩になってしまった。ハイトスさんの足はパンク寸前で、この先の急斜面は不安と、単独ロープで下ることになった。
(下りにかかる)
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台石山からの下り、地図上の2つ目のコブまでは問題なかったが、その先の下りでルートミス。これも自分の判断ミス。結局、トラバースして本来尾根に復帰することになったが、自分は自分で、そのミスをみー猫さんとハイトスさんに指摘されても今の位置がなかなかつかめなかった。とうとう頭もだらけはじめている。
この北東尾根、瀑泉さんがムダなピンクテープは撤去したらしいが、新しいものでお忘れになったのも何本かあった。だが、そのテープを外す気になれない。みんな、気持ちの余裕がなくなりつつある。
(こんな石が。下には随分とあるのだが)
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(団子岩から)
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さて、以降は大きなトラブルもなく下った。ただこのルート、記憶というのはいい加減なもので、3年前の7月に歩いてはいるのだが、その時とは様子の違う風景が続いている。瀑泉さん命名の団子岩から先、帰ってから3年前の写真を見ると、大きな石がゴロゴロし、崩壊したところを歩いていた。この区間、みー猫さんが、テープが右手下斜面に続き、また先で合流とているようだということで、迂回せずに直進したので納得した。3年前はテープを拾って迂回していた。直進でもまったく問題なし。
尾根にはところどころで段差があり、その段差の先が手前からは見えず、その先はどうなっているのかやたらと気になってくる。もしかして切れているのかなあなんて。そういうところはなかったが。
(ようやく石祠)
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石祠まで下りた。みー猫さんがその中を覗き、仏さんのようなものがあると言うので、気になって取り出してみると、ただの石ころのようにも見えるが、5月に足尾トンネルから台石山に行った際、二子山歩道で見かけた石仏に形状が似ている。同じエリアでの信仰だし、共通しているものもあるのだろう。これは何仏なのだろうか。ところで、石祠に彫られた古田村とはどこにあった村なのだろうか。前回も同じ疑問を抱いていた。ネットで調べる限り、近隣に旧古田村、吉田村は見あたらない。
ようやく終盤だ。ここでも失敗したがゆえに、帰ってから3年前の写真で正解ルートをつい見てしまう。石祠の後は明瞭な尾根上の踏み跡を辿り、図根点を見て、間伐した植林を経由し、電線の通った作業道に出、その先はすんなりと林道に出ていた。
(こんなところを下ってしまった)
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さて実際はということになるが、えらく急な斜面を下った。かなり下ってから、北に下るべきところを東に下っているのを知った。引き返すには下り過ぎていた。確かに事前にセットしたコンパスを見ると、矢印の方向とは90度違っている。これもまた、自分のミスだ。みー猫さんはGPSまで確認しながら歩いていたのだが、自分がさっさと下ってしまったから、引きとめもできなかったのだろう。
このままでは林道ではなく沢に降り立ってしまう。右手先に作業道のようなものが見えたが、目を凝らすと崩壊地のようでもある。左下には伐採の作業跡もあるので、このまま下っても何とかなるのではないのか、沢を渡らずに済む手段も残っているのではと、かなりアバウトになってきた。辺りはそろそろ薄暗くなっていた。次第に焦りも加わる。
(やはり餅ヶ瀬川に出た)
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(裸足で渡る。もう薄暗くなっている)
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斜面を下りきり、予期していた踏み跡をトラバース気味に辿ると沢に出た。その先には木橋もなかった。あ~ぁとため息。みんなぐったり。だが、これを渡って、ちょっと登れば林道だ。
自分は、沢靴のままだから、問題なく渡れるが、ところどこに深みもある。ななさんとハイトスさんが裸足になって慎重に渡り、みー猫さんは沢靴に履き替えた。
ようやく終わったか。ちょっと休んで、ゴミの散乱した斜面を林道に上がった。
(林道に出て)
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(お疲れさんでした)
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林道ゲートまでは間もない。すでに6時40分を過ぎている。こんな時間だ、着替えをしたとて、家に帰ればすぐに風呂に入って、冷たいビールでも飲んだらこてっといくだろう。さりとて、着替えをしないのでは気色も悪い。着替えをすると、上シャツを持ってくるのを忘れていた。もう下着のままで帰ってもかまわない。
打撲のハイトスさん、いつの間にか復活したタバコを吸いながら弱音をはかれた。かなりしぼんでいらした。打撲歩きでは仕方がないでしょう。失礼ながら、むしろ、おかげ様で全体のピッチが速くならずに助かりましたよ。瀑泉さんは同じコースを9時間でしょうとおっしゃるから、いや、11時間のはずですよと返答したが、実際は9時間で、11時間は他のところのお歩きだった。それにしても、この3時間の差は何なのだろう。暑さで3時間オンってことはないよなぁ。
今日の歩きはしこたま疲れた。何とか無事に解散する。次はどこに行きましょうかなんて、そんな話題が出る状態ではまったくなかった。
(本日の軌跡)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
初めてやる沢に入る歩きは、こういうものなのかと学習することだらけで、非常に楽しめました。水も冷たからず適温で、涼しくて気持ちいいものなのですね。
特に間違って侵入の沢あたりから上流は、綺麗な風景が続いていて、今後、沢歩きもしてみたくなりました。(癒し系か、それに準じたレベル限定ですが)
プラス3時間の差は?。
初心者の私がいた為、皆さん無意識にゆっくりペースにしてくれた。 4人いれば自然に休憩の回数や時間が増える。 沢最上部での小尾根2,3の乗り越え、や降りのヤブ尾根が、予想通りわかりづらかった事などが、要因だと思います。
この日は、沢を登りきるということだけにしか、気持ちや準備が出来ていなくて、ルーファンはコンパスが途中で壊れたこともあり、完全に皆さんにお任せになり、失礼しました。
先日はお疲れさまでした。
ななさんに印象の悪い沢歩きにならずに幸いでした。
そうですね。あの赤薙沢とかいう侵入沢はきれいでしたね。あれを戻るとなって、ちょっと拍子抜けしました。
でも、戻らないと、10m滝も見られませんでしたしねぇ。
3時間の差は何ということはありません。瀑泉さんが速いだけのことでしょう。
今回は、こちらで勝手に押溜沢でセッティングしてしまいましたが、こんどはななさんの方からお誘いくださいな。やはり、私なんかにとっての選択は癒し系の沢になりましょうか。
やっぱり、このメンバーで出かけると楽だとか安と言うもので終わらないような気がします。都合が合えば行くはずだったノラさんも危うく巻き込むところでした(笑)…後半部はたそがれさんがいちど通られたルートとのことで、気を緩めてましたし途中のトラバース前のところでは自分のGPSが暫くロストしていたのに気づくのが遅かった…最初からあまりペースは気にせず歩いてしまう団体になったときの悪い習性ですね。たそがれさんだけが最初からペースを気にされていたと言う事、途中で気がつきましたが遅すぎました。なぜかたそがれさん先行で違うルートに入るのはパターン化しましたね(笑)今回はいいナメが見られたので、またそれもよかったということで。車は、前のが走行距離もかなりいってしまい山奥に入るのに不安があったので、昨年秋に中古で買ったものです。
先日はごくろう様でした。
何と申しますか、皆さんと行くと、安心感があるのですよね。ルーファンは必要ない、間違って歩いたら、だれかが指摘してくれるだろうといった甘えが。
それで、念のためにコンパスをセットしても、見もしないからそのまま行ってしまう。一人では有り得ないことですよ。
瀑泉さんコース歩きと知った時、なぜか頭に浮かんだのが、間違って覚えていた11時間歩きかというもので、その時間は意識にはありましたね。
実は、終わってからハイトスさんには、瀑泉さんとは1時間違いだから大したことないですよなんて言っていたのです。それが11時間ではなく9時間だったものだから、ブログを綴りながら、経過時間がやたらと気になったということで、決して、最初から意識していたわけでもないのです。
今回もいつものパターンになってしまいましたが、まぁ、こういうのもたまにはいいものですね。ただ。結果は戒めにしないとねぇ。人任せのルーファンだけはやめましょう。
ルートミスも多少はあったようですが,自分との違いは,暑さによる水遊びの度合いと,皆でワイワイということにつきるんじゃないですかネ。暑さも手伝って,水遊びに興じれば,話も弾むし,自ずとスピードも落ちるでしょうしネ。
自分の時は,春先で,遊べるほど水に浸ってられなかったんですヨ。それに,同じ沢を下るなら別ですが,沢を詰めるとなると,後半,バテバテになるので,最近は,ゴーロ滝での遊びはパスして,核心部だけで遊ぶことを心掛けています。
沢のエキスパートのひろたさんも仰ってますが,つくづく体力勝負だと思いますネ。遡行後は重いし,詰めはキツイし,疲れれば,ペースダウンや怪我,ルートミスにつながりますからネ。
ところで,押溜沢の詰め,スンナリとは行かなかったですか。ひろたさんの情報では,最後の滝を越えて,岩壁に突き当たり,左を登れば藪漕ぎなしで稜線に出られるとあったんですが・・・。
まぁ,ハイトスさんは,水遊びのし過ぎでお疲れモードだったみたいですが,ななころびさんには,喜んでもらえたようだし,良いお歩きになったのではないですかネ。
今回は、瀑泉さんのブログ記事にお世話になりました。うまく活用できたかとなるとかなりの疑問です。
改めて思うのですが、全体を通して、やはり瀑泉さんは冷静沈着ですね。本当に感心いたします。記録細部の一つ一つを、自分の目で確認もできましたから。
そうですか。体力勝負ですか。確かに長時間にわたって楽しみましたからね。その後のペースダウン、ルートミスは必然的なものでしょうが、かといって、瀑泉さんにはそんな現象は起きなかったわけですよね。一概に体力のみならず、それをフォローする精神的な強さといったところもあるのではないですかね。
最後の岩壁ですが、私らは右を登った形にはなりますが、ヤブではなかったですよ。下部はユルユルで急だったといったところでしょうか。ただ、私の目には、左の方が危なっかしく映りました。みー猫さんがそちらをやめて右に来たのは、ただ私が右をさっさと登って行ったからというだけのことではないような気がします。
今回の目的はななころびさんのデビューにかこつけた形ではありましたが、ご本人からは「もうコリゴリだ」ではなく「楽しかった」という言葉でしたから、自分にも楽しいというか、良い歩きだったと思っています。
ルートがすごすぎて、うかつコメできないのですが
笑
沢の水は、冷たくて気持ちが良かったろうなぁ
って、思います
つぼ?の中で 水浴びしたいような
写真が並んでて、、、(^_^;)(^_^;)
それから
業務連絡ですが
赤城山 日帰りで行って来ました。
帰路
赤城山麓そば街道で、、、
うどんとお蕎麦を食べましたよ^^v
いやはや参りました。
折角の楽しい沢遊びだったのですが、自分の不注意で皆さんに申し訳なく思っております。
3時間オーバーの80%は私の問題でしたからね。
レポをまとめようとしても記憶が足が痛くて難渋した事ばかりでなかなかはかどらない始末です。
家内からは、「あんたは鈍くさいのだから沢なんかいかないほうがいいんじゃない?」と言われる始末です。(笑)
たそがれさんとははっきりとその溯行能力の違いを見せつけられました。
以前は自分がちょっと遅い程度と思っておりましたが。
あのお二人にちゃんと付いて行くどころか先導されておりますので。
足は幸い骨には異常が無いようで、腫れもそれほどひどくないのでホッとしております。
15日にはこんな状態にもかかわらず鋸山へ連れて行けとの情け容赦ないご下命により最短ルートで行って参りました。
足は痛いですが、引きずることもなかったので大丈夫そうです。
本当に今回はご迷惑をお掛けし申し訳なかったです。
この前日は同じ足尾でもえらく暑苦しいところを歩いておりましたから、この沢歩きは余計に気持ち良く感じました。
沢といっても、この時期ですから、もう冷たくはなく、水風呂といったところでしょうか。
つぼでも淀みでも淵でも何でもいいですが、見ていると、確かに入りたくなりますね。
ただ、ここで入っていたら、先に行けなくなるので我慢続きで歩きました。
亀三郎さんも、こんな沢いかがですか?初心者向けらしいですよ。
赤城山ですか。前半部、拝見いたしました。この時期の赤城山ってどうなんだろうと思いましたが、意外にすっきりした感じですねぇ。ちょうど、行ってみようかなんて考えてはいたのですよ。参考になりました。
亀三郎さんは食べ道楽の趣味もお持ちのようで、お味にはうるさいでしょうが、群馬の蕎麦はどんなものでしょうかね。あまりお勧めは…といったところがありますけど。
先日はご苦労さまでした。打撲のヒザ、その後、それほどまでではないようで安心いたしました。まさかヒビが入ったりしていないだろうかと気になっていたのです。
何やら、深刻そうなコメントですね。まぁ、すべてにわたって、そんなことはありませんよと申しあげておきます。
80%ですか。私の勝手なコース外れが70%はあるかなと思っておるのですが。
ハイトスさんが後半遅れがちになっても、自分も含めて、視界に見えているうちは問題ないだろうと、結構、普通の歩きをしていましたよ。休憩時間もたっぷりとりましたし(笑)。
しばらく歩いていなかったといったところもあるのではないですか。私は二日続きでしたし。瀑泉さんの「体力」と言われると、それまでなのですが。
また引き続き、どこかの沢に行きましょうよ。ハイトスさんの泳ぎも結局見られずじまいでしたしね。癒し系でちょっとランクが上のところ。
鋸山ですか。どこの鋸山でしょうか。奥多摩?千葉?まさか庚申山の先の鋸山ではないでしょうね。
足を引きずってまで行かれるとは、ハイトスさんもまだまだですよ。