たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

羽賀場山から天気山

2009年09月22日 | 近所じゃない栃木県の山
◎2009年9月20日(日)―1人

 言い訳じみた言い方だが、別にこの山に積極的に行きたくて行ったわけではない。連休の合間に行く山にしては地味すぎているし、現に、歩いている人はだれもいなかった。帰りの県道を歩いていると、古峰神社に向かう車は多いし、こんなところをとぼとぼと歩いている姿は、さぞ奇異に映ったであろう。木とテント泊でどこかに行く予定でいたのだが、いつ出発するのか、いつまで経っても返事が来ない。またカタリ山歩きだなと思い、連休中にどこかに取りあえずは行った記録だけは残しておかないと、と安蘇の山を調べたら、この山を見つけた。木が本気なら明日は付き合いたいし、今日、ハードな山歩きをしていたら身体が持たない。一種の時間つぶしのようなものではあったが、なかなか味のある山ではあった。

 ナビの指示通りに館林から入る。足利経由の一般道でもいいのだが、どうせ休日割引だからいいだろう。東北道の下りはやはり渋滞。佐野を過ぎてからつかえた。20分程度で解消したが、次の渋滞は鹿沼を過ぎてからと表示されている。鹿沼で下りる自分はいいが、その先の方々はお気の毒に、だね。高速が無料になったらどういうことになるんだろう。

(長安寺 石段にイワヒバ)


 長安寺に着いたのは7時40分。いくら何でもこの寺の檀家でもないし、寺の駐車場に入れるのは気が引ける。ちょい先の路肩に駐める。駐車場の手前に、杉林に続く登山道の表示はあったが、この寺のイワヒバに覆われた石段が一見の価値があるとかで、あまり草木に縁のない自分でも野次馬的に観たくなる。7時50分発。寺に向かう。何やら由緒のありそうな寺で、古そうな石仏が鎮座している。イワヒバの石段は、なるほどなぁといった感じ。踏みつけないように歩くのに気を遣う。山門をくぐって右に登山口の表示がある。ここもまた薄暗い杉林。すぐに下からの道に合流する。後で気づいたことではあるが、この登山道は、もともと、鉄塔の巡視路のようだ。クネクネと上に向かっている。杉林の薄暗い道。こんな1,000mに満たない低い山でも、先に空が見え、尾根に合流するとほっとする。

  登山道は送電線の巡視路になっているようだ。8時13分、最初の鉄塔。そして2番目の鉄塔は8時37分。ようやく展望が良くなってきた。送電線の先にあるのが鳴蟲山だろうか。鳴蟲山には、機会があったら行って見たいなと思っていたが、最近、この山の情報を調べていたら、林道が山頂付近まで続いているようで、少々、興ざめしてしまった。雪がある時期に行ってみる価値があるかもしれないが。10分ほど歩いて、東側からの尾根に合流。これが、いわば羽賀場山、天気山への本尾根であろう。目印の板があったが、字は消え、何が書かれてあったのか読み取れない。おそらくは羽賀場山への案内板であったろう。かすかに右手前方に女峰山が見えてきた。少しばかり退屈な山でも、こんな景色に恵まれれば最高の山なんだけど。

 合流からしばらく登って羽賀場山。9時3分。出発から1時間少々。何とも感慨の薄い山頂。一等三角点があるだけ。展望は無い。今日は暑いが、山頂に立った瞬間、汗がポタポタと落ちてきた。「お天気山へ1.5時間」の案内書きがあり、その下には、バス時刻が書かれてあった。両山歩く方が多いのであろう。10分ほど休憩して、天気山に向かう。

 ネットの下調べで、この尾根から派生する尾根に誤って入り込むことがあるから要注意ということが記されてあった。羽賀場山からは、心持ち、道が細くなったようだ。こんな山で、道を間違うなんてと高をくくっていたら、いざ我が身のこととなった。まっすぐ進んだら、尾根がヤセてきて、いきなり急坂になった。四つん這いになって下ったが、どうもおかしい。踏み跡もまったくない。コンパスを見直すと、天気山への矢印は後ろ左方向になっている。ヤセ尾根の先は切れている。ここでようやくルートミスに気づいたが、もう、本尾根から100mも下っていた。汗ダクでようやく元に戻った。本尾根からやや左に行くのが正解で、直進してしまっていた。自分と同じミスをした人が随分いるのだろうか、直進ルートの踏み跡が太くなっている。ただ、100mも下るなんて、余程の愚か者だろうな。笑うにも笑えない。20~30分は確実にロスをしたし、体力もかなり消耗した。ここでアミノバイタル。このトラブルの間に、メールが入った。木からのものだとは何となく分かったが、携帯をザックから取り出して、メールチェックするゆとりはまったくなかった。それどころか、すぐに忘れてしまった。この山塊で遭難していたら恥ずかしい話。

(いわゆる「お天気山」山頂)


 今度は慎重に行く。左手に車が通れるくらいの幅広の作業道が合流し、しばらくは平行する。この作業道も今は使われていないようだ。いくつかピークを越える。アップダウンもそこそこ続く。突然、ドカドカという音がしたかと思ったら、鹿が一頭かけて行く。777mピークに10時16分。後ろを振り返っても、羽賀場山は見えない(結局、今日、羽賀場山の山容を見ることは出来なかった。谷越えの山からでしか見えないのだろうか)。天気山10時37分。石仏と祠。ここは山岳信仰の山か。羽賀場山には信仰のにおいがまったくなかった。正式名称の「天強山」からは信仰の背景が窺い知れない。天気山も天強山の読みから訛ったものとは思われるが。この山の山頂は羽賀場山と似たり寄ったりではあるが、ちょっと行くと、北西方面が見渡せ、日光連山の景色がいい。しばらく眺めていた。それにしても暑い。10分ほど休憩して下山。ここにもバス時刻表。記された時刻は13時以降のものになっているが、午前中はバスが走らないのだろうか。見合ったバスがあったとしても乗るつもりはない。長安寺までの3kmは車道を歩くつもりでいる。

(日光連山の眺め)


(一の院)


 ずっと下りが続く。二の宮10時55分。残念ながらこの二の宮を見ることはできなかった。表示は確認したが、よく探しもしなかった。こちらのルートはご丁寧に、要所要所にロープが渡されている。羽賀場山側よりも整備されているのかも。二の宮を見逃したから、せめて一の宮ぐらいはと、分岐から一の宮に向かう。11時4分、一の宮にはごじんまりした石祠があった。山でこういう石祠や石仏に出会うと、何だかほっとする。うまく表現はできないが心の癒しというか。

 やがて墓地を経由して車道に出る。11時30分。稲刈りが始まっている。バス時刻を見たら、11時51分のがあった。乗るつもりなら、しばらく近くを歩きながら、これに乗ったであろう。車道をしばらく歩き、左手にようやく天気山の姿を確認できた。なかなか立派な姿じゃないか。河原ではバーベキュー。やはり連休なんだな。のどかな日和、景色の中、古峰神社に向かう車の多さにげんなりする。バス停に着く度にバス時刻を確認していた。別に、バスに乗車するつもりでいたわけではないが、車道歩きの速度を見たかった。長安寺の近くのバス停まで4つくらいのバス停があったが、その間をバスは3分間で走っていた。当然、3つ目でバスに抜かれた。長安寺12時15分着。4時間25分の安蘇の山歩き。この間、歩いたのは45分だった。忘れていたメールを確認する。やはり木からだった。今晩8時過ぎに出発とあった。折り返しメールは「明朝5時発にしてくれ」。ルートミスがなかったら、今晩発でもよかったが、あれでかなりの体力と気力を使った。一晩は休みたい。

(車道からお天気山)


 連休もあと3日ある。帰りの高速もスイスイだった。下りは依然としてノロノロ。

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