たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

体力不足の丹沢山

2009年01月11日 | 丹沢、道志の山
◎2009年1月11日(日)─1人

 敢えて「体力の衰え」とは記さない。取りあえずは「体力不足」と記すが、これが2~3回続いたら、やはり「体力の衰え」としか表現できなくなってしまうだろう。そんな微妙な意味合いの体力不足を自覚した山行だった。今回の山行、元々目指した山は丹沢山ではなく、蛭ヶ岳だった。丹沢山頂で息と体力が切れてしまい、その先には行けなかったのが本当のところ。今、気分はやや深刻になっている。一種の落ち込み状態。

 5時過ぎに家を出て、塩水橋に着いたのは7時15分。塩水橋を出発地点にしたのは、特別な理由はない。他に比べて、山頂へのアクセスが近く思えただけのこと。塔ノ岳は登っているから、塔ノ岳経由にしないルートで、楽な感じなのはこのルート以外は想定できなかった。林道は凍結し、バリバリ状態。橋の周辺には既に5台駐まっている。無難なところに車を駐めたら、後続が3台、後ろに並んで駐めた。結構、入っているんだね。

 後ろの八王子ナンバーのオバサンと立ち話をしながら、登山口を確認。丹沢通のようだが、「ここから入るのは初めてだけど」なんて、言っていたから、先に行くのはヤメにする。途中でUターンではさまにならない。スパッツを付けて、八王子ナンバーの老夫婦が出た後に、付いて行く。7時35分出発。ゲートの脇から林道をしばらく歩く。ここも凍結はしているが、むしろ怖いのは下り時だな。しばらく歩きながら、地図も見たが、問題はないようだし、老夫婦もモタモタ歩いているので、追いこしにかかる。

 いつまで林道を歩かすのかなと飽き始めたころ、右手に「丹沢山→」の表示。ここが天王寺尾根の取りつき。7時54分。丹沢山まで3時間30分なんて書いてある。そんなにかかるのかよ。昭文社版では3時間。だったら、そんなものだろう。展望のきかない尾根を、ジグザグに歩く。出がけに0度だったが、汗がすごい。耳当て付きの帽子も、手袋も外した。今のところ、身体は快調だ。天王寺峠がどこなのか気付かなかったが、後で考えると多分、あそこだったのだろうと思われた辺りから、日差しが心地よく当たり、気持のいい尾根歩きになって来た。左を振り返ると、大山が姿を現わしている。標高は丹沢山よりも300m低いのだが、中々、山容はご立派。それ故か、かなり高く見える。それにしても、ここも鹿よけの柵が多い。木にはネットを被せている。足尾の山以上の保護だね。

 単独のオジサンを抜く。律儀に尾根通しで歩いているから、こちらはトレースに沿って、巻道を歩いていたら、その間に抜いてしまっていた。上でザワザワと音がしたから、雑木にしたたか往生していたんじゃないの。堂平コースとの合流点9時56分着。尾根取り付きからちょうど2時間。積雪は次第に深くなる。とはいっても、15~20cm程度のものだけど。かなり人が入っているから、迷うこともない。これが昨日だったらどうだろうか。一昨日の雪で、昨日の1人目は大変だったんじゃないのかな。ラッセルまがいのことをやったんだろうな。少し休憩。オニギリ1個。抜いたオジサンは来ない。ここから、40分程で山頂なのだが、どういうわけか、休憩してから、急に身体がきつくなる。息が続かない。頻繁に休む。ここまで、飛ばして来たわけでもないのに。先に2人の姿をとらえているのに、ちっとも、距離が詰まらない。身体に任せて行くしかないか。ついにザックから杖を出してしまった。自分にとっては、一種のSOS信号点滅だ。しかし、杖は確かに楽だね。富士山はまだ見えないが、面白いことに、新宿界隈の高層ビル群が見える。そして相模湾。それから、位置的に房総方面なのだが、こんもりした山が見える。そんなはずはないよな。でも、あの山は何だろう。「館山」なんて、泥臭い洒落は言いたくもないが。

 ゼ―ゼ―しながら丹沢山頂着。10時43分。尾根取り付きから3時間かからないで着いたものの、堂平の分岐からは45分も費やしてしまった。気温5度、積雪は30cmくらいか。山頂には6人くらいいた。ここからの富士山も見事。早速に写真を撮っていたら、塔ノ岳の方から来た3人組にシャッターを頼まれ、自分のも撮ってもらった。この3人組、女1人に男2人なのだが、すぐに福井の方だと分かった。特異なイントネーションで話している。結構な年配なのだが、「ハイキングコースだね」なんて言っている。今のオレにはかなり響く言葉。タフなんだろうね。さっさと蛭ヶ岳に向かって行った。泊まりだとすればうなずけるが、どうも泊まりのザックの大きさじゃない。他人のことはどうでもいいが、このしんどさはいったい何だろう。正月の暴飲がたたったかな。1日、2日は朝から飲んでいたし。でも、こんなのはいつものことだし。何も正月に限ったことではない。腹の具合も別に悪くはない。急なもよおしは宮ヶ瀬湖のトイレですっきりさせてきた。何だろう。だるさも加わってきた。

 「蛭ヶ岳3.4Km」の表示を前にし、休憩しながら考えた。どうしようか。オニギリ1個にヨーカン。そしてお茶。近くにいた青年に声をかけられた。彼も塔ノ岳から来たそうだが、蛭ヶ岳に行くのを悩んでいるらしく、結局、止めて、元来た塔ノ岳に向かうことにするとのこと。その理由は「しんどそうだから」。蛭ヶ岳へのトレースはしっかり付いているが、オレも体力に自信なし。蛭ヶ岳は次回に見送りにする。きれいごとではないが、苦汁の決断だった。余談ながら、青年の話によれば、塔ノ岳は混雑状態だそうな。

 山頂には30分程いた。しぶしぶながらも帰り支度に入る。下りだから、アイゼンを付けようかなと思ったが、滑ったら付ければいいやと、そのままで下りた。ジイサンが上がって来た。塔ノ岳に行って、上ノ丸経由で塩水橋に下りたいが、トレースがあるだろうかと聞かれたが、そんなこと分かるわけがない。あの青年がまだ山頂でうろうろしているだろうから、聞いてみたら?とアドバイスはしたが。続いて、あの八王子ナンバーの老夫婦。「結構な天気で良かったですね」と言われたが、オレのことを記憶している上での挨拶なんだろうか。そうには思えなかったが。

 堂平分岐のところでは3人休んでいた。来た道をそのまま下るのも何だから、ここからは左に入って別コースを下ってみる。手刀を切って避けてもらい、下る。トレースは尾根ルートよりも少し控え目程度。下りが急。かなり退屈なルート。林の中をどんどん下る。分岐から40分で林道に出た。ここに車が2台。いずれも4駆なのだが、ここにどうやって入ったのだろうか。ゲートがあるのに。関係者の車だろうが、途中、2人が登って来るのに出会っている。この林道、出会いのところはまだ良かった。日なたになっている。ところが、下って行くうちに、すごい凍結。車の車輪の跡がそのまま太い筋になってうねっている。ほとんどが日陰になっているから、どうしようもない。いきなり滑って、危うく転倒しそうになった。普通なら、退屈な林道、どうでもいいようなことを考えながら、歩くところだが、ここは、危なくて、常に用心しなけりゃならない。たまに日が当たっているところでも、気を離したら、ズルッと行く。常に雪混じりのヘリを歩いた。相当に神経を使ってしまった。この林道は不親切。登山コースにもなっているんだから、せめて、距離とか方向表示があればいいのに。行く道が正しいのか、どれぐらい歩くのか見当がつかない。

 林道歩きは1時間。ようやく、今朝歩いた天王寺尾根に続く林道に合流。そしてゲートをくぐって塩水橋の駐車地。13時15分着。出た時の車はみんなそのまま、これに7台くらいが追加されている。ここでまたいやな思いにかられた。やはり、丹沢山往復で済ませたのはオレだけだったのかねぇ。あなおそろしだな。

 帰路はすっかりナビに翻弄されてしまった。実はナビデータが古くて、圏央道と中央道が合流する前の物。来る時は、ナビの誘導を全く無視して来たから問題はなかったが、自宅でセットしたら、あきる野からの高速入りになってしまった。かまわないでそのままでいたら、どんどん東に向かい、気づいたら相模原市内に入っていた。16号に出て、八王子、川越方面に向かい、あきる野から入るルートを誘導していたのだろう。変には思いながらも、気づいたのが遅く、相模湖インターに再セットしてみたら、かなりの距離だったので、そのまま行くことにした。何だか、今日は散々な日だったな。

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