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◎2012年5月19日(土)
<駐車地(6:50)……林道入口(6:58)……北尾根取り付き(7:23)……高平山(7:49~7:55)……854m(8:14)……尾根屈曲部(8:50)……892m(9:19)……791m(9:54)……996m(10:37)……鳴虫山(11:18~11:27)……1084m・合峰(11:40)……897m(12:23)……869m・松立山(12:50~13:00)……金谷ホテル裏(13:30)……大黒山(13:42)……駐車地(14:35)>
鳴虫山は好きな山の一つだが、昨年は行っていない。今年はどうしようかと迷っているうちに、ツツジの盛りを逃してしまったようだ。その間、野球親爺さん、みー猫さん、ハイトスさんと、皆さん、鳴虫山を歩かれていた。今年は見送りかなと思っていたが、先日、毘沙門山を歩いた際の記事のコメントで、ノラさんより、高平山・鳴虫山周回をお薦めいただいた。そんなコースあるのかいなと調べると、その筋のスペシャリストの方々が何人か冬場に歩かれている。正直のところ、魅力あふれるコースには思えないが、せっかくだから行ってみるか。鳴虫山はともかく、高平山には興味がある。高平山から鳴虫山まで足を延ばし、帰りは神ノ主山から南東に適当な尾根を下ってみよう。作業道なり林道に出られるはず。それが最初の計画。ツツジははなから期待はしていない。
(県道から高平山が見えた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/49/1abc0fc0851fd224c0294f5b9c93d1c1.jpg)
(この橋を渡って林道に入る)
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(高平山北尾根を登る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/18/bcd84162e263a793fcdfb06d7ca21688.jpg)
日光インターから県道14号(鹿沼日光線)に入る。この道路、ゴルフ場を過ぎると、急に細くなる。すれ違いもしんどい。林道に乗り入れるつもりでいたが、入口の橋はかなりの泥んこ状態になっていて、車で渡るのはためらわれる。橋そのものも、持つかどうかが不安な感じ。適当な路肩を探したが、しばらく行ってもない。戻る。結局、車を駐めたのは、ゴルフ場入口から日光インター寄りに戻った空き地。県道を南に歩く。右手に馬頭観音碑があった。泥んこ橋を渡って林道に入る。この辺りの歩きは『栃木の山紀行』氏の記事丸写しだからばっちりだ。地形図の実線から破線に入り、尾根の突端から登ればいいだけのこと。ところがそう易々とはいかない。林道がいくつも分岐し、その都度、足踏みする。当然、自分の居場所が分からなくなった。破線路を歩いていることだけは確かなようだ。尾根突端の候補もいくつかあったが、この作業道を高みまで登り切らないといけないようだ。右奥に高平山らしきピークがちらっと見えた。ようやくテープの垂れた突端を見つけた。ほっとした。用心し、鈴をもう一つ追加。昨日の雨で濡れまくりかなと気にはなったが、尾根に上がると、ヤブは薄く、尾根型は明瞭。テープも所々に付けられている。放置されたワイヤーの束。ツツジがちらほら咲いている。というよりも残っていると言った方がいいのか。これがトウゴクミツバツツジというやつか。尾根は緩いが、次第に急になる。
(高平山山頂)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/24/3c0c0d9c34cf5d28c62c7a72b7b4afbb.jpg)
(鞍部を登るとしばらくヤブが続く)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/68/4eb8ab52805f42de28e20a5c154df40c.jpg)
(ヤブの間にこんなのが)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/75/af76e9bf9492137d4ffe2522ac3b9209.jpg)
(赤薙山から女峰山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/f9/1158e0703e919bea7eb3d38442c35660.jpg)
やがて、右からの尾根に合流し、少し先に行くと山頂に着いた。三角点といくつかの山名板のある、展望のきかない普通の山頂だ。ここまで、景色といったら、ゴルフ場がちらっと見えただけ。予想と違わないコースだ。鳴虫山までずっと景色なしのままだろうか。歩くことだけに徹するしかないということか。すぐに854mに向かう。この辺から、ツツジの咲きが良くなって、立ち止まりが多くなる。しばらくはしっかりした踏み跡が続いていて気分も良かったが、鞍部に着くや、その先は一気にヤブになる。地形図上の東西の林道からこの鞍部に至り、高平山に向かう人が多いように見受けられる。ヤブは植林帯になるまでしばらく続いた。ただ、ヤブの中でもツツジはきれいで、苦痛さはない。樹林の間から右手・北側に、赤薙山から女峰山にかけての山並みが見えた。少しはこうでなきゃ、歩いていても面白みがない。ヤセ気味の明るい尾根になり、854mピークが見えるようになる。随分と高く見える。太い倒木が進路を邪魔する。ここにも放置ワイヤー。
(次第にヤセ尾根になり、倒木が出てくる)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/d9/2d7c6e2b9db0e28e93bbcb7f64627dba.jpg)
(木原造林)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/f0/71fa57e2fb886390db81006c27c14b9d.jpg)
854mピークに到着。「木原造林」の標柱が置かれていた。『日光稜線紀行』のstarion氏記事に、この木原造林の標柱の記載があったことを思い出す。帰ってから調べると、木原造林は東京にある会社のようだ。ということは、この辺は社有地ということか。あるいは植林の権利を持っているのか。starion氏記事といえば、帰ってから読み直すと、この854mを下った先に屋根が半分欠けた石祠があったらしい。見逃してしまった。この見逃し、今日は、最後まで続いてしまう。鹿か何かのヌタ場を通過。今度は右手にはっきりと男体山。ただ、木がうっとうしく、すっきりしたものではない。ヤセ尾根には岩が顔を出す。ところでこの付近、また、自分がどういう位置関係にあるのか、さっぱり分からなくなる。高平山から一旦南下するため、周囲の尾根型がまったく見えない。もちろん、鳴虫山から神ノ主山にかけての尾根は全然見えず、どんどん離れて、自分がとんでもないところを歩いているような錯覚におちいってしまう。大きな鹿があわてて走って行った。まぁ、鹿でよかった。
(尾根のツツジ)
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小ピークを越え、間もなく892mピークに向けて方向転換するあたりに近づく。その手前のピークでコースミス。尾根伝いに歩いているつもりで、コンパスを見ると、どうも、北側に下っている。戻る。そしたら、今度は逆に南側に下ってしまった。この尾根はいったいどうなっているのだろう。地形図のようにすんなりとはなっていない。しばらくうろうろした。よく観察すると、木立に隠れ、ちょっと南寄りに尾根の形状が見えた。これか。GPSで改めて確認。OK。ちょっとあせり、しばらく緊張が続いた。カーブの手前で休憩。こんなところであせりは禁物だ。ただ、どこにルートを踏み外しても、林道には出られるようなので安心ではある。もっとも、無事に林道に下り立てればの話だ。休みながら、地形図とコンパスだけで尾根を拾いながら歩く高度なルートファインデングは、自分にはGPSもないと無理だなと悟っただけのことだった。
(境界標)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/40/62c04bcdcd6a97810207d2dc54331827.jpg)
(こんな岩も何か所かにあるが、危うい岩場ではない)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/2d/f49dfd8ecd7e5358c0fb4fb3018f0f7f.jpg)
892mピークに向かう方向転換地点にはまた木原造林の標柱があった。ここは間違えずに北東に向かえた。また大岩が現れる。難なく迂回。やはり歩いている物好きな方もいるようだ。迂回路には踏み跡を確認できる。あるいはシカ道だろうか。ツツジの頻度が増した。鳴虫山はダメでも、この辺はきれいだ。今がピークの気配。この辺のツツジ、人様に見られるのは、今季、自分が最初で最後の存在かもしれない。希少価値の思いだ。892mの手前あたりから、「境界標」と刻された標柱を目にするようになる。日光市と旧・今市市との境界ということだろうか。裏には「栃木縣」と刻されている。この標柱、最初のうちは意識しなかったが、しばらく行くと、頻繁に目に付くようになる。標柱はロングとショートの2種類があり、それぞれがてんでに置かれているため、乱立しているようにも見える。これを追いながら歩いて行けば、まず間違いがないようだ。この標柱は、火戸尻山からの尾根に合流する996mでも見かけた。
(鳴虫山から東に派生する尾根の一角が見えた。奥は高原山だろうか)
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(791m下のツツジ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/cf/443360646becee5b301e496c270bdd07.jpg)
(あれは確実に高原山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/e7/a35a43502efee04459cb69bfc54cef3b.jpg)
植林の隙間から右手にようやく鳴虫山から東に向かう尾根を確認できた。谷を越えて向こう側だが、かなり遠い距離にある。地理感覚がようやく戻った。そのずっと右先に見える存在感のある山は何というのだろうか。高原山だろうか。西にしばらく進む。不安になるくらいどんどん下る。右・北側は植林。左・南側は雑木だ。ツツジがまた盛りになった。そして、ようやく上りにかかると、いきなり展望が開け、ネットが右に張りめぐらされている。右は伐採地のようだ。鳴虫山がようやく見えた。下りは神ノ主山から適当に下るつもりでいたが、ここから見る限り、そんなにたやすく下れる状況ではないみたい。ただ、下の谷間を林道がずっと通っている感じはある。戻りコースは鳴虫山で決めよう。791mに到着。ここはピークというよりも通りすがりの高みといった感じ。高原山も、はっきりと識別できるくらいになった。さて、ここから996mピークまでは標高差が200mもある。歩き始めからざっと3時間。まっとうな休憩はとっていない。身体もかなり汗ばみ、手拭いも濡れている。判断に迷ったが、このまま行ってしまおう。
(左端が鳴虫山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/9f/3f4d8003f29d08949edf2a8037d51f39.jpg)
(996m周辺)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/33/abb55b114c5dffc2f1efd25491d10f4c.jpg)
(正面に鳴虫山)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/eb/7118ba3d9440779171b70dde4ec5a964.jpg)
(正面左寄りが高平山だろうか。あそこからぐるりとここまで来たわけだ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/e8/bf8a2307ddd2a953811b7c4aece411ff.jpg)
北と東側の展望が開けたため、陽射しが強くなる。気温も上がる。フェンスに沿って歩けるから楽なことは確かだ。そのフェンスを支える針金が細くて見えづらく、足を頻繁にとられる。最初のうちはなだらかで気分も良かった。伐採地の上部ゆえ、広いところもある。しばらく進むと、布切れのようなものが地べたに置かれていて、何かなと思って、足で広げてみると、男物のパンツ(ズボンではなくサルマタ)であった。何でここにパンツが放置されているのだろう。いろいろなシチュエーションを想定してみたが、すべてに無理がいく。さて、さっきから、どこからともなく聞こえる金属音が気になってしかたがない。ずっと続いている。どうも、ダンプのエンジン音だ。木材の積み出しでもしているのか。やがて、じわりじわりと急登になった。ここはきつい。本コース最大の難所。ようやく996mに到着。ほっとした。脇街道から本街道に入ったようなもの。この合流点、目印テープが巻かれてはいるが、ここまでの尾根筋は見えない。ルートに戻るには迷うかもしれない。もう、ここから南に尾根伝いに行けば火戸尻山、北に向かえば鳴虫山だ。先日、ハイトス隊とみー猫氏が歩かれた尾根だ。ご三方のおかげでしっかりした道になっていた。5年前にここは歩いたことはあるが、その時と同じに、東面の伐採地は明るく、風通しのいい尾根になっている。気持ちのいい風が流れる。ただ、背中はびっしょりで、ここに風が入ってくれない。来た方向を眺めてみた。高平山からの尾根が見える。随分と歩いたものだ。尾根伝いで歩いて来たつもりだが、屈曲分で尾根も途切れて、別尾根の山になっている感じがする。
(山頂が近づくと、もう終わりかけだ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/b9/bc5bd344caeada2923d824c3473f30cb.jpg)
(鳴虫山・山頂に到着)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/d5/1f6916a7226acc8b30e242d6f0755f91.jpg)
消えていたフェンスがまた現れる。庭の垣根に沿って歩いている雰囲気。ツツジは合流尾根から一気に少なくなった。林道だか作業道がそこまで入り込んでいる。踏み跡がまばらで尾根が広くなり、本日二番目につらい急登で鳴虫山に到着。バリケード付近でおにぎりを食べていたジイサンに聞かれる。「そっちに道があんの?」。「火戸尻山に行く踏み跡がありますよ」と答えたが、火戸尻山そのものを知らないのか、きょとんとされただけ。本日の一言、二言の会話はこれで終わった。山頂はすごい賑わい。30人はいるようで、共通して、腰をおろして何かを食べている。さらに、神ノ主山の方からは三々五々と上がってくる。隙間を見つける感じで腰をおろす。菓子パンを一つ口に入れる。さて、これからどうするか。静寂からいきなり騒音の世界に入り込んだ。このまま神ノ主山に下るのは抵抗がある。この辺で歩いたことのない尾根が2本ある。イノシシ像ルートと金谷ホテルルート。瑠璃堂からイノシシ像までは行ったことがあるが、その先はない。ただ、ぶなじろうさん資料によると、869mピーク直下は急らしい。最後にこけているのではどうしようもない。金谷ホテルに下ってみようか。その分、駐車地まで延々歩きになるが、きつかったら、タクシーを呼べばいい。電話番号も控えてきた。途中、化星の宿にまた立ち寄れるのも楽しみだ。そうと決まればさっさと下るか。この賑やかさと華やかさは肌に合わない。
(合峰)
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(また出てきた。標高との関係だね)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/4c/afb6c8ceed9c92c9dff52d2abb9ad1ce.jpg)
こっちに入る方は少ないのか、合峰までの区間を含め、だれとも会うことはなかった。山頂の周辺のツツジはやはり終わりかけている。合峰からは銭澤不動の案内板に従って下る。またツツジが出てきた。ツツジ見にうつつをぬかし、この辺から、微妙におかしなところを歩いたようだ。踏み跡を見失い、しばらく迷う。トラロープが張り巡らされた箇所を下る。そのトラロープすら、2か所あったと思ったが、1か所しか通過していない。ようやくコースに復帰したと思ったが、どうも、知らないうちに897mに着いてしまったようだ。化星の宿はどこに行ってしまったの?一昨年は銭澤不動から上がって来たから、すんなりと見届け出来たが、今回はおかしなところを通って下ってしまい見逃してしまった。誠に残念だが、戻って探し回るのも面倒。そろそろ疲労も出てきている。両足に痙攣の兆候が現れてきた。秘薬を飲む。
(869m。人為的な窪みにも見える)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/32/d0aef63f555867fa7b1eee426c7390bc.jpg)
迷うことなく869mに到着。松立山の山名板はない。しばらく休む。右手にイノシシ尾根が下っている。ここから見る限り、確かに植林の中の急斜面だ。黄赤の標識には「市役所北東へ」とメモ書きされていた。また、「P897」とも記されていたので、鉛筆で「869」と書き直した。何気なく携帯を見た。流行に合わせてスマホに機種変したのはいいが、これが大失敗。充電が丸一日持たない。どう省エネのセッティングをしようがバッテリーの消耗は最悪。こんな代物を山には持って歩けないので、致し方なく、機種代0円、最低料金のプランで携帯を改めて買うはめになった。今も、スマホは車の中で放電し続けているだろう。さて、兄から着信があったようで、かけてみると、母親が腰を痛めて救急車で運ばれたらしい。両親は高齢ゆえ、2週間に1度は様子を見に行き、買い物に連れていく。今日も山から下りたら小山の実家に立ち寄るつもりでいたが、救急車とはおだやかじゃない。打撲ということで、家に帰されたらしいが、気はあせる。今年に入ってから、ジイサンも救急車を呼んでいるから、夫婦して、119番には「お世話様です」状態だ。ボケがまだ出てないだけマシとも言える。職場の同僚は、家に帰ったら、ジイサンがテレビを上下逆さにして見ていたし、バアサンは夜中の徘徊だとぼやいていた。
(鉄塔)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/f9/818d6e59ac78acaaa9af257f87ae2b85.jpg)
(鉄塔からの眺め)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/6e/8219ee5b47d654d2ad6f122dc6517b9c.jpg)
(金谷ホテル尾根は荒れている)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/7f/90b98a1aaf9d20fe4547d0c41add8bfa.jpg)
(裏の駐車場に下りる)
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(狛犬と大魔神)
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(ご神体は商売繁盛)
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金谷ホテルを目指し、直進した。何と崖になっている。こりゃ下れない。869mにまた戻る。周囲を見渡すと、左側に巻いた感じの踏み跡が続いている。なるほど、ここを下ればいいのか。じきに鉄塔にたどり着いた。日光連山、日光市内が丸見えだ。休みたいが、暑くてどうしようもない。日陰がない。尾根をそのまま下る。金谷ホテルの裏側はあまり歩く人もいないのか、雑然とした尾根で、倒木も放置され、荒れている。どんどん下ると、ホテル裏の駐車場が見えた。おそるおそる駐車場に下り立つ。ホテルの敷地内を歩くわけだから、目立たないように、鈴も外す。薄汚れた顔をさらすわけにもいかず、帽子もかぶる。本日はゴム長スタイルではない。駐車場は従業員用の駐車場のようで、地元ナンバーの普通の車や軽がほとんど。ホテルの方に行くと、右手に「大黒山散策路」の案内板があった。どうしようか迷ったが、入ってみた。狛犬と大魔神のような2mは超える石像があった。これだけ見てさっさと引き返せばいいのに、欲を出して、上に向かった。身体は相当にいかれている。こんなハイキングコースでも、本日三番目のしんどさだった。山頂には鳥居があり、石祠が祭られている。扉を開けると、大黒さんが俵に乗って小槌を振っていた。前にはさい銭の小銭がザクザク。石祠の裏には、明治三十六年と刻まれ、奉納者は金谷某氏。つまり、ここのホテルのオーナー一族らしい。ということは、この大黒山の神社は修験道とはおよそ縁のない、個人の所有ということか。帰ってから調べると、何ということはない。大黒山には、金谷ホテルの商売繁盛を祈願するための神社があっただけのことだ。
(ホテル入口付近にはこんなのが)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/7b/97a83274acc02629c1f65a8cc90fc94b.jpg)
(磐裂神社)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/35/8734b1036685e7c65db83e00468fb110.jpg)
(神社の石像)
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何食わぬ顔をして、ホテルの正面に出て星の宿跡・磐裂神社を見学し、神橋を見下ろす。さてここからの帰路が長い。3kmと踏んでいたが、後で調べると、駐車地までは4.6kmもあった。見舞いに、バアサンに羊羹ぐらい食べさせてやろうと、先日、立ち寄った羊羹屋に寄って水羊羹を買う。後は、流しのタクシーを拾うつもりでいたが、空車のタクシーを見つけることはできなかった。駅まで行けばあるだろうが、その駅もまた遠い。どうせなら、そのまま歩いてしまった方がいい。ここで、改めて自転車の威力を痛感するが、自分には、足尾のかじか荘から舟石峠までの上り道を、自転車に乗らずに押して行ったという前歴がある。自転車押しは無理な姿勢にもなり、意外にも余計な体力を使うものだ。以来、自転車導入はとんとご無沙汰だ。この、駐車地への戻りもまた、有料道路の上を通過した辺りから上り坂になっていた。自分には、自転車再発見といったことはないだろうな。しかし、今、考えてみれば、前歴の際は、目的地が銅親水公園だったわけだから、何も舟石峠経由にせずとも、町に下って迂回して行けば良かっただけのことではあるが。
(ようやく帰り着いた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/0b/80225998987c6b9ea9b0d763b3c03780.jpg)
駐車地にようやく到着。今日は何だか、えらい歩きをしてしまったという思いだけが残るクタクタコースであった。光岳や聖岳の日帰り歩きを敢行した時も、これほどの疲労感はなかったような気がする。フィニッシュの車道歩きがかなり効いている。足裏がめちゃくちゃ痛い。
(本日の軌跡)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/09/407e3fc32fed2c50030d0136de5b765c.jpg)
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図メッシュ(標高)を使用した」(承認番号 平23情使、 第832号)
<駐車地(6:50)……林道入口(6:58)……北尾根取り付き(7:23)……高平山(7:49~7:55)……854m(8:14)……尾根屈曲部(8:50)……892m(9:19)……791m(9:54)……996m(10:37)……鳴虫山(11:18~11:27)……1084m・合峰(11:40)……897m(12:23)……869m・松立山(12:50~13:00)……金谷ホテル裏(13:30)……大黒山(13:42)……駐車地(14:35)>
鳴虫山は好きな山の一つだが、昨年は行っていない。今年はどうしようかと迷っているうちに、ツツジの盛りを逃してしまったようだ。その間、野球親爺さん、みー猫さん、ハイトスさんと、皆さん、鳴虫山を歩かれていた。今年は見送りかなと思っていたが、先日、毘沙門山を歩いた際の記事のコメントで、ノラさんより、高平山・鳴虫山周回をお薦めいただいた。そんなコースあるのかいなと調べると、その筋のスペシャリストの方々が何人か冬場に歩かれている。正直のところ、魅力あふれるコースには思えないが、せっかくだから行ってみるか。鳴虫山はともかく、高平山には興味がある。高平山から鳴虫山まで足を延ばし、帰りは神ノ主山から南東に適当な尾根を下ってみよう。作業道なり林道に出られるはず。それが最初の計画。ツツジははなから期待はしていない。
(県道から高平山が見えた)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/49/1abc0fc0851fd224c0294f5b9c93d1c1.jpg)
(この橋を渡って林道に入る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/26/729812f251d1a4220e594525f91e8b15.jpg)
(高平山北尾根を登る)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/18/bcd84162e263a793fcdfb06d7ca21688.jpg)
日光インターから県道14号(鹿沼日光線)に入る。この道路、ゴルフ場を過ぎると、急に細くなる。すれ違いもしんどい。林道に乗り入れるつもりでいたが、入口の橋はかなりの泥んこ状態になっていて、車で渡るのはためらわれる。橋そのものも、持つかどうかが不安な感じ。適当な路肩を探したが、しばらく行ってもない。戻る。結局、車を駐めたのは、ゴルフ場入口から日光インター寄りに戻った空き地。県道を南に歩く。右手に馬頭観音碑があった。泥んこ橋を渡って林道に入る。この辺りの歩きは『栃木の山紀行』氏の記事丸写しだからばっちりだ。地形図の実線から破線に入り、尾根の突端から登ればいいだけのこと。ところがそう易々とはいかない。林道がいくつも分岐し、その都度、足踏みする。当然、自分の居場所が分からなくなった。破線路を歩いていることだけは確かなようだ。尾根突端の候補もいくつかあったが、この作業道を高みまで登り切らないといけないようだ。右奥に高平山らしきピークがちらっと見えた。ようやくテープの垂れた突端を見つけた。ほっとした。用心し、鈴をもう一つ追加。昨日の雨で濡れまくりかなと気にはなったが、尾根に上がると、ヤブは薄く、尾根型は明瞭。テープも所々に付けられている。放置されたワイヤーの束。ツツジがちらほら咲いている。というよりも残っていると言った方がいいのか。これがトウゴクミツバツツジというやつか。尾根は緩いが、次第に急になる。
(高平山山頂)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/24/3c0c0d9c34cf5d28c62c7a72b7b4afbb.jpg)
(鞍部を登るとしばらくヤブが続く)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/68/4eb8ab52805f42de28e20a5c154df40c.jpg)
(ヤブの間にこんなのが)
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(赤薙山から女峰山)
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やがて、右からの尾根に合流し、少し先に行くと山頂に着いた。三角点といくつかの山名板のある、展望のきかない普通の山頂だ。ここまで、景色といったら、ゴルフ場がちらっと見えただけ。予想と違わないコースだ。鳴虫山までずっと景色なしのままだろうか。歩くことだけに徹するしかないということか。すぐに854mに向かう。この辺から、ツツジの咲きが良くなって、立ち止まりが多くなる。しばらくはしっかりした踏み跡が続いていて気分も良かったが、鞍部に着くや、その先は一気にヤブになる。地形図上の東西の林道からこの鞍部に至り、高平山に向かう人が多いように見受けられる。ヤブは植林帯になるまでしばらく続いた。ただ、ヤブの中でもツツジはきれいで、苦痛さはない。樹林の間から右手・北側に、赤薙山から女峰山にかけての山並みが見えた。少しはこうでなきゃ、歩いていても面白みがない。ヤセ気味の明るい尾根になり、854mピークが見えるようになる。随分と高く見える。太い倒木が進路を邪魔する。ここにも放置ワイヤー。
(次第にヤセ尾根になり、倒木が出てくる)
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(木原造林)
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854mピークに到着。「木原造林」の標柱が置かれていた。『日光稜線紀行』のstarion氏記事に、この木原造林の標柱の記載があったことを思い出す。帰ってから調べると、木原造林は東京にある会社のようだ。ということは、この辺は社有地ということか。あるいは植林の権利を持っているのか。starion氏記事といえば、帰ってから読み直すと、この854mを下った先に屋根が半分欠けた石祠があったらしい。見逃してしまった。この見逃し、今日は、最後まで続いてしまう。鹿か何かのヌタ場を通過。今度は右手にはっきりと男体山。ただ、木がうっとうしく、すっきりしたものではない。ヤセ尾根には岩が顔を出す。ところでこの付近、また、自分がどういう位置関係にあるのか、さっぱり分からなくなる。高平山から一旦南下するため、周囲の尾根型がまったく見えない。もちろん、鳴虫山から神ノ主山にかけての尾根は全然見えず、どんどん離れて、自分がとんでもないところを歩いているような錯覚におちいってしまう。大きな鹿があわてて走って行った。まぁ、鹿でよかった。
(尾根のツツジ)
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小ピークを越え、間もなく892mピークに向けて方向転換するあたりに近づく。その手前のピークでコースミス。尾根伝いに歩いているつもりで、コンパスを見ると、どうも、北側に下っている。戻る。そしたら、今度は逆に南側に下ってしまった。この尾根はいったいどうなっているのだろう。地形図のようにすんなりとはなっていない。しばらくうろうろした。よく観察すると、木立に隠れ、ちょっと南寄りに尾根の形状が見えた。これか。GPSで改めて確認。OK。ちょっとあせり、しばらく緊張が続いた。カーブの手前で休憩。こんなところであせりは禁物だ。ただ、どこにルートを踏み外しても、林道には出られるようなので安心ではある。もっとも、無事に林道に下り立てればの話だ。休みながら、地形図とコンパスだけで尾根を拾いながら歩く高度なルートファインデングは、自分にはGPSもないと無理だなと悟っただけのことだった。
(境界標)
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(こんな岩も何か所かにあるが、危うい岩場ではない)
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892mピークに向かう方向転換地点にはまた木原造林の標柱があった。ここは間違えずに北東に向かえた。また大岩が現れる。難なく迂回。やはり歩いている物好きな方もいるようだ。迂回路には踏み跡を確認できる。あるいはシカ道だろうか。ツツジの頻度が増した。鳴虫山はダメでも、この辺はきれいだ。今がピークの気配。この辺のツツジ、人様に見られるのは、今季、自分が最初で最後の存在かもしれない。希少価値の思いだ。892mの手前あたりから、「境界標」と刻された標柱を目にするようになる。日光市と旧・今市市との境界ということだろうか。裏には「栃木縣」と刻されている。この標柱、最初のうちは意識しなかったが、しばらく行くと、頻繁に目に付くようになる。標柱はロングとショートの2種類があり、それぞれがてんでに置かれているため、乱立しているようにも見える。これを追いながら歩いて行けば、まず間違いがないようだ。この標柱は、火戸尻山からの尾根に合流する996mでも見かけた。
(鳴虫山から東に派生する尾根の一角が見えた。奥は高原山だろうか)
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(791m下のツツジ)
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(あれは確実に高原山)
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植林の隙間から右手にようやく鳴虫山から東に向かう尾根を確認できた。谷を越えて向こう側だが、かなり遠い距離にある。地理感覚がようやく戻った。そのずっと右先に見える存在感のある山は何というのだろうか。高原山だろうか。西にしばらく進む。不安になるくらいどんどん下る。右・北側は植林。左・南側は雑木だ。ツツジがまた盛りになった。そして、ようやく上りにかかると、いきなり展望が開け、ネットが右に張りめぐらされている。右は伐採地のようだ。鳴虫山がようやく見えた。下りは神ノ主山から適当に下るつもりでいたが、ここから見る限り、そんなにたやすく下れる状況ではないみたい。ただ、下の谷間を林道がずっと通っている感じはある。戻りコースは鳴虫山で決めよう。791mに到着。ここはピークというよりも通りすがりの高みといった感じ。高原山も、はっきりと識別できるくらいになった。さて、ここから996mピークまでは標高差が200mもある。歩き始めからざっと3時間。まっとうな休憩はとっていない。身体もかなり汗ばみ、手拭いも濡れている。判断に迷ったが、このまま行ってしまおう。
(左端が鳴虫山)
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(996m周辺)
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(正面に鳴虫山)
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(正面左寄りが高平山だろうか。あそこからぐるりとここまで来たわけだ)
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北と東側の展望が開けたため、陽射しが強くなる。気温も上がる。フェンスに沿って歩けるから楽なことは確かだ。そのフェンスを支える針金が細くて見えづらく、足を頻繁にとられる。最初のうちはなだらかで気分も良かった。伐採地の上部ゆえ、広いところもある。しばらく進むと、布切れのようなものが地べたに置かれていて、何かなと思って、足で広げてみると、男物のパンツ(ズボンではなくサルマタ)であった。何でここにパンツが放置されているのだろう。いろいろなシチュエーションを想定してみたが、すべてに無理がいく。さて、さっきから、どこからともなく聞こえる金属音が気になってしかたがない。ずっと続いている。どうも、ダンプのエンジン音だ。木材の積み出しでもしているのか。やがて、じわりじわりと急登になった。ここはきつい。本コース最大の難所。ようやく996mに到着。ほっとした。脇街道から本街道に入ったようなもの。この合流点、目印テープが巻かれてはいるが、ここまでの尾根筋は見えない。ルートに戻るには迷うかもしれない。もう、ここから南に尾根伝いに行けば火戸尻山、北に向かえば鳴虫山だ。先日、ハイトス隊とみー猫氏が歩かれた尾根だ。ご三方のおかげでしっかりした道になっていた。5年前にここは歩いたことはあるが、その時と同じに、東面の伐採地は明るく、風通しのいい尾根になっている。気持ちのいい風が流れる。ただ、背中はびっしょりで、ここに風が入ってくれない。来た方向を眺めてみた。高平山からの尾根が見える。随分と歩いたものだ。尾根伝いで歩いて来たつもりだが、屈曲分で尾根も途切れて、別尾根の山になっている感じがする。
(山頂が近づくと、もう終わりかけだ)
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(鳴虫山・山頂に到着)
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消えていたフェンスがまた現れる。庭の垣根に沿って歩いている雰囲気。ツツジは合流尾根から一気に少なくなった。林道だか作業道がそこまで入り込んでいる。踏み跡がまばらで尾根が広くなり、本日二番目につらい急登で鳴虫山に到着。バリケード付近でおにぎりを食べていたジイサンに聞かれる。「そっちに道があんの?」。「火戸尻山に行く踏み跡がありますよ」と答えたが、火戸尻山そのものを知らないのか、きょとんとされただけ。本日の一言、二言の会話はこれで終わった。山頂はすごい賑わい。30人はいるようで、共通して、腰をおろして何かを食べている。さらに、神ノ主山の方からは三々五々と上がってくる。隙間を見つける感じで腰をおろす。菓子パンを一つ口に入れる。さて、これからどうするか。静寂からいきなり騒音の世界に入り込んだ。このまま神ノ主山に下るのは抵抗がある。この辺で歩いたことのない尾根が2本ある。イノシシ像ルートと金谷ホテルルート。瑠璃堂からイノシシ像までは行ったことがあるが、その先はない。ただ、ぶなじろうさん資料によると、869mピーク直下は急らしい。最後にこけているのではどうしようもない。金谷ホテルに下ってみようか。その分、駐車地まで延々歩きになるが、きつかったら、タクシーを呼べばいい。電話番号も控えてきた。途中、化星の宿にまた立ち寄れるのも楽しみだ。そうと決まればさっさと下るか。この賑やかさと華やかさは肌に合わない。
(合峰)
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(また出てきた。標高との関係だね)
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こっちに入る方は少ないのか、合峰までの区間を含め、だれとも会うことはなかった。山頂の周辺のツツジはやはり終わりかけている。合峰からは銭澤不動の案内板に従って下る。またツツジが出てきた。ツツジ見にうつつをぬかし、この辺から、微妙におかしなところを歩いたようだ。踏み跡を見失い、しばらく迷う。トラロープが張り巡らされた箇所を下る。そのトラロープすら、2か所あったと思ったが、1か所しか通過していない。ようやくコースに復帰したと思ったが、どうも、知らないうちに897mに着いてしまったようだ。化星の宿はどこに行ってしまったの?一昨年は銭澤不動から上がって来たから、すんなりと見届け出来たが、今回はおかしなところを通って下ってしまい見逃してしまった。誠に残念だが、戻って探し回るのも面倒。そろそろ疲労も出てきている。両足に痙攣の兆候が現れてきた。秘薬を飲む。
(869m。人為的な窪みにも見える)
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迷うことなく869mに到着。松立山の山名板はない。しばらく休む。右手にイノシシ尾根が下っている。ここから見る限り、確かに植林の中の急斜面だ。黄赤の標識には「市役所北東へ」とメモ書きされていた。また、「P897」とも記されていたので、鉛筆で「869」と書き直した。何気なく携帯を見た。流行に合わせてスマホに機種変したのはいいが、これが大失敗。充電が丸一日持たない。どう省エネのセッティングをしようがバッテリーの消耗は最悪。こんな代物を山には持って歩けないので、致し方なく、機種代0円、最低料金のプランで携帯を改めて買うはめになった。今も、スマホは車の中で放電し続けているだろう。さて、兄から着信があったようで、かけてみると、母親が腰を痛めて救急車で運ばれたらしい。両親は高齢ゆえ、2週間に1度は様子を見に行き、買い物に連れていく。今日も山から下りたら小山の実家に立ち寄るつもりでいたが、救急車とはおだやかじゃない。打撲ということで、家に帰されたらしいが、気はあせる。今年に入ってから、ジイサンも救急車を呼んでいるから、夫婦して、119番には「お世話様です」状態だ。ボケがまだ出てないだけマシとも言える。職場の同僚は、家に帰ったら、ジイサンがテレビを上下逆さにして見ていたし、バアサンは夜中の徘徊だとぼやいていた。
(鉄塔)
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(鉄塔からの眺め)
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(金谷ホテル尾根は荒れている)
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(裏の駐車場に下りる)
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(狛犬と大魔神)
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(ご神体は商売繁盛)
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金谷ホテルを目指し、直進した。何と崖になっている。こりゃ下れない。869mにまた戻る。周囲を見渡すと、左側に巻いた感じの踏み跡が続いている。なるほど、ここを下ればいいのか。じきに鉄塔にたどり着いた。日光連山、日光市内が丸見えだ。休みたいが、暑くてどうしようもない。日陰がない。尾根をそのまま下る。金谷ホテルの裏側はあまり歩く人もいないのか、雑然とした尾根で、倒木も放置され、荒れている。どんどん下ると、ホテル裏の駐車場が見えた。おそるおそる駐車場に下り立つ。ホテルの敷地内を歩くわけだから、目立たないように、鈴も外す。薄汚れた顔をさらすわけにもいかず、帽子もかぶる。本日はゴム長スタイルではない。駐車場は従業員用の駐車場のようで、地元ナンバーの普通の車や軽がほとんど。ホテルの方に行くと、右手に「大黒山散策路」の案内板があった。どうしようか迷ったが、入ってみた。狛犬と大魔神のような2mは超える石像があった。これだけ見てさっさと引き返せばいいのに、欲を出して、上に向かった。身体は相当にいかれている。こんなハイキングコースでも、本日三番目のしんどさだった。山頂には鳥居があり、石祠が祭られている。扉を開けると、大黒さんが俵に乗って小槌を振っていた。前にはさい銭の小銭がザクザク。石祠の裏には、明治三十六年と刻まれ、奉納者は金谷某氏。つまり、ここのホテルのオーナー一族らしい。ということは、この大黒山の神社は修験道とはおよそ縁のない、個人の所有ということか。帰ってから調べると、何ということはない。大黒山には、金谷ホテルの商売繁盛を祈願するための神社があっただけのことだ。
(ホテル入口付近にはこんなのが)
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(磐裂神社)
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(神社の石像)
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何食わぬ顔をして、ホテルの正面に出て星の宿跡・磐裂神社を見学し、神橋を見下ろす。さてここからの帰路が長い。3kmと踏んでいたが、後で調べると、駐車地までは4.6kmもあった。見舞いに、バアサンに羊羹ぐらい食べさせてやろうと、先日、立ち寄った羊羹屋に寄って水羊羹を買う。後は、流しのタクシーを拾うつもりでいたが、空車のタクシーを見つけることはできなかった。駅まで行けばあるだろうが、その駅もまた遠い。どうせなら、そのまま歩いてしまった方がいい。ここで、改めて自転車の威力を痛感するが、自分には、足尾のかじか荘から舟石峠までの上り道を、自転車に乗らずに押して行ったという前歴がある。自転車押しは無理な姿勢にもなり、意外にも余計な体力を使うものだ。以来、自転車導入はとんとご無沙汰だ。この、駐車地への戻りもまた、有料道路の上を通過した辺りから上り坂になっていた。自分には、自転車再発見といったことはないだろうな。しかし、今、考えてみれば、前歴の際は、目的地が銅親水公園だったわけだから、何も舟石峠経由にせずとも、町に下って迂回して行けば良かっただけのことではあるが。
(ようやく帰り着いた)
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駐車地にようやく到着。今日は何だか、えらい歩きをしてしまったという思いだけが残るクタクタコースであった。光岳や聖岳の日帰り歩きを敢行した時も、これほどの疲労感はなかったような気がする。フィニッシュの車道歩きがかなり効いている。足裏がめちゃくちゃ痛い。
(本日の軌跡)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図メッシュ(標高)を使用した」(承認番号 平23情使、 第832号)
おかげさまで刺激の有り過ぎる歩きを体験させていただきました。しばらくは、もっと地味なコースを歩くことにいたします。ツツジが少しばかり盛りのところもあって、気は休まりましたよ。
おっしゃる通り、恥ずかしながらGPS頼みでした。迷ったあたりでは、もはや、GPSを手に持って歩いておりました。どうしようもない話ですが、地形図が読めないのではどうしようもありません。
さて、ニッピンのザックですか。次の購入の際には参考にさせていただきます。背中の汗だまりは、不快でどうしようもありませんよ。
実は、以前、職場のすぐ側にニッピンの店舗があって、昼休みには時間があれば、店に入ってブラブラしていたのですが、今はなくなり、カモシカだけが残っています。たまに昼休みに行くことはありますが、どうもカモシカブランドは趣味に合わず、めったに買うこともありませんね。
自分も頂上の出てきたら、なんだこの人みたいな感じになって、「あっちはいけるの?、いや行けないヨ」なんてやり取りが聞こえたりして、なんだか居づらくなってしまったりします。今回のように聞いてくれて、答えてキョトンのようがまだいいですよ。様子がまるで目に浮かぶようでした。でも飛び出し、お互い鹿でよかったですね(笑)
高平山参考になりましたです。
あらぬ方向から歩いて来て、周囲の方々の反応の仕方も様々ですよね。
普通ではない方向から歩いて来た自分に、すでに山頂で休んでいたオッサンが不審になったのか、地図を広げて確認しはじめた。当然、実線も破線もない。そういう時は、直に聞いてくれないかな、丁寧に教えてやるのにと期待しながらも聞いてくれない。そういう心残りの状況になる場合もありますよね。
高平山に行く際には、周辺の山をハシゴで歩いた方がよろしいかと。決して、今回のような遠征コースはお薦めいたしません。
892Pからの下りは北のほうに引き込まれませんでしたか。下るべき所には変な岩みたいのがあったような記憶がありますが。
神ノ主山へ向かわない所がいいですね。
もしかして、野球親爺さんもこのコースを歩かれたことあるのですか?鳴虫山に難しく向かうコースですから、あるいはと思ったりもしたのですが、やはり。
ご指摘の892Pの部分ですが、確かに下りに岩がありました。でも、あそこで迷った記憶はないですよ。ぼんやり歩いていたので、そのまま正解ルートを行けたのでしょう。目を皿にして歩いていたら、間違っていたかもしれませんが。
神ノ主山ルートは、何十年か前に歩いたことはあったので、未踏のコースを優先してしまいました。
3年前の2月に歩きました。烏が森の住人さんの後追いでした。ハンターがいて怖かったです。
山頂には絵を描いている人が一人だけいて無視されました。
今回のルートは地形図を見ているだけで何カ所も間違えやすい箇所が見受けられますが、自分にはコンパスだけでは無理そうで、GPSと首っ引きになりそうです。
金谷ホテルは以前にぶなじろうさんの記事で伏せ目がちで敷地内を通過すると有ったのを良く覚えておりまして、やはり気が引けるのでしょうね。
戻りが大変でしたが充分にルーファンも楽しまれたようですし藪歩きの面での充足度としては充分満足されたのでは。
たそがれさんをしてGPS頼りとなると、とても近寄れるような所ではなさそうです。
大黒山は往路を戻られたのでしょうか?
そのまま道なりに進むと金谷ホテル裏庭のプールに出たはずです。かなりの緊迫感で金谷ホテルを縦貫する事になります。尤も、プール前から右手の藪を進めば「空海自刻の~」御堂に出られますが。