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◎2019年1月12日(土)
姫百合駐車場(8:48)……荒山高原(9:18~9:23)……荒山(10:13)……ひさし岩(10:26~10:37)……荒山高原(11:12)……鍋割山(11:45~12:08)……荒山高原(12:39)……駐車場(13:06)
赤城山も下から眺めていると不思議なもので、全山真っ白になったかと思うと翌日には真っ黒になっていたりする。今季に入って、それが数回続いた。ただ、黒檜山だけはベース色が白で、それが薄くなったり濃くなったりだ。概ね、昨年に比べると赤城山の積雪は少ないようだ。
そろそろスノーハイクをしてみたいが、雪がなければ意味がない。赤城山歩きは年初の恒例でもあるし、雪が少なければ、それなりの楽しみ方もある。まったくないということはあるまい。確実に雪のある黒檜山にしておけばいいものの、カーブ坂の雪道の運転には自信がない。手前の荒山、鍋割山で茶を濁すことにしようと出かけた。
(上武国道から赤城山)
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(姫百合駐車場)
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上武国道から眺める赤城の連山は、白が薄くなっている黒檜山を除けば、他の山は黒い。黒檜山に変更しようかと思ったが、姫百合駐車場にさしかかると、駐車場そのものに積雪はないが、周囲は白くなっている。これを見て、結局、所期の予定通りに荒山、鍋割山にすることにした。駐車場には10台もない。おそらく、雪目当てで来て、黒檜山に変更するハイカーもいるのだろう。雪があればそれで十分だ。足のこと以外の運転で神経をすり減らしたくもない。
トイレに寄り、スパ長に履き替えて出発。風はなく、上もこうだとありがたい。この長靴だが、先日まで履けなかった。というか、何とか履けはするが、脱ぐのに労力が要った。というのも、足首の腫れはなかなか引かず、厚い靴下やらレッグウォーマーを付ければ、さらに分厚くなる。まして甲の部分も腫れていた。ここのところようやく元に戻りつつあり、甲にも血管が浮き出てきている。革の登山靴と軽アイゼンも持参はしていたが、雪は少ないようだし、スパ長で十分だろう。
余計なことだが、今日の下着は上下ともヒートテックであるが、下はそれよりも厚いエクストラ、上はさらに厚いウルトラなるものを着ている。山グッズ店で何千円もするインナーを求めるのに比べたら、この時期のチョイ歩きには手ごろな値段だろう。
(いつもよりも雪が少ないなといった感じだったが)
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(やがてこうなった)
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やはり雪は少ない。出始めはさほどに感じなかったが、植林に入ると地肌が出ている。これでは上も期待はできまい。先行の二人連れをかわす。どうも親子のようだが(後で、オトウサンと呼んでいるのを聞いた)、娘の方が足を引っ張っている感じだ。こちらとて、今年に入ってからはまだ地元の金山しか登っていない。かなり息が上がる。金山ハイクにはオチがある。「北山コース」なる、知らないハイキングコースを登るつもりでいたら、何ということはない。いつもヤブから入り込んで出くわしているハイキングコースだった。
(こんなに石ゴロだったっけ? まばらな雪のせいで余計にそう見える)
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(荒山高原。無風)
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荒山風穴をちらりと覗く。寒暖計が上下に2個あり、それぞれが-5℃、-3℃となっている。点在する大きなゴロゴロ石も雪に隠れず、見慣れた記憶よりも多いような気がする。今回は地図も持たない変哲のないコース歩きだし、過去にも何度も記事にしているからダラダラと記すことはやめよう。
荒山高原に到着。ここの寒暖計は-3℃。出発から30分はコースタイムの40分からして上出来だ。ここで5分ほど休憩する。すでに汗だくになっていて、毛糸の帽子には汗がにじみ、身体もぐっしょり感がある。レッグウォーマーを脱ぎたいが、これだけは我慢。ウィンドブレーカーを脱いだだけ。上の下着をせめてエクストラにしておけばよかったか。いつもなら吹きさらしで雪煙を上げている荒山高原の風景はない。風もないのどかな高原だ。
(枝に雪はない)
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(こんな光景も出てくる)
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昨年はここから鍋割山を先行させたが、今回は荒山を先行する。特に意味はないが、いつも鍋割山に行く途中で嫌な思いをする泥濘エリアは、積雪がこの程度では今日も避けられまい。嫌なことは後回しだ。先ほどの親子が上がって来た。ストックを出して荒山に向かう。
雪上に迷いようのないトレースがあるというのも気にいらないが、雪が少ないのではあまり多くの期待は持たない方が無難だろう。スノーハイクには程遠いが、少しの初雪があった後のハイキングと思えば少しは救われる。そして、黒檜山にしても、ここよりも少しは雪が多いレベルと思えばいい。
(鍋割山方面。これを見て、鍋割山には行かなくともいいかと思った)
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振り返る鍋割山方面の雪は筋状だ。その大方は茶色。こちらとて同じようなもので、登山道にかろうじて雪はあるが、周囲の樹々に雪のかぶりは見あたらない。つまり、上からドサッと雪が落ちてくる楽しみがないということだ。あればあったで、首にまで雪が入り込んでうっとうしいものだが。
(雪があるのは標高分でしょう)
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(山頂が近づいて、幾分満足な気分にはなる)
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(荒山山頂。こうなると、雪が少なくとも吹雪いていたら変化もあっただろうに)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/52/2fcff3506861969641727c571cf5acbb.jpg)
荒山の山頂に至るまで、4人のハイカーに出会った。共通事項が3つある。①みんなオジサンの単独 ②下山使用 ③4人ともにスパ長を履いていたというところ。②は自分の感覚では荒山のピストンではつまらないだろうから、自分とは逆に荒山高原から反時計回りコースかと想定できる。①と③には、自分も同類で敢えてのコメントはない。ただ、4人ともに、失礼ながら、ホームセンターやワークマンで入手できるスパ長ではあった。それに比べたら自分のは少しは高級品だ(笑)。
山頂にはだれもいなかった。タバコを吸うにしても、荒山高原から上がって来た分、気温が下がっているせいか(ここにも寒暖計があったが確認しなかった)、鼻に吸い込む空気は冷たく、ずっと咳き込んでいて吸う気にもなれない。北側の景色は撮ったが、考えてみれば、ここよりも下りで寄るひさし岩からの展望が良いに決まっている。あそこで休もう。ここで小用を足したかったが、最中に突然下から登って来た女性がいて気まずい思いをしたことがある。メガネをサングラスにして下る。
(荒山から下る)
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(ひさし岩)
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(ひさし岩から1)
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(ひさし岩から2)
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ひさし岩に出た。まずは小用。事後に雪をかぶせて痕跡を消す。こんな時にふと思う。女性で落とし紙を持ち帰る人はどれくらいいるのだろう。まして一帯は白で、捨てても同化する。やがては自然に帰るだろうが、大方は山のゴミにしてしまうのではないのか。ようやく一服。さらに咳き込んだ。無理して一本吸う。そして菓子パンを半分食べて水補給。ここで改めて景色を眺める。
いつも、ここからの景色は大したものではないと思っている。視界の右半分は関東平野に臨んだ低山が続き、左に赤城の主峰群。間近の地蔵岳から駒ヶ岳、黒檜山にかけては白いが、地蔵岳あたりの主なる色は茶系だ。黒檜山もまた雪深いようには見えない。あれでは、黒保根の方から、トレースなしでもさして苦もなく登れそうだ。少なくとも今日時点ではそんな感想を持った。連山が下から黒く見えているのもうなずける。関東平野はどんよりとして遠望がきかない。
(休憩舎)
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(ふれあい道もこんなもの)
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(芝の広場)
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下る。次第に雪は薄くなっていく。休憩舎で休む気にはならない。まだ鍋割山が残っている。一年前はもう帰るだけだったから、ここでカップラーメンを食べた気がする。案内図看板を見て気づいた。ここで小沼の方から軽井沢峠を経由して来る道に合流するが、その道がふれあい道になっていて、この先に続く。確かに先で道標を見かけた。これまで敢えて意識もしなかったが、こんなところにもふれあい道があったのか。
だらだらと下って荒山高原に到着。ここでちょっと驚いた。例の親子がくつろいでいる。おそらく鍋割山からの下山だろうが、随分とゆっくりしていたものだ。
(鍋割山への登り)
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この先、鍋割山に向かう途中で数人のハイカーに出会う。大方は登山靴に軽アイゼン、もしくはチェーンスパイク系を巻いているが、スパ長もいて、これは、荒山に登る途中で出会ったオジサンだった。向こうは気づいていないようだが、こちらは足で覚えている。四人四色のスパ長を履いていたし。
ここの登りは、時節柄となれば、左右の灌木の枝に雪が付いているのが魅力であったが、今日は、それがまったくない。せっかく来てこれでは何とも残念だ。それを見るのが楽しみでもあった。黙々と歩くしかないのも、自分勝手なだまされ気分だ。
(登山道もぐちゃぐちゃしだした)
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(振り返って)
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上がるに連れて、登山道が泥状になってくる。元から少ない雪は、自分のような積雪を期待して登って来るたくさんのハイカーに踏まれ続けて融けては泥になる。気温も今日あたりは低くもないし陽が出ている。凍ることはない。こういう時は長靴で良かったと思う。帰ってから水道で流せば済む。登山靴では要らぬことに気を遣う。
とうとう泥濘になった。右手の上越の山々はうらやましいほどに真っ白だ。展望板もあるので、それに合わせて一々確認する。目を引くのが谷川岳、白毛門、仙ノ倉だ。今の自分には別世界だなとため息をつく。せいぜい救いは、上州武尊を半分隠してくれている鈴ヶ岳の存在だ。あの茶色は、こことさして違いはあるまい。ここだけじゃないんだと。
泥濘を歩いて登ると火起山。鍋割山まで1.03kmの標識。もう消化試合と思えばいいが、つい、上越方面に目が向いてしまう。振り返る荒山やら地蔵岳も、むしろ展望をさえぎるその辺の山にしか見えない。
(この岩も普段なら真っ白だ)
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ここからの泥濘がひどいはずだが、予想に反して意外と固まっていた。そんなに持ちはしまい。竈山通過。ハイカーが何人か下りて来る。また荒山で出会ったオジサンが一人。
(鍋割山山頂)
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(一応、自分の趣向で)
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(南側はどんより)
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山頂には6人ほどいた。4人グループと2人連れ。風もないのでのんびりできそうだが、4人グループのオッサンたちが大声で農薬の話を長々としている。ちょうど2人連れが下山にかかったのでその離れたところに移動する。
食事をして一服。それを見てほっとしたのか、4人組の一人がタバコを吸い始めた。どんより天気になってきた。風はないまま。遠望はきかず、浅間山もかろうじて見える。下はせいぜい前橋と高崎くらいだろうか。今年はまだ富士山を見ていない。金山に登った際も、スカイツリーは見えたが富士山は隠れていた。
(鈴ヶ岳と上州武尊)
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(対照的な上越の峰々1。本日の収穫はこれだけだったかも)
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(同じくその2)
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(荒山高原。本日三度目の通過)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/d9/f59dd6723d3ee267ccc83cf070b9fac6.jpg)
食べて、吸って、熱いコーヒーも飲んでやることはやった。下山するか。今日はハイカーが少ないのか、その間に登って来たのは一人だけ。竈山の先でまた上越の山々をしげしげと眺め、後は途中で休みもせずに下る。荒山風穴の寒暖計は二つともに0℃を指していた。
(こんなのを雪の風景として撮ってもなぁとは思っても、撮るものがない)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/73/5f590dbf3d333d3a4d3b82318bc9c5d4.jpg)
まだ登って来る方が数人。駐車場が間もなくというところで単独のオジサンにつかまった。長靴のことをやたらと聞かれる。歩き具合はいかがなものか。ホームセンターで買ったのか等々。長靴に対して否定的なお考えがあるのか、何十年も前、北鎌尾根をスパ長で登り、滑落死した人がいたと言い出した。どう考えても、四季を問わず長靴で北鎌尾根は無理な話かと思うが、帰ってから調べると、ネットでこのニュースは探し出せず、ブログのコメントじみたところに、「長靴で北鎌尾根を登り、槍穂直下で滑落した人がいた」というのを見つけただけで、詳細なものではなかった。
(フィニッシュ)
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姫百合駐車場に戻りつく。車は増えてもいない。左の長靴がすんなりと脱げるか気になったが、手こずることもなく脱げた。足からは湯気が出ていた。
スノーハイクを楽しみで手軽な赤城山にやって来たが、雪は期待薄の予想未満のものだった。消化不良次元のレベルでもなく、ただの歩きで終わり、何も残るものがない歩きだった。こんなのは不貞腐れ歩きに近いだろう。情報収集の不足に原因があるにしても、この時期は、一晩で真っ白になったとしても不思議ではないからねぇ。
姫百合駐車場(8:48)……荒山高原(9:18~9:23)……荒山(10:13)……ひさし岩(10:26~10:37)……荒山高原(11:12)……鍋割山(11:45~12:08)……荒山高原(12:39)……駐車場(13:06)
赤城山も下から眺めていると不思議なもので、全山真っ白になったかと思うと翌日には真っ黒になっていたりする。今季に入って、それが数回続いた。ただ、黒檜山だけはベース色が白で、それが薄くなったり濃くなったりだ。概ね、昨年に比べると赤城山の積雪は少ないようだ。
そろそろスノーハイクをしてみたいが、雪がなければ意味がない。赤城山歩きは年初の恒例でもあるし、雪が少なければ、それなりの楽しみ方もある。まったくないということはあるまい。確実に雪のある黒檜山にしておけばいいものの、カーブ坂の雪道の運転には自信がない。手前の荒山、鍋割山で茶を濁すことにしようと出かけた。
(上武国道から赤城山)
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(姫百合駐車場)
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上武国道から眺める赤城の連山は、白が薄くなっている黒檜山を除けば、他の山は黒い。黒檜山に変更しようかと思ったが、姫百合駐車場にさしかかると、駐車場そのものに積雪はないが、周囲は白くなっている。これを見て、結局、所期の予定通りに荒山、鍋割山にすることにした。駐車場には10台もない。おそらく、雪目当てで来て、黒檜山に変更するハイカーもいるのだろう。雪があればそれで十分だ。足のこと以外の運転で神経をすり減らしたくもない。
トイレに寄り、スパ長に履き替えて出発。風はなく、上もこうだとありがたい。この長靴だが、先日まで履けなかった。というか、何とか履けはするが、脱ぐのに労力が要った。というのも、足首の腫れはなかなか引かず、厚い靴下やらレッグウォーマーを付ければ、さらに分厚くなる。まして甲の部分も腫れていた。ここのところようやく元に戻りつつあり、甲にも血管が浮き出てきている。革の登山靴と軽アイゼンも持参はしていたが、雪は少ないようだし、スパ長で十分だろう。
余計なことだが、今日の下着は上下ともヒートテックであるが、下はそれよりも厚いエクストラ、上はさらに厚いウルトラなるものを着ている。山グッズ店で何千円もするインナーを求めるのに比べたら、この時期のチョイ歩きには手ごろな値段だろう。
(いつもよりも雪が少ないなといった感じだったが)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/3e/69395bf0c98089d3c2afbb5c87c7d452.jpg)
(やがてこうなった)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/db/0504f786a726f8fe9a801da01582d862.jpg)
やはり雪は少ない。出始めはさほどに感じなかったが、植林に入ると地肌が出ている。これでは上も期待はできまい。先行の二人連れをかわす。どうも親子のようだが(後で、オトウサンと呼んでいるのを聞いた)、娘の方が足を引っ張っている感じだ。こちらとて、今年に入ってからはまだ地元の金山しか登っていない。かなり息が上がる。金山ハイクにはオチがある。「北山コース」なる、知らないハイキングコースを登るつもりでいたら、何ということはない。いつもヤブから入り込んで出くわしているハイキングコースだった。
(こんなに石ゴロだったっけ? まばらな雪のせいで余計にそう見える)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/46/b4f1e3bfbce3fe9253b58317db08b4fd.jpg)
(荒山高原。無風)
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荒山風穴をちらりと覗く。寒暖計が上下に2個あり、それぞれが-5℃、-3℃となっている。点在する大きなゴロゴロ石も雪に隠れず、見慣れた記憶よりも多いような気がする。今回は地図も持たない変哲のないコース歩きだし、過去にも何度も記事にしているからダラダラと記すことはやめよう。
荒山高原に到着。ここの寒暖計は-3℃。出発から30分はコースタイムの40分からして上出来だ。ここで5分ほど休憩する。すでに汗だくになっていて、毛糸の帽子には汗がにじみ、身体もぐっしょり感がある。レッグウォーマーを脱ぎたいが、これだけは我慢。ウィンドブレーカーを脱いだだけ。上の下着をせめてエクストラにしておけばよかったか。いつもなら吹きさらしで雪煙を上げている荒山高原の風景はない。風もないのどかな高原だ。
(枝に雪はない)
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(こんな光景も出てくる)
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昨年はここから鍋割山を先行させたが、今回は荒山を先行する。特に意味はないが、いつも鍋割山に行く途中で嫌な思いをする泥濘エリアは、積雪がこの程度では今日も避けられまい。嫌なことは後回しだ。先ほどの親子が上がって来た。ストックを出して荒山に向かう。
雪上に迷いようのないトレースがあるというのも気にいらないが、雪が少ないのではあまり多くの期待は持たない方が無難だろう。スノーハイクには程遠いが、少しの初雪があった後のハイキングと思えば少しは救われる。そして、黒檜山にしても、ここよりも少しは雪が多いレベルと思えばいい。
(鍋割山方面。これを見て、鍋割山には行かなくともいいかと思った)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/34/21abf62038bb3b1894190c164143235f.jpg)
振り返る鍋割山方面の雪は筋状だ。その大方は茶色。こちらとて同じようなもので、登山道にかろうじて雪はあるが、周囲の樹々に雪のかぶりは見あたらない。つまり、上からドサッと雪が落ちてくる楽しみがないということだ。あればあったで、首にまで雪が入り込んでうっとうしいものだが。
(雪があるのは標高分でしょう)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/47/b94937866fcfa73d345fa7be13edb431.jpg)
(山頂が近づいて、幾分満足な気分にはなる)
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(荒山山頂。こうなると、雪が少なくとも吹雪いていたら変化もあっただろうに)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/52/2fcff3506861969641727c571cf5acbb.jpg)
荒山の山頂に至るまで、4人のハイカーに出会った。共通事項が3つある。①みんなオジサンの単独 ②下山使用 ③4人ともにスパ長を履いていたというところ。②は自分の感覚では荒山のピストンではつまらないだろうから、自分とは逆に荒山高原から反時計回りコースかと想定できる。①と③には、自分も同類で敢えてのコメントはない。ただ、4人ともに、失礼ながら、ホームセンターやワークマンで入手できるスパ長ではあった。それに比べたら自分のは少しは高級品だ(笑)。
山頂にはだれもいなかった。タバコを吸うにしても、荒山高原から上がって来た分、気温が下がっているせいか(ここにも寒暖計があったが確認しなかった)、鼻に吸い込む空気は冷たく、ずっと咳き込んでいて吸う気にもなれない。北側の景色は撮ったが、考えてみれば、ここよりも下りで寄るひさし岩からの展望が良いに決まっている。あそこで休もう。ここで小用を足したかったが、最中に突然下から登って来た女性がいて気まずい思いをしたことがある。メガネをサングラスにして下る。
(荒山から下る)
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(ひさし岩)
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(ひさし岩から1)
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(ひさし岩から2)
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ひさし岩に出た。まずは小用。事後に雪をかぶせて痕跡を消す。こんな時にふと思う。女性で落とし紙を持ち帰る人はどれくらいいるのだろう。まして一帯は白で、捨てても同化する。やがては自然に帰るだろうが、大方は山のゴミにしてしまうのではないのか。ようやく一服。さらに咳き込んだ。無理して一本吸う。そして菓子パンを半分食べて水補給。ここで改めて景色を眺める。
いつも、ここからの景色は大したものではないと思っている。視界の右半分は関東平野に臨んだ低山が続き、左に赤城の主峰群。間近の地蔵岳から駒ヶ岳、黒檜山にかけては白いが、地蔵岳あたりの主なる色は茶系だ。黒檜山もまた雪深いようには見えない。あれでは、黒保根の方から、トレースなしでもさして苦もなく登れそうだ。少なくとも今日時点ではそんな感想を持った。連山が下から黒く見えているのもうなずける。関東平野はどんよりとして遠望がきかない。
(休憩舎)
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(ふれあい道もこんなもの)
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(芝の広場)
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下る。次第に雪は薄くなっていく。休憩舎で休む気にはならない。まだ鍋割山が残っている。一年前はもう帰るだけだったから、ここでカップラーメンを食べた気がする。案内図看板を見て気づいた。ここで小沼の方から軽井沢峠を経由して来る道に合流するが、その道がふれあい道になっていて、この先に続く。確かに先で道標を見かけた。これまで敢えて意識もしなかったが、こんなところにもふれあい道があったのか。
だらだらと下って荒山高原に到着。ここでちょっと驚いた。例の親子がくつろいでいる。おそらく鍋割山からの下山だろうが、随分とゆっくりしていたものだ。
(鍋割山への登り)
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この先、鍋割山に向かう途中で数人のハイカーに出会う。大方は登山靴に軽アイゼン、もしくはチェーンスパイク系を巻いているが、スパ長もいて、これは、荒山に登る途中で出会ったオジサンだった。向こうは気づいていないようだが、こちらは足で覚えている。四人四色のスパ長を履いていたし。
ここの登りは、時節柄となれば、左右の灌木の枝に雪が付いているのが魅力であったが、今日は、それがまったくない。せっかく来てこれでは何とも残念だ。それを見るのが楽しみでもあった。黙々と歩くしかないのも、自分勝手なだまされ気分だ。
(登山道もぐちゃぐちゃしだした)
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(振り返って)
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上がるに連れて、登山道が泥状になってくる。元から少ない雪は、自分のような積雪を期待して登って来るたくさんのハイカーに踏まれ続けて融けては泥になる。気温も今日あたりは低くもないし陽が出ている。凍ることはない。こういう時は長靴で良かったと思う。帰ってから水道で流せば済む。登山靴では要らぬことに気を遣う。
とうとう泥濘になった。右手の上越の山々はうらやましいほどに真っ白だ。展望板もあるので、それに合わせて一々確認する。目を引くのが谷川岳、白毛門、仙ノ倉だ。今の自分には別世界だなとため息をつく。せいぜい救いは、上州武尊を半分隠してくれている鈴ヶ岳の存在だ。あの茶色は、こことさして違いはあるまい。ここだけじゃないんだと。
泥濘を歩いて登ると火起山。鍋割山まで1.03kmの標識。もう消化試合と思えばいいが、つい、上越方面に目が向いてしまう。振り返る荒山やら地蔵岳も、むしろ展望をさえぎるその辺の山にしか見えない。
(この岩も普段なら真っ白だ)
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ここからの泥濘がひどいはずだが、予想に反して意外と固まっていた。そんなに持ちはしまい。竈山通過。ハイカーが何人か下りて来る。また荒山で出会ったオジサンが一人。
(鍋割山山頂)
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(一応、自分の趣向で)
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(南側はどんより)
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山頂には6人ほどいた。4人グループと2人連れ。風もないのでのんびりできそうだが、4人グループのオッサンたちが大声で農薬の話を長々としている。ちょうど2人連れが下山にかかったのでその離れたところに移動する。
食事をして一服。それを見てほっとしたのか、4人組の一人がタバコを吸い始めた。どんより天気になってきた。風はないまま。遠望はきかず、浅間山もかろうじて見える。下はせいぜい前橋と高崎くらいだろうか。今年はまだ富士山を見ていない。金山に登った際も、スカイツリーは見えたが富士山は隠れていた。
(鈴ヶ岳と上州武尊)
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(対照的な上越の峰々1。本日の収穫はこれだけだったかも)
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(同じくその2)
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(荒山高原。本日三度目の通過)
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食べて、吸って、熱いコーヒーも飲んでやることはやった。下山するか。今日はハイカーが少ないのか、その間に登って来たのは一人だけ。竈山の先でまた上越の山々をしげしげと眺め、後は途中で休みもせずに下る。荒山風穴の寒暖計は二つともに0℃を指していた。
(こんなのを雪の風景として撮ってもなぁとは思っても、撮るものがない)
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まだ登って来る方が数人。駐車場が間もなくというところで単独のオジサンにつかまった。長靴のことをやたらと聞かれる。歩き具合はいかがなものか。ホームセンターで買ったのか等々。長靴に対して否定的なお考えがあるのか、何十年も前、北鎌尾根をスパ長で登り、滑落死した人がいたと言い出した。どう考えても、四季を問わず長靴で北鎌尾根は無理な話かと思うが、帰ってから調べると、ネットでこのニュースは探し出せず、ブログのコメントじみたところに、「長靴で北鎌尾根を登り、槍穂直下で滑落した人がいた」というのを見つけただけで、詳細なものではなかった。
(フィニッシュ)
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姫百合駐車場に戻りつく。車は増えてもいない。左の長靴がすんなりと脱げるか気になったが、手こずることもなく脱げた。足からは湯気が出ていた。
スノーハイクを楽しみで手軽な赤城山にやって来たが、雪は期待薄の予想未満のものだった。消化不良次元のレベルでもなく、ただの歩きで終わり、何も残るものがない歩きだった。こんなのは不貞腐れ歩きに近いだろう。情報収集の不足に原因があるにしても、この時期は、一晩で真っ白になったとしても不思議ではないからねぇ。
どこも雪が少ない傾向ですね。例年だとGPV気象予報の雪雲があると、バッチリなんですが思いのほか早く消えてしまうようで。今後、まとまって降らないと残雪時期が早まり難しくなりそうです。こういう雪と土がミックスの時はスパ長がベストですが、よくも揃いましたね。水沢山辺りでは、使用率高かった記憶ですよ。
近場でスノーハイクを楽しもうという発想自体に無理があるわけですよ。寒い中をそんなに遠くまで出かけたくない。手軽に赤城山といった考えでは、今季は無理な話でしょう。発想の転換をしないとねぇ。
スパ長の件ですが、荒山に登りながら、みー猫さんの水沢山記事を思い出しましたよ。やはり、地元の方はスパ長でしょうが、荒山に関しては自分を含めた5人全員がスパ長だったのに、鍋割山は荒山組以外は登山靴でした。ということは、わざわざ荒山まで行くのは地元の方ばかりといったところなのでしょうか。
自分は,翌日ですが,鈴ヶ岳から五輪尾根の薬師岳でした。
やはり,鈴ヶ岳に向かう途中,同じように4組と行き交いましたが,みんな登山靴にアイゼンでしたヨ。
自分も,登山靴を忘れて,長靴で雪の地蔵岳に登ったことはありますが,黒檜にしても地蔵にしても,(自分以外)長靴ハイカーを見た記憶は無いなぁ。
ただ,鈴ヶ岳の場合は,標高的に荒山の方が高いから,長靴ハイカーがいてもおかしくは無いでしょうケドね。
ちなみに,鈴ヶ岳の雪は,荒山と似たようなモノでした。薬師岳の方が,北に有って日当たりが悪い分,幾らか多かったですが,其れでも大したことは無かったですヨ。
ところで長七郎山,失礼ながら画像は,その鈴ヶ岳ではないかと。長七郎山は地蔵岳の東側ですからネ。
ご指摘ありがとうございます。何の気なく長七郎山としてしまいましたが、鈴ヶ岳の誤りです。訂正しておきました。
瀑泉さんの翌日の記事は拝見いたしましたが、赤城山は全体的にがっかりするような積雪量ですね。黒檜山とて、せいぜい登山道に地肌が出ていないレベルではないでしょうか。
長靴については、昨年もスパ長で歩いたのですが、確かにみー猫さんではないですが、荒山で見かけたハイカーがいずれもスパ長だったものですから、やけに今日は多いなと思ったものです。登山靴にチェーンスパイクという方もいましたが、あれでは、いくら雪が少なくとも、泥濘では泥んこになるし、雪が続くところではコブもできるし、ちょっとどうかなとは思いましたよ。